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マガジン一覧

【連載中】渡辺祐真『文学名探偵 “終わり”から読む名作案内』

書評家の渡辺祐真(スケザネ)さんによる新感覚・名作ガイド! 毎月第1土曜日に更新予定です。

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渡辺祐真『文学名探偵 “終わり”から読む名作案内』第4回~太宰治『走れメロス』編~

■前回はこちら メロス、人の心を証明する〜さあ、この少女は何者だ?〜:その4(結) 最後の力を振り絞って、メロスは走った。「濁流を泳いだように群衆を搔きわけ、搔きわけ」、もう処刑される直前だったセリヌンティウスを、処刑台からおろした。その様子を見た「群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。」  そして、セリヌンティウスは解放される。メロスとセリヌンティウスは、一瞬でもお互いを疑ったことをそれぞれ詫び、抱擁した。  その様子を見た王様は「おまえらの望みは叶った

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渡辺祐真『文学名探偵 “終わり”から読む名作案内』第3回~太宰治『走れメロス』編~

■前回はこちら いよいよ街が見えてきた〜フィロストラトス?お前、誰だよ〜:その3(転) 山賊の妨害も振り切った。さすがのメロスもとうとうヘトヘトだ。思わずがっくりと膝をつくが、水を飲むことで回復!  やっぱり心身二元論はまやかしだよな! 人間の脳だって臓器の一部なんだから、思考や感情は、体のコンディションに左右されるぜ! と言わんばかりに、一目散に街を目指す。  もしかすると間に合わないかもしれない。それでも走る走る。  そんな必死のメロスに、声をかけてくる者がいる。 『

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【新連載】渡辺祐真『文学名探偵 “終わり”から読む名作案内』第1回~太宰治『走れメロス』編~

はじめに この連載は、文学作品のラストに仕掛けられた謎を追う。  ラストから作品を読み直すことで、真犯人や隠された真の謎を暴く。題して「文学名探偵」。  初回となる今回は、太宰治『走れメロス』の謎を追う。 『走れメロス』のラストを覚えていますか? 太宰治『走れメロス』と言えば、最も有名な小説の一つだろう。教科書に載っているし、パロディにもされる(近年だと、『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』(五条紀夫)は傑作だった)。  だから、なんとなくのあらすじは覚え

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渡辺祐真『文学名探偵 “終わり”から読む名作案内』第2回~太宰治『走れメロス』編~

■第1回はこちら 王城に乗り込むメロス〜王様の悩みは本当?〜:その1(起)  超有名な冒頭である。ラストの少女は何者なのか、その謎を念頭に置きながら読んでいこう。  メロスは田舎に住んでいる純朴で単純な青年だ。彼は、妹の結婚式の準備のために、都会までやってきた。ところが、賑わっているはずの街はひっそりと静まり返っている。道行く老人に聞けば、王様が人々を殺して、みんな怯えているというではないか。  そこでメロス、王へのテロを企てるも、あっさり捕まる。王の前に連行されたメロス

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ジェーン・スー✕ 伊藤亜和:往復書簡 日々の音沙汰

作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストのジェーン・スーさんと文筆家の伊藤亜和さんによる往復書簡。朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」で連載中の内容を転載します。毎月第2火曜日に伊藤亜和さんのお便り、第4火曜日にジェーン・スーさんのお便りを公開予定です。

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往復書簡 日々の音沙汰 ー第32回「三つ子の魂百までになりそうな性癖、偏愛はありますか?」(ジェーン・スー)ー

■前回の伊藤亜和さんからのお手紙はこちら https://webtripper.jp/n/ne7da20f15faf ✉ 伊藤亜和さま ← ジェーン・スー  あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。亜和さんにとって飛躍の一年でしたね。今年も引き続きよろしくお願いいたします。ますますご活躍するに違いありません。他人事ながら、とても楽しみです。いつも応援していますよ!  さて、サンタさん、うちには来なかったんですよ。正確には「クリスマスになるとサンタ

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往復書簡 日々の音沙汰 ー第31回「自分を自分にしてくれるものは何?」(伊藤亜和)ー

■前回のジェーン・スーさんからのお手紙はこちら ✉ジェーン・スーさま←伊藤亜和   クリスマスイヴ、いかがお過ごしでしょうか? 子どもの頃は、明日の朝枕元に置かれるはずのプレゼントを探して、夜な夜な家中をほじくり返しておりました。なんて野暮なことをしていたんでしょう。可愛くない子どもです。そんな夢もロマンもないことをしていたら、いつのまにかサンタさんは来なくなって、気づけばもういい大人になってしまいました。クリスマスも、今となってはいつも通りの平日に過ぎず、私はこうして部屋

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往復書簡 日々の音沙汰 ー第30回「占いという非日常」(ジェーン・スー)ー

■前回の伊藤亜和さんからのお手紙はこちら ✉ 伊藤亜和さま ← ジェーン・スー   冬が好きです。夏の10倍は好き。ポストヒートテックの時代を生きる亜和さんには信じられないかもしれませんが、私はここ10年ほどヒートテックに袖を通していません。だって、暑いじゃんあれ。肌寒いくらいがちょうどよい。  気象予報士さんによると、四年に一度東京に大雪が降るジンクスがあるそうで、それが2026年にあたるそうです。ちょっと楽しみですね、東京の大雪。ヒートテック着ちゃうかも。これ以上の非日

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往復書簡 日々の音沙汰 ー第29回「素敵な誕生日プレゼント」(伊藤亜和)ー

■前回のジェーン・スーさんからのお手紙はこちら ✉ジェーン・スーさま←伊藤亜和   すっかりヒートテック頼みの季節になりましたね。はたして、人類はヒートテックが発明されるまで、一体どうやって冬を乗り越えてきたのでしょう。今となっては、その頃のことがみじんも思い出せません。西洋の基準をそのまま当てはめれば、人類の歴史はキリストの誕生を境に「紀元前」「紀元後」と分けられるようですが、私からしてみればヒートテックの誕生も、それと同じくらいの重要な歴史の転換点のように思えます。世界

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年森瑛:連載エッセイ「バッド入っても腹は減る」

◆2026年3月15日より隔月連載として再開します◆パスタを茹でながら、キャベツを煮込みながら、一冊の本をじっくり読む――。いちばん読書がはかどるのはキッチンだ。いま再注目の新人作家による、おいしい読書日記連載スタート。奇数月15日更新予定。

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年森瑛「バッド入っても腹は減る」第10回

 一昨年の夏頃、母方の祖父が亡くなった。  若かりし頃の祖父は山が大好きで、仕事に就いてもすぐ辞めて山登りに行き、曾祖父のツテで再就職してお金が貯まったらまた辞めて山を登り、というのを繰り返していたらしい。しかも通常の登山道を行くのではなく、ほとんど崖じみたところを開拓して登っていたそうだ。母が生まれてからも危険な登山を続けていたので、親族から説得されて冬山には登るのをやめたのだとか。最終的には区役所で定年まで働いたが、相変わらず休日には山に登っていたらしい。私からすると無骨

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年森瑛「バッド入っても腹は減る」第9回

 肌寒さで目を覚ました。  重たい窓ガラスをずるりずるり引きずって開けると、冷たく湿った空気が肺を満たした。日が当たるところまで身を乗り出す。残り火のような日差しが私を包んだ。秋だった。  ここ3週間くらい、帯状疱疹という病気によって右足の神経がウイルスにやられてしまい、ろくに歩けない状態になっていた。寝ても覚めても激痛で、上司に平身低頭して在宅勤務にさせてもらった。上司の上司からは睨まれたが、痛いものは痛いし、歩けないものは歩けない。そうしてベッドでうねうねしている間に夏が

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年森瑛「バッド入っても腹は減る」第8回

「今度ちいちゃんと焼肉行くんだけど年森は食べれたっけ?」 「食べれないけど雰囲気は味わいたい」 「おけ! いこうず!」  というわけで中学からの友人であるちいちゃん、ユウと焼肉に行った。好きなの食べなと言われたので、二人が焼いているそばから興味をひかれた肉だけもらった。帰りに公園でたむろしていたらゲリラ豪雨に見舞われ、あまりのずぶ濡れ具合に爆笑しながら別れた。横断歩道の向こうで「気をつけて帰んな~!」と叫んでいる二人の姿は雨滴にほとんどかき消されて、でも笑っている声だった。

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年森瑛「バッド入っても腹は減る」第7回

 クロネコヤマトの配達通知が届いたので玄関脇のポストを確認しに行くと、開きっぱなしのフタから郵便物がいくつも飛び出ていた。無理矢理突っ込まれた分厚いゆうパックとメルカリの箱、スポーツジムのチラシ、それから奥で丸まっていた都知事選の広報誌を引っこ抜く。ゆうパックは担当さんからの献本だった。  というわけで、いただいた『私の身体を生きる』をさっそく読む。これは女性として生きる17名の書き手が自らの身体について語るリレーエッセイ集で、『文學界』で不定期連載していた頃から追いかけてい

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朝日新聞出版の文芸書

書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。

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2026年に発売予定の朝日文庫の一部をご紹介いたします!

小説ジャンルは、1月7日に、 小説トリッパー連載でも話題となった町屋良平さん『恋の幽霊』、 18世紀の名作、世界の大人と子どもが読み続けるスウィフト著・柴田元幸さん訳『ガリバー旅行記』、 今回で天野喜孝さんによる「挿絵」がファイナルとなる菊地秀行さん『吸血鬼ハンター D―紅い夏の道行き』 を刊行します。 2月には 李琴峰さん『生を祝う』、 丸山正樹さん『キッズ・アー・オールライト』、 3月には 藤山素心さん『小児科ドクターのあんしん保育園』、 細谷正充さん編『であい 時代小

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【瀧井朝世さんによる『パルティータを鳴らすまで』書評公開!】「子どもも大人も成長していく物語」

子どもも大人も成長していく物語瀧井朝世  2023年に「クリームイエローの海と春キャベツのある家」で創作大賞2023(note主催)朝日新聞出版賞を受賞、24年に同作を刊行してデビューをはたした、せやま南天。受賞作は家事代行業の女性と、子ども5人のシングルファーザー家庭との交流を描きながら、家事や育児などを含め生活を頑張りすぎることに対して、肩の力を抜かせてくれる優しい物語だった。  待望の第二作、『パルティータを鳴らすまで』の主人公は中学2年生の時本拓実という少年だ。こ

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第11回林芙美子文学賞佳作受賞・チヒロ・オオダテさん受賞第一作「夜釣へ」冒頭特別公開!

夜釣へチヒロ・オオダテⅠ. 遠い  彼は窓の前に置いた椅子に腰掛け、鉄窓花に施されたカササギの、その錆びた羽の下に広がる通りを眺めていた。いったい、今なにを考えているのだろうか?  この男は、もうあまり若くはない。しかし、年寄りというほどでもない。職業は探偵、不倫調査を専門にしている。もっとも、望んだわけではない。もちろん、望んで若さを失ったわけでもない。たぶん、人生とはそういうものなのだ。  探偵はおもむろに双眼鏡を取り出して覗き込んだ。視線の先にあるのは、緑色の庇の下、

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『吸血鬼ハンターD全挿絵集』菊地秀行氏による解説「妖美 哀美 怪美と闇の美術展」特別先行公開!

妖美 哀美 怪美と闇の美術展菊地秀行       挿絵集ではあるが、天野さんの絵について語る機会はそうそうなさそうな気もするので、まず、Dの誕生――第一巻の表紙についてから話してみよう。  実は私はカバーについて、何も聞いていなかった。  担当のIさんから、天野さんにするからと軽く言われただけである。『魔界都市〈新宿〉』に続く第二弾だから、絵師に関しては誰が誰やらわからず、やがて出来上がった本を見て、私は、 「あらら」  と眼を丸くした。出来映えに文句はない。どころか凄い

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『パルティータを鳴らすまで』編集日記

『パルティータを鳴らすまで』著者のせやま南天さんと担当編集者Kによる編集日記です。

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【瀧井朝世さんによる『パルティータを鳴らすまで』書評公開!】「子どもも大人も成長していく物語」

子どもも大人も成長していく物語瀧井朝世  2023年に「クリームイエローの海と春キャベツのある家」で創作大賞2023(note主催)朝日新聞出版賞を受賞、24年に同作を刊行してデビューをはたした、せやま南天。受賞作は家事代行業の女性と、子ども5人のシングルファーザー家庭との交流を描きながら、家事や育児などを含め生活を頑張りすぎることに対して、肩の力を抜かせてくれる優しい物語だった。  待望の第二作、『パルティータを鳴らすまで』の主人公は中学2年生の時本拓実という少年だ。こ

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大切な人との別れのときに【せやま南天さん刊行記念エッセイ特別公開】

大切な人との別れのときに  別れ際は、カラッと去るにかぎる。  湿っぽく、離れがたいような雰囲気でいつまでもその場に留まるのは苦手だ、と二十代半ばまでの私は考えていた。  大学四回生の三月、仲の良いサークルメンバー十人ほどで、卒業旅行に行った。旅行が終われば、私は慣れ親しんだ京都を出て、東京で就職することが決まっていたから、次に会えるのはいつになるか分からなかった。一度にこのメンバーが集まるのも、もしかしたら最後かもしれない。  愉快だが、思い出話を山ほどした、少し感傷

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「涙なしでは読めない」「涙腺崩壊」と感涙の声、続々ーー『パルティータを鳴らすまで』(せやま南天・著)書店員さんの感想をご紹介!

「クリームイエローの海と春キャベツのある家」で 創作大賞2023朝日新聞出版賞を受賞しデビューした せやま南天さんの受賞後第一作、 『パルティータを鳴らすまで』が発売となります。 音楽がみちびく、半年間の愛の物語―― 本作に寄せられた書店員さんからの感想コメントをご紹介します! ■書店員さん感想コメント ある事情により、子どもを育てる事が出来なかった生みの母と、たゆまない愛情を注いでくれた育ての父母。 実母の元に帰る日にちが決まり、里親との別れが迫っていく。 息子である少年

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小説改稿、最大の課題は【パルティータ編集日記 -その4(せやま南天)-】

編集者さんから感想を聞くのは、何度やっても緊張する。 本になるまでのあいだ、作家にとって編集者さんは一番最初の読者だし、たったひとり、直接感想を聞ける相手でもある。 ほんとうに、本になる?原稿を渡してから打ち合わせまでは、つかの間、羽を伸ばせる期間だ。 私はその間、気になっていた映画や美術館に行ったり、サイズアウトした大量の子供服を整理してフリマサイトに出したり、気ままに過ごすのだけど、その最中でもふと、 「Kさん、読んでくれたかなぁ。大丈夫だったかなぁ」 とよぎる瞬間が

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『あなたの四月を知らないから』編集日記

創作大賞2024(note主催) 朝日新聞出版賞受賞作「大阪城は五センチ」を収録した単行本『あなたの四月を知らないから』の著者 青山ヱリさんと、担当編集者Hによる編集日記です。

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「#読書の秋2025」投稿コンテスト、朝日新聞出版の結果発表!

★推薦図書①●青山ヱリ『あなたの四月を知らないから』 【受賞作】 <青山ヱリさんからのコメント>  実家の引越しという、中島さんご自身の大きな転機と重ねて綴られたご感想文を拝読しながら、由鶴がふたりいるような不思議な感覚に陥りました。「寄る辺なさのなかで生きるからこそ見えるもの」を、見えただけでなく抱きしめようとする中島さんの心持ちが、とても切なくてとても温かいです。読後は「かみさま」と唱えたくなるような、静かな余韻に包まれました。ご受賞おめでとうございます!  このたび

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「#読書の秋2025」投稿コンテストで、朝日新聞出版おすすめの新人作家のデビュー作への感想文を募集します!

「 #読書の秋2025 」投稿コンテストの推薦図書として選定した、朝日新聞出版からデビューした、3人の新人作家の作品を紹介します。 応募の詳細や参加賞についても、どうぞご確認ください。 実施期間は、2025年9⽉30⽇(⽕)〜10⽉31⽇(⾦) たくさんの感想文が寄せられることを楽しみに、おまちしています。 ★推薦図書①●青山ヱリ『あなたの四月を知らないから』 恋人もおらず仕事も冴えない三十九歳の由鶴の支えは一千万円の貯金だけ。家族から家の購入を勧められる中、片思い

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青山ヱリ著「あなたの四月を知らないから」 吉田伸子さんによる書評を特別公開!

ヤバい。  読んでいるうちに、どんどん、どんどん引き込まれていく。たとえば、「大阪城は五センチ」に出てくるこんな場面。   主人公の八木由鶴が正月に実家に帰った時の会話だ。結婚してからもふらふらしていた兄に子どもが生まれることになり、二世帯住宅に建て替えた「家のほうにも住人のほうにも手を伸ばし合うような素振り」のないその実家で、「次は由鶴やね」と母親が言う。今年四十なんだから、「いつまでも賃貸でぐずぐず家賃払ってるのアホみたいやんか」と。「賃貸、気楽でええやん」と返した由鶴

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編集日記は、こんなふうに続いてました【『あなたの四月』編集日記⑨―著者・青山ヱリ・書店回り編 その2】

▼編集日記をまとめたマガジンはこちら 【おことわり】 こんにちは。青山ヱリです。 前回の編集日記にて「これで終わります」って言ったのに、また書いてしまいました。すみません。 このたび東京でも書店回りをさせていただき、大阪同様、素敵な書店員さんたちとの出会いに恵まれたためレポートさせていただきます。よかったらお付き合いくださいませ。 ▼大阪の書店回りはこちらから あなたに四月を託したから【『あなたの四月』編集日記⑧―著者・青山ヱリ・書店回り編】 編集日記を終えてから《

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『クリームイエローの海と春キャベツのある家』編集日記

創作大賞2023(note主催) 朝日新聞出版賞受賞作『クリームイエローの海と春キャベツのある家』の著者 せやま南天さんと、担当編集者Kによる編集日記です。

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「#読書の秋2025」投稿コンテスト、朝日新聞出版の結果発表!

★推薦図書①●青山ヱリ『あなたの四月を知らないから』 【受賞作】 <青山ヱリさんからのコメント>  実家の引越しという、中島さんご自身の大きな転機と重ねて綴られたご感想文を拝読しながら、由鶴がふたりいるような不思議な感覚に陥りました。「寄る辺なさのなかで生きるからこそ見えるもの」を、見えただけでなく抱きしめようとする中島さんの心持ちが、とても切なくてとても温かいです。読後は「かみさま」と唱えたくなるような、静かな余韻に包まれました。ご受賞おめでとうございます!  このたび

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「#読書の秋2025」投稿コンテストで、朝日新聞出版おすすめの新人作家のデビュー作への感想文を募集します!

「 #読書の秋2025 」投稿コンテストの推薦図書として選定した、朝日新聞出版からデビューした、3人の新人作家の作品を紹介します。 応募の詳細や参加賞についても、どうぞご確認ください。 実施期間は、2025年9⽉30⽇(⽕)〜10⽉31⽇(⾦) たくさんの感想文が寄せられることを楽しみに、おまちしています。 ★推薦図書①●青山ヱリ『あなたの四月を知らないから』 恋人もおらず仕事も冴えない三十九歳の由鶴の支えは一千万円の貯金だけ。家族から家の購入を勧められる中、片思い

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発売日、書店回りをした日のこと【クリキャベ編集日記-その後‐】

発売日、書店回りをした日のこと 4月5日の発売日。 著者のせやま南天さんと、書店訪問をしました。 スケジュールの関係で、書店さんに伺ったのは16時から。 ※本来は、夕方からは書店さんが混んでくる時間なので避けた方が良いです! ※せやまさん担当の私K。大学時代は、書店でアルバイトをしていましたが……。混んでいる時間帯に来ていただいても、どうしても丁寧な対応ができないことがありました……。 (忙しい時間に出版社の方がいらっしゃった時の、当時の店長の顔が今も忘れられない……。)

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クリキャベの本が発売されました!発売前後のあれこれ

先日4月5日に無事、 創作大賞2023にて朝日新聞出版賞を受賞した小説、 『クリームイエローの海と春キャベツのある家』の書籍が発売されました!!! 創作大賞の主催者であるnoteから、プレスリリースを出していただいています。 実は、小説の内容のチェックを終え、校了したら、 「あとは発売日を待つばかり。もう私にできることはないだろう」 と思っていたのですが、 ありがたいことに、校了後もあれこれ動いておりました。 小説家の仕事は、 小説を書くだけにとどまらないんだなぁ…

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朝日新聞出版の文芸書

朝日新聞出版から発行している文芸書にまつわるインタビューや書評、試し読みなどをまとめています。小説好きの方はこちらへ。

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『吸血鬼ハンターD全挿絵集』菊地秀行氏による解説「妖美 哀美 怪美と闇の美術展」特別先行公開!

妖美 哀美 怪美と闇の美術展菊地秀行       挿絵集ではあるが、天野さんの絵について語る機会はそうそうなさそうな気もするので、まず、Dの誕生――第一巻の表紙についてから話してみよう。  実は私はカバーについて、何も聞いていなかった。  担当のIさんから、天野さんにするからと軽く言われただけである。『魔界都市〈新宿〉』に続く第二弾だから、絵師に関しては誰が誰やらわからず、やがて出来上がった本を見て、私は、 「あらら」  と眼を丸くした。出来映えに文句はない。どころか凄い

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焚き火とお酒と、美味しいつまみ。ソロキャンの楽しみを存分に伝える「ソロキャン!」シリーズの著者による、自らのキャンプ経験を綴ったエッセイ「カレーの香らぬ静かな夜」を特別公開!

 カレーなんて見たくもない! こんなものを考え出したインド人は、今すぐ出てきて責任を取れ――!  遠路はるばる我が国に到来し、今では国民食とまで言われるようになった「カレー様」になんてことを! と叱られること間違いなしの発言だが、当時大学生だった私は、真剣かつ心底そう思っていた。  そもそもカレーはインド発祥ではあるが、その存在を日本に伝えたのは英国で、インド人の知るところじゃない。  おまけに日本のカレーは、インドのものとはかけ離れた料理となったばかりか、今では世界中から日

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三島賞受賞作『植物少女』文庫化記念 河野真太郎さんによる文庫解説を特別公開

 朝比奈秋は2021年に「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞してデビュー、2023年には本作『植物少女』で第36回三島由紀夫賞、同年に『あなたの燃える左手で』で第51回泉鏡花文学賞ならびに第45回野間文芸新人賞を受賞、そして2024年には「サンショウウオの四十九日」で第171回芥川龍之介賞を受賞し、最新刊『受け手のいない祈り』(2025年)で医療現場での過酷な労働を描いて話題を呼んでいる。  このように、デビュー数年で華々しいとしか言いようのない作家としてのキャリアを歩む朝

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三島賞受賞作『植物少女』文庫化記念  朝比奈秋さんによるエッセイを特別公開

植物状態と、 受け手としての自分 ちょうど3年前、3作目にあたる『植物少女』を書き終えた。いつも何を書いているかよくわからないままに、とりあえず書きはじめるタイプだ。結末もわからないまま書いていくと、いつのまにか最後までたどりついている。  小説を書きはじめたころは物語をコントロールしようとしたこともあったが、今はそんなことはまったく思わない。物語自身に任せて大丈夫だ。収まる所に必ず収まる。その物語にもっともふさわしい形がもともと決まっている。  多くの作家がそうであるように

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宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』

第11回高校生直木賞&第4回加賀乙彦顕彰特別文学賞を受賞。 第170回直木賞&第40回織田作之助賞候補。 2023年8月21日発売の宮内悠介さん『ラウリ・クースクを探して』に関する記事をまとめています。

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【西加奈子✕宮内悠介 対談】クリシェと向き合い、小説を再発見する

小説の当事者性 西:編集者の方から「バルト三国のエストニアに生まれて、ソ連崩壊で運命を変えられたラウリ・クースクという男性の一代記です」と伺っていたので、今度の宮内さんの本、どれだけ分厚くなるんだろうと思っていたんです。プルーフが送られてきたら、とてもコンパクトだったので驚きました。240ページ弱ですもんね。でも、その中にぎっしりとラウリの人生やこの国の歴史が詰まっている。中央アジアが舞台だった『あとは野となれ大和撫子』は何ページくらいでした? 宮内:原稿用紙換算で言うと

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宮内悠介さん「ラウリ・クースクを探して」書評&インタビューまとめ

■「ダ・ヴィンチ」今月の絶対はずさない!プラチナ本 (10月6日発売、11月号) ■「女性自身」書評(10月3日発売号)  ■毎日新聞「エンタメ小説 今月の推し!」評者・内藤麻里子さん (10月1日掲載) ■「朝日新聞」書評 評者・澤田瞳子さん ■「読書人」書評 評者・八木寧子さん(9月29日発行号) ■「朝日中高生新聞」書評 書店員・江藤宏樹さん(9月24日発行号) ■ 「小説現代」10月号(9月22日発売) 評者・三宅香帆さん ■「好書好日」書評 「日出る処

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描きたかったのは、“何もなさなかった人物”/『ラウリ・クースクを探して』刊行記念!宮内悠介さんインタビュー

 テーブルに並ぶ硬いパン、風の匂い、どこか灰色の街並み。宮内悠介さん(44)の新刊『ラウリ・クースクを探して』のページをめくるたび、土地の空気に誘われ、その世界を生きているかのような感覚になった。  舞台はエストニア。1977年から、物語は始まる。  幼い頃から数字に魅せられていたラウリは、ある日コンピュータと出合い、そのなかに自分だけの世界を見いだし、やがてソ連のサイバネティクス研究所で働くことを夢見るようになる。仲間たちと儚くも濃い人間関係を築きながら、前へと進み続け

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【書店員さんからの感想続々!】素晴らしい読後感に出会える小説だった――宮内悠介さん『ラウリ・クースクを探して』感想まとめ

 コンピュータープログラムに魅せられたラウリ。プログラムだけが彼の友達だった。孤独だったラウリに生涯忘れられない時、切っても切れない友情が輝き出す。国の体制に翻弄されながらも心には確かに彼女、彼らとのつながりが存在した。自分の真の気持ちと彼らの気持ちはすれ違い、途中歯がゆさでいっぱいになった。  読み終わり、こんな人とのつながりがあってほしい。こんな友情があってよかったと心から思った。  わたしの正体を知った時、心が震えて、胸がいっぱいになった。 (ジュンク堂書店滋賀草津店 

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鶴谷香央理:連載コミック「傲慢と善良」(原作・辻村深月)

【単行本第2巻、2025年6月20日発売!!】 https://www.amazon.co.jp/dp/4022144149 婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。彼女はなぜ姿を消したのか。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる――。 現代社会の生きづらさを恐るべき解像度で描き、多くの共感を呼んだ、2023年最大のベストセラー小説『傲慢と善良』を、名手・鶴谷香央理がコミカライズ!! 【毎月20日 11時更新予定】 小説公式サイトはこちら https://publications.asahi.com/feature/gouman/

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鶴谷香央理:『傲慢と善良』第1話

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鶴谷香央理:『傲慢と善良』第2話

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