シンガポール首相夫人が1000円のポーチを ホワイトハウスに持参した深い理由
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2016年8月上旬にアメリカを公式訪問したシンガポールのリー・シェンロン首相と、ホー・チン夫人。
ホワイトハウスにも招かれ、晩餐会にも出席しました。
通常、ホワイトハウスで行われる晩餐会に出席する際、多くのファーストレディたちは有名ブランドの洋服や高価なアクセサリなどを身に着けて登場します。
しかし、そういったブランド物を押しのけて、今回注目を集めたのはホー・チン夫人が持っていたシンプルなブルーのポーチでした。
「公式の場にふさわしくない」という的外れな批判も
当初、ホー・チン夫人が手にしていたポーチに対し、世論は否定的な見方をしていました。
「ホワイトハウスを公式訪問するにはふさわしくないポーチだ」
華やかな晩餐会の場で、周囲のドレスアップした参加者たちとは対照的なシンプルなポーチは、多くの人の目に「場違い」と映ったようです。批判の声はSNSなどでも広がりを見せました。
しかし、このブルーのポーチが、どんな思いで作られたものなのかが明らかになるにつれ、その評価は一変します。
出典:The Art Faculty
実は、このポーチは有名デザイナーが手掛けたものでもなければ、高価な宝石をあしらったものでもありません。
日本円にすると1000円前後で売られているポーチで、デザインしたのは19歳のシー・トー・シェン・ジエさん。シンガポールで唯一の「自閉症の子どもたちのための学校」に通う生徒です。
1000円のポーチに込められた、作り手の想い
価格だけを見れば、ホワイトハウスの晩餐会に持参するには確かに異例の選択かもしれません。しかし、ホー・チン夫人がこのポーチを選んだ背景には、単なる好みを超えた意図があったとも考えられます。
出典:YouTube
シンガポールの自閉症療育センターが主催するイベントでこのポーチを購入していたというホー・チン夫人。
実は、アジアでも有名なビジネスレディとして知られる彼女は、さりげなく「自閉症療育センターの活動をアピールしたのではないか」とも言われています。
世界中のメディアが注目するホワイトハウス訪問という舞台で、障がいのある子どもたちの活動を広く知らしめる機会として活用したとすれば、これほど影響力のある選択はないでしょう。高価なブランドバッグでは生まれなかった話題が、1000円のポーチによって世界中に広がったわけです。
真偽は定かではありませんが、確かに自閉症療育センターの活動には大きな注目が集まりました。
シー・トーさんも、そのご両親も、ホー・チン夫人がホワイトハウス訪問時に自らがデザインしたポーチを持参したことに関して「とてもうれしい。光栄に思う」とコメントしています。
注目が集まり、品切れ状態に
ちなみに、注目が集まったことで、このブルーのポーチは品切れ。数ヶ月待ちの状態だと言います。
自閉症療育センターにとっては、生徒たちの作品が世界規模で注目を集めるという、またとない機会になったといえます。一方で、需要が急増したことで生産が追いつかないという状況も生まれており、注目の大きさがそのままプレッシャーになりうる側面もあります。
ホワイトハウス訪問という晴れの舞台で、あえて高価なバッグではなく、作り手の想いが込められたポーチを携帯したホー・チン夫人。
「ファーストレディにふさわしい」
「スマートで知的な振る舞いだ」
当初、寄せられていたネガティブな意見が、こんな称賛の声に変わるのも当然なのかもしれません。
シー・トー・シェン・ジエさんのポーチデザイン(動画)