KEIKOさんも患う『高次脳機能障害』 介護する娘の言葉が考えさせられる
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- 出典
- @mei_peacock






2018年1月19日に引退を表明した、音楽プロデューサーの小室哲哉さん。
小室さんは7年間、高次脳機能障害になった妻・KEIKOさんの介護をし、心身ともに疲れ切っていたと明かしました。
【高次脳機能障害】
頭部外傷や脳卒中、脳血管障害といった脳の損傷の後遺症として起こる病気。
一般的に失語失認、記憶障害、注意障害、社会的行動障害といった症状が現れる。
また、外見に症状が現れず、本人に病気の自覚がないことも多いため、周囲の人が気付くまで発覚しないパターンも。
会話がかみ合わなくなったり、言動が幼くなったり、性格が荒々しくなったりするため、周囲から「人が変わった」といわれることが多い高次脳機能障害。
日に日にコミュニケーションがとれなくなっていった妻について、小室さんは「妻が女の子になった」と話しました。
高次脳機能障害は「見えない障害」とも呼ばれることがあります。骨折のようにレントゲンで見えるわけでも、車いすのように外見で分かるわけでもないため、周囲から症状が理解されにくいという側面があるのです。
高次脳機能障害の母を介護する女性のうったえ
「多くの人に『高次脳機能障害』について知ってほしい」
Twitterで呼びかけたのは、高次脳機能障害のお母さんを介護している、娘のmei(@mei_peacock)さん。
毎日つきっきりで在宅介護してる身として、小室さんの気持ちが痛く刺さったといいます。そして、多くの人にこの病気について知ってほしいと思ったそうです。
『会話が成り立たないつらさ』の1つとして、高次脳機能障害のお母さんとの日常会話は、こういったものだと話しました。
娘さん「トイレがキレイだったけど、掃除してくれたの?」
お母さん「お母さんね、トイレする時ペーパー置くの。でね、流すとするーっとキレイになるの」
娘さん「今日、トイレ掃除してくれた?」
お母さん「え?」
娘さん「え?」
お母さん「キレイになってよかったね」
娘さん「うん」
お母さん「うん」
このように、高次脳機能障害の特徴として『ちぐはぐな会話』があると話します。
TVを見て「面白いね、これ」といいたいのに「おいしいね」といってしまったり、暑い日に「寒いね」といったり…といったことが、お母さんにはあるのだといいます。
本人は正しく伝えているつもりでも、脳の処理の段階で別の言葉に置き換わってしまうため、本人自身がその「ズレ」に気付きにくいのも、この障害の特徴の一つだそうです。
また、meiさんは『高次脳機能障害の人と会話するポイント』として、このように例を挙げています。
「1+1は?」と質問すると、高次脳機能障害の人は聞き間違えて「あいうえお?」と返してくる場合があります。
私たちは『1+1=2』と脳が処理することで、言葉で「1+1=2」ということができますが、高次脳機能障害になると、脳で処理しても言葉で発する時には違う言語になってるのです。
そんな時、私たちは「かきくけこ」と答えてあげるといいです。
相手の言葉を「正しいか・正しくないか」で判断するのではなく、「何を伝えようとしているのか」を読み取ろうとする姿勢が、会話を続けるうえで重要になるようです。
会話中にお母さんの発する『謎の言葉』を耳にすると、meiさんは「どうしてこの言葉になったんだろう」と連想ゲームをし、言葉をくみ取っているのだとか。
多くの人に伝えたいこと
meiさんは高次脳機能障害という病気について、多くの人に向けてこういいました。
『肉体的』の介護よりも、『精神的』の介護がいかに見えないもので、大変か…。
このように、高次脳機能障害の母との会話は毎日がチグハグで、失語症もあるため、飛び飛びのラジオを聞いている感じです。
症状の度合いにもよりますが、母との会話の中身は低学年の小学生程度です。
脳の損傷によって起こる脳性麻痺と違い、見た目には分かりづらい高次脳機能障害ですが、これをきっかけに、高次脳機能障障害を知ってもらえたらと思います。
「精神的な介護」の負担は数値で測れるものではないため、介護者が周囲に助けを求めにくい状況に陥りやすいという側面もあります。meiさんの言葉は、介護者が孤立しないためにも、病気への社会的な理解が必要だということを示しているのではないでしょうか。
高次脳機能障害によって人が変わったお母さんを『いまの母』として受け入れ、介護をしていると話すmeiさん。
「うまく会話できなくても、こうやって毎日笑ってられるだけで幸せかな」と思い、お母さんと暮らしているそうです。
思っているものと異なる言葉を発してしまうため、高次脳機能障害になった本人もつらいことでしょう。
ですが、こうして『いまの自分』を周囲の人たちが受け入れ、病気をしっかりと理解することで、苦しんでいる本人も救われるのではないでしょうか。
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[文・構成/grape編集部]