3ミリの恋 : 特集
【私たちは"今"強烈にラブストーリーが観たい――】
「国宝」「怪物」の超注目俳優・黒川想矢の主演最新作
史上最も"短く"最も"遠い"3ミリを超える奇跡の恋
【映画.comが推す今秋のラブストーリーは本作です】

大作目白押しの夏が過ぎれば、肌寒い秋がやって来る。空気が澄み、木々が色づき、あっという間に日が落ちる……
今回は、そんな私たちのような衝動に駆られる人にぴったりの映画を紹介します。
日本と韓国をめぐるラブストーリー、11月6日公開の「3ミリの恋」。

"3ミリの距離"と"一枚の写真"をめぐり、理屈ではなく心が大きく動く、ドラマチックでエモーショナルなひと味違う"特別なラブストーリー"。
ぜひ映画館でこの"感情"を抱きしめてください。
【予告編】この恋が僕を強くする
【良作ラブストーリー求む映画.comにとことん刺さる】
言葉、国境、心。近くて遠くて最も尊い"3ミリの距離"

●あらすじと、<3ミリ>にこめられたドラマチックな"想い"

主人公のタツヒコ(演:黒川想矢)は佐賀県唐津市で釣りに明け暮れる平凡な高校生。
夏休み前、彼のクラスに釜山からの留学生ユンスル(キム・ジアン)がやって来る。
なぜ彼女は留学先に「唐津」を選んだのか?
ユンスルと過ごす中でその理由がひも解かれ、少しずつ仲を深める二人だったが、タツヒコの何気ない言葉がユンスルを傷つけ、翌日彼女は突然、帰国してしまう…

ふとみつめた地図。タツヒコは、唐津と釜山の距離を定規で測る。
だけど、ユンスルとの距離はこんなにも遠い――。

タイトルの「3ミリ」には、たくさんの意味が込められている。
★3ミリの"言葉"の距離…思いが伝わらないもどかしさ
タツヒコはもちろん韓国語ができないし、ユンスルの日本語はまだ拙い。お互いの思っていること、感じていることが伝わりづらい、思いが伝わらない、そのもどかしさ。
★3ミリの"国境"の距離…若さゆえにのしかかる重い現実
地図上では3ミリ、だけど現実は200キロ。すれ違って会いに行きたいけど高校生一人ではお金もなく、方法もわからず、会いに行けない。
★3ミリの"心"の距離…悲しみに寄り添えない切なさ
韓国の厳しい家庭に生まれ、日韓の歴史にも聡いユンスル。一方、母親を亡くし父親にのびのびと育てられたタツヒコはそういった事情に疎い。だからこそ、ユンスルの抱える悲しみや苦しみに寄り添えない。無知ゆえに、不本意にユンスルを傷つけてしまう。

タツヒコは思い立つ。唐津から、韓国まで、僕が彼女に会いにゆこう。
そして最大の衝撃は、
タツヒコとユンスルが実は"まったく同じ一枚の写真"を持っていること。
何が写っているのか? なぜ持っているのか?
しかも、2人は"同じ写真を持っていること"を知らない――。
●本作を"特別"にしている最大の理由――
日本と韓国。この2つの国をまたぎ、タツヒコとユンスルは時を超え、距離を超え、言葉も文化も超えてゆく。

メガホンをとるのは、在日韓国人3世の全辰隆(チョン・ジニュン)監督。両国の歴史や文化、そして人の心の機微を、丁寧に見つめていく。唐津と釜山で実際にロケを敢行し、日韓のキャストとスタッフが力を合わせた"日韓合作"です。
ゆえに、タツヒコとユンスル、そして"行く末をみつめる観客"が超えるのは、"好きの一線"だけではありません。
時を超え、距離を超え、言葉も文化も超えた、心温まる"人と人"のラブストーリー。数ある恋愛映画のどれとも異なる結末を、ぜひ劇場で見届けてほしいのです。
【ラブストーリーを求める女性映画ライターが観たら】
甘く、切なく、胸の奥がきゅうっとなる、特別な青春
記事の後半は、実際に観た感想をお伝えしましょう。
率直に言って、こんなにも"今の自分"にハマると思っていなかった。求めていた"全部"が入った本作の鑑賞体験をつづります。
●【主演・黒川想矢の"ピュアな魅力"に、秒でやられた】
「国宝」とも「怪物」とも違う、透きとおるような佇まい。逆らえない威力の、あの眼差し。もう決めた。この人を私は、ずっと追いかけていく

「怪物」で演じた影のある少年、「国宝」で魅せた危うい顔。本作で演じたのは、そのどれとも違う、全く邪気のない純粋無垢な青年だ。
ただ、いざという時の眼差しは本作でも観る人の視線を捉えて離さない。まっすぐ、誠実な想いが観客にも伝わってくる。

さらにユンスル役のキム・ジアンが放つ魅力も相まって、まるで少女漫画のような異次元なオーラを醸しだす2人が並ぶだけで、1枚の美しい絵のような"特別感"が宿る…。
脇を固める顔ぶれも贅沢だ。Netflix「First Love 初恋」の荒木飛羽、「違国日記」などの早瀬憩ら話題作への出演が続く期待の若手に、MEGUMI、大谷亮平、一ノ瀬ワタルといった人気俳優。さらに韓国からは「犯罪都市」などのパク・ジファン、「パラサイト 半地下の家族」のチャン・ヘジンら名優が加わる。
ポップで軽快な恋愛映画もいいが、大人も深く浸れるラブストーリーを観たいなら、本作を選ぶときっと幸せになれる。
●【エモーショナルな物語に、全身が満たされる】
登場人物の誰もが、誰かを想って動いている。誰かのために生きることは、とても素敵なことだ。気づけば胸が熱くなり、その温もりは全身にくまなくゆきとどく。

まだ高校生の、若い2人の甘いやり取りや切ないすれ違い。もちろん本作もその要素は含んでいるけど、それだけじゃない。
故郷から離れた2人や周囲の人たちの成長物語が、筆者の心を、全身をすみずみまで満たしてくれた。
上述の俳優たちが演じる、国境を越えて会いにいくこと、それを心配しながらも見守る人、後押しする人…

ひとりじゃできないことも、みんながいるからできる。「ひとりじゃない」ことの有難さを噛みしめて、私は映画館で、ほろりと泣いた。
さらに本作は、押しつけがましくない表現で、ある"気付き"をくれる。
タツヒコのように、自分も無知ゆえに誰かを傷つけていないか?
自分たちが暮らす日本のことをちゃんと知ることができているのか?
癒しや感動"だけ"で、この映画は終わらない。豊かな時間を私と同じように映画館で、思う存分堪能してほしい。
●【二度と戻らない17歳の夏。私たちは忘れられない旅をした】
「海がきこえる」「時をかける少女」に通じる余韻とエモさ。刺さる人に、深く刺さる――自分の青春時代が、たまらなく恋しくなった。

最後に、言葉にはしづらいけれど、深く刺さった要素について書き、特集を締めくくろう。
「海がきこえる」「時をかける少女」といった、夏の匂いや景色、シーンやセリフを思い出すだけで胸がキュっとなる映画の数々。
「3ミリの恋」は、それらと同じ余韻が、そっと心の奥底に届き、じわじわと温める。
フェリーから遠ざかっていく景色。夕暮れの海辺、水面にきらめく光。にぎやかなお祭り。好きと言えないままつないだ手。見上げた夜空。君と確かにすごした永遠みたいな一瞬。遠くで花火が、どん、と爆ぜた。

本作は刺さる人にはそれはもう、すっっごく刺さるのだ。
ちなみに、私は刺さりすぎて、まだ(余韻が)抜けていない。
だからこそ。11月6日公開「3ミリの恋」。特別な体験を求めているならぜひ体感してみてほしい。






