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Tuesday, 7 June 2016

遅れてきた5月

今回、5月10日~13日の間に行われた行事についてまとめたいと思います。

 金沢大学の超然プロジェクットの一環として、超分子分野を定義したとも言える、フランス人のJean-Pierre Sauvage先生を招待して、4日間ほど先端科学の集中講義が行った。そのおかげで、化学トポロジーとういう分野を知った。決められた化学種の結合距離や結合角を気にせず、構造を伸ばしたり曲げたりすることによって平面構造で表せるか否かが分類される。平面構造で表せない、いわばトポロジー的キラールな化合物の中で最も典型的な例としてカテナンとロタキサンがあげられる。このような化学種は生物のなかに多く存在しており、例えばDNAは二重らせん構造や三葉結び目構造を持ち、ウィルスのエンベロープがチェーンメールのような構造を持ち、強靭な防壁になっているなどがある。そしてこのようなトポロジー的キラールな化学種を勉強することで、新たな化学的性質や機械的機能を持つ分子の開発に繋がる。

 まず、カテナンを合成するに色々な戦略が立てられた。1983年にフェナントロリン配位子を使った銅(Ⅰ)錯体を環化させてカテナンの合成に成功した。そして収率や多様性の向上のために、メタテシスを用いたオレフィン末端の閉環、求電子試薬と求核試薬との酸化還元反応及び疎水効果を利用した環化などが提案された。次に、ロタキサンの合成方について、鎖状の化学種を織物のように環状化合物の中心を通して両端を固定する方法、または環内に遷移金属を配位させ、両端から鎖状の化合物が結合する手法が主に用いられている。

 そして、カテナンとロタキサンの性質が調べられた。カテナンの結び目において、遷移金属の脱着が可能であり、それによって分子全体の構造も変わる。遷移金属が存在するとき分子はしっかりした構造を持ち、遷移金属が抜いたとき分子はたるんだように振る舞う。ロタキサンに電流を流すと環状化合物はシャトルバスのように分子主軸の両端に移動できる。このような性質は今まで勉強してきた化学とあまりにも違い、感心した。カテナンとロタキサンの応用として、決められた方向に回転する回転モーターや軸方向にスライドするような線形モーターが提案された。講演会の最後に、コレステロール液晶膜に回転モーター分子を1%ドーピングしたものに電磁波を当てると薄膜の縞と薄膜の上においてあった透明フィルムが時計回りに回転する動画が見せられ、唖然とした。

 自分の 研究はまだまだ発展途上のため、扱っている対象も分子量の小さい有機化合物ばかりで、Sauvage先生が紹介した分子とほとんど縁がないけれど、10月の2回目の講演に向けて少しでももっと先生の話についていけるようにトポロジー的キラールな化合物について勉強したいと考えている。

こんな感じで終わろうと思います。ではまた来月に。

Monday, 25 April 2016

2016年4月ー生活報告

 久々にブログを更新します。ご無沙汰しております。 

 大学院に上がって早々、4年生の時と違って下に後輩がつくようになり、自分の研究室内での立ち位置が異なったということを実感した。今年はいままでと違って計算パートのメンバーが増え、後輩もちゃんと大学院の推薦を取れたみたいで計算パートは今後も安泰でしょう。そう考えると実に喜ばしい。その反面、実験パートの先輩は来年に出て行かれるそうで、今年の4年生も院に進学する予定もなく、来年は壊滅の危機に陥るかもしれないからちょっと心配。

 普段では、後輩に研究の方向なり学問なり質問され、答えらない時は本当にヒヤヒヤした。ようやく、自分がもっとしっかりして、研究室のモラールを上げないといけないこと、ゼミの時もよりわかりやすくようにレジュメを工夫しておかないといけないのを感じた。その他には大した変更がなく、今まで通り研究に追われる日々が続く。そのスリルもまた気持ち良いが、何よりも生きてることが実感できるのが嬉しい。しかし、今はある問題に引っかかっており、より高度な数学に関する知識が私に要求され、しばらくは勉強することになりそうから、問題を叩くまではもうちょっと時間がかかりそう。とは言っても、8月に分子科学討論会に出る予定なので、6月に予稿を出さないといけないため、モタモタやって場合じゃないだね。

 あと、先日先生から12コアのIntel XEONをもらった。今まで出来なかった計算もあっさり終わりそうで本当にありがたい。だが、外国の某P教授にもらったdeMon2kプログラムはなぜかバッグが発生して、今は問い合わせ中で一部の計算はまだできずに、ちょっと残念。明日にはまだゼミがあるからいまは少し忙しいが、その分だけGWへの楽しみも増える(実際、28日に倶利伽羅不動寺へ八重桜を見に行く予定だが雨が降りそうで計画が流れてしまうかもしれない!オノレ雨の分際で!(冗談です笑))。今年こそ軽井沢に行きたいだね。あと最近、ゼミの準備で忙しくてなかなかジムに行けてなくて体重が増えたことに気づいた。夏の海に備えてちゃんと鍛えないと。

 ダラダラとくだらないことばっかり書いてしまったが、一言でまとめると、いまは絶好調です!(多少花粉に鼻がやられてるが)この調子でやっていきたいと思います。ではまた来月に。

Monday, 28 September 2015

研究業界への第一歩

「どうすればいい研究者になれるのか?」という疑問を自分はいつも抱えており、研究のやり方を少しずつ変えながら答えを模索しようとしてきました。

正直なところ、いろいろと悩んだ挙句に答えが見つからなく、とりあえず任された仕事をやればいいと思っていたのです。

しかし、こうなるとあまりもやる気と根性が沸かなく、これもまた悩ましいところです。

幸いに、遠藤先生のブログに「研究業界への第一歩」という先生から学生へのアドバイスが載せられました。それを自分なりにまとめてここで書き留め、自分への戒めになるといいですね。

研究業界への第一歩➖どのような下地を作り上げるのか?

  • 耐久性…肉体的、精神的
横並びの社会で突出するには「社会のシステムが横並びにしており,出る杭は打たれる」というよりも「打つ価値のある杭にならなければならない」の覚悟が大事のはずです。打たれることがわかっているにも関わらず、杭になることを目指す時点でストレスがかかります。つまりストレスに強いというのは結局は最大の武器です。

その上で情報処理速度が早ければ他者よりも早く成果につながるはずです。

徹底的に耐えるという覚悟を持つことが難しいが、「相対的に優秀」を目指すのではなく「絶対的に優秀」を目指すほかない。


単に自分の理想を遥か上に置けば良いのです。ただ、目標到達までに延々と時間がかかるので、長い期間に渡りストレスが続きます。

ストレスを耐えきれれば勝ち。要は理想への粘り強さが勝負処かもしれません。

多くが「そんなの現実味がない」と諦め、意味不明な自信によって理想を追求するように見える人間に置いていかれてしまう。彼らは自信があるわけではなく、そもそも諦めていないのです.

「諦めない人」という下地が必須かと思われます.1つ1つの作業に対して妥協する時点で,自ら資格を放棄していると思っていい。日常的に,諦めるか諦めないか,という選択肢は何度も登場するはずです。普段の姿勢から結果は大きく変わるでしょう。ここで述べていることは「結果的にうまくいかなかった」ではなく「すべきことを知りながら投げ出した」場合です。

報われるかどうか考えて行動するのではなく、目的に向かって歩いているのみです。
  • 知のネットワーク
知識の量を競っても無駄。情報源がどこにあるのか知っているほうが大事です。その知識の源泉へと遡っていける、神経のようなネットワークを複雑に張り巡らせることができる能力が研究者には求められます。

  • 創意工夫…一般的な仕事に通ずる
自分の一番引っかかるところでもあるのです。

目の前の課題に対する解決法を誰も提案しておらず、その重要性が顕著であれば、それは研究として成立します。そして、その達成の暁には、インパクトのある研究成果になるのです。

  • 課題発見能力
ところが、創意工夫できない人にはある条件があります。それが「課題がわからない」というケースです。研究者は自ら課題を発見しなければ、創意工夫により解決する段階に到達できません。

目の前に明らかな課題があっても気づかない人は多いのです。勉強不足が原因なのではないか?と自分は思っていますが、勉強不足の原因を追究すると結局に「すべきことを知りながら投げ出した」という精神的?ストレス耐性がないことに至りました。

どこかで妥協し始めたら、どんどん自分の理想が侵食され、残されるのは劣化した理想像のみ。

先生のおっしゃる通りです。自分をよく見直し、出直してきます。

この先

もうこんな時期ですが、プログラミングの勉強もいい加減に疲れてきた。

転勤になられた先生のブログを読んでみたらこんなのがありました。
『激しい競争に飛び込むと,成果を上げるために,結局は「流行」を活用して成果を出すことが必要になってしまう.そういう「流行」に乗り切れないなら,独自路線を突き進み地道に成果を挙げていくほうが賢明となる.
しかし,独自路線というのは苦痛を伴うものです.そのため,けっこう強制的な環境にないと実践する根性が湧いてこないかもしれない.』
今の自分はまさにこの状況に立たされています。研究室配属してからずっと流行に乗るか独自路線に進むかの二択について悩んできたが未だに結論が出ていません。このせいで研究が進められず、今度の学会の準備も結構遅れています。

止まったままでは何も始まらないため、これからやるべきことを整理してここで宣言します。そして、課題を解決していくうち、成果を吟味しながら研究のアプローチを決めたいと思います。

10月半ばまで達成したい目標リスト:

  1. 分子軌道の2電子積分のプログラムの作成
  2. グリーン関数を使えるになること
  3. 学会の要旨の作成
今のところはこの3つが最優先事項です。

進展は週ごとに報告したいと思っています。

では、また来週。

Friday, 23 August 2013

《國境之南》范逸臣



詞:嚴云農 曲:曾志豪
如果海 會說話 如果風愛上砂
如果 有些想念遺忘在某個長假

我會聆聽浪花 讓風吹過頭髮
任記憶裡的愛情在時間潮汐裡喧嘩

非得等春天遠了 夏天才近了
我是在回首時終於懂得

當陽光 再次 回到那 飄著雨的國境之南
我會試著把 那一年的故事 再接下去說完

當陽光 再次 離開那 太晴朗的國境之南
妳會不會把 妳曾帶走的愛 在告別前用微笑全歸還

海很藍 星光燦爛 我仍空著我的臂彎
天很寬 在我獨自唱歌的夜晚
請原諒我的愛 訴說的太緩慢