目次Contents
この記事のサマリー
・「昇進」は役職や職位が上がること、「昇格」は等級や資格区分などが上がることを指します。
・昇進や昇格は、組織の活性化や人材育成につながる一方で、基準や適性を踏まえた運用が大切です。
・昇進祝いでは、感謝や祝意を伝えることが大切です。プレゼントを贈る場合は、相手との関係性や職場の雰囲気に合わせて選びましょう。
ビジネスにおいて「昇進」と「昇格」はよく聞く言葉ですね。しかしながら、正確な違いを答えようとすると、少しあいまいだという人も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事ではあらためて、昇進・昇格の違いや、出世しやすい人の特徴、効果や昇進祝いについて理解していきましょう。
昇進と昇格の違いとは?
「昇進」とは職務上の地位、官位などが上がることです。たとえば、係長から課長に、課長から部長に昇進する、など役職が上がる場合がわかりやすいでしょう。
一方で、「昇格」は格式や等級などが上がること、また、上げることです。たとえば、「一般職〇級」などのようなイメージですね。
なお、昇進・昇格に伴い給与が上がるのが一般的です。ただし、どのくらい給与が上がるかは会社によって異なりますので、給与規定などを確認してみることをおすすめしますよ。
また、昇進・昇格によって、より責任ある仕事を任されたり、管理職の場合は、部下の育成や組織運営に関わったりすることもあるでしょう。ただし、昇格の場合は、業務内容自体が大幅に変わらない場合も見受けられますよ。
昇進・昇格の効果とは?
昇進や昇格は、企業にどんなプラスの効果をもたらすのでしょうか? 一緒に見ていきましょう。
組織の活性化
昇進や昇格には、組織を活性化する効果が期待されています。役割や責任が変わることで新たな発想が生まれたり、「自分の仕事が評価された」と感じたりすることが、モチベーション向上につながる場合もあるでしょう。
また、ある程度キャリアの見通しが立つことで、日々の業務への意欲が高まるケースも見られます。
一方で、昇進や昇格の基準が不明確だったり、勤続年数だけで決まる運用になっていたりすると、不公平感を抱く従業員が出てくる可能性も。制度の効果を高めるためには、評価基準や求められる役割をできるだけ明確にすることが大切です。

継続的な人材育成
昇進や昇格は、人材育成の観点からも重要な役割を果たします。役職が変わることで、これまでの担当業務だけでなく、部下の育成やチーム運営、目標管理など新たな責任を担う場合もあるでしょう。その経験を通じて、視野が広がったり、マネジメント力が磨かれたりすることも期待できます。
一方で、優秀なプレイヤーが必ずしも管理職に向いているとは限りません。実際には、営業成績などの実績を高く評価されて昇進したものの、本人は管理職を希望していなかったという声を耳にすることも。
また、適性を十分に考慮せずに管理職へ登用した結果、部下とのコミュニケーションに課題が生じたり、ハラスメントにつながったりするケースも見られます。昇進や昇格の効果を高めるには、本人の適性や強み、希望を踏まえた登用が大切でしょう。
昇進・昇格が早い人の特徴
昇進や昇格の基準は、企業や業界によって異なります。そのため、「こうすれば必ず出世できる」という共通ルールがあるわけではありません。ただ、管理職登用や人事評価に関わる場面では、重視されやすいポイントも見られます。
ここでは、社労士としてさまざまな職場の事例に触れる中で、比較的よく耳にする特徴を3つ紹介します。
求められる役割を理解し、責任を果たしている
昇進や昇格の判断では、まず担当業務を安定して遂行できているかが重要なポイントになるでしょう。遅刻や欠勤が少ないことはもちろん、与えられた役割や目標を理解し、責任を持って業務に取り組んでいるかどうかも評価対象となります。
業界や企業によって評価基準は異なりますが、日々の積み重ねや信頼関係が昇進・昇格につながるケースは少なくありません。まずは自分の役割を着実に果たすことが、キャリアアップの土台になるといえそうです。
主体的に行動できる
求められた業務をこなすだけでなく、自ら課題を見つけて行動できる人は評価されやすい傾向があります。例えば、「どうすれば業務を改善できるか?」「チームにどのような貢献ができるか?」といった視点を持ちながら働くことで、組織への貢献度も高まるでしょう。
管理職やリーダー職になると、自分自身の成果だけでなく、チーム全体の成果にも目を向けることが求められます。そのため、主体的に考え行動する姿勢は、昇進・昇格を考えるうえで重要な要素の一つといえます。
ハラスメントリテラシーを身につけている
近年、管理職やリーダー職に求められる資質として注目されているのが、ハラスメントに関する理解です。どれだけ高い成果を上げていても、不適切な指導や言動によって職場環境を悪化させてしまうと、組織全体に大きな影響を与える可能性があります。
実際には、優秀なプレイヤーとして活躍していた人が管理職に昇進した後、マネジメント上の課題を抱えるケースも見られます。そのため近年は、業績だけでなく、部下との関わり方や組織運営の姿勢を重視する企業も増えてきていますよ。

昇進時の挨拶とお祝いのポイント
もし、自身が昇進した場合、どんな挨拶をすればいいのでしょうか? 同僚や上司が昇進した場合、どんなことが必要なのかも合わせて紹介します。
自分が昇進した場合
自身の昇進では、上司や周りのメンバーに挨拶をすることが大切です。ポイントは3つ。「役職拝命の感謝」「今後のビジョンや目標」「上司やメンバーへの協力願い」です。
昇進の挨拶では、これまで支えてくれた上司や同僚への感謝の気持ちを伝えることが大切です。日頃の協力があってこそ、現在の自分があるという姿勢は、多くの職場で好意的に受け止められるでしょう。
昇進時の挨拶では、新しい役職でどのような役割を果たしていきたいかを伝えるケースも見られます。例えば、「より相談しやすいチームを目指したい」「部署全体の成果向上に貢献したい」など、具体的な方向性を共有するといいでしょう。
また、昇進後は周囲との連携が欠かせません。上司や同僚への感謝を伝えながら、今後も協力をお願いしたいという気持ちを添えることで、前向きなスタートにつながります。
周りの人が昇進した場合
上司や同僚など、同じ会社の人が昇進した場合、メールでお祝いのメッセージを送ることもあります。相手の頑張りを称える言葉を添えて送ってみるといいかもしれませんね。
もし、取引先から昇進の報告のメールを受けた場合、その日のうちに返信することをおすすめします。祝意と今後の活躍を祈念する言葉を送りましょう。
昇進祝いのプレゼント
昇進祝いのプレゼントを贈る場合は、相手との関係性や職場の雰囲気に合わせて選ぶとよいでしょう。予算に決まりがあるわけではありませんが、あまり高額なものは相手に負担を感じさせることもあります。そのため、数千円程度の品を選ぶケースも見られます。
相手の好みが分かる場合は好きなものを贈ったり、何を選ぶか迷う場合はカタログギフトを活用したりする方法もありますよ。

「昇進と昇格の違い」に関するFAQ
ここでは、「昇進と昇格の違い」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 昇進と昇格の違いは何ですか?
A. 昇進は、係長から課長、課長から部長のように、役職や職位が上がることを指します。一方、昇格は社内の等級や資格区分などが上がることです。
Q2. 昇進や昇格をすると、必ず給与は上がりますか?
A. 昇進・昇格に伴って給与が上がるケースは多いですが、制度や運用は会社によって異なります。詳しくは自社の就業規則や給与規程を確認してみてくださいね。
Q3. 昇進祝いのプレゼントは何を選べばいいですか?
A. 相手との関係性や職場の慣習に合わせて選ぶといいでしょう。高額すぎる品は相手に気を遣わせることもあるため、数千円程度の品やカタログギフトなども選択肢になります。
最後に
この記事では、「昇進」と「昇格」の違いや、それぞれの役割について解説しました。似た意味で使われることも多い言葉ですが、実際には異なる意味を持っています。昇進や昇格は、仕事上の役割や責任の変化につながることもあるため、キャリアを考えるうえで知っておきたい知識の一つといえるでしょう。この機会に、自社の制度についても確認してみてくださいね。
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塚原美彩(つかはらみさ)さん 開業社会保険労務士
2016年社会保険労務士資格を取得。趣味は日本酒酒蔵巡り。現在は独立開業し、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。
ライター所属:京都メディアライン



