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フリーランスパートナーシップアワード

フリーランスと企業が良いパートナーシップを築き、チーム一丸となって成果を出したプロジェクトに光を当て、讃えることで、企業がフリーランスをチームに迎え入れることの意義や成果を広く発信する「フリーランスパートナーシップアワード」 このマガジンでは、ファイナリストや受賞者たちのストーリーを記事&漫画化し、ご紹介しています。

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【マンガ】フリーランスとの協働で組織が変わった 5選〜「フリーランスパートナーシップアワード2026」

フリーランス(プロ人材、副業人材など)と企業が良いパートナーシップを築き、チーム一丸となって成果を出したプロジェクトに光を当て、讃える、フリーランスパートナーシップアワード。 企業組織がフリーランスをチームに迎え入れることの意義や成果を広く発信するため、毎年開催されており、今年で第8回目となります。 (前回の授賞式の様子はこちら) この記事では、1次審査を通過したファイナリスト5組を、人気漫画家 川口真目さんによるショートマンガとともに一挙ご紹介!! 大賞を決める審査には、皆様からのWEB投票が反映されます。 最も心を動かされたストーリーに、ぜひご投票ください! ファイナリスト紹介①あぐらって長岡共同企業体先入観のない目が、米粉の新たな価値を引き出す!米どころ長岡の公共施設が4人のプロ人材と挑んだ6次産業化 ▼続きはこちら ファイナリスト紹介②麻生運送株式会社応募が年3名から6カ月で14名! 採用力を磨き、応募数が大幅アップ ▼続きはこちら ファイナリスト紹介③スタートアップ税理士法人「てたう(手伝う)」精神あふれるフリーランス集団の力で地方支店の開設まで実現! ▼続きはこちら  ファイナリスト紹介④燕器工株式会社厚さ0.2mmのチタン製“無重力タンブラー”「誰にも真似できない商品」を3年半かけて形に! ▼続きはこちら ファイナリスト紹介⑤株式会社メカノクロスたった3ヶ月で実現!1人のプロ人材と「経営企画AI」が事業を強力に後押し ! ▼続きはこちら 以上、5組のファイナリストのストーリーをご紹介いたしました! 大賞を決める審査には、皆様からのWEB投票が反映されます。 あなたはどのファイナリストが大賞にふさわしいと思いますか? ぜひご投票ください!! ▼ WEB投票はこちらから! フリーランスパートナーシップアワード2026【WEB投票フォーム】あなたは、どのファイナリストが大賞にふさわしいと思いますか?ぜひご投票ください!! ※投票はお一人につき1票でお願いしますforms.gle

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応募が年3名から6カ月で14名! 採用力を磨き、応募数が大幅アップ/麻生運送株式会社

フリーランス(プロ人材、副業人材など)が参画することで、チーム一丸で大きな成果を上げたプロジェクトにスポットを当て、フリーランスと組織の理想的な関係構築のあり方や共創意義を賞賛する「フリーランスパートナーシップアワード2026」。 本記事は、1次審査を通過したファイナリスト5組のうち、札幌市の麻生運送株式会社のドライバー採用を、山梨県在住のフリーランスが支援した事例をご紹介します。 半年間のプロジェクトで、それまで年間3名程度だった応募者は14名に!プロジェクト終了後も、社内の担当者2人が採用活動を続けています。自走できる体制が整うまでの舞台裏を、麻生運送代表取締役社長の田所博利さん、人材採用を専門とするフリーランスの小沢栄輝さんに伺いました。 文末に投票フォームもありますので、ストーリーに共感いただけた場合は応援の投票をお願いします。 応募は年3名…危機感から「プロの手を借りる」決断へ――人材採用について、外部のプロ人材の手を借りることにした背景を教えてください。 田所:6〜7年前頃からでしょうか、ドライバーの採用が非常に困難になってきたんです。直近では応募者数が年間3名程度で、ほとんど採用には至りませんでした。すぐに人が足りなくなるという状況ではありませんでしたが、既存のドライバーの平均年齢は年々上がっていきますし、このまま若い人材が入ってこなければ将来立ち行かなくなってしまう、という危機感をもっていました。 ――どのような形で人材募集をしていたのでしょう? 田所:専任の担当者はおらず、私と幹部メンバーや事務の担当者が相談しながら、有料の求人雑誌やウェブメディアに広告を出していました。大手のメジャーな媒体から地元密着型のものまで利用していましたが、年々応募者が少なくなり、ここ数年は本当に低調で焦りました。 麻生運送の田所社長――それまでの方法を変える必要があったんですね。 田所:そうですね。そんななか、地元の銀行にサーキュレーションという会社を紹介されたのが2024年の秋のことです。担当の方とお会いしたところ、必要なときに必要な分だけ関わってくださるプロフェッショナル人材を引き合わせてくださるとのこと。そこで2024年10月から半年間、小沢さんに関わっていただくことになりました。 山梨から札幌へ、現地訪問で見えた会社の魅力――小沢さんは山梨県にいらっしゃるんですよね。なぜ札幌の麻生運送さんに関わることになったのでしょう? 小沢:私は山梨出身で、新卒で地元の求人広告の代理店に就職しました。営業として顧客企業の支援をするうちに、もっと会社の内部に入り込んで力になりたい、実際に採用をする側も経験してみたいと思うようになり、医療機器メーカーの子会社に転職しました。そこで人材採用を担当したのですが、企業の一員として働いていると「これで良いのか?」と疑問を持つこともあり、一度自分の信じるやり方をやってみようと2023年7月に独立しました。 採用の伴走を行なったフリーランスの小沢さん私は働く人のやりがいについてお話を聞いたり、様々な現場の仕事を見ることがとても好きなんです。ですので、地域を限定せずにいろいろな企業様に関わりたいと思い、フリーランス人材と企業をマッチングする複数のプラットフォームに登録しています。 サーキュレーションさんとは、東北エリアの運送業や建設業、製造業など人手不足が深刻な地方の現場での人材採用のプロジェクトを何件かご一緒し、そのご縁で、麻生運送さんのお仕事にも声をかけていただきました。 ――札幌と山梨という距離を、田所社長はどう感じていましたか? 田所:リモートでのやり取りは得意ではありませんし、うまく意思の疎通ができるか不安でした。札幌の地域性のようなものを理解していただけるだろうか、という懸念もありましたね。 ――その課題を、どう克服していったのでしょうか? 小沢:基本的には月2回のミーティングをしながら進めていきましたが、訪問も2回させていただきました。1回目はプロジェクトの初期の段階です。会社の内部や現場を拝見し、社員の方にもインタビューをさせていただいて、非常に大きな収穫がありました。 ――現地に行き、お話を聴いて、どんなことが分かりましたか? 小沢:運送業というと、かなりの距離を運転するのではないか、拘束時間が長いのではないか、先輩社員が怖いのではないか——そんなイメージがありますよね。 でも、お話を伺ってみると、麻生運送様の配達エリアは札幌市内が中心で夜間勤務はなく、皆さんの人柄もとても良いことが分かりました。その上、オフィスがすごくきれいですし、トラックは自社できちんと整備されていて、何か異常があればすぐに相談できる環境がある。そういったところが、ドライバーとして転職を考える方々にとても刺さるのではないかと感じました。 清潔で整理整頓されているオフィストラックを自社整備しているところ札幌市内の配達が多く、夜間勤務がない――小沢さんが運送業界の方ではないからこそ、フラットな視点で良い部分を見いだせたのかもしれませんね。2回目の訪問は、どのような目的でしたか? 小沢:求職者に向けた会社説明会を企画しまして、説明会の当日は私も伺い、求職者の方への対応を一緒にさせていただきました。 ――半年の間に説明会まで実施されたんですね。 小沢:いろいろな手法を試して速いスピードでPDCAを回し、良いやり方にシフトしていくことを目指していました。まずは「Indeed」や「エンゲージ」など無料で掲載できる媒体から運用をスタートし、それ以外の方法として自社で説明会もやりましょう、地元密着型の掲示板サービス「ジモティー」も使ってみましょう、といった形で広げていったんです。 求人を出して終わりではない。伴走しながら学んだ採用力――麻生運送さんの側は、どのような体制でプロジェクトに臨みましたか? 田所:私のほかに2人の担当者を決めて、小沢さんにきめ細かく伴走指導していただきました。1人は現場で配車をし、ドライバーを動かす立場の部長です。もう1人は係長として事務の仕事をしている女性です。この2人にとって、とても勉強になったと思います。 ――求人を公開して1.5カ月で13名の応募があったそうですね。年間で3名程度という状態から大幅に伸びたわけですが、それまでのやり方と何が違ったのでしょうか? 田所:小沢さんには、ターゲットとする相手によって表現の仕方が全く異なるということを教えていただきました。30代が欲しいのか、40代が欲しいのかで文章も全く変わる、写真ひとつ撮るにしても、こういうアングル、こういう雰囲気の方がいいなど、具体的に指導してくださったんです。 求人情報を掲載した後も、都度クリック数や閲覧者の年代などを確認し、表現を修正していく。以前の我々は掲載したら1カ月そのままで連絡を待つ、という感じでしたが、状況を見ながら「ここは表現を変えましょう」、「写真を差し替えましょう」といったアドバイスをリアルタイムでいただきました。 ――採用のターゲットに設定したのは、どのような方々ですか? 田所:30代、40代の経験者、未経験者です。 これから長きにわたって活躍してほしいですし、運送業というのは体力勝負なところがありますから、歳を重ねて体力が落ちてきた方をサポートするという意味でも、若い人材が必要です。 ただ、30代前半以下の若い方ですと、4トントラックに乗るのに中型免許を取っていただく必要があります。2007年に法律改正の前に普通免許を取得している場合はそれで4トントラックにも乗れるというのも、30代後半から40代の方をターゲットに設定した理由です。 ――なるほど。その世代にアピールするために、小沢さんはどんなアドバイスをされましたか? 小沢:まず年代に着目すると、30代の方であれば例えば結婚があったり、40代の方であれば子育てにお金がかかる時期であったり、それぞれに状況の変化があることが想定されます。そうすると、「長く働ける環境ですよ」とか「ちゃんと昇給がありますよ」とか、伝えるべきポイントも変わってきます。 また、求職者にとっては通勤の利便性なども気になるポイントです。札幌はかなり人口の多い地域ですから、場所によっては通勤時間帯に渋滞も起きるでしょう。ですが麻生運送の社員の方によれば、通勤の際に渋滞で困ることはないとのこと。訪問した際に確認してみても、会社が大きな通りに面していて通勤がしやすそうだと感じました。これは、求人情報でも明確に記載した方が良いとお伝えしました。 ――求人情報を掲載してからも細かく調整されたということですが、実際に作業をされたのは麻生運送の担当者の方ですか? 小沢:はい。「職種名を変えてみましょう」とか「追加でこういう写真を掲載したいので、撮影してください」といったやり取りをしながら実行してもらいました。連絡ツールはメールが中心でしたが、事務の方は電話でも連絡がつきやすかったので、電話でのやり取りも多くさせていただきました。 社外のプロの力を借り、社内に知識を蓄えていきたい――様々な求人媒体や説明会という手法も試し、最終的には2名の採用もできたそうですね。 小沢:5名ほどに内定を出し、2名が入社を決めてくださいました。そのうち1名は説明会に来られ、私もお話をさせていただいた方です。 ――プロジェクトの終了後は、2人の担当の方が採用活動を継続されているのですか? 田所:はい。小沢さんから指導してもらったことを元に、一生懸命やっています。なかなか成果を出すのは難しいですが、以前に比べてチャレンジの量が増えていると感じています。 ――それこそがプロジェクトの成果ですね。小沢さんとしても、麻生運送さんにノウハウが残るようにと意識されていたのでしょうか? 小沢:そうですね。プロジェクト期間中に一緒にやっていただくことで、私がいなくても自走できる状態を目指しました。 最初の頃は何をしたら良いか分からないという様子でしたが、プロジェクトを進めるうちに「こうしたらどうか」と意見もいただけるようになったんです。今でもときどきお電話することがあるのですが、「こんなことで困っている」と具体的なお話が出てきたりして、ちゃんと採用活動を継続されているんだな、と嬉しく思っています。 ――今回のプロジェクトを経て、新たな動きや展望があれば教えてください。 小沢:今回のプロジェクトは、山梨と札幌というかなり距離のある中でのご支援でしたが、リモートでも採用支援が十分に成立することを証明できました。また、中小企業の人材確保の厳しさを改めて認識したこともあり、この経験を日本全国の採用に困る地域や企業様のご支援に活かしていきたいと思うようになりました。 田所:実はこのプロジェクトの後、サーキュレーションさんにお願いしてITやAIに強い方もご紹介いただきました。私たちのような中小企業では、専門の方を雇うというのはなかなか難しいですが、バックヤードのシステムを充実させたいといったときには知識が必要になります。社外のプロの方に頼りながら、社内に知識を蓄えていこうとしているところです。 ――小沢さんとの出会いをきっかけに、他の領域でもプロに頼れることがあると気づかれたのですね。 田所:たくさんあると思いますね。プロの方からは社内の視点とは全く違う角度からのアドバイスをいただけます。ちょっとした助言があるだけで、できることが大きく変わります。中小企業が時代の流れに取り残されないためには、自らが勉強していかなければなりません。そうしたときにプロの方が助けてくれるのはとても心強いですね。 ――社外のプロ人材の助言を真摯に取り入れる田所社長の姿勢が、よく伝わってくるお話でした。担当者の方と小沢さんの連携の良さも素晴らしく、現場職の採用という難しい課題に直面する全国の中小企業にとって非常に参考になる事例だと感じました。ありがとうございました。 ◆ ◆ ◆ この取り組みへの共感や参考になった場合は、「フリーランスパートナーシップアワード2026」ファイナリストへの投票もお願いします。 ■フリーランスパートナーシップアワードとは フリーランスパートナーシップアワードは、フリーランス(プロ人材、副業人材など)と企業が良いパートナーシップを築き、チーム一丸となって成果を出したプロジェクトに光を当て、讃えることで、企業がフリーランスをチームに迎え入れることの意義や成果を広く発信するものです。 書類審査による予選を勝ち抜いたファイナリスト5組の中から、Web投票により大賞が選ばれます。また、本選でのプレゼンテーションを踏まえた特別審査員賞も選出されます。 フリーランスが活躍できる土壌の広がりを応援するため、貴方が最も素敵だと感じたプロジェクトに是非ご投票をお願いします! フリーランスパートナーシップアワード2026【WEB投票フォーム】あなたは、どのファイナリストが大賞にふさわしいと思いますか?ぜひご投票ください!! ※投票はお一人につき1票でお願いしますforms.gle ▽その他のファイナリスト一覧 ・あぐらって長岡共同企業体 先入観のない目が、米粉の新たな価値を引き出す!米どころ長岡の公共施設が4人のプロ人材と挑んだ6次産業化 ・スタートアップ税理士法人 「てたう(手伝う)」精神あふれるフリーランス集団の力で地方支店の開設まで実現! ・燕器工株式会社 厚さ0.2mmのチタン製“無重力タンブラー”「誰にも真似できない商品」を3年半かけて形に! ・株式会社メカノクロス たった3ヶ月で実現!1人のプロ人材と「経営企画AI」が事業を強力に後押し! 取材・執筆:やつづかえり コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。2013年より組織に所属する個人の新しい働き方、暮らし方の取材を開始。2016〜2018年『くらしと仕事』編集長、2017年より「Yahoo!ニュース エキスパート」オーサー。各種ウェブメディアで働き方、組織、イノベーションなどをテーマとした記事を執筆中。著書に『本気で社員を幸せにする会社』(2019年、日本実業出版社)。2020年より長野県佐久穂町在住、一児の母。 漫画:川口真目 2010年から漫画家・イラストレーターとして活動を始める。その後、結婚し、2012年に男の子を出産。産後に働きすぎて体調を壊してから、「隙あらばゴロゴロ」をモットーに働いている。現在は「家族がもっと“いい感じ”になる」をテーマにエッセイ漫画やコラムを描く。子育てフリーランスをテーマに講演会に登壇したり、XなどのSNSでも積極的に発信中。

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先入観のない目が、米粉の新たな価値を引き出す!米どころ長岡の公共施設が4人のプロ人材と挑んだ6次産業化/あぐらって長岡共同企業体

フリーランス(プロ人材、副業人材など)が参画することで、チーム一丸で大きな成果を上げたプロジェクトにスポットを当て、フリーランスと組織の理想的な関係構築のあり方や共創意義を賞賛する「フリーランスパートナーシップアワード2026」。 本記事は、1次審査を通過したファイナリスト5組のうち、3人の副業・兼業の会社員と1人のフリーランスからなるチームが、米どころ新潟県長岡市の米粉を使ったレシピ集と新商品「旅する米粉のクッキー」を生み出した事例をご紹介します。 2023年の猛暑で米農家が打撃を受けるなか、公共施設「あぐらって長岡」はプロ人材の力を借り、米粉の6次産業化に挑みました。地域外の専門家たちは、地元の米粉にどんな可能性を見いだしたのか。あぐらって長岡共同企業体の髙橋亮太さんと、フリーランスの管理栄養士の川嵜(かわさき)瞳さんに伺いました。 文末に投票フォームもありますので、ストーリーに共感いただけた場合は応援の投票をお願いします。 米粉の活用事例をつくり、農家の新たな仕事づくりのヒントに――まずは髙橋さんと「あぐらって長岡」について教えてください。 髙橋:私は新潟県長岡市で「株式会社ひとつぶ」という会社を経営しており、当社ともう1社との共同企業体で「あぐらって長岡」という公共施設の指定管理を担っています。 「あぐらって長岡」は農業を次の世代に継承することを目的に、スマート農業機器の体験や農産物の加工体験ができる施設です。農家さんだけでなく、地域内外の様々な年代の方が、農業体験や地域の農産物を使った味噌やハム、笹団子づくりなどを体験しに来られています。 「ひとつぶ」ではほかに、地方創生やシステム開発、経済産業省が推進する「地域の人事部」の地域事務局なども担っています。 「地域の人事部」では都市部の副業・兼業人材に地域で活躍していただくということに取り組んでおり、そのやり方を「あぐらって長岡」にも応用してみたのが今回のプロジェクトです。 プロ人材の方々と一緒に、米粉を使った新商品の開発・製造体制構築と、米粉を使ったレシピ開発を進め、長岡の米粉の6次産業化のモデルをつくることを目指しました。 長岡市にある「あぐらって長岡」。スマート農業機器の体験や農産物の加工体験ができる――長岡といえばコシヒカリなどのブランド米が有名ですね。米粉にしてしまうのはもったいない気もしますが……。 髙橋:そうですよね。ただ、プロジェクトを準備し始めた頃、米農家さんは2023年の猛暑の影響で打撃を受けていました。稲は、夏の夜も気温が下がらない状態では米粒の色が白く濁ります。味は変わらなくても色が白いと等級が下がってしまい、農家の収入が減ってしまうんです。そのような場合は米として売るよりも米粉にして別の商品に加工した方が付加価値が高められる可能性があり、それを実証しようと考えました。 また、温暖な地域では二毛作や二期作という形で冬も農作物をつくれますが、こちらは雪が降るので農業ができません。冬はスキー場でインストラクターをしたり酒蔵で働いたりと、この地域の農家さんたちは昔から複業が当たり前なんです。農家さんたちの冬の仕事を創出するためにも、米粉の商品開発がヒントになれば、という思いもありました。 ――なるほど。そこで外部の人材の力を借りようと考えたのは、なぜですか? 髙橋:例えば、地域内の調理専門学校とタイアップして商品開発をするようなことも考えられました。ただ、長岡の米粉に対して先入観のない人の方が、地元の人間が気づかない新しい魅力を発見したり、より消費者の目線に立ったアイデアが生まれるんじゃないかと思ったんです。そこで、地域の課題を解決したい事業者と自らの経験やスキルを活かして地域貢献をしたい人材をマッチングする「Otanomi」にプロジェクトの情報を掲載し、人材を募集しました。 専門性や属性のバランスを考慮して4人のプロ人材を選出――プロジェクトは、米粉の新商品開発とレシピ開発の2つのテーマに同時に取り組むという内容だったのでしょうか? 髙橋:はい。参画してくださる方の専門性に応じてメインで担当するテーマを決め、2025年4月〜9月という期間内にできるだけ進めていただき、その後は私たちの方で引き継いでやっていくという計画でした。 ――応募の状況と、4人の方を選ばれた理由を教えてください。 髙橋:11人ほどのエントリーがあり、全員の方々と面談させていただきました。ありがたいことに熱量の高い方ばかりでしたが、スキルや経験に加えて年齢や男女比も加味して4人の方にお願いすることにしました。 1人は栃木在住の大手飲料メーカーの方、もう1人は東京在住でやはり大手の食品メーカーに勤める方で、おふたりとも商品開発のプロなので、主に米粉の新商品の開発を担当していただきました。 もう1人は東京のマーケティング会社にお勤めのマーケターの方で、学生時代に地域の老舗のお菓子屋さんと協力し、地域特産品を使用したお菓子の開発を行い学内表彰を受けたご経験があるそうです。それから兵庫県在住でフリーランスの管理栄養士である川嵜さん。この2人には主に米粉のレシピの開発をお願いしました。 男女2人ずつで、年代は20代後半から40代前半の方々です。性別や年代が偏らない方が、「あぐらって長岡」の加工体験に来るお子さんや、健康やダイエットの観点からグルテンフリーを意識する方など、様々な層に届くレシピや商品を開発できるのではないかと考えました。 上段左から、フリーランス栄養士の川嵜さん、あぐらって長岡の指定管理を担うひとつぶ代表の髙橋さん、あぐらって長岡代表の松下さん。下段がプロジェクトに参加したフリーランスの方々――川嵜さんはこれまでどんなお仕事をされてきて、なぜこのプロジェクトに応募されたんですか? 川嵜:以前は保育園や介護施設、病院などで管理栄養士として働いていましたが、3年ほど前からフリーランスになり、主にオンラインでの仕事をしています。 独立したのは、コロナ禍で派遣切りに遭ったことがきっかけです。そのときに世の中を見渡して、これからはAIにどんどん仕事を奪われていくだろうと思いました。だったら思い切って仕事を変えようと決め、プログラミングの専門学校に通ったのですが、なかなかついていけなくて。あらためて考え直し、私の専門である栄養学とITを組み合わせたらほかにない人材になれるんじゃないかと気づきました。そこで2023年頃から「Otanomi」をはじめとする複業人材を募集しているサイトに登録し、食関係のプロジェクトに片っ端から応募しています。 今回のプロジェクトに参加させてもらえたのは、保育園での経験から子どもたちの食体験を企画したりするのも得意だという点を評価していただいたのだと思います。それと、私には小学生の子どもが2人います。例えば白玉団子など、子どもも楽しめそうなレシピは自宅で子どもたちにも作らせてみて、うまくいくかどうか実験したりもしました。子どもも楽しめて栄養面でも訴求できるといった、実践的なレシピを開発するのに私の強みが活かせたのではないかと思います。 水分は通常の1.5〜1.7倍。長岡の米粉に合わせたレシピを開発――レシピ開発はどのようなスケジュールと役割分担で進めましたか? 川嵜:レシピ開発は2人で分担し、私は月に5〜10レシピくらい作りました。 髙橋:おふたりにはプロジェクトが始まってからコツコツとレシピをつくっていただき、最終的には28のレシピをInstagramにも投稿できるデザインで納品していただきました。 それをプロジェクト最終盤の2025年9月頃から週に1回のペースで投稿していき、2025年度末である今年の3月にレシピ集という形にしてホームページに掲載しました。あぐらって長岡での加工体験でも、米粉団子、ピザ、蒸しパンなどのレシピを活用しています。 川嵜:レシピをつくる前にアンケート調査もしましたね。そこはレシピ開発を担当していたもう1人の方に、マーケターとしての知見を活かして主導していただき、私が知りたいことも設問に入れてもらいました。それを「あぐらって長岡」で配布してもらったんです。 ――どんなアンケートですか? 髙橋:加工体験に来られるお客さんのニーズを理解するためのアンケートです。 米粉を使った食品の加工体験をするなら? ということで、子どもが楽しめるものがいいのか、どのくらいの時間でできるものがいいのか、家庭にある調理器具でできるものがいいのかなど、要望を把握した上でレシピに反映させようと考えました。 川嵜:40〜50代の女性が一番多く回答してくださったので、子どもだけでなくその年代の方々に喜ばれるレシピも考えました。また、災害時に使えるレシピを望む声があり、米粉をとろみ付けに使うというアイデアにつながりました。災害時は高齢者の方の食事も普段通りにはいきません。飲み込む力が弱くなっている高齢者の方もいらっしゃるので、少しでも食べやすく、飲みやすくなるような工夫ができないかと考えたんです。そこで、米粉をとろみ付けに活用するアイデアが生まれました。 髙橋:介護施設にお勤めだった川嵜さんならではの発想ですよね。 川嵜:アンケートを実施したことで、米粉の活用法の幅も広がりました。 ――ほかにレシピ開発において工夫したこと、意識したことはありますか? 川嵜:加工体験の場所には電子レンジやオーブンがないので、炊飯器でできるケーキやお鍋でできるお団子など、そこにあるものでできて、子どもも楽しめそうなレシピを盛り込みました。 それと、最初に長岡の「コシヒカリ」と「新之助」の米粉を送ってもらったのですが、どちらも吸水特性が一般的な製菓用米粉と異なり、通常のレシピではうまく仕上がらなかったんです。通常の1.5倍から1.7倍くらいの水や牛乳を入れないとお菓子にならないということが、衝撃的でしたね。 結果として、白玉団子のようなもちもちしたものはとても美味しくできるんですけど、蒸しパンのようなふわふわしたものはどうしてもうまくいかず、タピオカ粉などのほかの粉と混ぜるといったやり方で完成させたレシピもあります。 髙橋:恥ずかしながら、品種や製粉方法などによって加工適性が異なるなんて知りませんでした。私たちはコシヒカリにあぐらをかいていたのかもしれません。コシヒカリは誰もが認める美味しいお米なのだから、米粉にしても美味しいだろう、くらいの認識だったんですよね。米粉にすることで「ご飯としての美味しさ」とは違う視点が生まれるんだなと、プロの方に関わっていただいて初めて気づくことができました。 米粉加工体験の様子安定的な製造・販売も見据えて考案された「旅するクッキー」――米粉の新商品開発についても教えてください。 髙橋:何をつくるかというところから皆さんに考えていただきました。 地元の農家さんと話しているときには「味付きのライスペーパーを作って、それを海苔みたいにおにぎりに巻いたら面白いんじゃないか」なんていうアイデアも出てきたんです。ただ、安定的に製造して販売していくというところまで含めていろいろ考えていただいた結果、クッキーにしようということになりました。 川嵜:どんなクッキーにするかについても、いろいろなアイデアが出ましたよね。日本酒とセットにするのはどうか、とか。 最終的には「旅する米粉のクッキー」というコンセプトで3つの国をイメージしたクッキーを詰め合わせた商品になりました。味だけでなくストーリーも一緒に味わってもらえるものがいいんじゃないかという話から、そういうものになったと記憶しています。 髙橋:米粉以外にも地域の食材を活かそうということで、イタリアをイメージしたビスコッティに入った豆、フランスのガレット・ブルトンヌの塩、アメリカのチョコチャンククッキーの隠し味の味噌は、それぞれ新潟県産のものです。 左からチョコチャンククッキー、ガレット・ブルトンヌ、ビスコッティ。――新潟土産として売るイメージですか? 髙橋:贈答用に買っていただけるものにしたいと考え、銀座と大阪にある新潟県のアンテナショップと、たまたま縁があったモンゴルのスーパーマーケットでテスト販売をしました。そこで「贈答用にしてはパッケージがチープだ」という声を結構いただいたので、デザインや売り方は今後の課題だと考えています。 ――商品開発だけでなく、製造体制の構築もこのプロジェクトのミッションでしたね。 髙橋:はい。製造は東京で米粉を専門にしていらっしゃるお菓子屋さんに委託しました。マーケターの方が別の複業でつながりのあった方なのですが、長岡にルーツがあるとのことで、「それならぜひその方に」ということになったんです。 すでに長岡市の農家さんから米を仕入れて米粉のクッキーも作られていたのでとても話が早く、ありがたかったです。ただ、個人で運営されているので大量生産は難しいという課題があります。今回のプロジェクトで月に100袋の製造体制を構築することができましたが、今後販売先を開拓しつつ、どうやって安定供給できるようにするかは、私たちに残された課題です。 「地域の資源×外部人材」の可能性を実証し、次の課題も明らかに――外部のプロ人材とお仕事をしてみて、難しいと感じた点、良かった点を教えてください。 髙橋:川嵜さん以外は会社員なので、活動は土日が中心になります。そのために思ったほど進捗しないと感じることはありました。ただ、最初から意識していたのは、プロ人材の皆さんにはスペシャリストとしての役割に専念していただき、プロジェクトを管理するのはこちらの責任だということです。応募いただいた方の中には、プロジェクトマネジメントも含めて全部やりますとおっしゃる方もいらしたのですが、そこは私たちの側が責任をもってやるべきだと考えていました。 その上で、こちらが期待する専門性をお持ちで、オンラインでのやり取りにも慣れていそうな方々にお願いした結果、コミュニケーションはとてもスムーズでした。皆さんがお互いの専門性を尊重し、任せるところは任せる、意見は言っても余計な口出しはしないという、とても良い距離感でやってくださいました。 男女比が半々で、年齢は30代とその前後ということで離れすぎていなくて、地方の活性化に関わりたいという気持ちを持ってきてくださっているという点で価値観が近かったのも、良い雰囲気で進められた理由かもしれません。 川嵜:私も、とてもやりやすいチームだと感じていました。それぞれの専門性をしっかりお持ちで、それでいて自己主張しすぎず、「これについてはこの人に聞こう」と相手の専門性を尊重しながら自分の意見もしっかり言う、そんな雰囲気でした。Zoomで月に1度か2度のやり取りでもちゃんと前に進んでいったのは、髙橋さんの人選が良かったからだと思います。 ――今回のプロジェクトで得られた成果や学びは何でしょうか? 髙橋:当初の狙い通り、食に関する専門性をもった方に地域の方とは異なる目線で長岡の米粉の活用方法を見つけていただき、それをレシピ集や新商品という形にできました。レシピについては「あぐらって長岡」の加工体験を充実させるツールになっていること、クッキーの方は外部人材と地域の資源という組み合わせで新商品を生み出すという道筋を示せたことが、大きな成果だと思います。 「あぐらって長岡」として外部のプロ人材に関わっていただくのは初めてでしたが、ありがたいことにとても良いチームワークが実現しました。今後も挑戦するなら、オンラインのやり取りをメインにしつつ、どうやって気持ちを合わせていくのかは、もっと考えていかないといけないとも感じています。要所要所でオフラインで会うとか、現地視察を入れるとか、そういったこともした方が良いのでは、と感じています。 ――やってみたからこそ、気づけることがあったんですね。川嵜さんは、どんな学びがありましたか? 川嵜:フリーランスでありながら、プロジェクトの一員としてきちんと役割を果たすことができる、自分のスキルをお金に変えられる、ということを学べたのがすごく良かったです。もし会社に所属していたとしても、いざとなれば副業でも稼げるし、自分のスキルで仕事ができるんだという自信があれば、より生きやすい人生になりそうですよね。 ――それぞれのスキルが発揮しやすい良いチームだったんですね。複数のプロ人材に関わってもらう際の人選やマネジメントの大切さに気付かされるお話でした。ありがとうございました。 ◆ ◆ ◆ この取り組みへの共感や参考になった場合は、「フリーランスパートナーシップアワード2026」ファイナリストへの投票もお願いします。 ■フリーランスパートナーシップアワードとは フリーランスパートナーシップアワードは、フリーランス(プロ人材、副業人材など)と企業が良いパートナーシップを築き、チーム一丸となって成果を出したプロジェクトに光を当て、讃えることで、企業がフリーランスをチームに迎え入れることの意義や成果を広く発信するものです。 書類審査による予選を勝ち抜いたファイナリスト5組の中から、Web投票により大賞が選ばれます。また、本選でのプレゼンテーションを踏まえた特別審査員賞も選出されます。 フリーランスが活躍できる土壌の広がりを応援するため、貴方が最も素敵だと感じたプロジェクトに是非ご投票をお願いします! フリーランスパートナーシップアワード2026【WEB投票フォーム】あなたは、どのファイナリストが大賞にふさわしいと思いますか?ぜひご投票ください!! ※投票はお一人につき1票でお願いしますforms.gle ▽その他のファイナリスト一覧 ・麻生運送株式会社 応募が年3名から6カ月で14名! 採用力を磨き、応募数が大幅アップ ・スタートアップ税理士法人 「てたう(手伝う)」精神あふれるフリーランス集団の力で地方支店の開設まで実現! ・燕器工株式会社 厚さ0.2mmのチタン製“無重力タンブラー”「誰にも真似できない商品」を3年半かけて形に! ・株式会社メカノクロス たった3ヶ月で実現!1人のプロ人材と「経営企画AI」が事業を強力に後押し! 取材・執筆:やつづかえり コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。2013年より組織に所属する個人の新しい働き方、暮らし方の取材を開始。2016〜2018年『くらしと仕事』編集長、2017年より「Yahoo!ニュース エキスパート」オーサー。各種ウェブメディアで働き方、組織、イノベーションなどをテーマとした記事を執筆中。著書に『本気で社員を幸せにする会社』(2019年、日本実業出版社)。2020年より長野県佐久穂町在住、一児の母。 漫画:川口真目 2010年から漫画家・イラストレーターとして活動を始める。その後、結婚し、2012年に男の子を出産。産後に働きすぎて体調を壊してから、「隙あらばゴロゴロ」をモットーに働いている。現在は「家族がもっと“いい感じ”になる」をテーマにエッセイ漫画やコラムを描く。子育てフリーランスをテーマに講演会に登壇したり、XなどのSNSでも積極的に発信中。

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たった3カ月で実現!1人のプロ人材と「経営企画AI」が事業を強力に後押し!/株式会社メカノクロス

フリーランス(プロ人材、副業人材など)が参画することで、チーム一丸で大きな成果を上げたプロジェクトにスポットを当て、フリーランスと組織の理想的な関係構築のあり方や共創意義を賞賛する「フリーランスパートナーシップアワード2026」。 本記事は、1次審査を通過したファイナリスト5組のうち、沖縄在住のプロ人材が札幌の化学系ベンチャーの「経営企画に使えるAI」を開発した事例をご紹介します。 現在、経営企画業務のスピードとクオリティの向上に大いに役立っているという「経営企画AI」は、3カ月間という短期間で完成に至りました。距離を越えたプロジェクトの舞台裏を、株式会社メカノクロスで経営企画を担当する野村篤史さんと、フリーランスの丸澤英将さんに伺いました。 文末に投票フォームもありますので、ストーリーに共感いただけた場合は応援の投票をお願いします。 最先端の化学技術で勝負する札幌のベンチャーと沖縄在住の「AI×経営戦略のプロ人材」との出会い――まずはメカノクロスさんがどんな会社なのか、教えてください。 野村:北海道大学での研究を元に2023年に設立された札幌の会社で、メカノケミカル有機合成という新しい技術の社会実装を目指して活動しています。 どういった技術なのか簡単に説明しますと、これまでの技術では、何か人工的な物質を作り出すには、溶媒と呼ばれる液体を大量に用意し、そこに素材を溶かして混ぜ合わせる必要がありました。ところが我々の技術を使えば、溶媒を使わなくても素材同士の化学反応を起こして新たな物質を作ることができるんです。液体を大量に使う必要がなくなるほか、液体に溶けにくいものも材料として使えるようになるという点で画期的な技術です。 私自身は今年6月にメカノクロスに転職しました。それまでは大手の化学メーカーに22年間勤務し事業運営に携わってきましたが、メカノクロスの技術はこの業界の常識をひっくり返すものだと感じました。ノーベル賞にも値するほど大きな可能性を秘めた技術で、世界の化学メーカーに衝撃を与えていくものだと考えています。 メカノケミカル有機合成反応の成功例と実用例――まさに最先端を行くベンチャーなんですね。丸澤さんは、これまでにどのようなお仕事をされてきて、なぜ独立されたのですか? 丸澤:私はこれまで3つの軸でキャリアを築いてきました。1つ目はAIで、東京大学大学院でAIの研究をする研究室に所属していました。2つ目が経営戦略です。新卒で外資系戦略コンサルティングファームに入り、戦略策定とデータサイエンスの両方を担当しました。その後、事業会社に転職して会社のKPI設計やAIによる売上予測モデルの導入を担い、経営の意思決定を早くするということに携わりました。3つ目の軸は事業責任です。今年、株式会社AXION(アクシオン)という会社を設立し、いろいろな会社の課題解決に伴走しながら、いかに経営にインパクトをもたらすかということを常に考えています。 これまでいくつかの会社を経験し、チームで働くことの素晴らしさや、規模やインパクトの大きな仕事に取り組める面白さも実感してきました。それでも独立を選んだのは、AIを活用することで1人でできることがどんどん増えていますし、今回メカノクロスさんと私をつないでくださったサーキュレーションさんのように、フリーランスのプロ人材と企業とをマッチングしてくれる会社があることも知ったからです。自分が興味を引かれる分野に次々と幅広く関わっていく、そんな働き方に魅力を感じ、このタイミングで挑戦してみようと考えました。 ――拠点はどちらですか? 丸澤:沖縄です。今回は北海道と沖縄という距離がありましたが、リモートでしっかり伴走させていただきました。 AIを経営企画に活用できている事例がない中、プロ人材の知見に期待――メカノクロスさんが丸澤さんに支援を求めた背景を教えてください。 野村:実はこのプロジェクトは私の前任者が担当していたもので、彼は私の入社1カ月後に会社を離れました。当初は辞めるつもりはなく、それまで彼1人が担っていた経営企画の役割を補うAIがほしいというのが、プロジェクトを立ち上げた目的でした。 というのも、事業の拡大に伴って1人で経営企画を担当するのは難しくなっており、もし1人でできたとしても、化学産業ならではの複雑な情報やノウハウを特定の人材が抱えている状態は望ましくありません。意思決定の再現性を高めるには担当する人員を増やすのが一般的なやり方だと思いますが、我々のようなスタートアップは、優秀な人材をどんどん採用していくのも難しいです。そこで、経営企画の支援ができるAIを作ろうと考えたわけです。 ただ、周りの企業でAIを使っているというところに聞いてみても、我々の求めるレベルで経営企画に活用できているところはありませんでした。そこで、様々な分野のプロ人材を紹介してくださるというサーキュレーションさんにご相談し、経営とAIの両方の経験が豊富な丸澤さんにおつなぎいただきました。 左がメカノクロスの野村篤史さん、右がフリーランスの丸澤英将さん――丸澤さんは、メカノクロスさんの課題をどのように受け止めましたか? 丸澤:最初にお話をいただいたときに課題だと感じたのが、メカノクロスさんの根幹である化学の専門的知見をどうやってAIにインプットしていくかという点です。まだ世の中に浸透していない新技術を社会実装していくための経営戦略が必要で、そこにAIを活用したいというのがそもそものテーマですから、AIがまだ持っていない情報をいかに学習させていくかがポイントになると感じました。 ――解決の方法があったのでしょうか? 丸澤:AIが持っていない情報については、きちんと「分からない」と返すような設計にしました。その上で、AIが「分からない」と言ってきたことに対し、前任者の方から専門的な知見を教えてもらう——そんな形で一緒にAIを育てていき、この壁を乗り越えました。 3カ月という短期プロジェクトのスタートダッシュを決めたポイント――プロジェクトの期間や進め方について教えてください。 丸澤:2026年5月から3カ月間で、基本的には週1回1時間程度、オンラインで打ち合わせをしながら進めていきました。 ――短期集中のプロジェクトだったんですね。 丸澤:はい。期間内にAIを完成させるために、初回の打ち合わせより前に、AIに学習させるのに必要な情報のリストを作ってお渡ししました。それに対して担当者の方が様々な資料を用意して共有してくださって、AIに最低限の知識をインプットした状態でプロジェクトを始めることができたんです。このスタートダッシュによって、3カ月でしっかり成果を出せたのだと思います。 ――最初から必要な情報の当たりがついていたんですか? 丸澤:そうですね。私は化学の専門家ではないですが、どういう知識を与えればAIが賢くなるかという勘所はありました。 ――メカノクロスさんにとっては重要な企業秘密も含まれていそうですが、問題にならなかったのでしょうか? 野村:我々の経営情報や知的財産を外部の方やAIに預けて大丈夫なのかという点は、社内でも葛藤があったようです。ただ、丸澤さんはそのような不安も汲み取り、共有するデータをクラウド上ではなく社内のフォルダに置き、しっかりとアクセス権限を限定して運用するという方法を提案してくださいました。そういった丸澤さんの姿勢もあって、プロジェクトが進むうちに不安は安心感へと変わっていきました。 メカノクロスの社員の皆様――丸澤さんの経営や事業運営での経験が安心感につながっていそうですね。3カ月の間に、どうやってAIを完成させていったのでしょうか。 丸澤:最初の1カ月はAIの学習に必要な情報を集めながら、このAIを何の目的で使うのかについてメカノクロスの皆さんと整理させていただきました。 求められていたのは、単に文書をまとめたりプレゼン資料をつくるためのAIではなく、経営企画に使えるAIです。例えばライセンスをどのように収益に結びつけていくのかなどの特許戦略、そういったものをAIを使って策定していきたいという目的があったので、それをしっかり言語化するということを、まずは行いました。 2カ月目には、毎週の打ち合わせの中で実際にAIを動かしてみて、「AIがこういう回答をしています。違和感はないですか?」とその場で確かめました。それに対して「ここは、こういう表現の方が分かりやすい」といったフィードバックをもらい、可能ならその場で改善をし、翌週にはさらにブラッシュアップしたものを見てもらう、というサイクルを回しました。 3カ月目にはAIがほとんど完成している状態で、ちょうど前任の方から野村さんにバトンタッチされるタイミングでした。そこで野村さんにもAIを触ってもらい、違和感なく引き継げるかどうかを確認してもらいました。また、社内のほかの方にも、前任者の持っていた知見がAIにきちんとインプットされ、今後の経営企画に使っていけそうだということを確認していただきました。 野村:最後の1カ月も、我々の反応を見ながらどんどんカスタマイズしてクオリティを上げてくださいました。おかげさまで前任者からの引き継ぎもスムーズで、今は弊社の代表とCFOと私の3人がこのAIを使い、来年以降の経営計画を立てているところです。 経営企画の品質とスピードが向上し、株主や従業員にも波及効果が――経営計画を立てる際、AIが前任の方と同じように思考してアウトプットしてくれるということですか? 野村:最初はそうでした。ただ、丸澤さんはAI用の「憲法ファイル」というものを設定してくださいました。その「憲法ファイル」を追加したり更新したりすることで、最新の状況に合ったアウトプットが出せるようになるんです。 また、丸澤さんには、AIが最初から完璧な答えを出すというよりは6割くらいの精度のものを出すようにしてほしい、とお願いしていました。それに対して私たちが質問したり、AIからの質問に答えたりということを繰り返し、計画を作っていくんです。 例えば「今後、こういう分野を開拓していきたいけれどリソースが足りない」と投げかけると、AIが「今のリソースはどうなっているのか?」と問いかけてくる。それに対して情報を渡すと、それを分析したAIが「この分野に出ていくのに、この費用は不要なので削っていい」といったアドバイスをしてくれるとか、そんなイメージです。 丸澤:プロジェクトの期間中、前任の方も含め、メカノクロスの皆さんが気づいていなかったことをAIが教えてくれたこともありましたよね。 野村:そうなんです。会社組織ではよくあることかもしれませんが、自分たちの強みや技術の価値について、私たちはひとつの見方しかできていませんでした。 メカノケミカル有機合成という技術を使えば化合物をつくる際の液体の使用量を減らすことができ、それによって二酸化炭素(CO2)の排出が減る、だから環境に優しい技術なんです、ということを価値として訴えてきました。 でもAIと対話するうちに、「お客様の目線に立てば、溶媒を使う方法では不可能だった新しい素材を作れるということの方が価値が高いんじゃないか」ということに気づかされました。それ以来、我々の事業計画やお客様へのプレゼン資料も書き換え、「これまでにない化合物を作れる可能性」を打ち出すようになりました。 ――優秀で頼れる社員が1人増えたような感じですね。 野村:はい。このAIのおかげで経営企画の業務の品質とスピードが上がりました。株主の方々には月次で事業や戦略の説明をしているのですが、そのクオリティがとても上がったと評価をいただいています。 経営企画の業務の効率が上がったので、私は経営企画だけでなく営業も兼任できるようになりました。ほかにも浮いたリソースでいろいろなことに取り組めるようになって、事業のスピード自体も上がっています。 社内に対しても、このAIで解析したデータをもとに「我々はこういう方向に進んでいきます」という説明を毎月するようになりました。これによって従業員のモチベーションが上がり、各々の仕事の方向性もクリアになって、アウトプットが量的にも質的にも向上してきたと実感しています。 企業とフリーランスそれぞれが、プロジェクトでの学びの応用に挑戦中――企業の経営判断を支えるシステムの開発を1人のフリーランスが請け負うというのは、数年前なら考えられなかったような気がします。 丸澤:おっしゃる通り、1〜2年前なら大手のコンサルティング会社が4〜5名のチームを作り、半年くらいかけてやってもおかしくないようなプロジェクトだと思います。それを1人で3カ月という期間でできたのは、メカノクロスの皆さんが毎回率直にフィードバックをくださったことと、私自身がAIをフル活用して仕事の生産性を高められたからです。AIを活用すればここまでできるんだということに、私自身が驚いています。 野村:丸澤さんがAIだけでなく経営に対しても造詣が深いことも、非常に大きいですよね。だからこそ、我々が言葉にできないことまで汲み取って、AIに落とし込んでいただけたんだと思います。 それに、1人というのがデメリットではなくメリットだと感じる面もありました。それはスピード感です。会議の場で言ったことをその場でAIに反映してくださるようなこともあって、その速さは我々のようなスタートアップにとってはとてもありがたいことでした。 ――今回の経験を元に、それぞれに新たな動きや展望があれば教えてください。 野村:このプロジェクトで分かったのは、事業を拡大するのに必ずしも人を増やさなくても良いということです。今回つくっていただいたAIを事業開発や経営管理などにも活用しながら、必要なときにはフリーランスの方にスポットで力を借りて事業を回していくというやり方がいいんじゃないかと考えています。 例えば人事の領域なら、組織開発に関しては経験のあるフリーランスの方にお願いし、採用については必要な人材像の定義、それを元にした求人の原稿作成などをAIでカバーしていく、そんなやり方に挑戦し始めています。 丸澤:私は、このプロジェクトを通じて得られた気づきが次のプロジェクトやその先の構想につながっています。 先ほど、AIと対話をするうちにメカノクロスの皆さんが気づいていなかった技術の価値が見出された、というお話がありましたよね。これはほかの企業さんでも起き得ることです。継続して同じ専門分野に携わっているからこそ、ひとつの見方に慣れてしまうこともあると思うんです。そんなとき、AIや私のような外部の人材と対話をすることで見えていなかった価値が明らかになるはずです。 私はこれを、特定の業界に限らず全国の様々な企業さんに広げていきたいと考えています。私が入ってその企業さん用のAIを一緒に作りながら、AIとの対話によって社内の人だけでは気づけないことに気づき、新たな会社の強みにしていく——この方法に可能性を感じています。 ――メカノクロスさんも丸澤さんも、今回のプロジェクトで大きな成果を上げただけでなく、次に進むべき方向性まで見出されたんですね。すばらしい相乗効果だと感じました。ありがとうございました。 ◆ ◆ ◆ この取り組みへの共感や参考になった場合は、「フリーランスパートナーシップアワード2026」ファイナリストへの投票もお願いします。 ■フリーランスパートナーシップアワードとは フリーランスパートナーシップアワードは、フリーランス(プロ人材、副業人材など)と企業が良いパートナーシップを築き、チーム一丸となって成果を出したプロジェクトに光を当て、讃えることで、企業がフリーランスをチームに迎え入れることの意義や成果を広く発信するものです。 書類審査による予選を勝ち抜いたファイナリスト5組の中から、Web投票により大賞が選ばれます。また、本選でのプレゼンテーションを踏まえた特別審査員賞も選出されます。 フリーランスが活躍できる土壌の広がりを応援するため、貴方が最も素敵だと感じたプロジェクトに是非ご投票をお願いします! フリーランスパートナーシップアワード2026【WEB投票フォーム】あなたは、どのファイナリストが大賞にふさわしいと思いますか?ぜひご投票ください!! ※投票はお一人につき1票でお願いしますforms.gle ▽その他のファイナリスト一覧 ・あぐらって長岡共同企業体 先入観のない目が、米粉の新たな価値を引き出す!米どころ長岡の公共施設が4人のプロ人材と挑んだ6次産業化 ・麻生運送株式会社 応募が年3名から6カ月で14名! 採用力を磨き、応募数が大幅アップ ・スタートアップ税理士法人 「てたう(手伝う)」精神あふれるフリーランス集団の力で地方支店の開設まで実現! ・燕器工株式会社 厚さ0.2mmのチタン製“無重力タンブラー”「誰にも真似できない商品」を3年半かけて形に! 取材・執筆:やつづかえり コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。2013年より組織に所属する個人の新しい働き方、暮らし方の取材を開始。2016〜2018年『くらしと仕事』編集長、2017年より「Yahoo!ニュース エキスパート」オーサー。各種ウェブメディアで働き方、組織、イノベーションなどをテーマとした記事を執筆中。著書に『本気で社員を幸せにする会社』(2019年、日本実業出版社)。2020年より長野県佐久穂町在住、一児の母。 漫画:川口真目 2010年から漫画家・イラストレーターとして活動を始める。その後、結婚し、2012年に男の子を出産。産後に働きすぎて体調を壊してから、「隙あらばゴロゴロ」をモットーに働いている。現在は「家族がもっと“いい感じ”になる」をテーマにエッセイ漫画やコラムを描く。子育てフリーランスをテーマに講演会に登壇したり、XなどのSNSでも積極的に発信中。

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IBM SkillsBuildを使い倒す!

フリーランス協会の18歳以上のすべての会員(無料・一般)であれば無料で利用できる「IBM SkillsBuild」と「Udemy for IBM SkillsBuild」の使いこなし術を紹介しています。

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伝わるプレゼンに!資料作成を学んでみた!<学びカフェ日誌>

「資料を作り始めたものの、途中で構成がぐちゃぐちゃに……」 「見よう見まねでデザインしたけれど、なんだかしっくりこない」 「AIに頼んでみたけれど、ありきたりな内容になってしまった」 提案書、企画書、セミナー資料。資料づくりは仕事の成果を左右する大切なスキル。「センスがないから」と、ブラッシュアップを諦めていませんか? 今回の学びCafe日誌では、Udemy for IBM SkillsBuildから「組み立て」「デザイン」「AIの活用」の3つの切り口で、プレゼン資料づくりを学べるコースを集めました。 どのコースにも共通していたのは、資料づくりに必要なのは才能ではなく、知っているかどうかの「型」というメッセージ! 「伝わる資料」を作る力を、一緒に磨いていきましょう。 学びCafe初来店の方へ☕️IBM SkillsBuildとUdemy for IBM SkillsBuildはフリーランス協会の18歳以上のすべての会員(無料・一般)が無料で利用できます。登録手順をご紹介しているので、こちらの記事を先にご覧くださいね。 ⚠️フリーランス協会経由以外のご登録ですと、学びCafe日誌でご紹介のコースや機能をお使いいただけない可能性がございます。必ず次のご案内をご確認ください。 本記事でご紹介のコースのリンクは、登録・ログイン後にご覧ください。 【登録方法はこちらの記事から!】 ※IBM SkillsBuildはIBMの社会貢献プログラムで、Udemy for IBM SkillsBuildの受講ライセンス費は、自己投資の時間や資金が限られているフリーランスに向けて、IBM社より社会貢献の一環としてサポートいただいております。 組み立て方を学ぶ①感情を動かす!社外プレゼンの資料作成術(学習時間:約3時間) 感情を動かす!社外プレゼンの資料作成術取引先への提案が伝わらない、営業成績が上がらない…そんなお悩みはありませんか? ソフトバンクの孫正義氏が認めたプレゼン術をibmcsr.udemy.com 取引先への提案が伝わらない、相手が動いてくれない。そんな悩みに応えてくれるのがこのコースです。講師は、ベストセラー『社外プレゼンの資料作成術』の著者・前田鎌利さん。ソフトバンクの孫正義氏が認めたというプレゼン術を、演習つきで学べます。 印象的なのは、第1章の「いきなりソフトを立ち上げるべからず」というレクチャー! 「感情にアプローチする」視点で、取引先の気持ちを動かす構成の考え方からスタートします。 その後には、パッと見て理解できる「グラフ作成テクニック」、写真の使い方などの「ビジュアルテクニック」といった、見せ方のセクションが続くため、プレゼンの資料作成を総合的に学びたい方にもおすすめの講座です。 ②相手の心を動かす「プレゼンの基本」 シンプルかつロジカルに伝える技術(学習時間:約3.5時間) 相手の心を動かす「プレゼンの基本」 シンプルかつロジカルに伝える技術『一発OKが出る資料 簡単につくるコツ』『プレゼンの語彙力』『コクヨの1分間プレゼンテーション』の著者、下地寛也が短い時間ibmcsr.udemy.com プレゼンの組み立て方の「型」にフォーカスした講座です。「ピラミッドストラクチャー」や「MECE」といった理論を元に、結論・理由・具体例・行動をどう組み立てるかを、ミニワークで手を動かしながら学びます。 ロジカルシンキングの基本的な考え方・使い方が学べるため、資料づくりだけでなく、日々のコミュニケーションにも活かせます。 講座全編のテキストが付いているので、メモを書き込みながらでも、通勤中に「ながら聞き」でもOK。資料づくりの前に頭を整理したい方にぴったりですよ。 デザインを学ぶ①センス不要!伝わるプレゼン資料のデザインルール【入門編】(学習時間:約2時間) センス不要!伝わるプレゼン資料のデザインルール【入門編】必要なのはセンスじゃなくてルールです!あなたのPowerPoint(パワポ)資料が見る見るキレイに!プロのデザイナーも通うibmcsr.udemy.com コース名の通り「デザインに必要なのはセンスではなくルール」という視点で、文字・図形・グラフ・画像・配置・色・一貫性といった、基本的な理論を学べます。 たとえば、配置なら「余白・関係性・整列」の3原則、色ならカラーホイールを使った考え方を習得。感覚ではなく理論を知れるので、自分の資料に応用できます。 講師が作成したPowerPointデータや109ページのテキストも付いているので、復習にも便利です。「良いプレゼン資料と悪い資料の違い」や「プレゼン資料と配布資料の違い」といった例もあるので、見比べて確認しながら作成を進められます。 ②パワポ芸人直伝!伝わるプレゼン資料の作り方講座(学習時間:約2時間) パワポ芸人直伝!伝わるプレゼン資料の作り方講座シンプルで分かりやすいプレゼン(PowerPoint)資料を効率的に作成するテクニックと、思いを構造化し相手に伝わる資料をibmcsr.udemy.com 「パワポ芸人」として、Xで12万人以上にフォローされている豊間根青地さんの講座です。Xで話題になった「桃太郎パワポ」の事例を見ながら、楽しく学べるのが魅力。 シンプルで分かりやすいプレゼン(PowerPoint)資料を効率的に作成するテクニックと、思いを構造化し相手に伝わる資料を作成する4つのポイントを学びます。 4つのポイントは、ツール・構成・レイアウト・デザイン。セクションごとに受講できるので、隙間時間に少しずつ進めたり、苦手なパートを重点的に学んだりすることもできます。作業時間を縮める時短テクニックも満載です。 AIの活用法を学ぶ①生成AIで「伝わるプレゼン資料」を作る【2026年最新】:企画・構成・デザイン・発表まで(学習時間:約1.5時間) 生成AIで「伝わるプレゼン資料」を作る【2026年最新】:企画・構成・デザイン・発表までいきなりスライドを作らない。目的・聞き手・キーメッセージの整理から、出典つき情報収集、画像・図解、台本、本番練習までAIとibmcsr.udemy.com 組み立て方やデザインの型を学んだら、次にチャレンジしたいのが、AIを活用した効率化・ブラッシュアップ。でも、ただAIに頼むだけでは、話が広がりすぎたり一般的な内容になったりしてしまいがち……。 この講座では、プロンプト(AIへの指示文)の作成のコツや、何を人間が考え、何をAIに手伝ってもうのかといったポイントをおさえ、AIをよき相棒にするコツを学んでいきます。 主要な生成AIツール(ChatGPT、Claude、Copilot、Gemini)とプレゼン作成ツール(PowerPoint、Googleスライド、Canva、Gamma)のAI機能の特徴も知れるため、自分にあったツールと活用法を見つけられるのも嬉しいポイントです。 ②AI 資料作成 完全マスター講座|Gemini×Google スライド - AIを使ってプレゼンテーションを作成する方法(学習時間:約2.5時間) AI 資料作成 完全マスター講座|Gemini×Google スライド - AIを使ってプレゼンテーションを作成する方法Deep ResearchとGeminiのCanvasを活用してプロ品質のスライドを効率的に作成|営業提案・社内報告・研修ibmcsr.udemy.com GoogleのAI・GeminiとGoogleスライドを組み合わせた、実演中心のコースです。Deep Researchで情報収集し、Canvas機能でスライドを作成、Googleスライドで仕上げるまでの一連の流れを、実際の画面を見ながら学べます。 作成する資料の種類に合わせたプロンプトの設計やGemを活用したプレゼンテーションテンプレートの構築も学習可能。ご自身の知識に応じて、必要なセクションのみの受講もできます。 ※このコースの内容は、Googleアカウントがあり、Geminiの有料プランを契約中の方が対象です。詳細はコースページを確認してくださいね。 Independent Power Fes2026に学びCafeのブースが登場!フリーランス協会では、Independent Power Fes2026を今年も開催します。 11月1日を「いいひとりの日」 =キャリア自律の日とし、フリーランスを全力で応援するカンファレンスです! フリーランスの祭典 IPF202611月 1日を「 いいひとりの日 」=キャリア自律の日とし、フリーランスを全力で応援するカンファレンスを今年も開催します!ipf.freelance-jp.org 会員の皆様へ、日頃の感謝を込めて。 「職務経歴書の書き方」や「noteの書き方」のワークショップなどを開催。SNSプロフィール撮影や税務相談、カンタン健康診断などができるブースの出展を予定しています。 そして今年も、学びCafeのブースが登場! より学び意欲がアップする企画を準備し、学びCafe店主のハツコがお待ちしております。会場で皆さんとお話できるのが、今から楽しみです♪ 夜は「フリーランス大交流会」で、フード・ドリンクを楽しみながら、集まってカンパイしましょう。 ▼日時 2026年11月1日(日) 12:00~ ▼会場 WITH HARAJUKU HALL 東京都渋谷区神宮前1-14-30 3F(原宿駅 徒歩1分) ▼お申し込み・詳細はこちら https://ipf.freelance-jp.org/ipf2026/ 「こんなふうに使っているよ!」の声をお寄せください!学びCafe日誌では定期的におすすめコースや活用方法をご紹介し、みなさんと一緒に学びを深めていきたいと思います。 もし、まだIBM SkillsBuildやUdemy for IBM SkillsBuildの登録がお済みでない方はこちらの記事で登録手順をご確認くださいね。 IBM SkillsBuildとUdemy for IBM SkillsBuildはフリーランス協会の18歳以上のすべての会員(無料・一般)が無料で利用できます。 ⚠️他の登録方法ですと、学びCafe日誌でご紹介する機能が利用できない可能性があります。 すでにIBM SkillsBuildやUdemy for IBM SkillsBuildを活用されている先輩のみなさまは、ぜひ下記の感想フォームまで「こんなふうに使っているよ!」の声をお寄せいただけますと幸いです。 ▼IBM SkillsBuild・Udemy for IBM SkillsBuild感想フォームhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeQKhWeMJMuYHyqLJBuS604SVMWnz9R29W03T9s57qBl3Orwg/viewform それでは次回の「学びCafe日誌」もお楽しみに♪ 学びCafe店主のハツコでした! 文/平賀はつこ(学びCafe店主・ハツコ) ライター/プランナー/ライフコーチ/キャリアコンサルタント 2017年に大学卒業後、EC事業会社へ新卒入社。2018年にフリーライターへ転身し、インタビュー記事を中心に執筆、編集。 2021年に広告会社へ入社。広告事業にて企画、進行、執筆、編集等に従事しながら、教育事業の立ち上げを担う。プライベートでコーチングを学び始めたのを機に対人支援の道を志し、2022年より再びフリーランスへ。同年にコーチングスクールを修了、国家資格キャリアコンサルタントを取得。以降、対人支援とクリエイティブの2軸で活動中。X:@8chyadeofficial Instagram:@8chyade

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アートを学べるコースまとめ<学びカフェ日誌>

「美術館を楽しみたいけど、アートの見方がわからない……」 「絵を描いてみたいけれど、自分にはセンスがないし……」 そんな方こそ、芸術の秋の訪れを機に、アートを学んでみませんか? 「Udemy for IBM SkillsBuild」より「鑑賞する」と「描く」の2つの切り口から、アート初心者でも一歩を踏み出せるコースをご紹介します。 フリーランスにとって、実務のスキルアップはもちろん大切。でも、発想の引き出しを増やしてくれる「余白の学び」もほしいなぁと感じる今日この頃。「なんとなく」で終わらせない鑑賞の視点と、1から描く楽しさを取り戻したいと思います! みなさんもぜひ一緒に学んで、この秋に彩りを添えませんか? 学びCafe初来店の方へ☕️IBM SkillsBuildとUdemy for IBM SkillsBuildはフリーランス協会の18歳以上のすべての会員(無料・一般)が無料で利用できます。登録手順をご紹介しているので、こちらの記事を先にご覧くださいね。 ⚠️フリーランス協会経由以外のご登録ですと、学びCafe日誌でご紹介のコースや機能をお使いいただけない可能性がございます。必ず次のご案内をご確認ください。 本記事でご紹介のコースのリンクは、登録・ログイン後にご覧ください。 【登録方法はこちらの記事から!】 ※IBM SkillsBuildはIBMの社会貢献プログラムで、Udemy for IBM SkillsBuildの受講ライセンス費は、自己投資の時間や資金が限られているフリーランスに向けて、IBM社より社会貢献の一環としてサポートいただいております。 アートを鑑賞しよう!①【ベストセラー著者と実践!】大人こそ受けたい 「アート思考」の授業 ─瀬戸内海に浮かぶアートの島・直島で3つの力を磨く─(学習時間:約3時間) 【ベストセラー著者と実践!】大人こそ受けたい 「アート思考」の授業 ─瀬戸内海に浮かぶアートの島・直島で3つの力を磨く─先行きの見えないVUCA時代に必要なのは「アート思考」の3つの力、「主観を信じる力・視点を変える力・疑問を抱く力」。『13ibmcsr.udemy.com 「アートに興味はあるけれど、知識がないし、鑑賞の仕方もわからない……」 そんな方におすすめなのが、このコースです。累計23万部を突破した『13歳からのアート思考』の著者であり、美術教師でもある末永幸歩さんのガイドで、アート鑑賞の方法を学べます。 このコースの特徴は、先入観を持たず、「自分なりの視点」で作品を鑑賞することを大切にしている点です。美術の知識は必要ないため、アート初心者でも鑑賞を楽しむコツを実践的に学べます。 また、講座で紹介される「アート思考」の3つの力:「主観を信じる力」「視点を変える力」「疑問を抱く力」は、鑑賞だけでなく、仕事や日常生活にも役立ちますよ。 ②【現代アートマスターコース:第1章】近代アートとは?/未来を切り拓いた36人の芸術家/美術鑑賞のプロになる/初級〜上級(学習時間:約2.5時間) 【現代アートマスターコース:第1章】近代アートとは?/未来を切り拓いた36人の芸術家/美術鑑賞のプロになる/初級〜上級【近代を学べば現代アートがわかる】印象派以降のアートとは/ピカソの絵はよくわからない…なんでこんな絵がすごいの?と感じた方ibmcsr.udemy.com ピカソ、マティス、シャガールをはじめとする近代アートを学べるコースです。 主要な画家36人の生涯と代表作品 印象派以降から現代アート直前までの近代美術の流れ 制作背景やコンセプトを読み解く視点 などの知識が身に付くため、感覚だけでなく、作品の意味や時代背景を踏まえて美術鑑賞を楽しみたい方におすすめです。 ③【日本美術史マスターコース:前編】こんな授業が受けたかった!知識ゼロからの日本美術史|名作を網羅できる決定版|初級〜上級(学習時間:約3.5時間) 【日本美術史マスターコース:前編】こんな授業が受けたかった!知識ゼロからの日本美術史|名作を網羅できる決定版|初級〜上級日本人なのに知らない日本美術?|前編は縄文〜鎌倉時代まで|アート鑑賞がもっと楽しくなる|日本美術の流れを体系的に解説|日本ibmcsr.udemy.com 日本美術を学ぶと、美術館だけでなく、寺院や神社の楽しみ方も広がります。 このコースでは、縄文時代から鎌倉・南北朝時代までの美術を、時代の流れに沿って学習できます。 講義動画は時代ごとにセクション分けされているため、参拝する寺社仏閣に関連する内容を予習するのもおすすめです! 海外の方に日本の歴史的な建造物や美術を紹介する機会がある場合にも、日本美術史の知識が役立ちますよ。 絵を描いてみよう!①The Art & Science of Drawing / BASIC SKILLS(デッサンの芸術と科学 / 基礎スキル)(学習時間:約4.5時間) The Art & Science of Drawing / BASIC SKILLSDrawing is not a talent. It's a skill anyone can learn.ibmcsr.udemy.com 10万人以上が学んだ、デッサンの基礎コースです。 「絵を描くことは才能ではありません。誰でも習得できる技術です」というサブタイトルの通り、初心者でも1からデッサンを学べます。鉛筆の持ち方や図形などの基礎から始まり、立体の描き方や陰影まで挑戦できる内容です。 英語のコースですが、日本語字幕を選択できます。講師はゆっくり、はっきりと話してくれるため、英語の勉強にもできそうです。 レビューには、英語を母語としない学習者からも「わかりやすかった!」という声が寄せられています。 ②Procreate 【超初心者クラス】iPadでデジタルイラストを描く(学習時間:約5.5時間) Procreate 【超初心者クラス】iPadでデジタルイラストを描くとにかくすぐにProcreateを使いこなしたい方や、デジタルが苦手な方、インストールしたけれど挫折した方でも、デジタルイibmcsr.udemy.com 「Apple Pencilを持っているけれど、使いこなせていない……!」 という方は、iPadのイラストアプリ「Procreate」を使って、絵を描いて見ませんか? このコースでは、Procreateの活用方法を基礎からレクチャー。デジタルイラストを描いたことがない方でも、少しずつステップアップできる構成です。イラスト制作はもちろん、写真を使った加工や簡単なアニメーションにもチャレンジできますよ。 ③Adobe Fresco入門講座|ゼロから簡単3ステップでデジタルイラストが描ける(学習時間:約6.5時間) Adobe Fresco入門講座|ゼロから簡単3ステップでデジタルイラストが描けるリアルな絵具を塗っているように描ける無料アプリadobe Fresco を使って、初めてでも操作方法から学び、3ステップでibmcsr.udemy.com デジタルペインティングと描画ができるアプリ「Adobe Fresco」を使ったイラスト制作講座です。Adobe Frescoの基本操作や専門用語も解説するため、初心者の方も気軽に挑戦できます。 このコースの大きな特徴は、植物、日用品、動物、人物など、身近なイラストの描き方を90例も学べること! 講義動画はセクションごとに分かれているので、好きなイラストにトライできます。 「こんなふうに使っているよ!」の声をお寄せください!学びCafe日誌では定期的におすすめコースや活用方法をご紹介し、みなさんと一緒に学びを深めていきたいと思います。 もし、まだIBM SkillsBuildやUdemy for IBM SkillsBuildの登録がお済みでない方はこちらの記事で登録手順をご確認くださいね。 IBM SkillsBuildとUdemy for IBM SkillsBuildはフリーランス協会の18歳以上のすべての会員(無料・一般)が無料で利用できます。 ⚠️他の登録方法ですと、学びCafe日誌でご紹介する機能が利用できない可能性があります。 すでにIBM SkillsBuildやUdemy for IBM SkillsBuildを活用されている先輩のみなさまは、ぜひ下記の感想フォームまで「こんなふうに使っているよ!」の声をお寄せいただけますと幸いです。 ▼IBM SkillsBuild・Udemy for IBM SkillsBuild感想フォームhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeQKhWeMJMuYHyqLJBuS604SVMWnz9R29W03T9s57qBl3Orwg/viewform それでは次回の「学びCafe日誌」もお楽しみに♪ 学びCafe店主のハツコでした! 文/平賀はつこ(学びCafe店主・ハツコ) ライター/プランナー/ライフコーチ/キャリアコンサルタント 2017年に大学卒業後、EC事業会社へ新卒入社。2018年にフリーライターへ転身し、インタビュー記事を中心に執筆、編集。 2021年に広告会社へ入社。広告事業にて企画、進行、執筆、編集等に従事しながら、教育事業の立ち上げを担う。プライベートでコーチングを学び始めたのを機に対人支援の道を志し、2022年より再びフリーランスへ。同年にコーチングスクールを修了、国家資格キャリアコンサルタントを取得。以降、対人支援とクリエイティブの2軸で活動中。X:@8chyadeofficial Instagram:@8chyade

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IBM SkillsBuildで新たに日本語対応したAIコースまとめ<学びカフェ日誌>

IBM SkillsBuildを提供するIBM社は、100年以上の歴史と170カ国以上の事業展開があるグローバルIT企業です。 2026年のG2 Best Software Awardsでは、トップ50エンタープライズ・ソフトウェア・プロバイダーに選出。創業から1世紀以上にわたり、テクノロジーの発展を牽引してきました。ハイブリッド・クラウドとAI、2つの領域でIBMの技術は日々、進化を続けています。 そんなIBM社が社会貢献の一環として公開している学習プラットフォームが「IBM SkillsBuild」。IBM社の知見が詰まったコースが随時追加されています。英語のコースが多いものの、続々と日本語対応が進んでいるんですよ! 今回は、2026年に新たに日本語対応したAI関連コースをご紹介します。 最新情報をチェックして、一緒に学習を進めていきましょう〜! 学びCafe初来店の方へ☕️IBM SkillsBuildとUdemy for IBM SkillsBuildはフリーランス協会の18歳以上のすべての会員(無料・一般)が無料で利用できます。登録手順をご紹介しているので、こちらの記事を先にご覧くださいね。 ⚠️フリーランス協会経由以外のご登録ですと、学びCafe日誌でご紹介のコースや機能をお使いいただけない可能性がございます。必ず次のご案内をご確認ください。 本記事でご紹介のコースのリンクは、登録・ログイン後にご覧ください。 【登録方法はこちらの記事から!】 ※IBM SkillsBuildはIBMの社会貢献プログラムで、Udemy for IBM SkillsBuildの受講ライセンス費は、自己投資の時間や資金が限られているフリーランスに向けて、IBM社より社会貢献の一環としてサポートいただいております。 「2026年に日本語対応したコース」の一覧はこちら! (8月現在) ▶︎「2026年に日本語対応したコース」一覧 ※登録・ログイン後に閲覧可能 今年だけで、19種類ものAI関連講座が追加されてます。 「AIの基本」「各業界でのAIの可能性」「AIを活用した開発」の3つの切り口で、ご紹介していきます! ご自身の関心に合わせて、チェックしてくださいね。 講座の多くは、テキスト・動画・演習を組み合わせた内容です。動画の音声は英語ですが、「字幕でJapaneseを選択」または動画下部の「トランススクリプトをダウンロード」することで、日本語で学べます。 動画右下の「CC」ボタンより「Japanese」を選択動画下部のトランスクリプトをダウンロード それでは、どんな講座があるのか見ていきましょう! AIの基本①生成AIを始めよう(デジタル資格を取得しましょう!)(学習時間:約4時間) 「AIの基礎」「生成AIにおける倫理的配慮」「大規模言語モデル入門」の3つの講座で構成されるコースです。 ClaudeやChatGPT、Geminiなどの生成AIを使っているみなさん、それらのAIツールがどのように動作するかを学んだことはありますか? このコースを構成する「AIの基礎」講座では、生成AIが「どのようなプロセスで動き、どんなコンテンツを作れるか」を1時間で学べます。仕組みを理解すると、AIをより活用できますよ。この講座のみの学習もOKです! さらに一歩踏み込み、「生成AIにおける倫理的配慮」「大規模言語モデル入門」の講座も含めた3講座を修了すると、IBM SkillsBuildのデジタル資格である「Getting Started with Generative AI」を獲得できます。 ②AIモデル向けに的確なプロンプトを作成する(学習時間:約4時間) AIを活用するために欠かせないプロンプト。指示の出し方で、回答の精度がぐっと変わります。この講座ではまず、単純なタスクに最適な「直接的プロンプト」、幅広いアイデアを生成する「オープンエンド型プロンプト」、簡潔で実行可能な出力をする「タスクに特化したプロンプト」の切り口で、業務に合わせたプロンプトの作り方を学べます。 その上で、より細かな「5種類のプロンプトエンジニアリングの手法」や「プロンプトの構成要素」を学んでいきます。学習テーマごとにセクションが分かれているので、ご自身のペースで少しずつステップアップしながら受講を進められますよ。 ▼「AIの基本」を学べるコースは他にも! ・AIが職場にもたらすもの: 自動化、拡張、人間による判断 ・生成AIを使用したリスク管理と不正検知 ・AIリテラシー (デジタル資格を取得する) 👉「2026年に日本語対応したコース」一覧 ※登録・ログイン後に閲覧可能 各業界でのAIの可能性①AIでスポーツ・ファン体験を変革する(学習時間:1時間) スポーツ好きの方、必見のコースです! 生成AIの進歩により、スポーツの観戦体験も大きく変化しています。このコースでは、最新のAIテクノロジーが、スポーツとファンとのつながりをどのように変えているのかを解説。試合の迫力をより身近に感じられる技術の裏側やファン体験の変化を、ウィンブルドンやメルセデス・ベンツ・スタジアムの実例を交えながら紹介しています。 ②AIで教育の質を高める(学習時間:約1時間) AIは教育をどのように変えていくのでしょうか? このコースでは、学校で先生たちがどのようにAIを活用しているかを海外の例を通して学びます。AI活用のメリットだけでなく、教育分野でのAIをめぐる課題や、先生・管理職・学校が責任ある形でAIを活用する方法についても考えていく内容です。教育に携わる方やお子さんがいる方はもちろん、様々な業界のAI活用法を知ることで、自身の業務への活用アイデアが広がります。 ▼「各業界でのAIの可能性」を学べるコースは他にも! ・医療におけるAI: ケアと効率性を高める ・法務におけるAI: 調査から結果まで ・AIでパーソナライズしたファイナンスのパワー ・IBMとNASA:AIを高度化して地球をより安全に 👉「2026年に日本語対応したコース」一覧 ※登録・ログイン後に閲覧可能 AIを活用した開発①バイブ・コーディングでアイデアをプロトタイプにする(学習時間:約1時間) 従来のコーディングよりも速く、より直感的にソフトウェアの作成を目指せるバイブ・コーディング。そのメリットから仕組みまでを学んだうえで、実際にアプリ・インターフェースの開発をシミュレーションできる講座です。 長年のコーディング経験がなくてもデジタルツールの開発を目指せる手法のため、エンジニアの方だけでなく、AIを活用して開発にチャレンジしたい方にもおすすめです。 ②インテリジェント・バイ・デザイン: AIエージェントを構築する(学習時間:約3.5時間) AIエージェントは、データや要件の変化に応じて情報を処理し、決められた手順に従って動き、出力まで可能なシステム。複雑なタスクを自動化したり、データ駆動型プロセスを支援したり、ユーザーの行動に応じて出力結果を調整したりできます。 このコースでは、AIエージェントの仕組みや種類を学習した上で、構築方法を順を追って学んでいきます。修了すると、IBM watsonx.aiを使ったAIエージェントの構築を行えるほか、パフォーマンス評価や倫理的な設計原則の知識も身につきます。 ▼IBMのAI駆動開発パートナー「IBM Bob (IDE)」の活用方法を学べるコースも! ・IBM Bobはじめました - 無料トライアル登録とインストールの流れ ・IBM BobとAIツールが変えるソリューション構築のかたち ・Bob-a-thon 仕様駆動開発入門:ユースケースを想定した、Webアプリのプロトタイピング ・IBM Bobと学ぶ半導体設計:『The Game』成果物で実践するフィージビリティスタディ 👉「2026年に日本語対応したコース」一覧 ※登録・ログイン後に閲覧可能 「こんなふうに使っているよ!」の声をお寄せください!学びCafe日誌では定期的におすすめコースや活用方法をご紹介し、みなさんと一緒に学びを深めていきたいと思います。 もし、まだIBM SkillsBuildやUdemy for IBM SkillsBuildの登録がお済みでない方はこちらの記事で登録手順をご確認くださいね。 IBM SkillsBuildとUdemy for IBM SkillsBuildはフリーランス協会の18歳以上のすべての会員(無料・一般)が無料で利用できます。 ⚠️他の登録方法ですと、学びCafe日誌でご紹介する機能が利用できない可能性があります。 すでにIBM SkillsBuildやUdemy for IBM SkillsBuildを活用されている先輩のみなさまは、ぜひ下記の感想フォームまで「こんなふうに使っているよ!」の声をお寄せいただけますと幸いです。 ▼IBM SkillsBuild・Udemy for IBM SkillsBuild感想フォームhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeQKhWeMJMuYHyqLJBuS604SVMWnz9R29W03T9s57qBl3Orwg/viewform それでは次回の「学びCafe日誌」もお楽しみに♪ 学びCafe店主のハツコでした! 文/平賀はつこ(学びCafe店主・ハツコ) ライター/プランナー/ライフコーチ/キャリアコンサルタント 2017年に大学卒業後、EC事業会社へ新卒入社。2018年にフリーライターへ転身し、インタビュー記事を中心に執筆、編集。 2021年に広告会社へ入社。広告事業にて企画、進行、執筆、編集等に従事しながら、教育事業の立ち上げを担う。プライベートでコーチングを学び始めたのを機に対人支援の道を志し、2022年より再びフリーランスへ。同年にコーチングスクールを修了、国家資格キャリアコンサルタントを取得。以降、対人支援とクリエイティブの2軸で活動中。X:@8chyadeofficial Instagram:@8chyade

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2026年上半期人気TOP10を発表〜Claudeが席巻!〜<学びカフェ日誌>

こんにちは!フリーランスの学び場・学びCafe店主のハツコです。 すっかり夏らしい暑さがやってきましたね。2026年も、あっという間に折り返し地点。 今回は、フリーランス協会の皆さんがIBM SkillsBuildとUdemy for IBM SkillsBuildにて学んだ「2026年上半期人気コースTOP10」を発表します🎉 今回のランキングでひときわ目を引くのは、Claude関連コースの躍進です! 2位・3位・4位・9位と、実に4コースがランクインしました。 「Claude Cowork」や「Claude Fable 5」のリリースを受け、「Claudeって今どうなってるの?」と気になって学び始めた方も多かったのではないでしょうか。業務での「AIエージェント活用」が一気に身近になったこの半年を象徴する結果と言えそうです。 ぜひ、みんなが学んだ講座をチェックして、下半期の学びにお役立てくださいね! Udemy for IBM SkillsBuildへのご登録がまだの方は、次の「学びCafe初来店の方へ☕️」をご覧ください。 ⚠️フリーランス協会経由以外のご登録ですと、学びCafe日誌でご紹介のコースや機能をお使いいただけない可能性がございます。必ず次のご案内をご確認ください。 記事でご紹介の各コースURLからは、フリーランス協会経由でご登録いただけません×のでご注意くださいね。 学びCafe初来店の方へ☕️IBM SkillsBuildとUdemy for IBM SkillsBuildはフリーランス協会の18歳以上のすべての会員(無料・一般)が無料で利用できます。登録手順をご紹介しているので、こちらの記事を先にご覧くださいね。 【登録方法はこちらの記事から!】 ※IBM SkillsBuildはIBMの社会貢献プログラムで、Udemy for IBM SkillsBuildの受講ライセンス費は、自己投資の時間や資金が限られているフリーランスに向けて、IBM社より社会貢献の一環としてサポートいただいております。 それでは、さっそくランキングを見ていきましょう! 1位はGemini、2位〜4位はClaudeが席巻!1位🥇:Geminiを使って業務効率化!NotebookLM, Google AI Studio 生成AIサービスを使いこなそう (学習時間:約4.5時間) Geminiを使って業務効率化!NotebookLM, Google AI Studio 生成AIサービスを使いこなそうGeminiの最新機能を学ぶ!ChatGPTやClaudeとの違いを知りGeminiの使い所を学習。業務効率化につながるGibmcsr.udemy.com 2025年年間ランキング1位のコースが引き続き1位に! Gemini×業務効率化への関心の高さが伺えます。 このコースでは、Geminiを中心に、NotebookLM、Google AI StudioなどGoogleが開発する生成AIの基本的な使い方を一通り学べます。Geminiの得意領域やChatGPT、Claudeとの違いもおさえることができますよ。Geminiのアップデート情報が解説とともに更新されているので、昨年学んだ方も再チェックしてみてくださいね。 2位🥈:【Claude Code入門】実用的なWebアプリケーション開発を通して学ぶClaude Code入門徹底講座(学習時間:約2.5時間) 【Claude Code入門】実用的なWebアプリケーション開発を通して学ぶClaude Code入門徹底講座最近話題のClaude Codeを使って動画講座プラットフォームを作りながら入門する講座です。Claude Codeの基本ibmcsr.udemy.com 2位は「Claude Code」への関心の高さが伺える講座となりました! このコースでは、実際にWebアプリケーションを作りながら、Claude Codeの基本操作から実務での使いどころまでをハンズオン形式で学べます。必要なエディタを事前にインストールした上で、どんどん手を動かして開発していきます。入門講座ではありますが、Claude Codeの基礎知識は学んだ上での受講がおすすめです。 3位🥉:Claude AIマスターコース:基礎から実践まで使いこなす完全ガイド【最新モデルFable5・Cowork対応】(学習時間:約6時間) Claude AIマスターコース:基礎から実践まで使いこなす完全ガイド【最新モデルFable5・Cowork対応】基本操作からアーティファクト・プロジェクト機能、Cowork活用まで体系的に学ぶ!ビジネス&日常生活で即実践できるClauibmcsr.udemy.com Claude初心者から実務での使いこなしまで、まるっと網羅できる完全ガイドが3位にランクイン。基本的なチャットの使い方はもちろん、Coworkにも対応しています。Claudeの全容が把握できる内容です。約6時間の講座ですが、テーマごとに15分〜90分のセクションに分かれているので、気になる部分だけ学習することもできますよ。 4位🎖️:【Claude Code カスタマイズ完全ガイド】6つの拡張機能を使いこなして開発効率アップ!一歩先のAI駆動開発へ(学習時間:約5時間) 【Claude Code カスタマイズ完全ガイド】6つの拡張機能を使いこなして開発効率アップ!一歩先のAI駆動開発へCLAUDE .md・rules・カスタムコマンド・サブエージェント・Skills・Hooksの違いと使い分けを完全マスタibmcsr.udemy.com Claude Code関連は、応用講座も上位にあがりました。 このコースでは、6つの拡張機能を使いこなし、Claude Codeでの開発をさらに効率化する方法を学べます。「基本操作はできるようになったけれど、もっと使いこなしたい」という中級者向けの内容です。 5位〜10位もAI関連が大部分を占める結果に!5位:【2026年最新】Microsoft 365 Copilot オールインワン講座|実務効率化からAIエージェント構築まで(学習時間:約4時間) 【2026年最新】Microsoft 365 Copilot オールインワン講座|実務効率化からAIエージェント構築まで「ライセンスはあるのに、使いこなせていない」を卒業。Copilot Chatの基礎からM365アプリ連携・AIエージェントibmcsr.udemy.com Copilotは、Microsoftより2023年3月に発表されて以来、ビジネス現場で注目を集めているAIアシスタントツールです。Microsoftのツールと連携した業務効率が強み。OutlookやTeams、WordやExcelなどを使っている方! Copilotを学んで、生産性を上げるチャンスです! 5位:【初心者向け】Claude CodeでAIエージェントを用いたデータ加工集計分析とダッシュボード開発を体験!(学習時間:約2時間) 【初心者向け】Claude CodeでAIエージェントを用いたデータ加工集計分析とダッシュボード開発を体験!Claude Codeと対話しながらプログラミング0でCSV・Excelデータを自動で加工・集計・分析し、PDFレポート作ibmcsr.udemy.com プログラミング未経験でもOK!Claude Code初心者向けの講座です。Claude Codeのセットアップ方法を学んだうえで、データの加工・集計・分析、さらにはダッシュボード開発まで体験できます。 7位:【Cursor×Obsidian】分身AIをつくり独自コンテンツを超高速で生み出す!基礎から応用までの完全マスター講座(学習時間:約4.5時間) 【Cursor×Obsidian】分身AIをつくり独自コンテンツを超高速で生み出す!基礎から応用までの完全マスター講座【ブログやnote・X投稿・Kindleなどメディア運営の新常識】あなたの思考をマークダウンデータに変換し、自分の分身AIibmcsr.udemy.com AIエディタ「Cursor」と、ノートアプリ「Obsidian」を掛け合わせ、ブログやnote、X投稿といったコンテンツを作成するための講座です。Obsidian、Cursorの予備知識がない状態でも、インストールや設定などを実際の画面を共有しながらレクチャーしてくれるため、無理なく始められますよ。 8位:IBM SkillsBuildの歩き方2024(学習時間:約15分) IBM SkillsBuildskills.yourlearning.ibm.com IBM SkillsBuildの基本操作や講座の検索方法を知れる約15分の動画です。IBM SkillsBuildに登録したら、ぜひ最初に観てくださいね。 9位:⾮エンジニアのための Claude Cowork 実践入門 (学習時間:約2.5時間) ⾮エンジニアのための Claude Cowork 実践入門指示を出すだけで、ファイル整理・書類作成・定期レポートが全自動に。プログラミング不要で始めるAIエージェント実践活用ibmcsr.udemy.com このコースは、Claude Coworkの概要と仕組みを理解できる入門的な内容です。プログラミングの知識は一切不要。非エンジニアで、まずはClaude Coworkの大枠を短時間で掴みたい方におすすめです! 10位:【Obsidian使い方大全】情報を一元化するプロフェッショナルノート術|AI・DX時代の次世代メモツール(学習時間:約4時間) 【Obsidian使い方大全】情報を一元化するプロフェッショナルノート術|AI・DX時代の次世代メモツールObsidian(オブシディアン)の始め方・基本操作を、初心者の方でも無理なく学ぶことができます。お勧めプラグインの紹介やibmcsr.udemy.com Obsidianの基本操作をゼロから網羅的に学べる講座です。Claude CodeやCodexなどのAIエージェントをObsidianから呼び出し、ノートの作成・修正・整理を依頼する応用的な方法の紹介もあります。 10位:【Gemini&NotebookLM】Webマーケティングの高度化・効率化を実現する生成AI活用術(学習時間:約3時間) 【Gemini&NotebookLM】Webマーケティングの高度化・効率化を実現する生成AI活用術生成AIのGemini/NotebookLMを使い、マーケティング業務で必要な「分析」「文章作成」「リサーチ」を高度化&効ibmcsr.udemy.com GeminiとNotebookLMの基本からWebマーケティングへの活用方法を学べます。文章作成・リサーチ・データ分析・スライド作成を一貫して行うスキルを学び、業務の効率化を目指せますよ。 10位:AntigravityではじめるChrome拡張開発入門!AI連携・自動操作もやさしく解説 (学習時間:約2.5時間) AntigravityではじめるChrome拡張開発入門!AI連携・自動操作もやさしく解説Googleの次世代IDE「Antigravity」でAIエージェントと学ぶ!Chrome拡張の自動化・UI操作・API連ibmcsr.udemy.com このコースでは、AI エージェントと協働できるGoogle Antigravityの開発環境を活かしながら、Chromeの拡張機能の開発を行っていきます。AIプログラミングに挑戦したい初心者の方におすすめです。 以上、「2026年上半期人気コースTOP10」でした! AI関連講座のランクインが目立つ結果となりましたね。 IBM SkillsBuild・Udemy for IBM SkillsBuildには、AIはもちろん、プログラミング、語学、コミュニケーション、マーケティング、デザイン、ファイナンシャル、キャリアデザイン……など幅広いジャンルの講座がたくさんあります。 下半期も一緒に楽しく学んでいきましょう! 「次は何を学ぼう……」とお悩みの方は、次にご紹介するイベントにて、学びたいことや優先順位を見つめませんか? イベントの開催が決定しました!学びCafe〜必要な学びを発見!スキル棚卸しワークショップ〜 ◆日時:8月 4日 (火)12:00〜13:30 ※前半約60分間でワーク、後半約30分間で「IBM SkillsBuild」「Udemy for IBM SkillsBuild」で講座を探す方法をレクチャー予定。 ◆形式:オンライン(zoom)(参加申込者に接続URLをご案内します) ◆参加費:無料 ◆主催:一般社団法人フリーランス協会 キャリアコンサルタントによるファシリテーションのもと、まずは業務の棚卸しからスタート。「得意/不得意」「好き/嫌い」「増やしたい/減らしたいこと」を整理しながら、"理想の働き方へのヒント"を見つけていきます。 そこから、スキルアップしたい分野や優先順位を整理。キーワードリストや他の参加者さんのチャットも参考にしながら、必要な学びをみんなで一緒に研ぎ澄ませていきましょう! 最後は、見つかった「学びたいこと」を、IBM SkillsBuild・Udemy for IBM SkillsBuildで学び始められるように、講座の探し方をレクチャーします。「あとは受講するだけ!」の状態を目指す90分です。 ▼詳細・お申し込みはこちら 学びCafe〜必要な学びを発見!スキル棚卸しワークショップ〜フリーランスにとって「学び」は大切な投資。 でも「仕事優先になり時間がとれない」「学びにかかる費用が気になる」と後回しに…manabicafe260804.peatix.com 「こんなふうに使っているよ!」の声をお寄せください!学びCafe日誌では定期的におすすめコースや活用方法をご紹介し、みなさんと一緒に学びを深めていきたいと思います。 もし、まだIBM SkillsBuildやUdemy for IBM SkillsBuildの登録がお済みでない方はこちらの記事で登録手順をご確認くださいね。 IBM SkillsBuildとUdemy for IBM SkillsBuildはフリーランス協会の18歳以上のすべての会員(無料・一般)が無料で利用できます。 ⚠️他の登録方法ですと、学びCafe日誌でご紹介する機能が利用できない可能性があります。 すでにIBM SkillsBuildやUdemy for IBM SkillsBuildを活用されている先輩のみなさまは、ぜひ下記の感想フォームまで「こんなふうに使っているよ!」の声をお寄せいただけますと幸いです。 ▼IBM SkillsBuild・Udemy for IBM SkillsBuild感想フォームhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeQKhWeMJMuYHyqLJBuS604SVMWnz9R29W03T9s57qBl3Orwg/viewform それでは次回の「学びCafe日誌」もお楽しみに♪ 学びCafe店主のハツコでした! 文/平賀はつこ(学びCafe店主・ハツコ) ライター/プランナー/ライフコーチ/キャリアコンサルタント 2017年に大学卒業後、EC事業会社へ新卒入社。2018年にフリーライターへ転身し、インタビュー記事を中心に執筆、編集。 2021年に広告会社へ入社。広告事業にて企画、進行、執筆、編集等に従事しながら、教育事業の立ち上げを担う。プライベートでコーチングを学び始めたのを機に対人支援の道を志し、2022年より再びフリーランスへ。同年にコーチングスクールを修了、国家資格キャリアコンサルタントを取得。以降、対人支援とクリエイティブの2軸で活動中。X:@8chyadeofficial Instagram:@8chyade

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Podcast番組「WHY ARE YOU?」

プロが認め、惚れ込む様々な分野のクリエイターたちを、毎回1名ゲストとしてご招待するPodcast番組「WHY ARE YOU?」。 多種多様なジャンルのプロフェッショナルが登場し、お仕事への思い、矜持や、現在に至るまでのキャリアヒストリーについて深堀りするプログラムです。MCは、クリエイティブディレクターの山崎晴太郎と、フリーランス協会代表理事の平田麻莉が務めます。フリパラでは、これまでの配信からゲストごとの配信回を一挙ご紹介中。

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シャープ公式X運営担当・山本隆博さん一主語を会社から「僕」へ。企業公式アカウントの人格のつくり方

プロが認め、惚れ込む様々な分野のクリエイターたちを、毎回1名ゲストとしてご招待するPodcast番組「WHY ARE YOU?」。 多種多様なジャンルのプロフェッショナルが登場し、お仕事への思い、矜持や、現在に至るまでのキャリアヒストリーについて深堀りするプログラムです。MCは、クリエイティブディレクターの山崎晴太郎と、フリーランス協会代表理事の平田麻莉が務めます。 今回は、シャープ公式X運営担当の山本隆博さんをゲストにお迎えした全4回をご紹介します。 ゲスト:山本隆博(シャープ公式X運営担当/株式コミチ CMO) 京都大学経済学部を卒業後、シャープ株式会社に入社。宣伝部で、テレビCMなどのマス広告制作を担当。2011年、シャープ公式Twitter(現X)@SHARP_JPの運営を一人でスタート。通称「シャープさん」として、ときに「ゆるい」とも称される独自のスタイルで企業公式SNSの先駆者に。現在、フォロワー数は80万人を超える。第50回佐治敬三賞、2018年・東京コピーライターズクラブ新人賞、2019年・ForbesJAPAN「トップインフルエンサー50人」、2021年・ACCブロンズなど、多数の賞を受賞。2023年、マンガプラットフォーム「コミチ」での連載をまとめた著書『シャープさんのSNS漫画時評 スマホ片手に、しんどい夜に。』を講談社より刊行。2024年10月、株式会社コミチのCMO・最高マーケティング責任者に就任。現在は同社でWebマンガやマンガSaaS事業のマーケティングを率いながら、シャープ公式Xの運営も業務委託というかたちで継続。 2026年7月配信時点#93 「中の人」ではなく、その「入れ物」をつくる。シャープさんが一人で発信を続ける理由【シャープ公式X運営担当・山本隆博さん①】 ▼今回のトーク内容: 最近のフリーランスの形/フリーランス協会、社名に込めていた啓発/業務委託も一人社長も含めて「全員フリーランス」/名刺交換すると「ツチノコを見たみたい」/コミチでの現在のお仕事/「連載作品をどう耕し続けるか」/20誌ほどの漫画雑誌を裏方として回す/コミックスになる手前で漫画を支える/電子の時代、「週刊」である必要もない/コミチの始まりは漫画家志望者のための投稿SNS/投稿作品をレビューしてエッセイに組み込んだ連載が著書に/さかのぼるとシャープ宣伝部、マス広告のクライアント側担当者/Twitterで見ていた、サラサラ描いてバズる絵描きたち/伝わらない広告は「漫画にしてしまおう」/名乗り出たのが現在のコミチ社長/「家電メーカーで一番読まれないもの」=取扱説明書を漫画にする実験/シャープ公式X、2011年から15年ずっと一人で運営/「中の人」の人格ではなく「入れ物」を確立する/オールナイトニッポンのように、入れ物は続いていく/あえての「ゆるさ」、会社の物言いからの逸脱/「2代目」は現れず、転職後も業務委託で運営を続ける/自身のSNSはほとんど触らない/会社と自分の「ちょうど真ん中」の人格/一人にこだわる原点、マス広告時代の問題意識/判子50個を集める仕事/直しを繰り返して出来上がる頃には「ほとんど残っていない」/「いいものを減らす仕事」のしんどさ/お金を払う側の「特権性」/SNSは「問題意識を解決するチャンス」/「出すところまで一人でやる」「予算を使わない」/企業の広告は「隠れている主語がでかい」/すべての主語を「僕は」に書き換えて発信し続けている #94 主語を会社から「僕」へ。企業公式アカウントの人格のつくり方【シャープ公式X運営担当・山本隆博さん②】 ▼今回のトーク内容: 一人でやり抜くと決めたSNS運営/誰の承認も取らずに投稿する運営/企業SNS黎明期、2011年という始まり/「やらなきゃいけない空気」だけがあった時代/広告メディアと認識される前という追い風/「めっちゃ怒られる」、呼び出しもネタに/「結果を先に示せ」という広告への違和感/成功事例を積み上げる仕事/「主語を小さくしたかった」/素の自分ではなく勤務中の僕/お客さんに自ら近づく/お客さん側から見えてくる会社の客観性/リリースを優しく突っ込む、自虐の共感/「何を言うか」より「コンテクストの育み方」/コンテクストを積み上げる場としてのSNS/発話者の一貫性/覚悟していた苦情より多かった「買いました」の声/買った人に直接お礼を言えるSNSの革命/「買ってない人」ではなく「買った人」と話す逆張り/冷蔵庫は何個もいらない、リターンの遅さ/「狩猟」ではなく「農耕」というスタンス/運用における広告予算を「ゼロ」にして手放した決裁の根拠/業務委託のいまも明確な数値目標等は無い #95 「今日は眠れるかな」。会社が潰れそうになった日のターニングポイント【シャープ公式X運営担当・山本隆博さん③】 ▼今回のトーク内容: たまたま配属された宣伝部、マス広告5〜6年/条件付きで挙げた手/社員3万人の会社で、3週間たってもフォロワー20人/中をあてにはできないという学び/毎日のリリースの主語を一人称に書き換え続けた/ターニングポイントは、会社が潰れそうになったこと/リストラ報道の日、フロアで感じた空気/「今日は眠れるかな」という一言/リアルタイム性が結んだ、初めてのバズ/中の気持ちを吐露してもいい/注目され続けた2〜3年、毎日ツイートするヒリヒリ/黙るのが定石の場面での、率直な言葉/軒先の八百屋と、燃えている母屋/綺麗事しか言わないのは広告だけ/罵倒も話半分に、会社が言われていること/Twitterより会社で怒られる方が気になる/アイスのツイートと、広報部の一斉チェック/怒られのほとんどは心配から/「何が面白いか説明しろ」の地獄/「そんなに人間いつも怒ってない」/共感の可視化から、怒りの可視化へ/お金をもらうことが目的化していくSNS/好きを表明し、応援する機能は変わらず #96 「広告が"嫌われないように"なってほしい」。15年つぶやき続けた人間の願いとは?【シャープ公式X運営担当・山本隆博さん④】 ▼今回のトーク内容: シャープさんから離れないという道を選んだ理由/「正確に言うと離れられなかった」/会社にはドライでもお客さんは好き/業務委託で続けるという選択肢が取れる時代/提示してくれたのは会社側/いまはSNS企画全般の監修も/息をするようにツイートした15年/コミチでこれからやっていきたいこと/ヒットに至る前の段階をうまくやりたい/論理で買う家電と感情で関わる漫画/もうひとつの顔は現代音楽・ノイズの即興演奏/日本発祥のジャンル・ジャパノイズ/バンドを組むほど友達がいなかった/一人でできるDJという入口/レコードを割って貼り直しDJを逸脱/ドイツの実験音楽レーベルからカセットリリース/初対面の相手との即興セッション/仕事より先に始めたライフワーク/レコードは文脈/ずらしたり無効化する遊びと言葉の共通点/野望は「ほんまにもうないです」/「広告が嫌われないようになってほしい」/広告を消すために見る側がお金を払う時代/ABテストや後で直せることで薄まる覚悟 番組概要「WHY ARE YOU? ~プロが惚れ込むクリエイターのXXX〜」 プロが認め、惚れ込む様々な分野のクリエイターたちを、毎回1名ゲストとしてご招待。お仕事への思い、矜持や、現在に至るまでのキャリアヒストリーについて深堀りするプログラム。写真、映像、文筆、デザイン、音楽、舞台芸術など、多種多様なジャンルのプロフェッショナルが登場します。MCは、クリエイティブディレクターの山崎晴太郎と、フリーランス協会代表理事の平田麻莉が務めます。毎週木曜日配信。 ▼番組ハッシュタグ #WHYAREYOU Xにて感想をお待ちしております。 ▼視聴URL Apple Podcast・Amazon Musicでもご視聴いただけます。 Spotify https://open.spotify.com/show/4cRKxRFYVx932yhbs4NmJH Apple Podcast https://podcasts.apple.com/us/podcast/id1771591451 Amazon Music https://music.amazon.co.jp/podcasts/6f3d48d2-4774-4a02-a266-3d854cb3093e ▼MC 山崎 晴太郎(クリエイティブディレクター/株式会社セイタロウデザイン代表取締役) 横浜出身。立教大学卒。京都芸術大学大学院芸術修士。ブランディングを中心に、グラフィック、WEB・空間・プロダクトなどのアートディレクションを手がける。「社会はデザインで変えることができる」という信念のもと、各省庁や企業と連携し、様々な社会問題をデザインの力で解決している。グッドデザイン賞金賞や日経広告賞 最優秀賞など、国内外の受賞歴多数。各デザインコンペ審査委員や省庁有識者委員を歴任。2018年より国外を中心に現代アーティストとしての活動を開始。TBS「情報7days ニュースキャスター」、日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」にコメンテーターとして出演。主なプロジェクトに、東京2020 オリンピック・パラリンピック表彰式、旧奈良監獄利活用基本構想、JR西日本、Starbucks Coffee Japan、広瀬香美、代官山ASOなど。著書に『余白思考』(日経BP、2024年)。https://seitaro.group/profile/ 平田 麻莉(PRプランナー/一般社団法人フリーランス協会 代表理事) 慶應SFC在学中にPR会社ビルコムの創業期に参画。 Fortune 500企業からベンチャーまで、国内外50社以上において広報の戦略・企画・実働を担い、戦略的PR手法の体系化に尽力。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、2011年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。同大学大学院政策・メディア研究科博士課程を出産を機に中退。博士課程在籍中からフリーランス広報としての活動開始。2017年1月、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会設立。非営利で全員複業の当事者団体として、自身の個人事業も継続しつつ、新しい働き方のムーブメントづくりと環境整備に情熱を注ぐ。パワーママプロジェクト「ワーママ・オブ・ザ・イヤー2015」、日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」受賞。政府検討会の委員・有識者経験多数。 ▼番組への感想、MCへのメッセージ https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc26dbY7qmAOSS_r7mpWfAyFN22tynRVYmcVNvdpTKlfA7AKg/viewform ▼STAFF ディレクター:関岡 憲彦 プロデューサー:野村 高文 制作:Podcast Studio Chronicle カバーデザイン:野村 理美

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漫画家・かっぴーさん一運に勝つには「人より多くサイコロを振る」。作家業10年目に見えてきたもの

プロが認め、惚れ込む様々な分野のクリエイターたちを、毎回1名ゲストとしてご招待するPodcast番組「WHY ARE YOU?」。 多種多様なジャンルのプロフェッショナルが登場し、お仕事への思い、矜持や、現在に至るまでのキャリアヒストリーについて深堀りするプログラムです。MCは、クリエイティブディレクターの山崎晴太郎と、フリーランス協会代表理事の平田麻莉が務めます。 今回は、漫画家のかっぴーさんをゲストにお迎えした全4回をご紹介します。 ゲスト:かっぴー(漫画家) 1985年・神奈川県出身。武蔵野美術大学を卒業後、広告代理店・東急エージェンシーにクリエイティブ採用で入社。その後、Web制作会社・面白法人カヤックへ転職。2015年、カヤック在籍中に趣味で描いた漫画『フェイスブックポリス』をWebに公開し大きな話題に。2016年、漫画家として独立し、株式会社なつやすみを設立。代表作『左ききのエレン』は累計400万部、2019年にはドラマ化、2026年4月からはテレビ東京系列でTVアニメが放送。そのほか『SNSポリス』は2018年にアニメ化。漫画原作者としても多数の作品を手がける2026年5月27日、ダイヤモンド社より初の完全オリジナルビジネス書『天才になれなかった全ての人へ ー自分だけの武器が見つかる才能論ー』を発売。 2026年7月配信時点#89 「凡人側で働いていた」。『左ききのエレン』作者の会社員時代【漫画家・かっぴーさん①】 ▼今回のトーク内容: 漫画家としての現在のお仕事/9割が漫画、原作と作画の両方/ジャンププラスでリメイク版「左ききのエレン」連載中/最新作「大人大戦」も連載中/業界クリエイターに刺さる作品/「左ききのエレン」のあらすじ/光一とエレン、デザイナーとアーティスト、二人の道の対比/「もともと漫画家を目指していたわけじゃない」/美大から広告代理店・東急エージェンシーへ/6年目で「中の上」のキャリアに疑問/デザインより企画でカヤックへ転職/コンテが得意で、自己紹介のために漫画を描いた/フェイスブックポリス誕生/「自分も凡人側で働いていた」/2015年、ネットで漫画を出すのはまだ珍しい時代/デザインをずっとやるつもりはなかった/代理店だと「40歳でやっとクリエイティブディレクター」のセオリーを待てなかった/サイコロで給料を決める制度/1年経って試しにアップしたフェイスブックポリスがきっかけに/バズらせ方は学んでいなかった/失敗して得た知見の方が再現性がある/左ききのエレンを描くために独立/「ギャグだけ描いてろ」と言われた時代/「集英社で出せるわけない」と言われたから全部実現してやろうと思った/「燃え尽きて玉砕しろ」というエレンのテーマ/戦略的ではなく衝動で独立/PR漫画バブル/撤退ラインを決めていた/テーマは事業プランのように思いついた/広告業界の人間観察/登場人物のモデル #90 下っ端根性は、優秀な上司のもとで生まれる。美大時代の天才たちとクリエイターの覚悟【漫画家・かっぴーさん②】 ▼今回のトーク内容: カヤック転職時の悩み/「うだつが上がらなかった」/「自分ごと化」する力が足りなかった/解像度、責任感の差/「下っ端根性」の話/優秀な上司との出会い/マインドのところでぶつかっていた/覚悟の違いを感じたエピソード/先輩からの「お前よくその時間あるな」/デザイナーのキャリア構造/20代の時の先が見えない感覚/圧倒的な知識と勉強と努力の先にしかない/ポッと出が成立しにくい/AI時代のデザイン/クリック数で成果が決まる/アーティストとデザイナー/自己表現の部分が大事/適当だが才能があるアーティストたち/美大時代のフリーマガジン「PARTNER」初代編集長/美大生は才能はあるが就活との相性が悪い/美大の文化祭においても作って終わり/世に対してのプレゼンテーションが苦手/「左ききのエレン」のメインの読者層は30〜40代/セリフのうまさ、コピーライター的/観察と構造化 #91 インディーズと武道館を同時に駆ける。漫画家×原作者の二刀流【漫画家・かっぴーさん③】 ▼今回のトーク内容: 連載中『大人大戦』の紹介/フェイスブックポリスのシリアス版・人間観察系の集大成/テーマは「正しい大人とは」/SNSで派手な人ばかり目立つ世の中への違和感/主人公・浦島の高校時代の「大人憲法」と15年後の評価経済社会/小難しいテーマを大衆向けに料理する集大成/原作者の役割はネームまでやること/基本的には原作者でいたい/人生のターニングポイント、短編『絶対信じない』/「原作熱量バージョン」という幻の新スタイル/コアなインディーズと武道館、両方やるから描けることもある/漫画の原作者は特殊/原作者になる道、漫画賞・ネーム大賞/編集者との打ち合わせは月曜13時のランチ/到着するまでにネームを読んでもらい、その場でiPadで直す/意識せずに観察する習慣、SNSもYouTubeも等しく刺激/仕事は週5日、子どもがいない日中/土日はオフ、破ったら離婚/集中力の話は初のビジネス書『天才になれなかった全ての人へ』に #92 運に勝つには「人より多くサイコロを振る」。作家業10年目に見えてきたもの【漫画家・かっぴーさん④】 ▼今回のトーク内容: 初のビジネス書『天才になれなかった全ての人へ』/天才とは、才能とは/10代からずっと考え続けてきたこと/作家業10周年というタイミング/やりたい仕事は「言い続ける」と来る/アニメ化もSNSがきっかけ/挑戦するなら「サイコロを人より多く振る」しかない/良くない仕事はわかる/仕事は能力を発揮して対価を得るもの/単価が安い仕事ほどトラブルが起きやすい/中小企業の50万円とサントリーの500万円/リソース感覚の違い/直感を信じることになったきっかけ/請求書を出して履歴を残すことの大切さ/フリーランスの目利き力/連載してないと漫画家じゃない/サイコロ理論で複数連載を持つ/原作料の話、印税分配の比率/「夢は大きくなきゃいけないのか」/幸せになるために生まれてきた/挑戦の大きさは問わない/尾田栄一郎先生に勝てなくても幸せにはなれる/紙の本を出し続けたい/「足るを知る」サステナブルな幸せ/おじさんの幸せ、どう年を取るか/エレンのテーマは「天才になろうとしてなれなかった人」/50代でも新しい挑戦をしたい/漫画ビジネスの難しさ、ヒット作の集中/業界構造とインディーズ的コミュニティ/漫画家を目指す人へのメッセージ/「止められてもやる人」じゃないとできない/続けることが一番難しい 番組概要「WHY ARE YOU? ~プロが惚れ込むクリエイターのXXX〜」 プロが認め、惚れ込む様々な分野のクリエイターたちを、毎回1名ゲストとしてご招待。お仕事への思い、矜持や、現在に至るまでのキャリアヒストリーについて深堀りするプログラム。写真、映像、文筆、デザイン、音楽、舞台芸術など、多種多様なジャンルのプロフェッショナルが登場します。MCは、クリエイティブディレクターの山崎晴太郎と、フリーランス協会代表理事の平田麻莉が務めます。毎週木曜日配信。 ▼番組ハッシュタグ #WHYAREYOU Xにて感想をお待ちしております。 ▼視聴URL Apple Podcast・Amazon Musicでもご視聴いただけます。 Spotify https://open.spotify.com/show/4cRKxRFYVx932yhbs4NmJH Apple Podcast https://podcasts.apple.com/us/podcast/id1771591451 Amazon Music https://music.amazon.co.jp/podcasts/6f3d48d2-4774-4a02-a266-3d854cb3093e ▼MC 山崎 晴太郎(クリエイティブディレクター/株式会社セイタロウデザイン代表取締役) 横浜出身。立教大学卒。京都芸術大学大学院芸術修士。ブランディングを中心に、グラフィック、WEB・空間・プロダクトなどのアートディレクションを手がける。「社会はデザインで変えることができる」という信念のもと、各省庁や企業と連携し、様々な社会問題をデザインの力で解決している。グッドデザイン賞金賞や日経広告賞 最優秀賞など、国内外の受賞歴多数。各デザインコンペ審査委員や省庁有識者委員を歴任。2018年より国外を中心に現代アーティストとしての活動を開始。TBS「情報7days ニュースキャスター」、日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」にコメンテーターとして出演。主なプロジェクトに、東京2020 オリンピック・パラリンピック表彰式、旧奈良監獄利活用基本構想、JR西日本、Starbucks Coffee Japan、広瀬香美、代官山ASOなど。著書に『余白思考』(日経BP、2024年)。https://seitaro.group/profile/ 平田 麻莉(PRプランナー/一般社団法人フリーランス協会 代表理事) 慶應SFC在学中にPR会社ビルコムの創業期に参画。 Fortune 500企業からベンチャーまで、国内外50社以上において広報の戦略・企画・実働を担い、戦略的PR手法の体系化に尽力。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、2011年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。同大学大学院政策・メディア研究科博士課程を出産を機に中退。博士課程在籍中からフリーランス広報としての活動開始。2017年1月、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会設立。非営利で全員複業の当事者団体として、自身の個人事業も継続しつつ、新しい働き方のムーブメントづくりと環境整備に情熱を注ぐ。パワーママプロジェクト「ワーママ・オブ・ザ・イヤー2015」、日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」受賞。政府検討会の委員・有識者経験多数。 ▼番組への感想、MCへのメッセージ https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc26dbY7qmAOSS_r7mpWfAyFN22tynRVYmcVNvdpTKlfA7AKg/viewform ▼STAFF ディレクター:関岡 憲彦 プロデューサー:野村 高文 制作:Podcast Studio Chronicle カバーデザイン:野村 理美

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ルートセッター・岡野寛さん一1ミリの調整が勝敗を分ける。スポーツクライミングのコースを作る「ルートセッター」とは?

プロが認め、惚れ込む様々な分野のクリエイターたちを、毎回1名ゲストとしてご招待するPodcast番組「WHY ARE YOU?」。 多種多様なジャンルのプロフェッショナルが登場し、お仕事への思い、矜持や、現在に至るまでのキャリアヒストリーについて深堀りするプログラムです。MCは、クリエイティブディレクターの山崎晴太郎と、フリーランス協会代表理事の平田麻莉が務めます。 今回は、ルートセッターの岡野寛さんをゲストにお迎えした全4回をご紹介します。 ゲスト:岡野 寛(ボルダリング・ルートセッター) 1974年6月24日、香川県出身。 19歳からクライミングを始め、日本代表として世界選手権やワールドカップに出場。2002年ボルダリング・ワールドカップイタリア・レッコ大会で日本人初の3位入賞。 2008年、ワールドクライミング・インターナショナルルートセッター資格を取得。日本では数少ない国際資格保有者として、ボルダリング・ジャパンカップ、ボルダリング・ワールドカップなどでルートセットを多数担当、国内外の大会でチーフセッターも務める。東京2020オリンピックでは、日本人として唯一、スポーツクライミングのリード種目公式ルートセッターに選出され、コースデザインを担当。現在も国内外の大会やジムでルートセットを手がけ、日本のスポーツクライミングシーンを支え続けている。 2026年6月配信時点#85 1ミリの調整が勝敗を分ける。スポーツクライミングのコースを作る「ルートセッター」とは?【ルートセッター・岡野寛さん①】▼今回のトーク内容: ルートセッターとは?/クライマーが登る壁のホールドを配置してコースをデザイン/現場で微調整を繰り返す手作業/難易度に明確な基準はない/登る人によって感じ方が変わる世界/国際資格・インターナショナルルートセッターとは/評価基準の数値化が難しい仕事/研修生として現場デビュー/自然の岩との違い/意図されたリズムと「気持ちいい動き」を設計する/身長差という難題/チームでつくる意義/様々な要素を入れてルートを作る/ホールドの持ち方とムーブ(動き)の種類/新しい動きの発明と共通言語化/1ミリの角度調整が明暗を分けるトップレベルの世界/大会本番におけるセッターのプレッシャー/中国での大会の帰りに他国の選手に詰め寄られたエピソード/公平性と中立性/セッター自身に求められる選手としての感覚 #86 「人と違うことがしたかった」。クライミング黎明期から歩んだキャリア【ルートセッター・岡野寛さん②】▼今回のトーク内容: 岡野さん自らデザインしたホールド/世界の難しいコース/日本のボルダリング聖地/海外から日本の岩を登りに来る人も増加/自然のコースを開拓するクライマー/初めて登った岩に名前を付けられる/19歳の頃にクライミングを始めた/「人と違うことをやりたかった」/高校の登山部、大学のワンダーフォーゲル部/登山の一技術から、スポーツクライミングへ/ジャンプなど自然界にない動きも/ビッグウォール、岩壁で寝るクライミング文化/自費でワールドカップに出場、キャンプ場暮らし/スポンサーはついたが生活はできず/クライミングジムで働きながら選手活動/当時からルートセッターという仕事は始めていた/今は一部の選手であるがプロスポンサーつき、実業団も/日本のジム文化は2010年頃に勃興、自然発生的に広がった/渋谷の明治通りなどにも店舗が出来た/月20〜25日、ほぼ毎日セッティング/日本のフリーランス・ルートセッターは15〜20人/壁を通したクライマーとルートセッターの対話/プレイヤーからセッターへ、視点の違いと表現の難しさ/ヨセミテ「Midnight Lightning」が現代ボルダリング・クライミングを変えた/三点支持から二点・一点支持へ #87 ルートセットはアートではなくデザイン。登る人がいて初めて完成する仕事【ルートセッター・岡野寛さん③】▼今回のトーク内容: ルートセッターへの仕事の依頼方法/SNSのダイレクトメッセージが主流/報酬は1日いくらの相場制/経験値で変わる単価/SNSを活用するセッターが人気/国際大会はシーズン前に選考/アジア圏からの海外仕事が急増/中国・韓国・台湾・シンガポールで進むジム文化/日本の2010年代を追いかけている状況/日本人セッターの評判/1ミリの繊細さと職人気質/中国は岩があってもアクセスがない、開拓の可能性/ルートセッターの育成の難しさ/明確な評価基準も教科書もない/10年前から主催するワークショップ/マエストロと流派、徒弟制度に近い世界/弟子は取らず、若手には独立してほしい/海外での指導と言語の壁/英語で1ミリのニュアンスを伝える難しさ/選手のコーチとルートセッターの関係/「敵は壁」、選手同士で情報を共有する競技文化/壁を通してクライマーとルートセッターが対話する/良いルートセッターの資質/「エゴをコントロール」できるか/自己表現と受け手のバランス/ルートセットはアートではなくデザイン/登る人がいて初めて完成する仕事 #88 競技者と同じ熱量で挑み続けられる仕事。ルートセッターの後進育成と未来【ルートセッター・岡野寛さん④】▼今回のトーク内容: 新しい挑戦の動き/自身は「あまり冒険はしない」スタンス/「滑り台のようなルート」など業界の新トレンド/ツルツルした素材のホールドの登場/クライミングのアスレチック化/「SASUKE」に近い動きも/クライミング業界のこれから/スポーツとしての広がり/つながりを大切にしたいカルチャー/幼児期からクライミングを始める子どもも増加/選手の若年化/アイスクライミングも競技化/リスクの高い登攀を「スポーツ」として安全化/選手引退後のキャリアの広がり/今、自分が目指していること/ルートセットを教える活動/クライミング文化がまだ浅い国で自分の経験を活かしたい/良いルートが良い選手を育てる/アフリカではまだ広まっていない現状/ルートセッターという進化し続けられる仕事/若手後進へのメッセージ/クライミングの経験と知識が軸になる/ルートセッターには「コミュニケーション能力」が必要/「なぜこうしたいか」を言語化できる力/英語などのプラスαスキルで世界へ/自分のクライミングもまだまだ続けたい 番組概要「WHY ARE YOU? ~プロが惚れ込むクリエイターのXXX〜」 プロが認め、惚れ込む様々な分野のクリエイターたちを、毎回1名ゲストとしてご招待。お仕事への思い、矜持や、現在に至るまでのキャリアヒストリーについて深堀りするプログラム。写真、映像、文筆、デザイン、音楽、舞台芸術など、多種多様なジャンルのプロフェッショナルが登場します。MCは、クリエイティブディレクターの山崎晴太郎と、フリーランス協会代表理事の平田麻莉が務めます。毎週木曜日配信。 ▼番組ハッシュタグ #WHYAREYOU Xにて感想をお待ちしております。 ▼視聴URL Apple Podcast・Amazon Musicでもご視聴いただけます。 Spotify https://open.spotify.com/show/4cRKxRFYVx932yhbs4NmJH Apple Podcast https://podcasts.apple.com/us/podcast/id1771591451 Amazon Music https://music.amazon.co.jp/podcasts/6f3d48d2-4774-4a02-a266-3d854cb3093e ▼MC 山崎 晴太郎(クリエイティブディレクター/株式会社セイタロウデザイン代表取締役) 横浜出身。立教大学卒。京都芸術大学大学院芸術修士。ブランディングを中心に、グラフィック、WEB・空間・プロダクトなどのアートディレクションを手がける。「社会はデザインで変えることができる」という信念のもと、各省庁や企業と連携し、様々な社会問題をデザインの力で解決している。グッドデザイン賞金賞や日経広告賞 最優秀賞など、国内外の受賞歴多数。各デザインコンペ審査委員や省庁有識者委員を歴任。2018年より国外を中心に現代アーティストとしての活動を開始。TBS「情報7days ニュースキャスター」、日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」にコメンテーターとして出演。主なプロジェクトに、東京2020 オリンピック・パラリンピック表彰式、旧奈良監獄利活用基本構想、JR西日本、Starbucks Coffee Japan、広瀬香美、代官山ASOなど。著書に『余白思考』(日経BP、2024年)。https://seitaro.group/profile/ 平田 麻莉(PRプランナー/一般社団法人フリーランス協会 代表理事) 慶應SFC在学中にPR会社ビルコムの創業期に参画。 Fortune 500企業からベンチャーまで、国内外50社以上において広報の戦略・企画・実働を担い、戦略的PR手法の体系化に尽力。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、2011年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。同大学大学院政策・メディア研究科博士課程を出産を機に中退。博士課程在籍中からフリーランス広報としての活動開始。2017年1月、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会設立。非営利で全員複業の当事者団体として、自身の個人事業も継続しつつ、新しい働き方のムーブメントづくりと環境整備に情熱を注ぐ。パワーママプロジェクト「ワーママ・オブ・ザ・イヤー2015」、日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」受賞。政府検討会の委員・有識者経験多数。 ▼番組への感想、MCへのメッセージ https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc26dbY7qmAOSS_r7mpWfAyFN22tynRVYmcVNvdpTKlfA7AKg/viewform ▼STAFF ディレクター:関岡 憲彦 プロデューサー:野村 高文 制作:Podcast Studio Chronicle カバーデザイン:野村 理美

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装丁家・川名潤さん一売れることを度外視して装丁した作品が直木賞を受賞。仕事の潮目が変わった時

プロが認め、惚れ込む様々な分野のクリエイターたちを、毎回1名ゲストとしてご招待するPodcast番組「WHY ARE YOU?」。 多種多様なジャンルのプロフェッショナルが登場し、お仕事への思い、矜持や、現在に至るまでのキャリアヒストリーについて深堀りするプログラムです。MCは、クリエイティブディレクターの山崎晴太郎と、フリーランス協会代表理事の平田麻莉が務めます。 今回は、装丁家の川名潤さんをゲストにお迎えした全4回をご紹介します。 ゲスト:川名 潤 (装丁家) 1976年・千葉県生まれ。クラブミュージック専門誌「GROOVE」でアルバイトとしてこの世界に飛び込み、以後、「サイゾー」などの雑誌でデザイナー、アートディレクターを経て、2017年、独立、川名潤装丁事務所を設立。雑誌「群像」などのエディトリアルデザインのほか、書籍の装丁では、『テスカトリポカ』(佐藤究)、『地図と拳』(小川哲)、『踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君』(金原ひとみ)、『口訳 古事記』(町田康)、『デートピア』(安堂ホセ)、『みどりいせき』(大田ステファニー歓人)、『ニューロマンサー〔新版〕』(ウィリアム・ギブスン)など。「テキストに寄り添う装丁」を掲げ、物語の世界観を視覚化するスタイルが評価される。 2026年5月配信時点#81 装丁の仕事は作品づくりではない。本に”着せてあげる服を選ぶ”イメージ【装丁家・川名潤さん①】 ▼今回のトーク内容: 装丁とは?/本のデザイン/カバーなど全パーツ/本文の組み方/グラフィックデザインの世界では憧れの職種/意外と歴史は浅い/1970年代から興隆/日本の第一人者たち/杉浦康平さん/山崎晴太郎視点の装丁家/グラフィッカーの中でも作家性が高い/本そのものに沿う/テキストに寄り添う装丁/主役は本そのもの/本に着せる服を選ぶイメージ/スタイリストのような感覚/本の”ジャケ買い”はあるのか/型は決めずにひとつ本が出来たら頭をリセット/その本の中の世界にありそうなデザインにする/その世界の住人になる/役者のよう/入り込める作品とは/本をデザインする順番/作中のキーアイテムを浮かび上がらせる #82 好きだった雑誌が廃刊に。編集部に直訴しこの世界に入ったきっかけ【装丁家・川名潤さん②】 ▼今回のトーク内容: 本を読ませるスピードをデザインでコントロール/著者とのコミュニケーション/著者が気に入ってくれたらいいなと思う/指名が来ることも/日本の出版界/デジタル化の波/昨今のトレンド/この世界に入ったきっかけ/最初は音楽関連の雑誌/デザインが気に入らないものがあった/紹介でこの世界へ/装丁家を目指しても就職先がなかった/装丁専門でやっている人も少なかった/好きな雑誌が廃刊に/その編集長が「サイゾー」を創刊/直接電話してデザインをさせて欲しいと直訴 #83 売れることを度外視して装丁した作品が直木賞を受賞。仕事の潮目が変わった時【装丁家・川名潤さん③】 ▼今回のトーク内容: 単行本と雑誌のデザインの違い/雑誌の方が大人数が関わる/「サイゾー」創刊から3年担当/「本の装丁がしたい」と人脈づくり/知り合いのデザイン会社へ/フリーランスの集合体/徐々に仕事が増えていく/潮目が変わった作品/佐藤究「テスカトリポカ」/「売れなくてもいいから尖ったものをつくってくれ」とオファー/売れることを考えなかった/でもこれが直木賞を受賞/独立の経緯/文芸誌「群像」のデザイン/小説だけが載る日本独自の文化/5大文芸誌のひとつ/ポップなデザインに/雑誌の装丁 #84 売れる本と売れない本の差とは。その中でのサバイバル術とこれから【装丁家・川名潤さん④】 ▼今回のトーク内容: 手掛けた数々の作品/あまり「この作品が印象的だった」と言わないようにしている/著者に申し訳ない/装丁家の報酬/著者印税とのバランス/今は著者印税も低い設定に/報酬が著者を超えてしまう可能性/出版界の仕組み/売れた本で売れない本をカバー/このシステムの功罪/お金でなくチャンスを保証/多産多死/川名潤が依頼を受ける基準/今は9割5分、本の装丁/口コミで来る依頼/ネットワークの中で仕事が増える/今後やりたいこと/雑誌に載るのに本にならない作品も/例えばイラストレーターの作品集とか/やってみたい装丁/やってみたい印刷・加工は実はない/長いキャリア/興味はデザインだけでなく作品の物語へ/「この作家さんの本のデザインがやりたい」はある/自身は書かないのか/エッセイを書いたことも/作家は無理かな/個人的な野望/この仕事は体力勝負/年間7万冊出版される本/少ない人間で装丁を担当/多い時で年間200冊を装丁/締切もある/瞬発力がいる/仕事のほとんどは作品を読んでいる/至るところで読書/仕事以外のインプット/映画や音楽も趣味で触れる/なかなかベールに包まれている装丁家/装丁家になりたい人はどうしたらいいのか/出版社に飛び込むのも手 番組概要「WHY ARE YOU? ~プロが惚れ込むクリエイターのXXX〜」 プロが認め、惚れ込む様々な分野のクリエイターたちを、毎回1名ゲストとしてご招待。お仕事への思い、矜持や、現在に至るまでのキャリアヒストリーについて深堀りするプログラム。写真、映像、文筆、デザイン、音楽、舞台芸術など、多種多様なジャンルのプロフェッショナルが登場します。MCは、クリエイティブディレクターの山崎晴太郎と、フリーランス協会代表理事の平田麻莉が務めます。毎週木曜日配信。 ▼番組ハッシュタグ #WHYAREYOU Xにて感想をお待ちしております。 ▼視聴URL Apple Podcast・Amazon Musicでもご視聴いただけます。 Spotify https://open.spotify.com/show/4cRKxRFYVx932yhbs4NmJH Apple Podcast https://podcasts.apple.com/us/podcast/id1771591451 Amazon Music https://music.amazon.co.jp/podcasts/6f3d48d2-4774-4a02-a266-3d854cb3093e ▼MC 山崎 晴太郎(クリエイティブディレクター/株式会社セイタロウデザイン代表取締役) 横浜出身。立教大学卒。京都芸術大学大学院芸術修士。ブランディングを中心に、グラフィック、WEB・空間・プロダクトなどのアートディレクションを手がける。「社会はデザインで変えることができる」という信念のもと、各省庁や企業と連携し、様々な社会問題をデザインの力で解決している。グッドデザイン賞金賞や日経広告賞 最優秀賞など、国内外の受賞歴多数。各デザインコンペ審査委員や省庁有識者委員を歴任。2018年より国外を中心に現代アーティストとしての活動を開始。TBS「情報7days ニュースキャスター」、日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」にコメンテーターとして出演。主なプロジェクトに、東京2020 オリンピック・パラリンピック表彰式、旧奈良監獄利活用基本構想、JR西日本、Starbucks Coffee Japan、広瀬香美、代官山ASOなど。著書に『余白思考』(日経BP、2024年)。https://seitaro.group/profile/ 平田 麻莉(PRプランナー/一般社団法人フリーランス協会 代表理事) 慶應SFC在学中にPR会社ビルコムの創業期に参画。 Fortune 500企業からベンチャーまで、国内外50社以上において広報の戦略・企画・実働を担い、戦略的PR手法の体系化に尽力。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、2011年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。同大学大学院政策・メディア研究科博士課程を出産を機に中退。博士課程在籍中からフリーランス広報としての活動開始。2017年1月、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会設立。非営利で全員複業の当事者団体として、自身の個人事業も継続しつつ、新しい働き方のムーブメントづくりと環境整備に情熱を注ぐ。パワーママプロジェクト「ワーママ・オブ・ザ・イヤー2015」、日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」受賞。政府検討会の委員・有識者経験多数。 ▼番組への感想、MCへのメッセージ https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc26dbY7qmAOSS_r7mpWfAyFN22tynRVYmcVNvdpTKlfA7AKg/viewform ▼STAFF ディレクター:関岡 憲彦 プロデューサー:野村高文 制作:Podcast Studio Chronicle カバーデザイン:野村 理美

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マンガ「フリーランスの歩き方」

初心者フリーランスのお悩み解決マンガ「フリーランスの歩き方」。フリーランスを代表して、フリーランス1年目の「降井嵐太(ふりいらんた)」くんが、頼れる先生にアレコレ質問していきます。

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「いくら稼いでも不安…」を解消!フリーランスの心の平穏は収支管理で手に入れよう

フリーランスになったはいいけれど、思いもよらない疑問や悩みが噴出。質問しようにも、誰に聞いたらいいかもわからない! そんな悩めるフリーランスを代表して、フリーランス1年目の「降井嵐太(ふりいらんた)」くんが、頼れる先生にアレコレ質問していきます。 便利な会計ソフトだけれど、普段見るのは「請求書作成画面だけ」……なんて人はいないでしょうか?普段の収支管理に役立つ会計ソフトとの付き合い方や、お金の見通しを立てるコツなど、心穏やかに働くための収支管理術を前編に引き続き専門家に聞いていきます。 前編はコチラ↓↓ 節税の前にすべきは売上予測!フリーランスの収支管理には思わぬメリットも|フリパラ(フリーランス協会公式note) 宮﨑雅大(みやざき・まさひろ) 税理士。2016年10月に宮﨑雅大税理士事務所を開業。スタートアップや起業まもない顧客が多く、個人事業主からの相談も多い。クラウド会計導入など、業務効率改善に関する提案にも定評がある。https://mstar-tax.jp/ 高田ゲンキ(たかた・げんき) イラストレーター/漫画家 1976年生、ベルリン在住。2004年にフリーランスイラストレーターとして活動開始。2012年に夫婦でドイツ移住。イラスト/漫画制作、書籍執筆、YouTube|ブログ|SNSでの発信等メディアを問わず幅広く活動中。イラスト実績の近年の代表例は経済産業省 特許庁のオンライン特許庁見学など。著書3冊出版。最新刊は『マンガでわかる!フリーランスの生き残り戦略』(翔泳社)。一児の父として、フリーランスの仕事と育児の両立の限界に挑戦し続ける日々。

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節税の前にすべきは売上予測!フリーランスの収支管理には思わぬメリットも

フリーランスになったはいいけれど、思いもよらない疑問や悩みが噴出。質問しようにも、誰に聞いたらいいかもわからない! そんな悩めるフリーランスを代表して、フリーランス1年目の「降井嵐太(ふりいらんた)」くんが、頼れる先生にアレコレ質問していきます。 会計ソフトへの登録、「多少月がずれても、確定申告時に合っていればいいんでしょ?」……なんて思ってないでしょうか? 月次や半期ごとに収支管理をしていけば、適切に節税できるだけじゃなく、思わぬメリットもあるようです。 宮﨑雅大(みやざき・まさひろ) 税理士。2016年10月に宮﨑雅大税理士事務所を開業。スタートアップや起業まもない顧客が多く、個人事業主からの相談も多い。クラウド会計導入など、業務効率改善に関する提案にも定評がある。https://mstar-tax.jp/ 高田ゲンキ(たかた・げんき) イラストレーター/漫画家 1976年生、ベルリン在住。2004年にフリーランスイラストレーターとして活動開始。2012年に夫婦でドイツ移住。イラスト/漫画制作、書籍執筆、YouTube|ブログ|SNSでの発信等メディアを問わず幅広く活動中。イラスト実績の近年の代表例は経済産業省 特許庁のオンライン特許庁見学など。著書3冊出版。最新刊は『マンガでわかる!フリーランスの生き残り戦略』(翔泳社)。一児の父として、フリーランスの仕事と育児の両立の限界に挑戦し続ける日々。

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「稼いでから投資」はナゼNG? フリーランスの資産形成は「この2つ」から小さく始める!

フリーランスになったはいいけれど、思いもよらない疑問や悩みが噴出。質問しようにも、誰に聞いたらいいかもわからない! そんな悩めるフリーランスを代表して、フリーランス1年目の「降井嵐太(ふりいらんた)」くんが、頼れる先生にアレコレ質問していきます。 今回も前回に引き続き、フリーランスの資産形成について聞いていきます。iDeCoにNISA、小規模企業共済など、「やったほうがいいらしいけど、よくわからない」…と放置していませんか?初心者はどれをどう選べばいいのか、専門家に聞いていきます。 ※前編はコチラ→「退職金がなくて不安」なフリーランスこそ資産形成!最初にすべきは投資でも家計簿つけでもなく…?|フリパラ(フリーランス協会公式note) 竹川美奈子 LIFE MAP合同会社代表、ファイナンシャル・ジャーナリスト 出版社や新聞社勤務などを経て独立。2000年FP資格を取得。取材・執筆活動を行うほか、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)、マネープランセミナーなどの講師を務める。「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)」幹事などを務め、投資の裾野を広げる活動にも取り組んでいる。『大改正でどう変わる?新NISA 徹底活用術』(日経BP)、『改訂版 はじめての「投資信託」入門』(ダイヤモンド社)等著書多数。 高田ゲンキ(たかた・げんき) イラストレーター/漫画家 1976年生、ベルリン在住。2004年にフリーランスイラストレーターとして活動開始。2012年に夫婦でドイツ移住。イラスト/漫画制作、書籍執筆、YouTube|ブログ|SNSでの発信等メディアを問わず幅広く活動中。イラスト実績の近年の代表例は経済産業省 特許庁のオンライン特許庁見学など。著書3冊出版。最新刊は『マンガでわかる!フリーランスの生き残り戦略』(翔泳社)。一児の父として、フリーランスの仕事と育児の両立の限界に挑戦し続ける日々。

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「退職金がなくて不安」なフリーランスこそ資産形成!最初にすべきは投資でも家計簿つけでもなく…?

フリーランスになったはいいけれど、思いもよらない疑問や悩みが噴出。質問しようにも、誰に聞いたらいいかもわからない! そんな悩めるフリーランスを代表して、フリーランス1年目の「降井嵐太(ふりいらんた)」くんが、頼れる先生にアレコレ質問していきます。 仕事は充実しているけれど、「漠然とした将来への不安」が消えない……。そんなフリーランスを救うのが「資産形成」。しかし、忙しさにかまけて手を付けられていない人も多いのでは。専門家に無理のない「資産形成の始め方」を聞いていきます。 竹川美奈子 LIFE MAP合同会社代表、ファイナンシャル・ジャーナリスト 出版社や新聞社勤務などを経て独立。2000年FP資格を取得。取材・執筆活動を行うほか、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)、マネープランセミナーなどの講師を務める。「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)」幹事などを務め、投資の裾野を広げる活動にも取り組んでいる。『大改正でどう変わる?新NISA 徹底活用術』(日経BP)、『改訂版 はじめての「投資信託」入門』(ダイヤモンド社)等著書多数。 高田ゲンキ(たかた・げんき) イラストレーター/漫画家 1976年生、ベルリン在住。2004年にフリーランスイラストレーターとして活動開始。2012年に夫婦でドイツ移住。イラスト/漫画制作、書籍執筆、YouTube|ブログ|SNSでの発信等メディアを問わず幅広く活動中。イラスト実績の近年の代表例は経済産業省 特許庁のオンライン特許庁見学など。著書3冊出版。最新刊は『マンガでわかる!フリーランスの生き残り戦略』(翔泳社)。一児の父として、フリーランスの仕事と育児の両立の限界に挑戦し続ける日々。

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村田あやこの偏愛マニア探訪記

「好き」で続けてきたことがどのように仕事につながってきたのか。偏愛」を軸に活動をする方々のお話を伺いながら紐解きます。

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「誰も調べていない」から面白い | ガードパイプ探訪家・岡元大さん【偏愛マニア #25】

「好き」で続けてきたことが、どのように仕事につながってきたのか。「偏愛」から活動を広げてきた方々のお話を伺いながら紐解いていく、「村田あやこの偏愛マニア探訪記」。 今回ご登場いただくのは、出版社で働くかたわら、全国各地のガードパイプを観察・撮影している岡元大さんです。2023年には、長年の記録をまとめた『まちかどガードパイプ図鑑』を出版しました。 道路脇で見かける、パイプでできた柵「ガードパイプ」。 車が歩道や対向車線などへ飛び出すのを防ぐガードレールに対し、ガードパイプは主に歩行者の道路横断を防ぐために設けられています。街の安全を守る、名もなき脇役のような存在。しかし目を凝らせば、そこには地域の名産品や動植物をかたどった、驚くほど多彩なデザインが息づいています。 岡元さんは、なぜガードパイプに惹かれたのでしょうか。そして、趣味として始めた観察と発信は、どのように一冊の本へと結実したのでしょうか。 長年、本を売る側、つくる側として出版業界に携わってきた岡元さん。自らが著者となったことで、一冊の本を読者へ届ける仕事は、どのように見えるようになったのか。 「好きなこと」を観察し、発信し続ける面白さと、本づくりに携わる人々への思いについて伺いました。 岡元大(おかもと・だい)さん 1982年東京都出身。出版社勤務。14年以上ガードパイプを撮り歩き、これまでに撮影したガードパイプは5,000点以上。2023年創元社より「まちかどガードパイプ図鑑」を上梓。ブログ「ガードレール(ガードパイプ)探訪」を「復刊ドットコム」メールマガジンにて連載中。「マツコの知らない世界」に写真提供、読売新聞「まちなかの絶景」に記事掲載、「散歩の達人」や「BRUTUS」など多くの雑誌・メディアへ寄稿。東京MXTV「バラいろダンディ」に偏愛さんとして出演。「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」に出演。原点は、自転車での団地めぐりーーガードパイプ好きが高じて、ご自身の本まで出版された岡元さん。もともと、街歩きや路上観察的な趣味のきっかけは何だったんでしょうか? 以前、紀伊國屋書店で働いていた頃、小平の実家から国分寺の職場まで電車で通勤していたんです。でも、途中で飽きてしまって、自転車通勤に切り替えました。乗っていたのはミニベロという、タイヤは小さいけれどスピードの出る、街乗り仕様の自転車です。 同じ時期に自転車を買った同僚が何人かいたので、「みんなでどこかへ行こう」という話になって。メンバーの一人の提案で、団地を見に行くことになったんです。 街に出るきっかけとなったミニベローー団地!またマニアックな行き先ですね。 当時、大山顕さんが立ち上げたウェブサイト「住宅都市整理公団」が流行っていて、メンバーの一人が「岡元くん、団地っていいよ」と、しきりに言い出したんです。そういう、ちょっと変わった趣味を最初に見つけてくる人でした。 僕自身はもともと団地に住んでいたので、団地にあまりいいイメージは持っていなかったんです。でも、「見に行こう」という彼に連れられて出かけた。それが最初のきっかけですね。 最初に訪れたのは、埼玉県草加市にあった草加松原団地です。かつて「東洋一のマンモス団地」とも呼ばれた団地でした。 ーー小平から自転車で草加まで!かなりの距離ですね。 とにかく自転車に乗ることが目的だったので(笑)。 当時は、書店で仕入れ係を担当していました。売上の規模に対してバックヤードが狭く、段ボールに入った在庫を常に動かさなければならない。毎日、本が詰まった何百個もの段ボールを運んでいたので、体がムキムキだったんです。小平から草加に自転車で行くくらい、余裕でした。 団地鑑賞の一コマ。小ぶりな建物のデザインがかわいらしい。1階に店舗が併設されている巨大団地。レトロな看板が魅力的。ーー最初はいいイメージのなかったという団地ですが、見て回るうちに気持ちの変化はありましたか。 最初は自転車に乗ることが目的でした。でも、2か所、3か所と巡るうちに、団地のバリエーションの豊かさを面白いと思うようになりましたね。『世界一美しい団地図鑑』という本まで買って、一時期は団地鑑賞にすっかりハマっていました。 「これは何の形だろう?」を読み解く楽しさ団地に併設された給水塔。各戸に水を送り届けるという重要任務を担う存在。団地という生活空間の中で、宇宙ステーションのような異世界感を放つ給水塔。ーー団地鑑賞から、どのようにガードパイプの偏愛へとつながっていったんでしょうか。 団地の次に目が留まったのが、団地にそびえる給水塔です。そのうち給水塔の方が好きになって、はるばる遠くまで給水塔だけを見に行って写真を撮るように。関東だけで200〜300枚は撮影しましたね。でも2018年に『団地の給水塔大図鑑』(小山祐之、シカク出版)という本が出版されたことを機に、すっぱり辞めました。 ーーすでに先人がいた、と。 そもそも給水塔をたくさん撮っていたのも、色々なタイプを網羅的に知りたかっただけなんです。「この本に全部載ってるから、僕が頑張って集めなくてもいいんだ!よかったー」と思って。 ーー「悔しい」「ショック」ではなく、「よかった」だったんですね。 団地もガードパイプも追いかけるのは大変だったので、「ラッキー」って(笑)。 ガードパイプは、団地や給水塔を見に行く道中で、自然と撮り始めました。 ちょうどその頃、語学書を手がけるJリサーチ出版に営業職として転職しました。担当したのは、書店を回って自社の本を紹介し、売り場での展開などを提案する書店営業です。関東全域に加えて、九州、中国、四国という幅広い広い地域を受け持ちました。 電車では行きにくい場所もあるので、数日かけて車で各地の書店を回ることもしょっちゅう。そんなふうに長時間、道路を走るうちに、自然と道路際のガードパイプが目に留まるようになっていったのです。 ーー車窓からの鑑賞をきっかけに、ガードパイプへの関心が育っていったのですね。どのようなところに、面白さを感じたのでしょうか? 団地や給水塔と違って、気になったガードパイプのことをネットで調べても、当時は国土交通省のページくらいしか見つかりませんでした。ブログなどで発信している個人の趣味者もいなかった。だからこそ、面白かったんです。 ガードパイプは鉄のパイプでできているので、表現できる意匠には限界があります。例えば虎の形にしようと思ったら、虎らしく見えるように色を塗ったり、パイプを曲げたりと、限られた素材を駆使してデザインしなければなりません。 そのため、ときには何をかたどっているのか、一目でわからないこともあります。そんなときは、自治体のWikipediaなどを見ながら、「この形は、市の花を表しているのかな?」と想像するんです。 県の花&市の花であるチューリップがデザインされた、富山市のガードパイプ変わり種!柏市にある、「綱引き」を表したガードパイプ通学路のガードパイプは緑色。目黒区にあるサッカーボールのガードパイプーーシンプルな形からモチーフを読み解き、答え合わせする楽しさがあるのですね。 そうなんです。ただ、一回大失敗したことがあって。 NHKの番組の取材で、地元・小平市のガードパイプを紹介することになったんです。そこで、駅前のロータリーにある、植物の柄が刻まれた立派なガードパイプを取り上げました。 小平は日本で初めてブルーベリーの栽培を行った場所です。だから僕は、その植物もてっきりブルーベリーだと思い込み、取材でもそのように説明をしていました。 ところが、さすが天下のNHK。取材後にきちんと裏を取ったしたところ、なんとアカシアの木だと判明したんです。 因縁の(?)アカシアのガードパイプーーアカシアも、小平にゆかりのある植物なのでしょうか。 ガードパイプが設置されている通りが「あかしあ通り」だから、ということでした。 ネット上に情報がないなか、デザインを見て僕が勝手に考察していたんですね。でも、いまだに「ブルーベリーのほうがいい」と思ってますが(笑) 毎週のブログ更新が観察眼を鍛えたーー2023年には『まちかどガードパイプ図鑑』を出版し、多くのメディアから取材を受けている岡元さん。外部に向けて発信をはじめたきっかけは何だったのでしょうか? Jリサーチ出版の後に一社挟み、復刊ドットコムへ転職しました。 復刊ドットコムは、読者からのリクエストをもとに、絶版などで手に入らなくなった本の復刊を目指す会社です。ECサイトを運営していたので、お客さまに商品情報を届けるため、定期的にメールマガジンを発行していました。 あるとき、メルマガをリニューアルすることになり、「そういえば岡元君って、ガードパイプの写真を撮ってなかったっけ?」と、コンテンツ制作を持ちかけられたんです。 ーー社内ではすでに、「岡元さんといえばガードパイプ」と認識されていたのですね。 行く先々でいつもガードパイプの写真を撮るので、周りからは「ガードパイプ好き」として認識されていました。 最初は、「文章なんて書けるのかな?」とあまり気乗りしませんでしたが、どこにも公開していない写真のストックがとにかくたくさんあったので、メルマガの執筆に参加することになったんです。 当時の仕様ではメールに画像を載せられなかったので、新たにブログを開設し、メルマガには記事のURLを掲載することに。それが、外部へ発信するようになったきっかけです。 ーーひょんなきっかけから、偏愛を外部に発信する機会ができたんですね。 以来、毎週、メルマガの発行に合わせてブログを更新してきました。始めてから8年が経ち、最近、連載400回を迎えたんです。途中で、主婦の友社に異動しましたが、復刊ドットコムとはグループ会社なので、今もブログを続けています。 2018年から毎週更新し続けているブログ「ガードレール(ガードパイプ)探訪」ーー8年間で400回!それだけ続けてもネタが尽きないのがすごいです。 実は逆で、ブログを更新することが、新しいネタを探すきっかけになっているんです。 目立つデザインや華美なものだけではなく、シンプルな意匠の中にも違いや見どころを探すようになりました。続けるうちに、見る視点もどんどん細分化されていったんです。 ーー発信することで、観察眼も鍛えられていったのですね。ご著書は、どのような経緯で出版にいたったのでしょうか? ブログの連載が100回を超えた頃から、テレビ番組や新聞、雑誌など、メディアから取材の問い合わせをいただくようになりました。 ある時、掲載された雑誌の記事を見て、創元社の編集者の方が連絡をくださったんです。その方は山形へ旅行した際、サクランボがデザインされたガードパイプを見つけたそうです。 「これは市区町村の名産品と関係があるのだろうか」「他の自治体のガードパイプはどうなっているのだろう」とネットで調べたところ、僕のブログばかりが出てきた。それで、「この岡元大という人は何者なんだ?」と思ったそうです(笑) ーー編集者さん自身も、ガードパイプに興味があったんですね。そして岡元さんご自身が、ガードパイプの情報源となった。その後、創元社からは『まちかど送水口図鑑』『まちかど給水塔図鑑』も刊行され、「まちかど」図鑑はすっかり人気シリーズになっています。 本を「工業製品」にしない。著者になって見えたこと2023年に出版された初の著書『まちかどガードパイプ図鑑』(創元社) ーー長く出版業界で働いてきた経験を、ご自身の本づくりに生かせたことはありますか? 版元である創元社の営業担当に、偶然、親しい仕事仲間が何人かいたんです。担当編集者の方は新人で、入社後初めて手がけたのが僕の本でした。 編集会議で僕の本を出版すると伝えたところ、営業担当の知人たちは驚いたようで、すぐに電話がかかってきました。 そうした以前からの仕事仲間にも協力してもらいながら、発売後に書店の店頭に本が並ぶよう、発売前から書店へ働きかけました。指定配本(※)の注文も、たくさん取り付けることができました。 ※出版社が取次を通じて、指定された書店へ事前注文分の本を届ける仕組み ーー書店で働いたことがあり、書籍流通の仕組みを知っている岡元さんだからこそ、できたことですね。一方で、ご自身の本の売れ行きも細かく見えてしまうのでしょうか。 はい。「あの書店はたくさん注文してくれたけど、こんなに返品したんだな」ということまで全部わかってしまうので、心には悪かったですね……。 ーーわかりすぎてしまうからこそ、傷つくこともあるのですね。岡元さんはこれまで、本を売る側、つくる側として、長く出版に携わってきました。今回、著者という立場になったことで、新たに気づいたことはありましたか。 著者という存在を以前より身近に感じるようになりました。「先生、先生」と、まるで神様のように過剰にかしこまらなくてもいいのかな、と。 書店にて、ブックフェア中の一コマーー著者としての経験が、本業に生かされたことはありましたか? 書籍のプロモーションは、出版社だけが頑張るのではなく、著者と一緒に取り組まなければうまくいかないのだと痛感しました。 著者が「こうしたい」と能動的に動くと、周囲もそれに応じて販促に協力してくれる。そうすることで、結果的にうまくいくのだと思います。 本を「工業製品」にしてはだめなんです。せめて「工場制手工業」と呼べるくらい、一冊一冊に人の手をかけなければならない。 僕はこれまで、書店で働いた後、出版社での書店営業や広告営業、雑誌編集、企業とのタイアップなど、さまざまな立場で出版業界に携わってきました。だから、それぞれの部門で働く人たちの顔が見えるんです。 自分が著者になったことで、一冊の本をつくり、売っていくために必要な、さまざまな役割の細かな接続部分を、より大切にしたいと思うようになりました。 「どこかの部門を裏切るようなことをしてはいけない」「関わってくれる人たちを尊重しよう」。このことが以前より明確に、ストンと腑に落ちたんです。 ーー一冊の本をつくり、誰かの手元に届けるまでの有機的なつながりが、著者になったことで、よりくっきりと見えてきたのですね。さまざまな立場で出版業界に関わってきた岡元さんだからこその視点だと感じます。最後に、これからガードパイプに関して挑戦してみたいことを教えてください。 本を出してから、全国各地のガードパイプについて、たくさんの情報が寄せられるようになりました。種子島にはロケットがデザインされたガードパイプがあるそうなので、ぜひ現地へ見に行きたいですね。 それから、いつか自治体と一緒に、ガードパイプそのものをつくってみたいです。 願わくば、小平にブルーベリーのガードパイプを設置したいですね(笑) 偏愛マニア探訪後記『まちかどガードパイプ図鑑』を出版された際、とある取材でお話を伺ったことが、岡元さんとの出会いでした。以来、トークイベントやZINE制作など、何かとご一緒させていただいています。 私が愛でる街の植物は、ときにガードパイプを覆い隠してしまうため、岡元さんからは敵視されていますが……(笑)。 仕事仲間との自転車での団地巡りをきっかけに、路上観察に開眼。やがて給水塔に惹かれて何百枚もの写真を撮影するも、給水塔を網羅した本が出版されると、「この本があれば大丈夫」とすっぱり辞めてしまう。 その後、調べても情報がほとんど見つからないガードパイプへと関心が移ります。誰に見せるともなく続けてきたガードパイプ鑑賞が、ひょんなことから発信の機会を得て、『まちかどガードパイプ図鑑』の出版へとつながりました。 「目立ちたい」「広めたい」ではなく、内なる好奇心に突き動かされ、淡々と偏愛の道を極め続ける姿が印象的でした。 また、書店や出版社で長く本の仕事に携わってきた岡元さんだからこそ、一冊の本がつくられ、読者へ届くまでの過程を俯瞰して捉えている姿も印象に残りました。 編集者や営業担当、書店員、そして著者。それぞれの仕事をつなぎ、一冊ずつ丁寧に読者に届けていく。本づくりに関わる人々への深い敬意が伝わってくる取材でした。 ※記事内の写真はすべて岡元大さん提供 取材・文/村田あやこ 路上園芸鑑賞家・ライター。一人学会「路上園芸学会」を名乗り、街なかの軒先や隙間で威勢よくはみだす、誰かの園芸や植物を愛でる。著書に『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)、『はみだす緑 黄昏の路上園芸』(雷鳥社)、『緑をみる人』(雷鳥社)。いとうせいこう氏と『ボタニカルを愛でたい』(フジテレビ)に出演中。デザイナーの藤田泰実氏とお散歩ユニット「SABOTENS」として活動し、作品展示やグッズ制作などを行う。 instagram/@botaworks

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一杯のお冷には「おもてなし」が詰まっている | お冷研究家・つるたちかこさん【偏愛マニア #24】

「好き」で続けてきたことが、どのように仕事につながってきたのか。 「偏愛」から活動を広げてきた方々のお話を伺いながら紐解いていく、「村田あやこの偏愛マニア探訪記」。 今回ご登場いただくのは、飲食店などで提供される「お冷」を研究している、お冷研究家のつるたちかこさんです。現在は、フリーランスの編集者・ライターとして活動されています。 お店のメニューには載らない、サービス品であるお冷。だからこそ、そのお店ならではのおもてなしや、細やかなこだわりが垣間見えます。 つるたさんの思う、お冷の魅力とは。「好きなこと」と「仕事」との関係性とは。 つるたさんに、お話を伺いました。 つるたちかこさん 岩手県出身。初代お冷研究家。 占いコンテンツの企画制作、ウェブディレクター、出版社を経て、電子書籍事業の立ち上げを経験。 現在はフリーランスとして幅広く活動中。 お冷研究は2015年からInstagramにて開始し、文学フリマなどで同人誌を発売している。 『お冷研究最前線』https://ohiya-study.studio.site/お冷に宿るサービス精神――「お冷」って、喫茶店や食堂で最初に出される、あのお冷のことでしょうか。 私は「お冷」を次の4つに定義しています。 ・飲食店に含まれている「サービス品」であること ・自由に「おかわり」ができること ・お店なりの「おもてなし」が見えてくるものであること ・お店に入って「最初」に口にするものであること なので、たとえば温かいお茶も「お冷」としています。 ――必ずしも水だけではないのですね。 そうなんです。例えばドーミーイン系列のホテルでは、夜9時〜11時までの間、「夜鳴きそば」という醤油ラーメンが無料で振る舞われるんです。サービス品だし、大盛りにできて、自由におかわりまでできる。夕食を食べられないまま、仕事で疲れてホテルに帰ってきた人には嬉しいサービスですよね。 「お店に入って『最初』に口にするもの」かどうかは議論の余地がありますが、夜鳴きそばも「お冷」かもしれないと考えています。 ドーミーイン系列のホテルで宿泊者向けに無料で提供される、夜鳴きそば。 つるたさんの定義によると、これも「お冷」。――面白い!冷たくなくても「お冷」なんですね。そう考えると、いろいろなところに「お冷」的なものが潜んでいそうです。 実は、この定義を作ったことによって自分の首を絞めている部分もあって。例えば、最後にサービスで出していただくおみそ汁やお茶も、お冷に組み込めるんじゃないかと思っています。まあ、定義を変えればいいだけなんですけどね(笑) ――研究対象として意識するようになってから、これまでどれくらいの「お冷」を記録してこられたんでしょうか。 ちゃんと数えてはいませんが、おそらく1500杯以上はあると思います。 ――すごい数ですね!人生で口にしたお冷の数を総計したら、かなりの数になりそうです。これまで出会った中でも忘れられないお冷はありますか? 提供方法が印象的だったのは、丸源ラーメンというラーメン店です。醤油系のこってりしたラーメンなんですが、大人には粉茶が提供されるんです。こってりしたラーメンの後に緑茶をいただくと、すごく美味しくて。そこまで計算された組み合わせなのかなと感激しました。 その時は姪っ子と一緒だったんですが、小さい子どもにはお水を出していただいて。世代に合わせて提供するお冷を変えているところにも驚きました。 丸源ラーメンで大人向けに提供される、粉茶。――お店の気遣いを感じますね。 また個人店だと、お冷用としてオリジナルのグラスまで作っているところもあるんです。たとえば銀座にある壹眞珈琲という喫茶店では、社長さん自らデザインされたグラスでお冷を提供しています。持ち手の部分が楕円形に凹んでいるので、手になじみやすく、とても飲みやすい形状なんです。 持ちやすい形状のグラスは、お店のオリジナル。壹眞珈琲のお冷。――「お冷」は、メニューや食べログなどには載らないもの。そこまでのこだわりを込めておもてなししていると知るだけで、一気にそのお店が好きになってしまいます。「お冷」を入口に、お店の心意気そのものを愛でるというのが、お冷研究なんですね。 お冷こそ、本当の「おもてなし」――「お冷研究家」としてのご活動をはじめて何年になるんでしょうか。 昨年10周年を迎えました。……と言うと大げさなんですが(笑)、気づいたら10年経っていたという感じです。 ――おめでとうございます!お冷に魅了されたきっかけは? 10年前は、東京オリンピックの招致で「クールジャパン」が盛んに謳われていた時期。そういういかにも作られた日本はいやだなと違和感を覚えていたんです。 また「インスタ映え」っていう言葉も流行っていて、華やかで“映える”写真にハッシュタグをいくつも付けて投稿する人が多くて。ただ、そういう使い方はあまりおもしろくないなとも思っていました。 そうした反発心からふと「お冷」の写真を撮ってインスタに投稿してみたら、「これだ!」としっくりきたんです。 ――“クールジャパン”や“インスタ映え”とは対極にある、リアルな日常を象徴するものでもありますね。 最初に撮ったのは、銀座にあるスープカレー屋さん「ドミニカ」でいただいた、レモン入りのお冷でした。 View this post on Instagram カレーを食べた後にコーヒーが飲みたくなって、近くにあった喫茶店に入ったんです。そこでいただいたお冷はグラスがキンキンに冷えていて、氷が入っていないのにまろやかな口当たりで、ものすごく美味しかったんです。 その感動とこれまで「クールジャパン」や「おもてなし」に対して抱いていた違和感が融合して、「お冷だ!」とビビッときたんです。 パック入りのお茶が提供される寿司店・ぐるめ亭。回転寿司店・もり一では、珍しくマテ茶が提供される。 「野菜不足を補って欲しいという配慮かな? とか想像して、微笑ましい気持ちになります」餃子の王将のお冷は、オリジナルのグラスで提供。 「このロゴを見るとテンションが上がります!」――「お冷こそ真のおもてなしだ」と。 お冷に注目するようになると、お店によってグラスの形や水そのものの味、提供の仕方が違ったりと、個性が見えてくるようになって。気がついたらお冷の写真が100枚ほど貯まりました。 ――昔から水を飲むのは好きだったんですか? 特別に意識していたわけではありませんでしたが、去年久しぶりに大学時代にやっていたmixiにログインしてみたら、なんと「水を飲むのが好き」っていうコミュニティに参加していたんです。記憶から消えていましたが、「ああ、自分は昔から水に惹かれていたんだ」と気づきました(笑)。おそらく潜在的に水を飲むことが好きだったんでしょうね。 偏愛に客観性を重ねて広く届ける――つるたさんは、「お冷」をテーマにした同人誌を2冊制作されていますね。 インスタでずっと「お冷」の投稿を続けていたんですが、活動10年の節目を迎えるのに合わせ、何かの形でまとめたいなという思いが大きくなりました。ちょうど文学フリマが盛り上り始めた時期だったので、締め切りを作るために参加を決め、それに合わせて同人誌を作りました。 1冊目に制作した同人誌『教養としてのお冷』。――2023年に発表された1冊目の同人誌『教養としてのお冷』では、つるたさんご自身が味わってきたお冷にまつわるエピソードのほか、約130人もの方が回答した「お冷アンケート」も印象的でした。また禅宗のお坊さんに「お冷」と「禅」の共通点について取材されたインタビューも、新たな視点をいただけました。こうした企画には、本業である編集者としての経験が生かされた部分はありましたか? そうかもしれないですね。「売れる本を作ろう」というわけではありませんでしたが、広くお冷のことを知ってもらうためには、知らない人にも届けるための客観性が必要だと思ったんです。 いろいろなマニアや専門家が集まる文学フリマという場で、例えば「お冷」だけを尖らせて自らの愛だけを語ってしまうと、ちゃんと伝わらないだろうなと、おそらくどこかで感じていました。自分なりの文学を模索した結果、たどり着いた構成でした。 文学フリマ出展中の様子――表紙は、ビジネス本の雰囲気を感じますね。なにか狙いがあったのでしょうか? 文フリにいらっしゃる方に「お冷」を届けるには、多くの人の目に留まる本を参考にしようと思って。ベストセラー本の表紙を参照しながら、いろいろなビジネス書の要素を取り入れてみました。 2冊目の同人誌『お冷かもしれない』――同人誌という形で視点を発信したことで、広がりや変化はありましたか? 同人誌が名刺代わりになり、取材していただく機会が増えましたね。これまで伝えたつもりになっていたけど、伝わっていなかったんだなと実感しました。お冷研究家としての活動を広げる大きな一手になったと感じています。 正直、こんなに広がるとは思っていませんでした。それまで、自分の熱を伝えるほど周りが冷めていくのを知っていたので、実は同人誌も「周りに引かれちゃうかな」と思いながら制作したんです。これだけ反響をいただけたことで、ようやく「お冷」というテーマを受け入れてもらえるようになったんだなと感じています。 「好き」を深掘りする癖が仕事にも活かされる――現在、編集・ライターとしてはどのようなお仕事を手掛けていらっしゃるんですか? 2018年にフリーランスとして独立し、現在は約8割が取材ライター、残り2割は編集・ディレクションの仕事をしています。社内報の制作から採用広報、商品レビューまで、ジャンルはさまざまです。 ――フリーランスになるまではどのようなキャリアを? 新卒で入ったのは、ガラケー向けの占いコンテンツを制作する会社でした。エンジニアの方々と協力しながら、占いサイトの企画から制作、運営まで担当していました。 ところが、入社から1年ほど経った頃にiPhoneが登場して、ガラケー向けコンテンツの将来に危機感を覚えたんです。そこでWebディレクターに転職。転職した翌年に東日本大震災があり、心も揺れてしまったんですよね。もともと占いが好きだったこともあり、「やっぱり占いの仕事に戻りたいな」と思っていました。 ――noteのプロフィールにも「58歳からは占い師」と書かれていますよね。 そうなんです(笑)。もっと占いの仕事に携わりたいと考えていたところ、ありがたいことに、一社目の取引先だった会社から声をかけていただきました。 ところが転職してみると、占いではなく出版社へ出向することになって。出向先のオフィスには社員がほぼ私一人しかおらず、未経験にもかかわらず、編集から執筆、書店営業まで、本づくりに関わる仕事を一通り経験することになりました。 ――初めての出版の仕事で、いきなり本づくり全体を任されたんですね。 その後は、一社目の先輩が新たに立ち上げた電子書籍の会社に誘っていただきました。出版の仕事にもある程度慣れていたので転職したのですが、半年ほどで、その方が退職されてしまって。また一人で全部やらなければならなくなり、企画から制作、配信、プロモーションまで、約100冊の電子書籍を手掛けました。 ――編集や執筆のスキルを、現場でほぼ独学で身につけてこられたんですね。 20代は、とにかく何でも一人でやることばかりでした。ようやく仕事が落ち着いてきた頃には、私が社長となって出版事業を分社化するという話も出たのですが、仕事は楽しかったものの、「人生をかける仕事なのだろうか」という迷いもあったんです。 そんな時、書籍の著者のお一人で、カフェ開業支援会社を経営されている方から声をかけていただき、一緒に事業に携わることになりました。 一方で、個人で請け負っていた編集・ライターの仕事も徐々に増えていき、最終的にカフェ事業は業務委託という形に切り替え、2018年にフリーランスとして独立しました。 ――noteに「『振れ幅が広い』のが売り」と書かれている通り、幅広いジャンルで編集・ライターの経験を積んでこられたんですね。「お冷研究家」としての活動と編集・ライターとしてのお仕事は、どのような関係なんでしょうか? お冷は無料で提供されるものなので、それを収益化することには引け目を感じてしまって。お冷は私自身にとっても、好きだから続けている、あくまでサービスのような存在。お冷を仕事にしようとは、正直なところあまり考えていません。 ただ、「お冷」のように興味のある切り口が一つあると、何かを深掘りしていく癖が自然とついていって、どんなことにも興味を持てるようになります。それは、編集・ライターの仕事に生きているなとも思っています。 今後も、好きなことは好きなこととして極めつつ、そこで培った脳をお仕事にも反映させていくと、仕事の幅が広がっていくのかなと考えています。 ――お冷研究家の活動と編集・ライターが、いい相乗効果を生み出しているんですね。 求む、二代目お冷研究家!――これからお冷研究家として思い描いているご活動はありますか? 一つは、お冷の起源を調べること。お冷って、ラーメン店の“元祖”と違って、どこから始まったかがわからないんです。お冷がいつ、どんなお店から始まって、どういうふうに派生していったか。生きているうちに何かしらのヒントを見つけて突き止めたいですね。 ――「誰かに飲み物や食べ物をふるまう」という風習で考えると、けっこう前まで遡れそうです。 禅宗のお坊さんに聞いたお話だと、禅宗には「茶礼」といって、会合の最初に一杯のお茶を分け合って飲む風習があるそうなんです。 また時代劇の水戸黄門を見ていると、峠の茶屋でお団子といっしょにお茶が出されるシーンがあります。これも、もしかしたら「お冷」かなあと思ったり。 平安時代には、高貴な人たちが氷を口にしていたとも言われています。起源をたどると、いろいろなルーツがありそうなので、なんとかたどり着きたいですね。 商品を購入するとお茶とお菓子を提供してくれるのは、台湾のおもてなし文化だそう。 台湾生まれのスイーツ店・SunnyHillsにて。――文化人類学のようですね。 もう一つは、二代目のお冷研究家を見つけること。私一人で全国・全世界のお冷をたどることはどう考えても無理です。胃袋にも限界がありますし、毎日外食できるほど裕福な暮らしをしているわけでもありません。 どういう形になるかわからないですが、一緒にお冷研究を楽しむ仲間を広げていきたいですね。 ――発見者の目が増えると、暮らしや文化の貴重な記録になりそうですね。今後の広がりを楽しみにしています! 偏愛マニア探訪後記世の中には、こんなものの楽しみ方があるなんて!そんな新しい視点をいつも教えていただけるのが、この「偏愛マニア探訪記」です。 今回のテーマである「お冷」は、なかでも特に衝撃的でした。 ……お冷って、飲食店に行けば必ずといっていいほど出てくる、あのお水のこと? 取材前は、そのくらいのシンプルなイメージしかありませんでした。ところが、お話を伺ううちに、お店ごとのおもてなしや工夫が詰まった「お冷」の奥深い世界に、どんどん惹き込まれていきました。 先日訪れた喫茶店で、小ぶりでかわいらしいグラスに入ったお冷が出てきました。卵をひと回り大きくしたくらいの、これまであまり見たことのないサイズです。「このグラスにも、お店ならではのこだわりがあるのかもしれない」。そんなことを考えながら思わず写真を撮り、つるたさんに送ってしまいました。 誰かの偏愛に触れると、自分自身の世界も少し豊かになる。そんな喜びをあらためて実感した取材でした。 ※記事内の写真はすべてつるたちかこさん提供 取材・文/村田あやこ 路上園芸鑑賞家・ライター。一人学会「路上園芸学会」を名乗り、街なかの軒先や隙間で威勢よくはみだす、誰かの園芸や植物を愛でる。著書に『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)、『はみだす緑 黄昏の路上園芸』(雷鳥社)、『緑をみる人』(雷鳥社)。いとうせいこう氏と『ボタニカルを愛でたい』(フジテレビ)に出演中。デザイナーの藤田泰実氏とお散歩ユニット「SABOTENS」として活動し、作品展示やグッズ制作などを行う。 instagram/@botaworks

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足元に残る街の記憶を追いかけて | 鉄蓋観賞愛好家・白浜公平さん【偏愛マニア#23】

「好き」で続けてきたことが、どのように仕事につながってきたのか。 「偏愛」から活動を広げてきた方々のお話を伺いながら紐解いていく、「村田あやこの偏愛マニア探訪記」。 今回ご登場いただくのは、マンホール蓋を20年以上にわたって鑑賞・研究し続けてきた、鉄蓋観賞愛好家・白浜公平さんです。 消滅した自治体の痕跡を探したいという思いから始まった、マンホール蓋鑑賞の道。 立ち上げメンバーの一人として主催する「マンホールナイト」は、今や100人規模の愛好家が集まるイベントへと育っています。 なぜ足元の蓋に魅せられるのか。白浜さんに、お話を伺いました。 白浜公平(しらはま・こうへい)さん 鉄蓋観賞愛好家。マンホールナイト実行委員。日本マンホール蓋アワード実行委員。マンホールカード振興財団理事。GKP(下水道広報プラットホーム)終身会員。日本橋高島屋セミナー・マンホールの蓋担当講師。送水口博物館調査員。出演したテレビ番組に「タモリ倶楽部」(テレビ朝日)、「マツコの知らない世界」(TBS)、「次課・長州の力旅」(BSフジ)、「ピエール瀧のしょんないTV」(静岡朝日テレビ)など。「下水道協会誌」、「土木学会誌」、「東京人」、「日本観光ランニング」、「レッツエンジョイ東京(Web)」などに連載・寄稿。「マンホールの蓋が大好き、ただそれだけの男です。華やかなデザイン蓋も、歴史を語る骨董蓋も、これといった特徴の無いように見える地味蓋も、みんな大好きです。資料やグッズなど、マンホールの蓋に関わるものもできるだけ集めています。将来、マンホール蓋の博物館を作りたいと思っています」 街は消えても、足元には痕跡が残っている――白浜さんがマンホールに興味を持ったきっかけは? 筑波宇宙センターのある茨城県つくば市を歩いていたら、宇宙船が描かれたマンホール蓋を見かけて、目を奪われたのが最初のきっかけです。筑波山の上空を宇宙船が飛び、その背後には地球が浮かんでいるという、いま思えばちょっと不思議なデザインでした(笑)。 白浜さんが初めて気になったマンホール蓋。 筑波宇宙センターのあるつくば市にちなみ、宇宙船が描かれている。 背後の惑星は地球で、輪っかは宇宙船の軌道を表しているという。さらに後日、同じつくば市で、今度は「平成の大合併」で消滅した自治体のマンホール蓋を発見しました。 「自治体はなくなっても、路上には記憶が残っている」ことに惹きつけられて、各地に出向いてマンホール蓋の写真を撮り歩くようになりました。当時はインターネット上の情報が少なかったので、平成の大合併以前の地図を入手して、電車で行ける駅で降り、しらみつぶしに探していきました。図鑑をつくるようなイメージで、とにかく様々なマンホールを撮り集めていったんです。 平成の大合併でつくば市に編入された、茨城県茎崎町のマンホール蓋。 旧茎崎町の「町の花」だったヒマワリが描かれている。――「現存しているうちに記録しておこう」と思われたのでしょうか。 そうですね。「いつかなくなる」と思うと、見たくなってしまうというか。 小さい頃から古いものが好きだったのも影響していると思います。最新型のロマンスカーよりも、一世代前のロマンスカーが好き。普通のバスよりも、ボンネットバスを見ると興奮してしまう。マンホール蓋も、古いものの一環として興味を持ち始めました。 実は大学に入学してすぐ、在学していた東京大学の構内で、「第一高等學校」と書かれたマンホール蓋を見かけて、写真に撮ったことがあったんです。 「第一高等學校」とは、戦前にあった、現在の東京大学教養学部の前身にあたるエリート教育機関です。戦前に設置されたマンホール蓋が未だキャンパス内に残っていることに驚いたのを覚えています。 かつての地下トンネルに続く、東京大学駒場キャンパス内のマンホール蓋。――東大のキャンパス専用のマンホール蓋があったんですね!どんな用途の蓋だったんでしょうか。 かつての隧道(地下トンネル)につながる蓋でした。 現在はケーブル類などのライフラインを収納する共同溝として使われていますが、昔は駒場寮という学生寮までトンネルが続いており、学生が雨に濡れずに寮まで帰れる仕組みになっていたようです。 ――蓋を開けると秘密の地下道へとアクセスできる!ちょっとワクワクしますね。 1枚の蓋に刻まれた豊かな地域性――白浜さんの思う、マンホール鑑賞の面白さや楽しさはどういうところですか? 一番大きいのは、地域性ですね。時代を通して全国的に規格がほぼ統一された一方で、古いもの、新しいもの、デザインされているものなどのバリエーションがあって、コレクションのしがいがあるんです。 星のマークが中心に据えられたマンホール蓋。 この地紋の蓋は主に北海道内で見られるという。時代を経るごとにマンホール蓋のメーカーはある程度絞られ、蓋のデザインも似たようなものになっていきますが、昔は地域ごとに鋳物会社がたくさんあり、その地域のマンホール蓋の製造を手掛けていたそうです。そのため戦前のマンホール蓋を見ると、東京や大阪、北海道といった地域ごとに、地元の鋳物会社が独自に作ったようなマンホール蓋が残っています。 ドイツ由来のデザインと思われるマンホール蓋。浜松市にて。例えば浜松には、ドイツのマンホール蓋に影響を受けたようなデザインの蓋が残っています。おそらく当時、下水道や上水道を最初に手掛けた技術者が、自分の好きなパターンを、担当した地域のマンホール蓋に採用していったのではないかと考えています。模様自体は地味ながら、地域色豊かな意匠が刻まれているんです。 ――最近では、地域ゆかりのキャラクターや名産品がデザインされたマンホール蓋を見かけることもあります。 いわゆる「デザイン蓋」と呼ばれているものですね。実はデザイン蓋は昭和50年代から出始めていて、意外と長い歴史があります。その背景には、下水道普及率の向上という目的がありました。 明治時代になってインフラの近代化が進む中で、上下水道も整備されていきました。しかし、上水道が行き渡り、いよいよ下水道を広げていこうというタイミングで、戦争の時代が訪れました。他国では第二次世界大戦前に下水道が整備されていましたが、日本では戦後しばらく経っても下水道普及率が伸びなかったんです。 どうにかしなければならないと考えた時、一般市民の目にも見える下水道関連の設備が、マンホール蓋でした。そこでバブル期前後から、下水道のPRのために各地でデザイン蓋が採用されるようになったんです。 ちびまる子ちゃんの絵が描かれたマンホール蓋。 作者・さくらももこさんの出身地である静岡市にて。――そんな背景があったんですね。一般市民の目に留まるものでいうと、各地のご当地マンホールが載った「マンホールカード」も、近年話題になっていますね。 マンホールカードに先立ち、各地のダムを紹介する「ダムカード」というものがありました。多くの方にダムのこと知ってもらうため、国土交通省や水資源機構などが発行している広報用簡易版パンフレットです。 「ダムカードがあるならマンホールカードがあってもいいのでは?」ということで作られたのが、マンホールカードです。 発行元はマンホールカード振興財団。実は私も今、この団体の理事を務め、広報活動や、まだカードを導入していない自治体に対する営業活動などを行っています。 現在、マンホールカードは全自治体の3分の1程度にまで導入が広がりました。しかし先日、とある講座で講師を務めた際、「マンホールカードをご存知ですか?」と聞いてみたところ、手が上がったのは半数程度。まだまだファンを掘り起こすことはできるのではないかなと痛感しました。手が上がらなかった残り半分の人たちにもマンホールの魅力が伝わるよう、引き続き発信を続けていきたいですね。 ――本業はIT系のエンジニアと伺いました。本業がマンホール鑑賞のご活動に活かされたことはありましたか? エンジニアの知見を活かして「東京番ホールマップ」というシステムを開発したことがありました。東京都のマンホール蓋には、番号が書かれたキャップが付いています。その番号から設置場所の座標を特定できると解き明かした方がいました。 そこで、キャップの番号を入力すると設置場所を地図上で特定できるプログラムを書いたんです。最終的に、「東京番ホールマップ」というWebサイトとして公開しました。 ――すごい!エンジニアとしての知見が存分に発揮されているんですね! 「いい蓋の日」に夜通しで語らった――白浜さんは、2011年から開催されている「マンホールナイト」というイベントの立ち上げメンバーでもあります。毎年たくさんのマンホール愛好家たちが集まり、マンホールにまつわる様々なトピックについて語らい合い、盛り上がりを見せていますよね。どのようなきっかけで始動したイベントなのでしょうか? マンホール蓋鑑賞の火付け役とも言える、『路上の芸術―マンホールの考察、およびその蓋の鑑賞』という本があるのですが、ある時、この本の著者である垣下嘉徳さんと知り合う機会がありました。せっかくだから、愛好家を集めて皆で垣下さんのお話を聞くイベントをやろうと仲間内で話していたことが、「マンホールナイト」開催につながりました。 開催日は「いい蓋の日」の語呂に合わせて、11月2日。それまでSNS上で交流していた愛好家仲間たちが集まり、イベントを主催することになりました。最初の会場は、メンバーの一人が経営するカフェでした。小さなお店に26人もの人が集まり、外にまで溢れ出すほどの大盛況。19時にスタートして、全員帰ったのは翌朝5時。夜通し盛り上がりましたね。 ――初回から大盛り上がりだったんですね! 第1回目が面白かったので、それ以降、定期的に開催しています。第3回では大きな会場を借り、「路上観察学会」創設者の一人であり、『マンホールのふた 日本篇』の著者でもある路上観察家・林丈二さんをゲストにお迎えしました。 林さんは我々の熱量に驚きながら、「君たち、そんなに下を向いて蓋ばかり見ていてはだめだよ」とお話してくださって。 その言葉に刺激を受け、もっと視野を広げようと、次の回から「異文化交流」と称して、マンホール以外の対象物を愛好している方をゲストに呼ぶようになりました。 マンホールナイトの一幕。 愛好家たちが一堂に会し、マンホールにまつわる様々なトピックについて語り合う。――分野を超えた交流も生まれていったんですね。 さらにある時、下水道協会が開催している「下水道展」というイベントで「マンホールナイト」のPRをしたところ、マンホール蓋業界の方や国交省の方が、イベントに注目してくださって。「こんなに盛り上がっているなら我々でもなにかやりたい」と、「マンホールサミット」というイベントが開催されることになりました。 マンホールサミットは、今や1万数千人もの人が集まるビッグイベントになりましたね。 消えゆく蓋を未来に残したい街中のマンホール蓋を鑑賞する街歩きの様子。――今や愛好家の輪がどんどん広がっているマンホール蓋。長く見守ってこられた白浜さんは、ファンが広がったターニングポイントをどうご覧になっていますか? もともとマンホールが好きで写真を撮っていたファンの方は、昔からいらっしゃいました。インターネットやスマホの普及とともに、元からいたファンが顕在化したり、新たなファンが生まれたりして、広がりを見せているのだと思います。 マンホール蓋は同じデザインのものがいくつもあります。いい写真を撮ろうと思うと、きれいな状態の蓋を求めて何枚も撮ることになります。枚数に限りがあるフィルムカメラでは難しかったことが、デジタルカメラによって容易になり、ファンが広がりました。さらに、ブログやSNSが普及したことで、愛好家同士がやり取りしやすくなり、ファン層がさらに広がりましたね。 ――同じ趣味とは言え、規模が大きくなると大変な面もあると思うのですが、マンホール愛好家の皆さんは、互いの楽しみ方を尊重しあいながら和気あいあいと活動されているのが素敵です。何か大事にしていることはありますか? 人が増える分、色々な考えを持つ人はいますが、皆さんそれぞれ配慮し合いながら活動しています。最終的には自分が楽しめるやり方、考え方を大事にしているのだと思います。 私自身も、「まずは自分が楽しいこと」を大事に活動を続けています。 街歩き中の一幕。マンホールカードに、イベントに。 幅広い発信によってファンの層は年々厚みを増している。――白浜さんご自身が、今後取り組みたいテーマはありますか? 「『考古学』や『路上観察学』のように、街なかのマンホール蓋の調査・研究にも、何か名前をつけたいよね」と愛好家仲間と話していた時、「街蓋学(がいがいがく)」という言葉を生み出しました。 この「街蓋学」を、世に残るものとして育てていきたいですね。「街蓋学概論」とか「街蓋学ガイド」のような形で展開していきたいです。 ――語呂合わせから広がっていきますね(笑)。 また「マンホール蓋博物館」のような、街で二度と見ることのできない古いマンホール蓋を展示できる施設を作りたいですね。 マンホール蓋の価値が知られていないと、不要になった蓋は廃棄されてしまいます。博物館によって「この蓋は貴重なものなんだ」という認識が広まれば、希少価値の高いマンホール蓋を後世に残していけると思っています。 偏愛マニア探訪後記以前、白浜さんのガイドで、街歩きをご一緒したことがあります。 「これは下水道の蓋ですね」「この下には通信ケーブルが収められています」「この蓋の下には消火栓がありますね」……。 マンホール蓋をひと目見ただけで、それが何のための蓋なのかを次々と言い当てていく姿に驚きました。まるで探偵です。 同時に、街中に何気なく設置されたマンホール蓋の下には、街を支えるさまざまなインフラが張り巡らされていることを実感しました。普段とは異なるレイヤーで、街の風景が立ち上がってくるような感覚でした。 さらに街歩き中、90年以上前に設置されたマンホール蓋も発見。スクラップ・アンド・ビルドの激しい東京都心に、このようなさりげない形で前の時代の遺構が残っていることにも驚きました。「なぜこの場所に、このマンホール蓋があるのか」を読み解いていくと、その地域の歴史が浮かび上がってきます。 謎解きゲームのように、一枚の蓋からさまざまな情報を読み解く面白さ。そして、「似ているようで少しずつ違う」という絶妙な個性も、コレクション心をくすぐります。 まさに宝探しのような楽しさが、多くの愛好家を惹きつけているのだろうと感じました。 「街蓋学」、そして「マンホール蓋博物館」。これからどのように発展していくのか、とても楽しみにしています。 ※記事内の写真はすべて白浜公平さん提供 取材・文/村田あやこ 路上園芸鑑賞家・ライター。一人学会「路上園芸学会」を名乗り、街なかの軒先や隙間で威勢よくはみだす、誰かの園芸や植物を愛でる。著書に『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)、『はみだす緑 黄昏の路上園芸』(雷鳥社)、『緑をみる人』(雷鳥社)。いとうせいこう氏と『ボタニカルを愛でたい』(フジテレビ)に出演中。デザイナーの藤田泰実氏とお散歩ユニット「SABOTENS」として活動し、作品展示やグッズ制作などを行う。 instagram/@botaworks

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実在しない企業に本気で愛を注ぐ | 架空CMソングユニット「キシリ徹」主宰・やなせ京ノ介さん【偏愛マニア#22】

「好き」で続けてきたことが、どのように仕事につながってきたのか。 「偏愛」から活動を広げてきた方々のお話を伺いながら紐解いていく、「村田あやこの偏愛マニア探訪記」。 今回ご登場いただくのは、実在しない企業や商品の“架空CMソング”を作るユニット「キシリ徹(トオル)」を主宰する、やなせ京ノ介さんです。 「根絶やし兄貴のぶち抜きYAKATA」に、「ハンサム引っ越しセンター」、「アルパカ毛むくじゃランド」。一度聴いたら頭から離れない架空CMソングを、これまで75曲以上も制作。 最近では、実在企業・団体・番組のCMソングも次々と制作されています。 なぜ架空CMソングを作り始めたのか? 創作の背後にある「誰かを喜ばせたい」という思いとは? やなせさんに、お話を伺いました。 やなせ京ノ介(やなせ・きょうのすけ)さん CMソング作家。「架空のCMソングを作る・キシリ徹」主宰。「合同会社グッドCM」代表社員。 これまでに75曲以上の架空CMソングを制作。 2020年頃より実在企業からのオファーも増加し、これまで30曲弱の実在CMソングを制作。 出身地である北海道のローカルCMソングを、THE FIRST TAKE風にカバーする企画も好評で、YouTubeにてシリーズ60万回以上再生されている。依頼がないなら作ってしまえ! 架空CMソング誕生の瞬間――やなせさんが“架空CMソング”の制作をはじめたきっかけは? もともとバンド活動をしていて、曲を作ったり、ボーカルとして歌を歌ったりしていました。作曲の際はニューウェーブやソウルをはじめ、とにかく色々なジャンルの音楽を取り入れていたので、音楽自体たくさん聴いていたんです。 そんな中、地元のCDショップで、小林亜星さんが作曲したCMソングを集めたオムニバスCDに出会いました。小林亜星さんは、数々の有名なCMソングを手掛けた作曲家・作詞家。3秒〜15秒ほどの短くてキャッチーなCMソングが62曲も入ったCDを聴いて、衝撃を受けたんです。 僕は影響を受けやすく、一度ハマると自分で何でもやりたくなってしまうたちです。CDを聴いた瞬間、「CMソングを作りたい!」と思い立ちました。 ただCMソングは依頼する人がいなければ作れない。悩んだ結果、「依頼する側の企業や商品も作ってしまえばいいんじゃないか?」とひらめいたのが、制作のきっかけです。 最初に手掛けた架空CMソング「〜60歳からの美容〜エンドレスビューティーマネジメント小柳美容グループ」https://youtu.be/7IquG17rISQ?si=8KEjjiSbL_gVi-MC――最初に作った架空CMソングは、どういう企業や商品だったんですか? 「〜60歳からの美容〜エンドレスビューティーマネジメント小柳美容グループ」です。1990年代に、鶴田一郎さんの美人画を使ったノエビアの「コスメティックルネッサンス」のCMがあって。当時一緒に活動していたメンバーに「コスメティックルネッサンスみたいな雰囲気にしたい」といったら、なんとわずか数分でできてしまった曲です。 実は、それまでは作詞に苦手意識があったんです。曲のアイデアは出てくるものの、恋愛とか人生とか、自分の身に起こったことを題材に歌詞を作るのは少し気恥ずかしくて。一方、架空の企業のために歌うと、するすると曲や歌詞が出てくる。手応えを感じたのも大きなきっかけです。 ――もともとCMソングには興味があったのでしょうか? はい。記憶にある限り、初めてオリジナルCMソングらしきものを作ったのは、4歳のころ。空想遊びをいっしょにするのが大好きだった従姉妹と、入浴剤の「バブ」を入れたお風呂に入りながら、バブのCMを勝手に作って熱唱していたのを覚えています。4歳から35歳の今まで、芸風があまり変わっていないですね(笑) 中学時代にもCMソングにハマって、友だちと一緒に聴きまくっていました。 ――小さい頃から、「CMソング」をエンタメの一つとして楽しんでいたんですね! さかのぼれば私の両親は、北海道の小さな町で独立系のスーパーを営んでいて、小さい頃から両親が店頭で商品を宣伝する姿を見て育ったんです。宣伝して商品が売れると、買った人も嬉しいし、作った人も喜ぶし、従業員の人たちもそれで食べていける。「宣伝って、人を幸せにする行為なんだ」と、子どもの頃から感じていました。 テレビも好きだったので、音楽を含めて商品の魅力を楽しく伝える「CM」という文化そのものが、かっこよく映っていたんです。 架空でも、実在商品のリサーチから始まる――架空CMソングの制作。曲作りはどのようにして行っているんですか? まずは実際のCMを見たり街を歩いたりして、気になった業種や商品のジャンルをメモするところから始まります。 「このジャンルの曲を作ろう」と決まったら、同業他社の商品の特徴や商品名などを調査して、競合と差別化できる要素などを考えていきます。 企業名や商品名の方向性が固まると、そのまま曲名になることが多いですね。曲名が決まったら、メロディーを考えて肉付けし、CMに合わせた秒数に調整してから録音する……といった流れです。 競合商品を徹底的にリサーチして生まれた「直飲みできる焼肉のたれ」https://youtu.be/K68s4n9yhag?si=hCQPxoPLyCxx05nP――実際のマーケティングのようなプロセスを踏んでいるんですね! 「直飲みできる焼肉のたれ」の架空CMソングを作った時は、まず市販の商品を徹底的に調査しました。豪華路線のものもあれば、家庭向けの商品もある。そうした違いを踏まえ、「どこを継承し、どこを差別化するか」を考えたんです。 コンセプトは、世界中の焼肉のタレを飲み歩いた人が作った、今までにない「飲める焼肉のタレ」。夏は塩分補給として氷水で割ったり、ソーダ割りにして飲むこともできるんです(笑) ――架空の大御所俳優・大堂龍典(ダイタツ)さんが登場する映像も、強烈なインパクトでした(笑)。一曲の長さにも制限があるCMソング。曲の制作でこだわっている点はありますか? まずは「脳みそから産地直送する」こと。企業名や商品名を聴いてパッとひらめいたメロディーほど、聴いた人も覚えやすいと思っているので、一瞬のひらめきを大事にしています。商品名を発したときの語感やイントネーションの中に、メロディが隠されているんです。その分、録音やアレンジに時間をかけて、ひらめきに説得力を持たせる作業を大事にしています。 もう一つは、発注をしていただいた架空の企業を喜ばせて、聴き手も喜ばせること。秒数に関しては、あまりこだわりはないですね。実際のCMソングでも、CMとして流れるのは15秒や30秒でも、フル尺で聞いたら2分、みたいな場合もあるんです。 CMとして切り取れる部分があれば、CMソングになると思っています。 実在企業からのオファーへ――最近では架空CMソングだけでなく、実在する企業のCMソングも手掛けていらっしゃいますね。 はい。これまで30曲ほど手掛けました。 最初に実在企業のCMソングを作ったのは、2020年。ちょうど架空CMソングの制作実績が50曲に達した頃です。 「マニアブログフェスタ」という、gooブログを盛り上げる施策に参加していたことがきっかけで、当時NTTドコモさんが運営していた「マルシェル」というECサイトのCMソングを制作しました。 ――初めての実在企業のCMソング。架空CMソングの制作と比べて、違う点や新たな発見はありましたか? クライアントに寄り添い、意図を汲んだうえで、ひらめきを大事にして作る。実在企業のCMソング制作も、架空CMソングでやってきたことと基本的には変わらないんだなと気づきました。 一方で、実在企業の場合は、当たり前だけど、企業名も商品名もすでにある。そこにいちばん驚きました(笑) ――「考えなくていいんだ!」って(笑)。実在企業のCMソングは、どういう経緯でオファーをいただくのでしょうか。 例えば、架空CMソングマニアとして番組に呼んでいただいたことが、実際のお仕事につながる場合があります。 昨年は、横浜ランドマークタワーのラジオCMソングを制作しました。きっかけは、架空CMソングマニアとしてFMヨコハマの『FUTURESCAPE』という番組に出演したこと。たまたま三菱地所の担当の方が番組を聴いてくださっていたことで、オファーにつながりました。 ――メディアに出演した際、何か形にできる武器があると、出演だけで終わらず次につながるのがいいですね。昨年は、江戸時代から続く弁当店「日本橋弁松総本店」さんとのコラボイベントも開催されていました。 弁松の社長さんとは、「マーダーミステリー」という容疑者を当てる謎解きゲームで、容疑者同士として知り合いました(笑) たまたま翌日、僕らが主催する架空CMソングのワンマンライブがあったので、社長さんも来てくださったんです。ライブをご覧いただいたのをきっかけに、創業175周年のCMソング制作をご依頼いただきました。 ――偶然の出会いから仕事につながったんですね。 型破りで素敵な社長さんでした。制作したCMソングをSNSで発表する時は、「弁松の倉庫から、昔のCMの絵コンテやVHSが発掘された……」みたいな架空のストーリーと共に公開して。「これは本当かウソか」と考察し始める人まで出てきましたね。 ――空想と現実が入り混じった企画、やなせさんならではですね(笑)。弁松のお弁当つきライブイベントも大盛況でしたよね! 会場を巻き込み大盛況に終わった、キシリ徹×日本橋弁松総本店のイベント「自分も他者も嬉しい」が活動の軸――キシリ徹さんのライブは、楽曲そのものもさることながら、幕間のMCや映像を含めて、ショーとしてすごく楽しいです!架空CMソングという、ある種ニッチなものを多くの人にも楽しんでもらうために、大事にしていることはありますか? 「架空CMソング制作」は、文脈が分からないと聴く人を置いてけぼりにしてしまうような活動なので、わかりやすく伝えることを大事にしています。 また最近は、シンプルでキャッチーな曲調を褒められることが多いので、それを武器にして、ライブやYouTubeでは初見の人でも楽しんでもらえるよう意識しています。 文脈を知らない人、文脈を理解している人、両方に楽しんでいただけるにはどうすればいいか、日々考えていますね。 ――ご自身だけでなく周りの人もどうすれば楽しめるか。マニアックさを追求しながら、他者へも視線を開いているのが素敵です。 「自分も他者も嬉しい状態を作る」という他者思考を一番に意識しています。 個人的な話になりますが、実は以前「キシリ徹」はバンドとして活動していました。ただ、僕自身の配慮が足りず、「こういう曲を作りたいから協力してくれ」という態度だったことで、周りを振り回してしまって。結果的にバンドではなく、ソロ活動になりました。 自分の振る舞いを反省する中で「自分も他人も嬉しい状態が大事だ」と気づきました。それ以来、自分だけでなく周りの人たちもどうやったら嬉しくなるか、仕事だけでなく音楽や日々の会話でも、他者思考的な場作りということを真剣に考えるようになりました。 ――マインドセットを切り替えてから、変化は感じていますか? プライベートな会でも「どんな人でも参加できる動機」を作れるようになったように思います。 自分だけでなく他者のことも考えると、周りが喜んでくれて、自分も嬉しい。それが結果的に次につながることを実感しています。一方だけが無理をすると、長続きしないと気づきました。 ――やなせさんのご活動を見ていると、ライブにしてもYouTubeでの映像にしても、色々な方が本当に楽しそうに参加されている様子が印象的です。 僕は人口3900人ほどの小さな町の出身で、娯楽が少なかったんです。だから学生時代は、同級生それぞれの面白さを見つけて、一緒に遊びを生み出すのが一番の楽しみでした。誰にでも魅力や輝ける場所があるという感覚は、当時から自然と持っていました。 今でもプロジェクトで誰かにものをお願いする時は、単に「あなたにはベースをやってほしい」と頼むのではなく、「あなたのベースにはこういう華があって、僕がやりたいこの企画とすごく合うから、ぜひお願いしたい」と、その人の資質や一緒にやりたい理由を具体的に言うようにしています。そうすると、関わってくれる人の良さや持ち味がすごく出るようになったように思います。 CMソングは、企業の応援歌――昨年は法人化されました。 2024年11月から、架空CMソング制作の活動を本格化しました。友だちに手伝ってもらってポッドキャストをはじめて、曲に合わせた映像を制作し、また架空CMソングを演奏するワンマンライブをすると決心して。 結果的に、2025年2月に開催したワンマンライブは150人規模で大成功。また横浜ランドマークタワーや弁松さんをはじめとする実在企業からの作曲依頼や、YouTubeのバズなど、活動が大きく広がったんです。 売上規模としては法人化の必要があるほどではないのですが、さらに真剣に向き合って、仕事を受けられるよう、法人化を決めました。 架空CMソングを40曲演奏したワンマンライブ。 150人規模の会場が満員御礼で熱狂に包まれた。――活動を本格化しようとギアを切り替えたきっかけがあったんでしょうか? 実は活動に行き詰まりを感じ、一時期お酒に逃げてしまったことがあったんです。自らの振る舞いで反省することも多く、禁酒を決意し、神社で願掛けしたところ、1ヶ月後にTBSラジオ「こねくと」のCMソング制作が決まって。 ――すぐに成果が現れた! 俳優の渥美清さんが仕事のなかった頃、「大好きなタバコをやめるから仕事をください」と神社で願掛けして1年間禁煙したら、「男はつらいよ」シリーズの主演が決まったという話を聞いて、僕も真似することにしたんです。 それ以来、徐々に行き詰まり感も解消されて、自身の活動に真剣に向き合えるようになりました。自分を労えるようになると、周りの人たちとの関係も良くなってきましたね。 ――今後、思い描いている活動はありますか? CMソングというジャンルを盛り上げて、愛のある広告を増やしたいですね。 広告って、ともすると「邪魔者」扱いされがちな存在。でもそれは、商品や企業に対する「愛」が感じられない表現が多いからじゃないかと思うんです。だから、受け手も「買わされる」と身構えてしまう。 昨年開催したワンマンライブでは、架空CMソングを40曲演奏したんですが、来場者の皆さん笑って歌って楽しんでくださって。最後は涙を流している方までいらっしゃったんです。お話を伺ってみたら、「CMソングは商品や企業のいいところを伝える応援歌なんですね」という感想をいただいて。架空とは言え、その応援歌を40曲も聴いたら気持ちがいっぱいになって泣いてしまった、と。 実在するかどうかに関わらず、企業の独自性やいいところを歌にして発信するというのは、めちゃくちゃポジティブな応援行動なんだなと、僕自身、改めて教えていただきました。 そんな愛のあるCMが何年も歌い継がれていくのって、いいことだなと思うんです。 活動を通して、企業や個人を応援していけたら、世の中がちょっと良くなるんじゃないかなと思っています。 偏愛マニア探訪後記 キャッチーなメロディーとパンチのあるコピーで、一度聴いたら忘れられない「キシリ徹」さんの架空CMソング。 楽曲そのものはもちろん、ライブでのパフォーマンスや映像制作など、CMを「エンターテインメント」として拡張していく取り組みにも魅了されます。 目の前にあるものや人の魅力を引き出し、とことん楽しみ尽くそうとする好奇心と探究心。友人や従姉妹と一緒に、さまざまな遊びを発明していたという幼少期のお話に、その原点を感じました。 活動に行き詰まりを感じていた時期についても、率直に語ってくださったやなせさん。 そこからギアを切り替え、目指す方向を定めながら着実に活動を広げていく姿に、こちらまで勇気をもらえる思いでした。 ※記事内の写真はすべてやなせ京ノ介さん提供 取材・文/村田あやこ 路上園芸鑑賞家・ライター。一人学会「路上園芸学会」を名乗り、街なかの軒先や隙間で威勢よくはみだす、誰かの園芸や植物を愛でる。著書に『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)、『はみだす緑 黄昏の路上園芸』(雷鳥社)、『緑をみる人』(雷鳥社)。いとうせいこう氏と『ボタニカルを愛でたい』(フジテレビ)に出演中。デザイナーの藤田泰実氏とお散歩ユニット「SABOTENS」として活動し、作品展示やグッズ制作などを行う。 instagram/@botaworks

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やっている仕事が変わっていない!? 一歩ずらして安定から成長へ〜ワンランク上のフリーランスになる

ふと訪れる「このままで大丈夫だろうか・・・」仕事は途切れていない。 単価も悪くない。 生活は回っている。 それなのに、ふと去年の手帳を見返すと、やっていることがほとんど同じで、来年も同じ景色が見える気がする。 「このままで大丈夫だろうか・・・」  フリーランス歴が5年、10年と積み上がった方から、この種の相談をよく受けます。仕事がない人より、むしろ仕事が安定している人ほど、このモヤモヤを抱えています。 同じ仕事が繰り返しくるのは、市場や顧客から評価されている証拠です。悪いことではありません。ではなぜモヤモヤするのかというと、仕事の「スタンス」が固定されているからです。 誰に、何を、どういう形で、どこから提供するか。このスタンスが何年も動いていないと、成長の実感が湧きにくくなります。 そして、実は仕事が途切れていないその時は、そのスタンスを動かすのに最も適した時期なのです。 「ピボット」の思考を取り入れてみるバスケットボールに「ピボット」という動きがあります。片方の足を床につけたまま、もう片方の足を動かして向きを変える。軸足を床から離してしまうと反則です。 フリーランスの仕事の幅を広げる話は、このピボットで考えると分かりやすいでしょう。軸足は、今の仕事です。具体的には、今の顧客との信頼関係、積み上げてきた専門性と実績、そして収入の土台。こういったものが動かさない軸足となります。 動かすのは、もう片方の足だけ。この動かし方を知ることで同じ領域の仕事をしていたとしても、新しい方向性が見えてきて成長実感につながります。 「ピボット」という言葉は、スタートアップの世界では「うまくいかないから方向転換する」という意味で使われます。フリーランスのピボットは逆です。うまくいっているうちに向きを変えてみる。仕事が途切れていないということは、軸足が安定しているということ。安定した軸足があるからこそ、もう片方の足を思い切って違う方向に踏み出せます。 つまり、途切れない仕事を抱えながら感じるモヤモヤは、危険信号ではありません。動ける余裕がある人にだけ訪れる感覚です。 「ずらし方」4つのパターンでは、どの方向にずらせるのか。整理すると4つになります。 1、相手をずらす(左右) 同じ仕事を、別の顧客、別のテーマに向ける。中堅企業向けにやっていたことを自治体に、担当者向けにやっていたことを経営者に。仕事の中身はほぼ同じでも、相手が変わると問われることが変わり、それが成長の実感になります。 2、役割をずらす(上下) 作業から企画へ、実行から管理へ。言われた通りに作る人から、何を作るべきかを決める人、作った後に定着させる人へ。上に伸ばすなら「課題のヒアリングから入る」、下に伸ばすなら「納品後の運用や効果測定まで見る」。どちらも今の仕事の前後に一歩伸ばすだけです。 3、提供の型をずらす(形) 「都度言われた通りに作る」から「これまでの知見をまとめて、型として提供する」への転換です。何度も繰り返してきた仕事には、必ず再利用できる型が眠っています。それをテンプレート、チェックリスト、一連のプログラムとして提供します。これまでの知見スキルを集大成して提供します。た 4、需要の起点をずらす(起点) 依頼を待つのではなく、自分から売る立場に転換します。この方向には段階があります。 小:既存の顧客に「こういうこともできます」と自分から提案する 中:既存の顧客の外、隣接する業界や同業に売る 大:市場に商品として出す。講座、講演、出版など 「大」は自分の仕事のやり方そのものを商品にして同業のフリーランスを顧客として提供することになります。ここまで行くとフリーランスの中でも別格という立場になるでしょう。 実際にずらした人たちイメージを持っていただくために、実際にピボットした2つの職種の方々の例を挙げます。 ■ライターの場合 私の知人に、よく似た軌跡をたどったライターが2人います。 記事執筆の請負から始まり、媒体に連載の企画を自分から提案するようになり、経営者の書籍のブックライターを手がけ、自著を出版し、ライター養成講座を主催し、いまは法人向けの講演や研修もしています。 この軌跡を4つの方向に当ててみます。 ・記事の執筆:軸足 ・連載の企画提案:起点をずらす(小)。依頼待ちから、自分から提案する側へ ・経営者本のブックライター:相手をずらす(編集者から経営者へ)+役割をずらす(記事から一冊の構成へ) ・自著出版:型をずらす(請負から自分の商品へ) ・ライター養成講座:役割をずらす(書く人から教える人へ)+起点をずらす(大) ・法人向け講演・研修:相手をずらす(BtoCからBtoBへ) 注目してほしいのは、一歩ずつがすべて隣に隣にずれていることです。記事を書いていた人が、いきなり企業研修をやるのではない。連載を企画し、本を作り、本を書き、教え、そして研修へ。どの一歩も、直前の一歩の延長線上にあります。 そして、2人とも記事執筆をいまも続けています。軸足は一度も床を離れていない。だからこれはジャンプではなくピボットです。同じ軌跡をたどった人が2人いるということは、偶然ではなく再現性のある動き方だということでもあります。 ■社労士の場合 もう1人、社会保険労務士の知人の例です。 社労士は「資格があるから仕事は途切れない」と「業務内容が変化しにくい」が同居している職種で、冒頭のモヤモヤをまさに抱えやすい方々です。 この方はまず、就業規則の作成依頼を受けたときに、いきなり作り始めるのではなく「組織の課題や働き方のヒアリング」から入るようにしました。そして作成後には、社員向けの研修や運用の定着まで支援する。就業規則という1本の依頼を、ヒアリングから定着までの一連の支援に変えたわけです。これは役割を上流と下流の両方にずらし、同時に提供の型をずらした例です。 次に、給与計算や社会保険手続きが中心だった業務を、採用支援、労務相談、ハラスメント対策へと広げ、最終的には「人事部長代行」という立場で企業に関わるようになりました。手続きの実行者から、人事機能そのものを担う側へ。役割のずらしの最も強い形です。相手も、担当者から経営者に変わっています。 そしていまは、社労士向けの起業講座を開いています。サービスメニュー作成や営業の指導。自分の仕事のやり方が商品になり、同業者が顧客になった。起点をずらす(大)です。 ライターと社労士、まったく違う職種ですが、動き方の形は同じです。作る職種でも、専門資格職でも、同じ4方向でずらしている。ここまで読んで「自分の職種ならどこにずらせるか」と考え始めていたら、それがすでにピボットの一歩目です。 ずらす前に安全確認を! やってはいけない5つのことここで一度、ブレーキの話をします。幅を広げようとして、かえって足場を崩してしまう動きがあるからです。 1、飽きを理由に軸足を離してしまう 飽きは、自分の成長が止まっているサインではあっても、ニーズが消えたサインではありません。その仕事を市場はまだ求めており、そこは軸足の強い足場です。両足が床を離れるので、着地に失敗すると収入・信用・実績が同時に消えかねません。 2、既存の顧客を軽く扱う 「単純作業をくれるだけの人」と見てしまうと、新しい動きを一番早く知って、一番信じてくれる相手を失います。新しい仕事の最初の発注者になってくれるのは、たいてい今の顧客です。その顧客を軽んじてしまうことはその後の一歩の足場が弱くなってしまいます。 3、一度に複数の方向へずらす 「他業界へも」「講座も」「本も」と同時に始めると、どれも実績になる前に息切れします。動かす足は1本。ずらす方向も一度に1つ。 4、新領域だからと安売りする 「まだ自信がないので安く」は、本業の単価まで引きずり下げます。新しい領域は、安くやるのではなく、小さくやる。範囲を絞る、期間を区切る。 5、資格取得や講座受講を「幅が広がった」と数える インプットは準備であって、成長ではありません。顧客に届いて初めて、ずらしたことになります。 AIで、ずらせる距離を伸ばす軸足を残したまま動かせる範囲は、これまで「一歩先」まででした。ライターがいきなりオンラインコンテンツを作ることや、社労士がデータ分析を自力でやるのは難しかったのです。隣接領域に踏み出すには、外注するか、時間をかけて学ぶかしかありませんでした。 しかし、生成AIは、この「ずらせる距離」を伸ばしました。一歩先にしか届かなかった足が、三歩先まで届くようになりました。 一つ例を挙げてみましょう。オンラインアシスタントや事務代行の仕事をしている方は、「AIに代替される」という不安を最も受けている職種です。ところがこの方々の中に、自分の定型業務を自らAIで自動化した上でクライアントの業務効率化コンサルタントになるというピボットした方がいます。 AIに代替されるのを待つのではなく、自分で代替してしまい、これまでのクライアント業務から得た知見をコンサルティングという商品にした。これは役割のずらしと型のずらしを、AIを使って一気にやった例です。 この動きは、色々な職種で応用できます。自分の仕事のうち、AIで代替できる部分を先に自分で代替してみる。すると、残る部分が見えてきます。それが「自分にしか出せない価値」であり、型や商品の核になります。 ただし、慣れない領域に足を伸ばすと、AIの出力を評価する基準を自分が持っていないという問題にぶつかります。何をインプットとして与えるか、どういうプロセスで考えさせるか、出てきたものをどう判断するか。この「型」がないまま使うと、それらしいものが出てくるだけで、クライアントに提供できるレベルにはなりません。 9月18日に発売されたばかりの拙著『AIが化ける 問題解決の全技術』(技術評論社)は、まさにこの「型」を扱った本です。 AIが化ける 問題解決の全技術 | 技術評論社浅い、納得感のない分析。心を動かさない、それっぽい長文。本質を外した、見かけだけ美しいスライド…… 「AIを使えばすぐでgihyo.jp インプット、プロセス、アウトプットのそれぞれに「思考の補助線」を引くことでAIの出力を自分の判断で使えるようにする。仕事の幅をずらそうとしている方にとって、三歩先まで踏み出すときの手すりになればと思っています。 深めるという選択肢と、今日の一歩ここまでピボットについてお話ししてきましたが、ピボットは義務ではありません。 「10年目の同じ仕事」は、それ自体が差別化の資産です。同じことを10年続けている人は、そう多くない。幅ではなく深さで成長する道もあります。モヤモヤを解消するなら、選択肢は2つです。この道と決めて他者が追随できないくらい深めるか、周辺にピボットするか。共通しているのはどちらも軸足を離さないことです。 そして、ピボットを選ぶなら、すぐにできることもあります。例えば、役割をずらすのであれば次の依頼を受けたときに「まず依頼の背景と現状を聞かせてください」と一言足した上で提案する。型をずらすのであれば、知見や実績をまとめてパッケージ化して「こういうこともできます」と既存顧客に一斉に伝える。新しい顧客や新しい商品がなくてもピボットはできます。 仕事が途切れないのにモヤモヤしている。それは、軸足が安定している人にしか訪れないピボットのチャンスです。安定している今こそ、もう片方の足を、少しだけ動かしてみてください。 清水さんの連載マガジンはこちら! ワンランク上のフリーランスになる!|フリパラ(フリーランス協会公式note)|noteフリーランスとしてステップアップするためのヒントをお届けnote.com 清水久三子 大手アパレル企業を経て、外資系コンサルティング会社にて企業変革戦略チームや人材育成部門のリーダーを歴任し、2013年に独立。ビジネス書の執筆やメディアへの寄稿、講演、研修講師などの活動を行う。国内では20冊、海外翻訳で10冊の著書を出版し、年間登壇は140日を超える。(2022年現在) 
著書は、『プロの資料作成力』『一流の学び方』(東洋経済新報社)、『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一生食えるプロのPDCA』(かんき出版)『働くママの成功する中学受験』(世界文化社)他多数。Official HP:https://andcreate-official.com 

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閑散期をムダにしない!「サバティカル期間」と考え、アップデート機会へ〜ワンランク上のフリーランス

カレンダーの予定が白いまま。 メールは静か。 SNSを開けば、同業の方たちは忙しそうに仕事の成果を発信している。 あんなに忙しかったはずなのに、パタっと仕事がなくなる時期ってありませんか?いわゆる「閑散期」と言われる時期です。 会社員に求められるのが「不満のコントロール」だとしたら、フリーランスに求められるのは「不安のコントロール」というお話を以前しました。 そして、不安になるテーマが「収入の不安定さ」だとしたら、不安になる時期は、仕事が少ない時期、つまり「閑散期」でしょう。 前回は、収入の不安定さをコントロールする考え方をお伝えしましたので、今回は、「じゃあ閑散期はどう過ごすの?」というお話をしたいと思います。 今回、一緒に考えてみたいのは、この「閑散期」という言葉そのものを別の言葉に置き換えてみるという提案です。 「閑散期」ではなく、「サバティカル」と呼んでみる。 たったそれだけのことなのですが、過ごし方も、心持ちも、そしてその後の仕事の引き寄せ方まで、不思議と変わっていくのです。 「閑散期」と「サバティカル」は、何が違う? 「サバティカル(Sabbatical)」という言葉には、単なる「休み(Vacation)」とは異なる意味合いがあります。「使命を持って、日常の業務から離れる」というニュアンスが含まれます。 もともとは大学教授が研究や執筆のために取る長期休暇を指していました。最近では、日本企業でもIT系や大手を中心にサバティカル制度を導入するところが増えています。一定年数働いた社員に対して、数か月から1年ほど自己研鑽や休養のために自由に過ごせる期間を与えるという制度です。 「閑散期」と「サバティカル」では、同じ空白の時間でも意味あいが違ってきます。 ・ 閑散期:仕事が来るのを待ちながら、不安を紛らわすために何かをする「受動的な時間」 ・ サバティカル:仕事を遮断する主導権を自分が握り、テーマを定めて過ごす「能動的な時間」 同じ空白でも、前者はできてしまった空白、後者は自分で作った空白です。「仕事がなくて暇で・・・」と言う人と、「いまサバティカル期間なんです」と言う人を比べてみると、聞いている側の印象もずいぶん違うのではないでしょうか。 サバティカルは、時間の使い方の主導権を自分が握ることができている状態なお、サバティカルは必ずしも「仕事を完全にゼロにする」期間という意味ではありません。週に2日だけ稼働する、定例の仕事だけは続けながら新しい依頼は受けない、といった「部分稼働のサバティカル」もあります。 大切なのは時間の使い方の主導権を自分が握ることであって、稼働時間の長さではない、ということを最初にお伝えしておきます。 サバティカルと定義すると何が変わる?私が提案したいのは、フリーランスの私たちが自分の閑散期を「サバティカル期間」と呼び直してみることです。では、サバティカルに呼び方を変えると何が変わってくるのでしょうか。 ① 「市場からの逃避」ではなく「主導権の取り戻し」になる 「閑散期で……」と言うと、どうしても「仕事がない」という受動的な響きになります。それを「いま自主的なサバティカル期間なんです」と言い換えるだけで、プロフェッショナルとしての主導権が自分の手に戻ってきます。 「仕事が途切れた」のではなく、「次の数年を戦うためのアップデート期間や心身のリフレッシュを意図的にスケジュールに組み込んでいます」という意思表示になるのです。クライアントへの伝わり方が変わり、自分自身に対する「今何をすべきか」という問いかけも変わります。 ② 「学び」が「自分のアップデート」へと昇華する サバティカルと呼ぶことで、インプットの姿勢が自然と能動的かつ、視座が高いものになっていきます。日々の仕事を通じて得られるスキルアップや、スキマ時間での自己研鑽とは、少し性質の違う時間が立ち上がるのです。 日々のスキルアップが「いま手元の仕事で困らないため」のインプットだとすると、サバティカル期間のアップデートは「数年後の自分が、いま手にしていない武器を持つため」のインプットです。漫然と講座を受けるのではなく、「このテーマは自分のビジネスにどう応用できるだろう」「このサバティカル期間で、私は何を究めたいのだろう」という、独自の問いを持って過ごすことになります。 すると、SNSでの発信も、ただの読書感想文や休暇の写真ではなく、テーマ性のある「研究報告」になっていきます。フォロワーの方たちからの見られ方も「仕事がない暇な人」ではなく「テーマを追求している視座が高いプロフェッショナル」へと変わってきます。 ご参考までに、職種ごとに考えられるアップデートのテーマを、いくつか挙げてみます。 【職種ごとのサバティカル期間のアップデートテーマ例】 ライター・編集者 ・AI時代に自分の文体で残せるものは何か ・専門領域を1つ深掘りし「書ける人」から「分かっている人」へ デザイナー ・生成AI時代に人間のデザイナーが担う領域はどこか ・自分の仕事を棚卸しし「デザイン哲学」を言語化 エンジニア ・ドメイン知識を深め「業界を理解している人」になる ・普段使わないパラダイムや低レイヤに挑戦 コンサル・研修講師 ・自分の専門領域の思想的源流を辿る ・過去の事例を体系化し独自フレームワークを書籍化 カメラマン・映像 ・自分の「作家性」を言語化する ・商業案件から離れた個人プロジェクトを1本やりきる マーケター・PR ・行動経済学・社会学の古典に立ち返る ・海外事例を分析し日本との構造的違いを掴む カウンセラー・コーチ ・学んだ流派の古典に戻り理論的バックボーンを再点検 ・隣接領域(脳科学、東洋思想等)への越境 大切なのは、目先のスキルアップというよりは、数年後の自分の価値を底上げする問いを立てることです。今の自分の仕事から「縦(時間軸)」と「横(領域)」にどう広げるか、深めるかを考えてみましょう。 縦(時間軸)の例として、自身の専門領域の歴史や未来を学ぶとよいでしょう。デザイナーであればデザインの歴史を学んだり、テクノロジーの進化によりどう業界は変わっていくのかという見識を深めることが今後の仕事を考える上での深いインプットとなるでしょう。 横(領域)の例としては、私の知人のITコンサルタントは、サバティカル期間に「医療業界」の本だけを集中的に読み、その業界の経営課題を学んだそうです。結果として、その後ヘルスケア領域のクライアントを獲得することにつながりました。自分の専門性に、まったく別の業界知識を掛け合わせる発想です。 「このテーマを掘ったら、明けの自分はどう変わるだろう」と想像しながらテーマを選ぶと、サバティカルの時間がぐっと豊かになります。 ③ 「明け」への期待値が上がる サバティカル明けの教授が、新しい知見を携えて戻ってくるように、フリーランスもサバティカル明けにはバージョンアップしていることが期待されます。 大学教授のサバティカルでは、半年から1年ほどの期間に海外の大学に客員研究員として滞在したり、新しいテーマで論文を書き上げたり、書籍を1冊仕上げたりして戻ってくることが珍しくありません。「あの先生はこの1年で〇〇の研究を進めて戻ってこられた」と周囲が認識するからこそ、復帰後の発言や講義に重みが出るのです。 フリーランスも同じです。 「あの人は今年のサバティカルで△△を学んでいた」 「□□というテーマで発信を始めた」 と周囲に認識されることで、復帰後の依頼の質が変わってきます。 クライアントの方も「充電が終わったら、ぜひ新しい相談をしたい」と、復帰を待ち望んでくださるようになる。これは閑散期という言葉のままでは、なかなか起こらない反応だと思います。 ④ 心身が回復し、次の仕事に向き合う土台が整う もうひとつ、見落とされがちですが大事な変化があります。心身の回復という観点です。 フリーランスで長く走り続けていると、自分でも気づかないうちにエネルギーが目減りしていることがあります。 仕事はちゃんとこなせている、納期も守っている。評判もよい。それでも、新しいアイデアが出てこない、提案に熱が入らない、お客様の話を聞いていても「またこのパターンか」と少し冷めた自分がいる。これらはエネルギーが切れかけているサインです。 「リフレッシュのサバティカル」は、こういう時期にこそ必要だと私は感じています。アップデートのサバティカルが「攻めの研究開発」だとすれば、リフレッシュのサバティカルは「守りのメンテナンス」です。どちらも欠かせません。 心身が回復していると、サバティカル明けにいただく依頼への向き合い方が違ってきます。久しぶりの仕事に対して視野の広さを持って意欲的に取り組めたり、提案の質が上がるでしょう。これも、サバティカルが連れてきてくれる変化のひとつです。 サバティカルは、生存戦略 ここからは、私自身がどう過ごしているかを、少しだけお話しさせてください。  私の1年は、ざっくりこんな感じです。 ・ 4〜5月:新人研修を断り、書籍執筆に専念するアップデート期間 ・ 6〜2月:研修・講演の繁忙期 ・ 8月:研修・講演を入れず、心身のリフレッシュと家族との旅行期間 ・ 2〜3月:翌年度の種まき 4〜5月は、私にとっての「アップデートのサバティカル」です。書籍執筆はこれまでの活動から得られた知見の集大成であると同時に、新しいテーマの探求でもあります。 研修依頼を断って原稿に向き合うこの時間がなければ、私の仕事は同じことの繰り返しになっていたと思います。そしてここで生まれた書籍が、巡り巡って次の講演や研修の依頼を連れてきてくれる。目先の仕事を入れなかったからこそ、次の仕事が来るという循環を作っています。 独立当初は、周囲の講師仲間が新人研修で多忙にしている中、登壇予定ゼロはとても不安でした。アップデート期間と決めてからは、繁忙期の合間に「4月に何を書こうかな」と考えるようになり、むしろ楽しみな時期になりました。 8月は「リフレッシュのサバティカル」です。1か月仕事を入れず、家族と長期旅行に出ます。「この人は8月は休む」と知っていただくことで、仕事が整理されていきました。クライアントの方たちが「7月までに終わらせよう」「9月以降に調整しよう」と動いてくださるようになり、依頼が「早めにまとめて頼もう」という形に変わっていったのです。休むことが戦略になる。これは年中稼働しているうちは見えなかった景色でした。 もともと8月は製造業などは生産ラインをとめて長期休暇を取得する期間でもあり、研修や講演は少なめだったので、こちらも休暇期間と決めてしまうことで、仕事や家族の予定が組みやすくなりました。 そして、リフレッシュのサバティカルから戻ったときの感覚を、私は毎年とても大切にしています。1か月まったく仕事のことを考えないでいると、9月に最初の研修に登壇するとき、いつもの研修内容なのに新鮮な気持ちで話している自分に気づくのです。 受講者の方の反応を一段細やかに拾えたり、用意していた事例とは別の話を差し込めたり。日常的に走り続けていると鈍ってしまう感覚が、休むことで磨き直されているのだと思います。 サバティカルは、強いプロデュース力の結果私の周りで「素敵だな」と感じるフリーランスの方たちは、自分のサバティカル期間を隠しません。不思議なことに、そういう発信に悲壮感はまったくないのです。「今年は昨年の半分ペース」「いま自主的にサバティカル期間中で、新規の依頼はお断りしています」と平然と公にしています。 その期間に学ぶテーマや読んでいる本、蓄えた知見や問いを一緒に発信されるので、こちらは「この人の言葉にもっと耳を傾けたい」「明けにどんな知見を持って戻られるんだろう」と、自然と期待してしまいます。 ここがポイントなのですが、その方たちは「仕事がないんです」とは言いません。「いまサバティカル期間です」「このテーマを掘っています」と、自分の文脈を添えて語っています。だから受け手にも「仕事がなくて困っている人」ではなく「自分の意志で時間を使っている人」として伝わるのです。 これは、明けに提供する価値がこれまでより高くなるという、自分への約束の裏返しでもあります。また、歴史や地政学などより大きなテーマを深掘りすることによって得られる広い視座が、目先の数字に一喜一憂しなくなるという効果も生んでいるように見えます。また、今の仕事より大きく広いテーマを学ぶことは不安の中和にもつながります。 不安にかられて仕事をとろうともがくのが「弱い営業」だとしたら、自分のサバティカルを文脈ごと開きにいくのは「強いプロデュース」と呼べるのかもしれません。 考えてみると、稼働率100%のフリーランスは、研究開発をまったく行わない企業の姿に似ています。新しい仕込みがないまま、目の前の受注だけをこなし続けている状態。短期的には売上が立っているように見えても、数年後にはじわじわと競争力を失ったり、燃え尽き症候群になってしまったりするのではないでしょうか。 「ただの閑散期」にしないために、やらないことを決める最後に、せっかくの空白の時間を「ただの閑散期」に戻してしまわないよう、やらないことを決めておくことをおすすめします。 ひとつは、不安からの「学びの暴走」です。テーマを定めずに、何でもいいから学ばなければと講座を受け続けると、せっかくのサバティカルが、ただの忙しい時間になってしまいます。「私はこの期間に何を究めたいのか」という問いを、最初に立てておくとよいと思います。 もうひとつは、暇に耐えられず筋の良くない仕事を引き受けてしまうことです。ここでいう「筋の良くない仕事」とは、たとえば、相場より大幅に低い単価の案件、自分の専門性が活きない雑用的な作業、価値観が合わないクライアントからの依頼、その仕事を続けても自分の実績やスキルが積み上がらないもの、などです。 これらを時間があるから…と引き受けてしまうと、せっかくのサバティカルが中断され、しかもよい仕事が舞い込んだとき、その案件に時間を取られて動きづらくなります。サバティカル中にもし受けるとしたらどんな仕事なのか、「選ぶ基準」を決めておくとよいでしょう。 そしてもうひとつ、「最近どうですか?」「何かお手伝いできることありますか?」とだけ送る、御用聞き的な営業連絡です。受け手の方には「あ、この人いま暇なんだな」という空気が行間から伝わってしまうことがあります。サバティカル期間中に連絡するとしたら、単なる近況報告ではなく「いま私はこのテーマを掘っています」という研究報告のかたちにできると、印象がまったく変わってきます。 働く時間を自分で決められる、仕事を自分で選べる、人生のペースを自分で組める。 フリーランスになった意味は、そこにあるのではないでしょうか。だとすれば、年に一度、あるいは半年に一度、自分に「サバティカル」を贈ることは贅沢なのではなく、本来のフリーランスとしての働き方として必須の行為なのかもしれません。 次に予定表に空白が現れたとき、その白い時間が「稼げていない閑散期」に見えるか、「自分が選び取ったサバティカル」に見えるか。その見え方の変化がワンランク上のフリーランスへの一歩だと私は思っています。 清水さんの連載マガジンはこちら! ワンランク上のフリーランスになる!|フリパラ(フリーランス協会公式note)|noteフリーランスとしてステップアップするためのヒントをお届けnote.com 清水久三子 大手アパレル企業を経て、外資系コンサルティング会社にて企業変革戦略チームや人材育成部門のリーダーを歴任し、2013年に独立。ビジネス書の執筆やメディアへの寄稿、講演、研修講師などの活動を行う。国内では20冊、海外翻訳で10冊の著書を出版し、年間登壇は140日を超える。(2022年現在) 
著書は、『プロの資料作成力』『一流の学び方』(東洋経済新報社)、『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一生食えるプロのPDCA』(かんき出版)『働くママの成功する中学受験』(世界文化社)他多数。Official HP:https://andcreate-official.com 

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自分のスキルが資産になる?! 収入不安定の備えにはアセット化が大事〜ワンランク上のフリーランス

『フリーランス白書2025』によると、収入に対して不満足と回答した人は40%超え。その不満の大きな内訳は、収入の多寡に加えて、その不安定さにあるようです。 では、フリーランスが安心感を持ちながら、働き続けるにはどうしたら良いでしょうか? そのカギとなるのは、収入のポートフォリオを設計する力です。具体的には、収入を「単発・継続・アセット」の3つで考えることです。 1、単発収入で、仕事の幅を「広げる」 2、継続収入で、仕事の基盤を「支える」 3、アセット収入で、「余裕を作る」 この3つを意識することで、フリーランスは自由と安定の両方を手にすることが可能になります。 自分のスキルを「アセット化」する発想を持とう!前回は、単発案件を継続案件にしていくための考え方をお伝えしましたが、今回は、さらなる安定を目指して、自分のスキルを「アセット化」する考え方をお伝えします。 ▶︎前回の記事はこちら! さて、前回もご紹介した通り、「安定しやすい収入の黄金比」として、以下のバランスをおすすめしています。 ・単発:30〜40% ・継続:50〜80% ・アセット:10〜20% 単発30%、継続60%、アセット10%の場合は、以下のようなバランスになります。 継続案件の比重を50%〜80%と一番多くしているのは、収入の予測が立つため、心の安定にもつながるからです。ただ、怪我や病気で働けなくなったり、一時的に仕事量が減るなどの「もしも」のリスクには、継続案件だけでは備えられません。もっと心の安定を得るための収入が「アセット」なのです。 アセットには、3つの種類があるでは、アセットとはどのようなものなのでしょうか。 アセットとは、コンテンツ、教材、不動産、投資などの「資産」「財産」「経営資源」のことを指します。それらを活かして得る収入がアセット収入になります。 大別すると、アセットには以下の3つがあります。 専門スキル収入: 講座、テンプレート、コンテンツなど、専門性やノウハウを結晶化したもの。 仕組み収入: コミュニティやサブスクリプションなど。 資産運用収入: 不動産、株式、債権など。 この3つのうち、2つ目と3つ目については、その分野の専門家がたくさんノウハウを出していますので、今回は1つ目の「専門スキル収入」をアセット化するための考え方をご紹介します。 単発・継続・アセットの具体例では、いくつかの職種を例に、単発・継続・アセットの具体例を見ていきましょう。 職種別の事例から、単発案件や継続案件をアセット化するイメージを持ってもらえたのではないでしょうか。 では、アセット化するためには、どのような力が必要だと思いますか? それは、「体系化力」と「仕組み化力」です。 スキルを資産に変える「体系化力」と「仕組み化力」体系化力と仕組み化力について、詳しく解説していきましょう。 1、体系化力とは、再現性のある形へまとめること これまで培った経験やノウハウを棚卸しして、再現性のある形にまとめます。モデル化・フレーム化・プロセス化をして、教材・テンプレート・コンテンツなど「売れる形」に変換してアセットにします。また売れ続けるためには「この人のノウハウを買いたい」と思わせる世界観づくりも重要です。どういう思いでこのアセットを作ったのかも言語化します。 2、仕組み化力とは、収入までの手続きを自動化すること 販売導線、決済、提供方法などを自動化していきます。アセットは自分で動かなくても収入が入るようにする仕組みがあって、収入を生み出します。 アセット案件を生み出すには?アセット案件を始める時のコツは「小さくてもよいから始める」です。 私は、10年前にオンラインコンテンツを初めて作った時は、正直に言うと「単発に比べると実入りが良くないな」と思っていました。ですが、そのコンテンツがコロナ禍のオンライン講義の普及で一気に視聴者数が増えたこと、コンテンツが徐々に増えて10本を超えた時に、「まとまると結構なボリュームになる」と気がつきました。 「著名な専門家でないと無理」という懸念をいだく方も多いのですが、近年は、アセットを流通させるチャネルも数多く存在するので、始めやすくなっています。 流通させやすいプラットフォームを職種別に紹介しましょう。 【デザイナー】 •Canvaテンプレ販売 •Creative Market •BOOTH(デザイン素材販売) •Udemy(初心者向けデザイン講座) •YouTube(デザインHowTo) ▶︎テンプレや素材の販売は長く売り続けやすいのが魅力です。デザインの“考え方”を言語化すると差別化になります。 【ライター】 •note(文章+思考のアセット最強) •Brain(ライティングテンプレ) •Kindle(電子書籍) •Udemy(文章講座) •stand.fm(書く背景を語る音声) ▶︎文章や経験談はそのままアセットになります。専門性に加え、“考え方”が買われることも多いでしょう。 【講師・コンサル】 •Udemy(ロジカル思考・企画・マネジメント系) •note(思想・哲学・フレームの発信) •Brain(教材販売) •ストアカ(小さな講座で検証できる) •Facebook/Discord(コミュニティ) ▶︎講座は一度作れば長く売れ続けてくれます。自身のブランディングにもつながります。 【カメラマン・動画クリエイター】 •Lightroomプリセット販売 •Adobe Stock •Udemy(動画編集講座) •BOOTH(素材販売) •YouTube(作品+HowTo) ▶︎撮影技術はそのままアセット化しやすく、ストックフォトは長期の収入源になります。 全体的に動画講座はニーズが右肩上がりになっているため、一度作ってしまえば、あとはそれほど手間がかかりません。動画作成もAIで簡単になり、今後増えていくことが想定されますが、既視感のあるものではなく、オリジナリティがより求められるようになるでしょう。 「自分の価値を最大化できないか?」の発想が大事!フリーランスとして長く働き続けために、「単発・継続・アセット」の3つを意識してポートフォリオを考えることは、単なるリスク分散ではありません。それは、自分の価値を社会に最大化して届けるための「自分株式会社」の経営戦略です。 単発で自分をアップデートし、信頼から継続を生み出し、体系化したアセットで余裕を作り出す 。この循環が回り出したとき、御用聞き的存在や消費される働き方から脱却し、自律したプロフェッショナル・フリーランスへと進化を遂げるでしょう。 清水さんの連載マガジンはこちら! ワンランク上のフリーランスになる!|フリパラ(フリーランス協会公式note)|noteフリーランスとしてステップアップするためのヒントをお届けnote.com 清水久三子 大手アパレル企業を経て、外資系コンサルティング会社にて企業変革戦略チームや人材育成部門のリーダーを歴任し、2013年に独立。ビジネス書の執筆やメディアへの寄稿、講演、研修講師などの活動を行う。国内では20冊、海外翻訳で10冊の著書を出版し、年間登壇は140日を超える。(2022年現在) 
著書は、『プロの資料作成力』『一流の学び方』(東洋経済新報社)、『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一生食えるプロのPDCA』(かんき出版)『働くママの成功する中学受験』(世界文化社)他多数。Official HP:https://andcreate-official.com 

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単発案件ばかりで疲弊してない!? 継続につなげる3つの力〜ワンランク上のフリーランスになる!

フリーランスの方々のお悩みで、多く聞かれるのが 「今月は仕事が多いけど、来月は全然入ってない…」 「単発案件ばかりで、精神的に落ち着かない」 「ずっと営業し続けるのはしんどい…」 といった内容です。 「自分のこと!?」と、思い当たる節がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 『フリーランス白書2025』によると、収入に対して不満足と回答した人は40%超え。その不満の大きな内訳は、収入の多寡に加えて、その不安定さが挙げられます。 フリーランスが安心しながら目の前の仕事を楽しむためのカギは、「単発・継続・アセット」の3つの収入源を意識して仕事のポートフォリオを組むことです。この3つがよいバランスで揃ったとき、フリーランスの収入は安定します。 知っておきたい3つの収入源フリーランスの収入設計を安定させる「3つの収入源」とその役割は以下の通りです。 単発:1回〜数回や1ヶ月等の短期案件を指します。単発案件は「新しい顧客を広げる」「経験値を増やす」「認知を得る」ための重要な入り口です。短期間で決まりやすい反面、競争率も高いので、自分の存在、スキル、価値を、必要な人に届ける力、つまり「見つけてもらう力」が重要になります。 継続:年間契約等の長期案件を指します。毎月の生活を支えてくれるだけではなく、新規案件獲得の工数や、受注から納品までのコミュニケーションコストをかけずに済むメリットがあります。 アセット:印税や使用料など、以前手がけた仕事から生まれる収入を指します。コンテンツ、教材、不動産、投資などから生まれ出されることが多く、自分が動かなくても収益をあげてくれるのが魅力です。 職種や業界によって理想の黄金比は変わりますが、安定しやすい収入の黄金比は、以下のバランスがおすすめです。 ・単発:30〜40% ・継続:50〜80% ・アセット:10〜20% 単発30%、継続60%、アセット10%の場合は、以下のようなバランスになります。 継続案件の比重を50%〜80%と一番多くしているのは、収入の予測が立つため、心の安定にもつながるからです。 ただし、継続収入が特定の1社だけで80%以上を占める場合は要注意。1社に依存していることは、リスクになります。契約が途切れた場合でも収入は途切れないように、3つ以上のクライアントを継続の仕事で持つことが望ましいです。 「単発」から「継続」につなげるには?さて、「単発ばっかりで疲弊する」状態から抜け出し、継続を増やしていくためには、どうすればいいと思いますか? それは、「いなくなると困る存在」になることです。単発は、継続の入り口として重要ですが、そこで培ったクライアントとの関係性を生かして、継続につなげていくのが理想です。 「いなくなると困る存在」になるためには、以下の3つの力が有効です。 ・課題発見力 ・改善提案力 ・伴走力 一つずつ、解説していきましょう。 課題発見力:依頼の裏にある真のニーズを見抜く 継続につなげるためには、表面的な依頼の裏にある真の課題を見抜くことが重要です。これは、ヒアリング、分析、洞察の3点セットで行われます。単発の依頼を「はい、分かりました」で終わらせるのではなく、「何のために、何を目指しているのか」を見抜く力が求められます。 たとえば、「SNSを外注したい」という依頼の真の課題は「継続的な企画がほしい」ことかもしれません。「記事の執筆」という依頼の真の課題は「コンプライアンス対応や炎上回避」の場合もあるでしょう。 改善提案力:「御用聞き」ではなく「パートナー」へ 課題を発見した後に大事なのは、見出した課題に対して継続的に改善案を出し続けることです。そうすれば、クライアントにとって単なる「御用聞き」ではなく、「パートナー」という存在になる可能性が高まっていきます。 たとえば提案に加えて、他社や業界動向、最新のトレンド情報などもクライアントに提示することで、「この人からは常に新しい視点が得られる」と思ってもらうことができます。継続で最も喜ばれるのは「この人に入ってもらえると楽になる」と思ってもらうことですが、次に重要なのは、「これをやめたら大変になる」という、サービスを失うことによる負荷を感じてもらうことです。 伴走力:長期的な目標達成に寄り添い、実行し、成長を促す 長期案件においては、スキルそのものに加えて、クライアントが悩みや困りごとを相談できる心理的安全性の提供がカギになります。クライアントの目標達成に対し、長期的に寄り添い、時には一緒に実行し、時には成長を促す存在となる力が伴走力です。 具体的には行動面と感情面で伴走します。行動面では「何から手を付けるべきか迷っている」「なんとなく上手くいっていない」という段階から話を聞き、「課題は〇〇ですね」「こうするのはどうでしょうか?」などクライアントの頭の中を整理・言語化するとよいでしょう。 感情面では、担当者の孤独や迷いに耳を傾けること。主語を「貴社」ではなく「私たち」に変えることで、「〇〇の成果が出てるので大丈夫ですよ!」「この方向で一緒に乗り越えましょう」などのように、ワンチームであるスタンスが言葉からも出てきやすくなるでしょう。また、先方からの問い合わせや連絡を受身で待つのではなく、「その後、例の件はどうですか?」「こういうことが起きてたりしませんか?」など自分から働きかけていくとよいでしょう。 その行動が、「単発止まり」の理由かもしれません!単発を単発で終わらせてしまう人は、仕事の終わり方が弱いパターンが多いです。納品後に以下の要素を添えるだけで、次につながる確率が大きく上がります。 ・改善提案をひとつ添える。 ・今後の想定スケジュールを提案する。 ・お礼と共に、自身の実績に加えて良いかの確認を行う(その際、相手にメリットがある内容にするのがポイント)。 単発は、営業プロセスを含めて、その都度カスタマイズして対応しなければいけません。特に初めてのクライアントとのやりとりは、お作法を探りながら進めることが多く、時間も手間もかかります。 であれば、せっかく学んだお作法を無駄にしないためにも、単発で終わらせるのではなく、継続につなげる、自身の成長や事業拡張のための学習とする、あるいはアセット化の材料にするかを意識して取り組むべきです。 また、継続案件を獲得する際は、クライアントが「試してみたい」と思えるように、まずはハードルを低くした「ミニ継続」を提案することから始めるとよいでしょう。 たとえばライターだったら、編集業務も加えたものを3ヶ月お試し価格で提案してみたり、コンサルタントだったら「月1回60分+オンライン相談」など回数少なめの提案をして、相談内容に応じてコミット度合いをあげていくなどが考えられるでしょう。 ミニ継続を長期継続につなげるには、定期的な価値の言語化が不可欠です。「いてくれると助かる」から「いてくれないと困る」という状態になっていくことの価値を、クライアントにきちんと理解してもらう努力をすること。 その際、相談のタイミングが重要です。契約更新の提案は、クライアントが来期の予算どりを決めていることが多いため、契約更新の少なくとも3ヶ月前には行うとよいでしょう。1ヶ月前では遅すぎることがほとんどです。 「単発→継続」の後はアセット化を考えようフリーランスとして長く働き続けるには、スキルを獲得して人脈を広げるだけではなく、単発・継続・アセットの3つの収入を設計する力も重要です。 ・単発で「広げる」 ・継続で「支える」 ・アセットで「余裕を作る」 この3つを意識することで、フリーランスは自由と安定の両方を手にすることが可能になります。まずは「ひとつのミニ継続」から始めて継続できたら、「ひとつのアセット」作りを試してみましょう。アセット化については、次回、詳しくお伝えします! 👇続きはこちらから 清水さんの連載マガジンはこちら! ワンランク上のフリーランスになる!|フリパラ(フリーランス協会公式note)|noteフリーランスとしてステップアップするためのヒントをお届けnote.com 清水久三子 大手アパレル企業を経て、外資系コンサルティング会社にて企業変革戦略チームや人材育成部門のリーダーを歴任し、2013年に独立。ビジネス書の執筆やメディアへの寄稿、講演、研修講師などの活動を行う。国内では20冊、海外翻訳で10冊の著書を出版し、年間登壇は140日を超える。(2022年現在) 
著書は、『プロの資料作成力』『一流の学び方』(東洋経済新報社)、『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一生食えるプロのPDCA』(かんき出版)『働くママの成功する中学受験』(世界文化社)他多数。Official HP:https://andcreate-official.com 

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在宅フリーランスのルームツアー

在宅フリーランスやパラレルワーカーにとって、お部屋は仕事場であり、リラックスする大切な場所。この連載では、在宅フリーランスのお部屋づくりと、そこに息づく働き方・暮らし方を伺います。

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一人暮らしフリーランスでも孤独じゃない。サロンを備えた“繋げて区切れる2DK”〜在宅フリーランスのルームツアー〜

在宅フリーランスやパラレルワーカーにとって、お部屋は仕事場であり、リラックスする大切な場所。この連載では、在宅フリーランスのお部屋づくりと、そこに息づく働き方・暮らし方を伺います。 今回お部屋を案内してくれたのは、山本深雪さん。 広告の企画・制作を担うプランナーやディレクターとして活動しながら、パーソナルカラー診断や顔タイプ診断®︎を行うイメージコンサルタントとしても活躍。さらにDJや音楽イベントの主催も行う、パラレルなフリーランスです。 「広告・イメージコンサルタント・音楽」の三軸で仕事をしながら、自宅の一室を「サロン」と呼んでいます。そこには、イメージコンサルティングのお客さんだけでなく、友人や仕事仲間を招き、作業会を開いているのだそう。 そんな深雪さんのお部屋をさっそく覗かせていただくと…… 雰囲気の異なる3つの空間。そして玄関を入ってすぐのところに、ミラーボールが! 「私、"自認ミラーボール"なんです。自ら発光する太陽と違って、周りの光を反射して輝く。広告の仕事もイメージコンサルの仕事も、みんなが頼ってくれるから輝けます。一人じゃだめで、人ありき。音楽が好きで、みんなが集まる楽しい場をつくりたい思いも、ミラーボールと重なるなって。この部屋も、“来てくれた人にハッピーになって帰ってほしい”という願いを込めてつくっています」 そう語る深雪さんのお部屋には、一人でも快適に過ごせる工夫と、人が集まり心地よく過ごせる工夫が詰まっていました。 お部屋を紹介してくれた人:山本深雪さん ◆Works: ・SNSディレクター、プロモーションプランナー ・イメージコンサルタント ・DJ(limi)、イベント主催 etc. ◆Instagram: Main|Room|Salon ◆Work&Life Style:働き方は時期によって変動。取材時点では広告の仕事が繁忙期のため、平日の日中は広告関連のデスクワークが中心。イメージコンサルタントの仕事は自宅サロンで、音楽関連の仕事はイベント会場などで行うことが多く、いずれも土日や夜に入ることが多い。会議が少ない日や土日には、友人や仕事仲間を自宅に招き、それぞれがデスクワークを行う「作業会」を定期的に開催。 ◆Room info:2DK DK:ダイニング・キッチン、洋室:サロン、和室:プライベート空間 すべての部屋を繋げることも、扉で区切ることも可能 自宅の間取り 雰囲気の異なる3部屋で叶える気分転換ダイニングキッチン、洋室、和室からなる「3つの空間」が、仕事と生活のスペースです。それぞれにメインの用途をゆるやかに設けつつ、気分に合わせて柔軟に使い分けています。すべての部屋にデスクやテーブルがあり、どの部屋でも仕事ができるようにしているんです。 玄関から見たダイニングキッチンと洋室。右の閉まっている戸の先は和室 ダイニングキッチンは、食事や鑑賞の部屋。リフレッシュする場所ですね。テレビやレコードプレイヤーを置いていて、YouTubeやレコードを流しながら、ごはんを食べたり、ゲームをしたりしています。たまに気分転換として、ダイニングテーブルで仕事をすることもありますね。作業会に来てくれた人が、ここで仕事をしていることもあります。メインの仕事部屋と雰囲気が異なるので、おのおの落ち着く場所で作業してもらえて嬉しいです。 和室は、プライベートな部屋。主にリラックスする場所です。寝室であり、押入れを衣装収納として使っている部屋でもあります。インテリアは落ち着くウォールナット系でまとめました。和室そのもののくつろぎ感も気に入っています。照明も少し暗めでリラックスできますね。 和室和室のデスクにはスピーカーを置いていて、DJ練習やシンセサイザーを弾いたりするときに使うことが多いです。機材を出してこのスピーカーに繋げて作業しています。サロンのデスクをイメージコンサルティングの準備に使っているときや、気分転換をしたいときも、和室で仕事をしています。 洋室は、仕事部屋。イメージコンサルティングと作業会を行うサロンでもあり、私がデスクワークを行うメインの場所でもあります。パーソナルカラー診断で色を正確に見るために整えた、明るくシンプルな環境が特徴です。結果的にデスクワークに集中する環境としてもぴったりで。お客様用に選んだ大きめのテーブルも、モニターとPCを置いてもかなり余裕があるので、作業がしやすいです。 洋室でのデスクワーク 後ほど詳しくお話しますが、「サロン」には、イメージコンサルティングの場と社交場の二つの意味があり、人を招いて作業会を行う際もこのテーブルをメインに使っています。 戸の開け閉めで、ベストコンディションをつくる3つの空間は、引き戸で区切られているのがポイントです。戸を締めることで独立した3部屋にできます。一方、戸を開けておいたり外したりすれば、一つの広い空間のようにも使えます。 ダイニングキッチンとの間だけでなく、和室と洋室の間も引き戸がある私ひとりで過ごすのか、お客様が来るのか。仕事への集中度を高めたいのか、ゆるめたいのか。気温や自然光の加減、風の有無。そしてその時々の自分の気分やコンディションによって、戸の開け閉めを変えています。 例えばひとりで仕事をする日。クリエイティブな作業が煮詰まったときは、すべての戸と窓を開けて、開放的な空間にしたほうがアイデアが浮かびやすい気がします。淡々と集中して進める作業のときは、洋室から和室が見えないように戸を締めて、真っ白な空間にします。 逆にリラックスしたいときは、和室から洋室が見えないように戸を閉めて、ベッドに転がったり、ダイニングでエンタメ鑑賞をしたりしていますね。 ダイニングにはリラックスグッズが色々。お香を焚いたり、レコードやCDを聴いたりします 空間を使い分けられるおかげで、集中とリラックスの切り替えが、上手にできるようになりました。 実は、フリーランスになった理由の一つに「会社員だとセルフワーカホリックになってしまい、体力がもたなくなってきた」というのがあったんです。 社内に飛び交う連絡は自分に直接関係がないこともすべて目を通したくなったり、オフィスに人がいたらつい一緒に残ってブレストをしてしまったり……。楽しくてやっていたものの、息抜きをするのが苦手で、気づいたら疲れてしまっていたんです。 フリーランスになって業務や情報の範囲が区切られ、自宅を整えたことで一日の中での意識の切り替えもできるようになってきました。 玄関のお気に入りコーナー イメージコンサルティングのために作り上げた真っ白な部屋この物件は「イメージコンサルティングのサロンを自宅で開きたい!」という思いを抱いて選びました。 パーソナルカラー診断をするにあたり、欠かせないのは日当たり。自然光でお客様のお顔を見るために、まず重視したポイントです。洋室は日当たりが抜群でサロンにぴったりでした。天気によって光が足りないときのために、自然光に近い照明も準備しています。 パーソナルカラー診断は、光がよく入るこの窓際で、鏡を見てもらいながら行います。顔の近くに、ドレープと呼ばれるさまざまな色の布を当てていくのですが、色によって顔色の見え方が違うんですよ。 収納や鏡はシルバーをベースに。パーソナルカラー診断で使うドレープが取り出しやすく、見やすい棚を探しました。鏡は、角度の調整しやすさや大きさなど、診断に適した条件を満たすものの中から、デザイン性も重視して選びました テーブルでは、資料を並べてカウンセリングをしたり、メイク道具を広げて診断に合わせたメイクをしてみてもらったりします。色の映り込みの影響を減らせるよう白を選び、広々使っていただけるよう大きいテーブルにしました。フローリングは元々ブラウン系でしたが、こちらも色の映り込み軽減のため、DIYで真っ白にしています。 洋室のBefore&After。フローリングはフロアタイルを敷き詰め、床と壁の境目の巾木にはマスキングテープを貼っています それから、和室と洋室の間が引き戸で繋がっているのもポイント。パーソナルカラー診断後には、お客様が日常で実践しやすいよう、私が持っている服やアクセサリーを合わせて見ていただくようにしていて。 その際、隣の和室から服やアクセサリーをささっと持ってこれるんです。戸を締めてベッドがあるプライベート空間が見えないようにしつつ、簡単に行き来できる。自宅サロンならではの懸念と利点の両立を、この引き戸が叶えてくれています。 ダイニングとの境の戸は、10秒くらいで外せてしまうので、普段は換気や空調のために外していることが多いのですが、お客様がいらっしゃるときは、あえて付けています。 私がダイニングで飲み物などを準備しているとき、ここに戸があることで死角になって、お客様が一人の状態になれます。ちょっとした「見られていない」時間を作ることで、リラックスしていただけたらなと思うんです。こっそり身だしなみを確認したいときって、あるじゃないですか? イメージコンサルティングとの出会いは、友人とパーソナルカラー診断を受けて感動したのがきっかけ。診断後、周りの人をもっと魅力的にするには何色が合うのか分からないことが悔しくて、学校に通いました お客様がダイニングを通らないと洋室に入れない動線は、唯一の妥協点でした。でも、いざ来ていただくと「なんか落ち着く」と言ってもらえています。サロンは真っ白でスタイリッシュなイメージなので、リラックスした雰囲気のダイニングを通っていただくことで、肩の力を抜いてもらえるようです。 一方、和室は戸を閉めておくことで、ダイニング側からもプライベート空間が見えないようにできます。 玄関には色とりどりのスリッパがたくさん。深雪さん「色を選ぶことを楽しんでほしいので、お客様にこの中から選んでもらっています」 社交場としてのサロン「サロン」という言葉には、ネイルサロンやエステサロンのように、美容施術などを受ける場所のイメージがあると思いますが、他の意味もあります。 フランス語の「salon」は、もともと「客間」や「応接室」を表す言葉。17〜18世紀頃に、広い客間をもつ貴族などが、学者や芸術家を招いて知的な会話を楽しむ会を開くようになり、こうした社交の場もサロンと呼ばれるようになったそうです。 私の部屋も、イメージコンサルティングを提供する意味の「サロン」だけでなく、みんなで集って仕事をしたり、話したりする交流の場としての「サロン」にしたくて、両方の機能をもたせました。 作業会の様子。大きな白いテーブルは、イメージコンサルティングの際は壁に横付けし、対面の2人掛けとして使っています。作業会では、集まる人数に応じて部屋の中央に縦向きに配置し、最大6人で使っています。 というのも、私はもともと人と働くのが好きなんです。以前、広告会社に社員として勤務していたときは、オフィスで仕事をするのが好きでしたし、雑談からアイデアが生まれる瞬間が楽しみでした。毎朝同じ時間に出社するのは苦手だったんですけどね(笑)。 フリーランスになって、出入りするオフィスはなくなりましたが、自宅を「サロン」として、定期的に仕事仲間や友人を招き、作業会を開いています。それぞれが取り組む仕事は別々だけど、仕事に向かう熱は共有している。息抜きに雑談をして、煮詰まった感覚がほぐれたり、アイデアが浮かんだりする。仕事を終えた後にピザパーティーをして労い合うこともあります。そんな場があるおかげで、フリーランスになってからも、孤独を感じることはほとんどありません。 コワーキングスペースもたまに利用するのですが、私の場合は「自分が理想とする場をひらいて、元気になって帰ってもらいたい」「おもてなしして、ハッピーに過ごしてほしい」みたいな欲もあって。バーのママみたいな存在に憧れがあるんです。だからやっぱり「自宅サロン」が理想形なんですよね。 来客の飲み物用に、コップはさまざまな種類をきれいに保管。清潔感を大切にするため、ウォーターサーバーを愛用しています 「ハッピーになってほしい」という思いは、広告やイメージコンサルタントの仕事、音楽活動にも通じています。 広告の仕事では、ブランドの魅力を広めることはもちろん、ブランド自身がまだ気づいていない魅力を見つけ出して、クライアントを喜ばせたい。代理店の方など、一緒に仕事をする人をちょっとでも楽にしたい。広告をつくる側の人も含めて、関わる人にハッピーになってほしいと思っています。 パーソナルカラー診断や顔タイプ診断®︎、カラーセラピーもその延長にあります。お客様のタイプや特徴、悩みの原因を一緒に整理していくことで、似合うものの傾向や選び方、そして自分の気持ちや大切にしていることがわかる。悩まなくていいことで悩んでいる人に、世界が変わる感覚を知ってほしい。ファッションやメイクを通じて、その人自身の解像度を上げて、ちょっと自信をもって帰っていただきたいんです。 作業会に来る人には、自信をもつまでいかなくても「来てよかった」「一歩進んだ」と思ってもらえる場所になればいいなと思っています。 そして、DJなどの音楽活動では、音楽の力を借りながらフロアの空気に合わせて、楽しんでもらえる場をつくりたい。 冒頭でお話したように、誰かが輝いてくれることで自分も輝けるから、やっぱり私ってミラーボールっぽい。一人で仕事をしているときも誰かのことを考えていて、実際に部屋に人を招いて。フリーランスの一人暮らしだけれど、人の気配がある部屋だなと思います。 写真:miray allit 取材・文/平賀はつこ ライター/プランナー/ライフコーチ/キャリアコンサルタント 2017年に大学卒業後、EC事業会社へ新卒入社。2018年にフリーライターへ転身し、インタビュー記事を中心に執筆、編集。 2021年に広告会社へ入社。広告事業にて企画、進行、執筆、編集等に従事しながら、教育事業の立ち上げを担う。プライベートでコーチングを学び始めたのを機に対人支援の道を志し、2022年より再びフリーランスへ。同年にコーチングスクールを修了、国家資格キャリアコンサルタントを取得。以降、対人支援とクリエイティブの2軸で活動中。X:@8chyadeofficial Instagram:@8chyade

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フォトグラファー夫婦の住居とアトリエ。“撮りたくなる”空間をどう作る?! 〜在宅フリーランスのルームツアー〜

在宅フリーランスやパラレルワーカーにとって、お部屋は仕事場であり、リラックスする大切な場所。この連載では、在宅フリーランスのお部屋づくりと、そこに息づく働き方・暮らし方を伺います。 今回お部屋を案内してくれたのは、井上秀兵さん・倉本あかりさん夫妻。 それぞれがフリーランスのフォトグラファーとして活躍しながら、アトリエ「Studio neutral」の共同オーナーでもあります。 自宅でも日常的にカメラを構えるというお二人。撮影されたリビングの写真がこちら。 大きな窓と青い壁が印象的な自宅リビング。築40年ほどのマンションをリノベーション筆者が思わず「モデルルームみたい! いつもこの状態で暮らしているんですか……?」と尋ねると、頷く二人。 「日々の努力です(笑)」と秀兵さん。「写真を撮りたくなる家にしたくて。私は片付けが苦手でしたが、できるようになりました」とあかりさん。 日々写真を撮りたくなる空間は、どのように作られ、どのような日常があるのでしょうか。 お部屋を紹介してくれた人: 井上秀兵さんと倉本あかりさん。自宅にて井上秀兵さん(フォトグラファー/ディレクター/写真家) X|Instagram|note|WEB 倉本あかりさん(フォトグラファー/写真家) Instagram|WEB|X Room info: 1LDKの住居+アトリエ 二人暮らし(取材後、お子さんが誕生し三人に🎉) 住居とアトリエはマンションの同フロア内の別物件、端と端に位置する角部屋同士で15歩の距離。リノベーションを手がけたのはAKINAI GARDEN STUDIO さん。 アトリエ「Studio Neutral」:Instagram|WEB 自宅:Instagram 図面提供:AKINAI GARDEN STUDIOWork&Life Style: 秀兵さん 企業広報に関連する撮影やチーム運営、ワークショップ企画が主な活動内容。撮影のディレクション資料作りや、アトリエでのワークショップのため、在宅ワークが増えている。仕事場所は外現場が6割、アトリエが3割、自宅が1割。 あかりさん 建築写真を多く手がけながら、企業PR撮影や人物ポートレートなど幅広く撮影。横浜のアトリエ・自宅と、地元である京都の二拠点で活動。1か月のうち2〜3週間が関東の仕事。外出撮影が7割、自宅・アトリエにいるのは3割ほど。 光が、仕事にも暮らしにも活きるあかりさん: 私たちは光の移ろいを感じるのが好きで、住居もアトリエも大きな窓がたくさんあります。住居とアトリエはマンションの同フロアの端と端に位置し、どちらも角部屋なので採光面積が広いんです。 自宅アトリエ秀兵さん: リノベーション前の状態を見学した際に、差し込んでいた西陽がとても綺麗で。決め手の一つになりました。 季節や時間によって移ろう光を、楽しみながら生きたいんですよね。フォトグラファーとしても、撮影の感覚を磨くために、日頃から光を見つめることを大切にしています。この家に来てから、暮らしの中で自然に観察できるようになりました。 あかりさん: できるだけ自然の光で生活したくて、自宅の窓は薄いレースカーテン1枚にしています。 自宅リビング。あかりさん「夕方まで自然光だけで過ごせます」秀兵さん「ここから外の景色を眺めるのが好きです。視界がひらけていて、四季の変化や、時間によって表情が変わる街の空気を感じられます」秀兵さん: アトリエの窓も、光を完全に遮らないブラインドを選びました。撮影スタジオとしては、シーンにより撮りにくい状況もありますが、それ以上に自然光がない空間を拠点にする想像ができなくて。やっぱり人って太陽を浴びたほうが元気になるじゃないですか。 アトリエに差し込む光あかりさん: 光が入る空間って心地いいんですよね。アトリエに訪れた人も、居心地がいいと言ってくれます。いざ撮影となると難しさも感じますが、その時々の光を活かそうと表現の幅が広がって楽しいです。 アトリエと自宅、好きな光を選んで働く秀兵さん: 自宅とアトリエは、マンションの同フロアの端と端に位置するので、同じ時間でも光の入り方が異なります。そのときの光や気分によって、居場所を変えられるんですよ。 あかりさん: 私の場合、特に冬は自宅に入る光のほうが好みですね。アトリエは、撮影スタジオ・フィルムの現像場・デジタルの編集場と主に3つの機能があり、仕事を完結できますが、私は自宅のダイニングテーブルで仕事をするのも好きなんです。場所によるオン・オフの切り替えがあまり必要ないタイプなので、どちらでも集中できます。秀兵さんはアトリエにいることが多いよね。 秀兵さん: 僕もちょっとした事務は自宅でやりますが、アトリエの方が集中できます。特にアトリエの夕方の光が好きですね。僕たちは一緒に作業しているとたくさん喋っちゃうので(笑)、それはそれで楽しいけれど、集中したいときは自然と場所が分かれます。 左:アトリエの編集スペース。秀兵さん「レタッチ用のモニターがある他、フィルム写真をデータ化するスキャナーやプリンターもあります」右: 自宅での作業風景。ダイニングテーブルがデスクに。あかりさん「キッチンが近く、お茶やコーヒーを淹れやすいのも好きです」 壁の色と質感が光の表情をより豊かにあかりさん: 光の移ろいを楽しむ空間づくりの秘訣は、壁にもあります。まずアトリエの壁は、グラデーションカラーになっているんです。光の当たり方と壁の色が掛け合わさることで、光の移ろいをより表情豊かに楽しむことができます。 秀兵さん: 季節や時間帯によって、空間の印象がずいぶん変わるんですよ。 秀兵さん「アトリエのデザインの際、設計士さんが僕たちの写真作品をたくさん見てグラデーションをテーマに提案してくれました」あかりさん「ほぼ一発OKでしたね。撮影の利便性を考えると白壁がいいのですが、アトリエには白い部分がありません。設計士さんにお任せしたからこそのアイデアだと思います。壁を活かした撮り方を考える面白さが生まれました」 あかりさん: 自宅も、白壁はありません。青と赤の壁が同じ空間に共存しているのが新鮮で、一番のお気に入りポイントです。色だけではなく素材も異なり、ふわふわしていたり、ザラザラしていたりします。光の返し方に個性が出て、より表情豊かな空間になっています。 自宅リビング。赤い扉の向こうは水回り、ベージュの扉の向こうは玄関。青い壁の裏側に寝室がある。秀兵さん: 僕たちは自宅にいても、日常的にカメラを手に取れるようにしています。毎日、光の移ろいや空間の表情の変化を見つめられるので「ああ綺麗だな」と思う瞬間があれば、ファインダーを覗くんです。 あかりさん: 本当に、写真を撮るのが楽しい空間を作ってもらったよね。 左:アトリエ、右:自宅リビング “モデルルーム状態”を保つコツ秀兵さん: これだけ洗練された場所を作ってもらったので、いつでもすぐに写真を撮れる状態を保つように心がけています。 片付けのコツは、見えない場所に定位置を作り、使わないときは仕舞うことです。壁一面の収納に、場所を決めて片付けています。 リノベーションのデザインは信頼する設計士さんにほぼお任せしましたが、収納の多さは事前にリクエストしました。特に僕たちの趣味であるアウトドアグッズは嵩張るのですが、すべて備え付けの収納に収まっています。 キッチンの造作収納。青い壁は一面が収納になっているほか、玄関にも大きな備え付け収納があるあかりさん: 仕事道具に関しても、二人分の撮影機材はかなり場所を取りますが、すべてアトリエの大きな備え付け収納に整理しています。 どうしても備え付けの収納に入り切らないものは、見えていても空間と調和して美しい収納を選ぶ。秀兵さん「引っ越しの際、この空間に合うように家具はすべて新調しました。建築に携わってきた妻のセンスがありがたいですね。ほとんど彼女のアイデアに僕が賛同する形で揃いました!」 秀兵さん: 空間を美しく保つもう一つのコツは、人を招くことですね。僕らは自宅によく友人を招きますし、リノベーションの一例として、設計士さんのお客様が見学にいらっしゃることがあります。 あかりさん: 自宅ができる前から「友達を呼べる家にしたい」と話していました。ここに来てくれた人たちに「居心地がいい」と思ってもらえるような家にしたくて、片付けも頑張れているんだと思います。夫とお互いが日々心地よく過ごせるように保つことも大切にしているので、二人で暮らすようになってからは、より頑張れるようになりました。 あかりさんのセンスが光るディスプレイ撮りたくなる空間は、人が集まる空間にあかりさん: 自宅に友人を招くだけでなく、アトリエではネガフィルムの現像ワークショップをしたり、撮影会をしたりしています。 フリーマーケットや周年イベントなど、写真以外の企画も行っており、その際は近くの商店街の人たちが遊びに来てくれることもあります。お客様からも「居心地がいい」という声をいただきますね。 実はアトリエが先にあり、数年後に同じマンションに住居を構えたのですが、側に住んだことでアトリエを「地域と関わる場」にしたいと思うようになったんです。 アトリエで開催したフリーマーケットの様子 秀兵さん: アトリエは、より人が集まる場所になってきているよね。ワークショップは自分たちが楽しむために始めましたが、決して安くない参加費にも関わらず、たくさんの方が来てくれるようになりました。 あかりさん: 「楽しいからやる」スタンスは変わりませんが、結果的に一事業として捉えていける規模にもなってきました。参加者やゲスト講師の方々に感謝しながら、これからも自分たちが面白いと思うことをやっていきたいです。 秀兵さん: アトリエは表現を自由にできる場所。「写真を通じて、誰かの人生が豊かになるきっかけを作る」という目的に沿いながら、好きなことを発信し続けたいです。 「撮りたくなる」そして「居心地がいい」空間には、人が集まってくれます。また新たな「撮りたくなる景色」が生まれることを楽しみにしています。 スタジオ3周年記念イベントの様子 写真:井上秀兵、倉本あかり Special Thanks:AKINAI GARDEN STUDIO 取材・文/平賀はつこ ライター/プランナー/ライフコーチ/キャリアコンサルタント 2017年に大学卒業後、EC事業会社へ新卒入社。2018年にフリーライターへ転身し、インタビュー記事を中心に執筆、編集。 2021年に広告会社へ入社。広告事業にて企画、進行、執筆、編集等に従事しながら、教育事業の立ち上げを担う。プライベートでコーチングを学び始めたのを機に対人支援の道を志し、2022年より再びフリーランスへ。同年にコーチングスクールを修了、国家資格キャリアコンサルタントを取得。以降、対人支援とクリエイティブの2軸で活動中。X:@8chyadeofficial Instagram:@8chyade

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植物に包まれる6畳の暮らし。「ゆるむ」を意識して、オンオフを切り替える。〜在宅フリーランスのルームツアー〜

在宅フリーランスやパラレルワーカーにとって、お部屋は仕事場であり、リラックスする大切な場所。この連載では、在宅フリーランスのお部屋づくりと、そこに息づく働き方・暮らし方を伺います。 今回お部屋を案内してくれたのは、朝倉翠さん。 週4社員として設計事務所で集合住宅の設計に携わりながら、個人事業主としてコーチングやインテリアコーディネート、イベント企画を行うパラレルワーカーです。すべてのお仕事を在宅で行っています。 多岐に渡る活動は、すべて「心地よく生きられる人を増やしたい」というビジョンに紐づいているそう。 そんな翠さんのお部屋をさっそく覗かせていただくと……自然光に照らされた緑が、やさしく視界に広がります。 思わず、深呼吸したくなる空間。 翠さんは「目覚めたとき、視界にたくさんの緑が広がっていてほしくて。観葉植物をたくさん置きました。でも私、性格がズボラなので植物なんてお迎えできないと思っていたんですよ。この子たちはみんな初心者向けで、週に1度お水をあげるだけで元気です」と微笑みます。 この部屋にぴったりの朗らかな翠さんですが、かつてはワーカホリックで、ほとんど家にいない生活を送っていたそう。そんな経験を経て「心地よさ」を第一に整えた暮らし方と働き方が、緑あふれるお部屋に息づいていました。 お部屋を紹介してくれた人: 朝倉翠さん(ライフコーチ、インテリアコーディネーター/建築会社勤務) X:@9_Midori note:https://note.com/mdr1106 Room info: 6畳の自室(一時的に実家暮らし中) 仕事も休息も食事も、ほぼ一日中この部屋で過ごす。 間取りWork Style: 設計事務所の仕事は、週4パート社員として月火木金の9:30〜18:30に勤務。個人の仕事は就業時間の前後と土日に行い、水曜日がお休み。仕事はすべて在宅。個人事業を育てるために、設計事務所のお仕事は「週4・残業なし・完全在宅」を条件に契約。 ※2026年1月〜4月の4ヶ月間は週5日パート社員×個人事業 Life Style: 子どもの頃から、朝起きるのが得意。春〜秋は6時、冬は7時には起床。毎朝ベッドメイキングとストレッチをする。できれば30分から1時間の散歩も。夜は友人とごはんに行くこともあるけれど、部屋で一人で過ごす時間が好き。お茶を淹れたり、読書をしたりしてリラックスする。 リラックス中のテーブル。翠さん「お茶を淹れたり、お香を焚いたり、ジャーナリングをしたりします。特にコーチングのお仕事では、感情や感覚を扱うので、心身の状態を整えておくのが大切です」 観葉植物でベッドとデスクをゆるやかに区切る私の部屋は6畳ほどの広さのうち、体感3分の2は植物が占めています。植物が暮らすお部屋に私がお邪魔している感覚ですね。限られたスペースですが、居心地がよくてほとんど一日中この部屋で過ごしています。 植物の数は10鉢で、すべて異なる種類。翠さん「自然に近い風景にしたかったので、あえていろんな植物を置いています」 ベッドとデスク兼ダイニングテーブルの間に植物を配置して、眠る場所とそれ以外の空間をゆるやかに線引きしています。家具で区切るほどの広さがない中での工夫ですね。 壁に近づくほど背の高い木を置いて、中間は低めの植物を配置しています。ベッドからもデスクからも植物が見えて、心地いいんですよ。 翠さん「寝る前や起きたときに緑が目に入ると、安心するんです。植物が見守ってくれている感じがして」 私が部屋づくりで意識しているのは、「ゆるむ」時間を作れるかどうか。ゆるむ時間をもたらしてくれるのが植物なんです。 部屋いっぱいに植物があることで、間違いなく仕事の質も暮らしの質も上がっていると思います。きっと、誰にもでも当てはまることではないかもしれませんが(笑) 特にお気に入りのエバーフレッシュ。翠さん「朝になると葉が開いて、夜になると閉じる。『ああ、生きてるんだね』って生命力を感じて好きです」始まりは、手のひらサイズのポトス今では緑あふれる我が家ですが、始まりは6年前に購入した手のひらサイズのポトス1鉢でした。 私はズボラなので、植物を迎えてもきっと枯らしてしまうと思っていました。でも昔から、木の下に寝転んで、そこから見上げる景色が大好きで。すごく癒されて、生きる力をもらえるんです。 だからやっぱり、家に緑を置きたい!と思ったんです。「ポトスは初心者でも育てやすいですよ」と聞き、迎えてみると本当に生命力が強くて! どんどん大きくなっていきました。 最初に迎えたポトスの現在。翠さん「ぐんぐん成長するので、何度も株分けしています。株分けしたものは、友人にもプレゼントしていて、別のお家でも元気にしているんですよ」 育てやすい観葉植物は他にもいろいろあり、少しずつ増やしていきました。植物と暮らすと「お、こんなところに新芽が」「あれ、いつの間にこんなに大きくなったの」と、生きているからこその変化に励まされます。みんなかわいい。 どれも水やりは週に一度、冬場は2週間に一度でも大丈夫なくらい強いです。私のズボラさを受け入れてくれている感じにも癒されています(笑)。 翠さん「アレカヤシやハッピーイエローなど。いろいろな特性の植物があるので、自分にあった種類を探すのがいいと思います。おすすめの観葉植物ショップは練馬にあるオザキフラワーパークさん。都内最大級の広さで種類が豊富です」 食事も仕事も、名作椅子×プチプラテーブルでお部屋の中で一番長くいる場所は、お気に入りの椅子です。テーブルとあわせて、食卓でもあり仕事場でもあります。 椅子は北欧のビンテージ家具です。インテリアの仕事に携わっていることもあり、名作家具と呼ばれるデザイナーズチェアに憧れていました。初めて一人暮らしをするときに「値段が高くても、長く使える気に入ったものが欲しい」と探しまわり、ネットで一目惚れした逸品です。 椅子に予算をかけた分、テーブルはIKEAのお手軽価格にしました。 椅子はNiels O. MøllerのModel 71。翠さん「名作と呼ばれる椅子でも、座り心地は人との相性に左右されます。『もし座り心地が悪くても、私はこの子を愛する』と、写真だけで購入を決めたのですが……届いて座ってみると、私の身体にピッタリ馴染んだんです!」PCの置き場と照明で、オンとオフを切り替える仕事も休息も同じテーブルで心地よく過ごすために、切り替えポイントが2つあります。PCの置き場と照明です。 まずPCの置き場。簡単なことですが、仕事中以外はテーブルからPCを下ろします。広さ的には出しておけますが、視界に入るとつい触ってしまうので。休むときはリラックスモードになれるように、見えないようにしています。 食事をするときのテーブル。翠さん「個人事業と設計事務所の仕事の間にごはんを食べることで、頭の切り替えになっています」 そして照明。日中はできる限り自然光で過ごしますが、照明をつけるときは、過ごし方に合わせて光の色温度を変えています。 仕事中は白っぽい昼光色、リラックスするときはオレンジがかった電球色に切り替える。よりリラックスしたいときは、間接照明だけで過ごすこともあります。同じ部屋にいても、光を変えるだけで、心身の感覚が切り替わりますね。 オレンジの光が落ち着く間接照明。翠さん「テーブルでのリラックスタイムで使うほか、軽くてコードレスなので、ベッドサイドへ持っていくことも」 自分を変えるのは難しい。だから、まずは部屋から変えてみる私にとって部屋は、自分の意思で気軽に変えられる場所。子どもの頃、家族との関係性が少しストレスになる時期に、模様替えをして気持ちが晴れたことがありました。 家具の配置を少し変えてみる。それだけで、不思議と気分を変えられるのがインテリアの魅力だと思います。 他人や自分自身を変えるのは難しいけれど、部屋はちょっとしたことで変えられますから。今のインテリアも、仕事がつらかった時期に「何か変えたい」と、見つめ直したのが始まりなんですよ。部屋が変わって、気分が変わって、自分が変わっていく。この順番なら変えやすいです。暮らしも仕事も心地いい方へ向かっていきました。 翠さん「部屋づくりのコツは、まず自分の価値観に向き合うこと。イメージ写真を集めるよりも大切です。“なんとなく憧れの部屋”もいいけれど、“人生で自分が大事にしたい時間”から部屋づくりを始めてみると、自分だけの心地よいお部屋がきっと見えてきます」 写真・間取りイラスト/朝倉翠 取材・文/平賀はつこ ライター/プランナー/ライフコーチ/キャリアコンサルタント 2017年に大学卒業後、EC事業会社へ新卒入社。2018年にフリーライターへ転身し、インタビュー記事を中心に執筆、編集。 2021年に広告会社へ入社。広告事業にて企画、進行、執筆、編集等に従事しながら、教育事業の立ち上げを担う。プライベートでコーチングを学び始めたのを機に対人支援の道を志し、2022年より再びフリーランスへ。同年にコーチングスクールを修了、国家資格キャリアコンサルタントを取得。以降、対人支援とクリエイティブの2軸で活動中。X:@8chyadeofficial Instagram:@8chyade

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フリーランス協会「中の人」

フリーランス協会事務局メンバーのキャリアを深掘り!!フリーランスがいかに十人十色か、お届けします!

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56歳で早期退職してフリーランスへ 。若い頃の夢も叶いました!【キャリア支援PJ/中野敦志】

フリーランス協会で働く人を紹介する「突撃!フリーランス協会の中の人」。 今回は、キャリア支援プロジェクトで会員へのキャリアコンサルティングや、50代向け座談会を担当する中野敦志を紹介します。 キャリア支援PJメンバー/中野 敦志<プロフィール> キャリア支援PJメンバー/中野 敦志(なかの あつし) 56歳まで株式会社千趣会に勤務。早期退職して57歳からフリーランスのキャリアコンサルタントとして独立。奈良市在住で、現在は奈良の職業訓練の求職者支援科目を担当。他には保護司をやりながら、保護観察者の就労支援するNPO法人の事務局長にも携わる。プライベートでは保護猫活動や保護猫シェルターで毎週10頭前後の保護猫のお世話をしています。 彼のいつもニコニコ、飄々とした立ち振る舞いは、「こんなふうに軽やかに人生を愉しめたらどんなにいいだろう」と思わせます。独立の相談にきた会員からも「イケオジ先輩」と慕われる中野に、外部ライターが突撃インタビュー! キャリアコンサルタントから保護司、モデル、ライターまでパラレルに活動中──中野さんはフリーランスのキャリアコンサルタントでありつつ、他にも肩書きを多数お持ちとのこと。モデル事務所にも登録されているとか……! 中野:仕事全体の5割ほどがキャリアコンサルタントですね。残りの2割が保護観察中の方の就労支援を行うNPOの事務局長、別の2割が職業訓練校の就職支援科目の講師でしょうか。あと1割のなかで、保護司や保護猫の活動、シニアモデル、ライター業などにも携わっています。 ──本当に幅広いですね。多岐にわたり活動されている中野さんが、お仕事選びの軸として大切にしていることは? 中野:「楽しく働いて、優しい社会をつくりたい」が私の理念なので、それに沿った仕事をしています。キャリアコンサルタントについては「職業自体」が理念に沿っているので、お声がかかれば全部受けていますね。中学校のキャリア授業での1on1のカウンセラーとして、自己肯定感を高める活動したこともありますよ。 介護士さんへのリーダーシップ研修で話している中野──中野さんが講師をされた講演で、参加者から「いままで自分は世代や環境を言い訳にしてきたが、それにとらわれず次の行動を起こそうと思った」とのお声があったと聞きました。相手にそんな変化を起こす中野さんは、カウンセリングや講演でどんなことを意識されているのでしょう? 中野:相手を変えよう、感動させようという気持ちは一切なく、「あるがままの自分をフルオープンにして関わること」を大事にしています。自分が落ち込んだ時のこともオープンに自己開示していく。「講師」や「年上」は上の立場のように見られがちだからこそ、そんな“講師のおっさん”が正直にさらけ出すカッコ悪い一面を聞くなかで、相手の方も自分のなかの「決めつけ」や「思い込み」が溶けていくのかもしれません。 「昔、憧れていたことをやってみる」という仕事の広げ方──モデルやライターのお仕事には、どんな経緯で? 中野:若い頃の夢を実現したのがその2つなんですよ。モデルは、大学時代に同人誌のモデルを頼まれたことがあり、誌面になったとき別人のように見えて感動したので、いつかまたやってみたい!と思っていました。 そんななか、数年前に知人から「雑誌のホームページで京都の散策特集がありモデルを探している。50代くらいでロマンスグレーの“イケおじ”知りませんか?」とメッセージが来たんです。そこで「僕じゃダメですか?」と返してみたら歓迎してくれ、モデルに挑戦できることになりました。 また撮影当日、ホームページの監修をされている方と車で雑談をしていたら「ライター募集もしてるんですが、中野さんは何のお仕事を?」と聞かれて。「キャリアコンサルタントです。キャリアのことなど書きたいと思っていたので、よかったらライターもやりますよ」と話したのが、ライターになったきっかけでもあります。 愛猫の四郎くんと。保護猫の活動も猫好きがきっかけそのモデルは単発で終わりましたが、その後コワーキングスペースで知り合った方からモデル事務所を紹介してもらい、いまはその専属シニアモデルとして登録しています。ライターとしては、Webメディアで「フリーランスと個人事業主の違い」等について書いたり、「葬儀の作法」という連載で52本の記事を担当したり。物書きにも大学生のときから憧れていたので、こちらの夢も叶いました。 振り返ればこれも全部、つながった人からいただいたご縁ですね。50代、60代になって新しい一歩を踏み出してみたいなと思ったら、「昔、憧れていたことをやってみる」も、発想を広げるヒントかもしれません。 40代後半に史跡巡り。「たかが100年の人生、なんでもやってみよう!」へ──モデルやライターのお話もそうですが、自分からアプローチする姿勢が、お仕事を広げてきた鍵のよう。積極的な性格は幼少期から……? 中野:小学校の頃はおとなしい、内向的な子だったんですよ。早生まれの一人っ子で、周りの男の子が怖くてよく泣いていました。会社員になってからも営業マンとしては思うように成果が出ず、悶々としていましたね。 入社8年後に情報システム部門に異動してシステムエンジニア(SE)になってからは仕事が自分に合ったのか、楽しくなって。ただSEとして23年間働くなかでマネージャーになったときは、管理職が自分に合わず、精神的に苦しくなって自ら降格を願い出ました。それまでは昇進していく夢を描いていたので、当時は「もう自分の社内のキャリアは終わった」と思いましたね。40代後半のころです。 そこで気分転換に、地元の奈良巡りを始めたんです。奈良には平城京があった1300年前の史跡が数々あり、眺めているうちにふと「1300年の歴史に比べたら、自分はたかが100年の人生。小さなことで悩んでどうすんねん」と解脱したような感覚になって。「“たかが100年”の人生なら、興味のあることはなんでもやろう」と積極的な姿勢になったのは、そこからです。 SEとキャリコンは、核となるスキルは一緒だった!──新卒から34年間働き続けた会社は大好きで、定年まで働き続けるつもりだったとのこと。“独立”の選択肢はいつごろから考えていたのでしょう? 中野:実は社内のキャリアを諦めた40代後半から、自分は役員にはなれないし、年収が大幅に減る60歳には独立するしかないだろう、観光タクシーのドライバーでもしようか、他には何ができる……?と模索していたんです。そのなかで出会ったのが、キャリアコンサルタントという仕事でした。 ──キャリアコンサルタントのお仕事に出会ったきっかけは? 中野:54歳で人事部に異動になり、社員のキャリア開発を担当することになったんです。何を勉強したらいいか考えていたとき、ちょうどキャリアコンサルタントが国家資格になったと聞き、養成講座に通い始めました。55歳でその講座に申し込んだのも、平城京で得た「なんでもやってみよう」マインドがあったからです。 その養成講座がもう、衝撃の体験で。受講生には主婦、看護師、大企業の管理職など多様な方々がいて、自分が知らない世界の広さを思い知らされました。視野の狭いキャリアコンサルタントになりたくなくて、そこからは「いろんな人とつながろう!」と、セミナーやコミュニティに積極的に顔を出すようになったんです。 ──23年続けてきたSEからキャリアコンサルタントへ。一般的には異業種、と感じますが、不安や迷いはありませんでしたか? 中野:実はSEとキャリアコンサルタントって、核となるスキルは一緒なんですよ。SEは業務要件を聞いて課題を整理し、プログラマにわかりやすく伝えてシステム化してもらう、つまり「対話」で課題を解決する仕事です。キャリアコンサルタントも同じで、相手のお話を伺って課題を整理し、こういう提案でどうでしょう?と対話をしていく。だから核は一緒なんですね。 そのことは、自分も実践するなかで気づいたんです。養成講座で他の受講生が「話を聞く」ことに苦戦するなか、「自分はなんでそれが自然にできるんやろ?」と不思議に思って。考えてみたら、「SE時代からずっと同じことをやってきたのか!」と気づきました。フリーランスになる際、キャリアコンサルタントの経験は2年しかありませんでしたが、その核となる「対話」のスキルは25年の経験がある、と自信が持てましたね。 56歳で会社を早期退職し、フリーランスへ──60歳の定年を待たずして、56歳で退職、翌年フリーランスになった背景は? 中野:早期退職の募集に手を挙げたことです。募集メールを最初に見たときはまったく辞めるつもりがなかったのですが、途中で意外と希望者が多いと聞き、自分も他人事ではないと思うように。「どうせ60歳で独立するなら、少しでも気力、体力のあるうちに動き出したほうがよいのでは?」という気持ちが日に日に強まっていきました。 ただ現実問題、生計を立てられるかは大事な視点なので、まずExcelでお金のシミュレーションをしてみたんです。早期退職の退職金と失業手当に加え、その後だいたい月にいくら稼げば、「60歳の定年まで残ってもらえる給料」と同じくらいになるだろうかと。 すると、子どもたちが独立し、家のローンがなく、家庭菜園をするなどライフステージの変化により、今後は夫婦二人で月に15万円あれば生きていけると気づいて。「15万円なら、たとえ再就職やフリーランスがうまくいかなくても、アルバイトで稼げる」と思えたことは、早期退職への背中を押す大きな要素になりました。 経験と人脈を広げた、1年間のキャリアブレイク──ご退職後から、フリーランスとして生計を立てられるようになるまで、どんなふうに動いてこられたのでしょう? 中野:まず1年間はキャリアブレイクとして、自分のことを見つめる期間にしようと決めました。1社のことしか知らないキャリアコンサルタントに誰も相談したくないだろうと思ったので、その1年でいろいろな人とつながり、いろいろな経験をしようと考えたんです。 自分が興味のあるセミナーやワークショップ、コワーキングスペースなどに出向き、自分を飾らずに話すことで、そんな自分に興味をもってくれる方との嬉しいつながりが広がっていきました。 若い人たちとのコラボから中学の同窓会まで。多様な仲間たちと!いま、私が7年間フリーランスとしてやってこれているのは、キャリアブレイクで出会えた方々のおかげ。携わっている仕事のほぼすべてが、そのときに出会った人とのご縁から生まれてきたものですね。 50代、60代から新しいキャリアに挑戦する人を応援したい──協会との出会いは? 中野:たまたま足を運んだ、働き方に関する講演会がきっかけです。講演会のゲストに、まりさん(代表の平田)も登壇していました。パラレルキャリアの話に刺激を受け、終了後に主催の方に感想を伝えて、Facebookの交換をしたんです。するとその1か月半後くらいに「今度フリーランス協会の関西支部を立ち上げるから、一緒にやりませんか?」とメッセージが来て。「やります」と参加して、いまに至ります。 関西のイベントにて、事務局の仲間と共に。──協会では「50代から考えるセカンドキャリア~フリーランス体験談共有会~」を担当されているとか。 中野:事務局メンバーで、同じく30年以上会社員を務めてフリーランスになった黒川さんと2人で、オンライン座談会を2カ月に1回開催しています。フリーランスになってよかったことや苦労したこと、具体的な仕事のスケジュール、お金の話まで、赤裸々に話していますよ。 独立というと、私と同世代では、「実力ある一握りの人だけが成功する」イメージを持つ方が多いと感じていて。だから私みたいに、23年やってきた職業とは違う仕事をメインにしたり、多様な肩書きを組み合わせたりしてやっているフリーランスもいる、という一例をお伝えしていきたいですね。 ──参加者からは、どんな質問が多いですか? 中野:やはり収入面での不安でしょうか。実際、最初から「稼ぐ」を目的にすると挫折しやすいので、資金ゼロ、貯金ゼロからのフリーランスはおすすめしていません。お金は後からついてくるものなので、ある程度は生活資金が必要という話もしています。ただ、先にお話しした生活コストのシミュレーションのように、50代、60代はライフステージの変化で、必要なお金も変わってくる時期。焦らず、まず自分の収支を見直してみるのがおすすめです。 60代以降も楽しく働き、自分らしく生きていける社会を──中野さんのように、長年会社員として働かれている方々にも、自律的な働き方が向いている方はいらっしゃるはず。選択は人それぞれだと思いますが、フリーランスに向いているのはどんな方だと思いますか? 中野:私は優秀な社員ではなかったけれど、会社員時代から仕事は自律的にやってきた気がします。例えば誰かに頼まれた資料をつくるときも、「求められたデータ以外にこれを入れたら参考になるかも」「もっとわかりやすくしよう」と自分で考えてつくることが好きでした。朝、会社に行くのが面倒くさいなら、そのモチベーションを上げるために、「朝一番、会社の人に会ったらめっちゃ気持ちよく挨拶したろ!」とか。 人からよく「中野さんはいつもご機嫌ですね」と言ってもらえるのですが、たとえつまらないことでも、自分の創意工夫で乗り切っていこうという考え方が、“ご機嫌”につながるのかも。置かれている環境のなかでも自分なりに工夫して楽しむのが好きな人は、裁量の大きいフリーランス生活を楽しめるのではないでしょうか。 ──今後、協会でやってみたいことは? 中野:「60代以降の人生設計を考えるコミュニティをつくる」ですね。ライフステージもライフスタイルも変化してきたなか、お金を稼ぐ仕事だけでなく、プロボノやボランティアも含めて、「自分が自分らしくいられて、社会的な関係も保っていける」ような世界づくりをしたいと思っています。 プライベートでそうしたコミュニティをつくろうとしたこともあるのですが、温度感を共有するのが難しく、挫折してしまって。それから時代も変わってきましたし、協会には会員の方々含め、同じ温度感で話のできる方々がたくさんいると思うので、実現していきたいですね! 【 私の道しるべ 】 「楽しく働いて、優しい社会をつくりたい」 フリーランスになったばかりのころは、「楽しく働く」だけをモットーにしていました。でもその言葉を繰り返し言うなかで、だんだん「自分だけ楽しくても意味ないやん」と思うようになって。 じゃあどんな「社会」がいいだろう?と考えたとき、幼いころから花や小動物が好きで、周りからも「あっちゃんって優しい子やね」と言われていたことを思い出したんです。子ども時代は無意識でしたが、「優しさ」は自分が大事にしてきたことだったんだなと気づき、理念に加えました。 それに、「楽しく働いたら、必然的に優しくなれる」と思うんですよ。働くことが楽しくないから、ギスギスしたり、他人を蹴落としたり、陰口を叩いたり……、そういうことにつながってしまうんじゃないか。そう思います。 いま、私は楽しく働いていますが、つまらなさそうに働く人の職場の愚痴を聞いていると苦しくなります。「働くってもっと楽しいもんやろ〜!」と思うので。だからやっぱり、一番は「楽しく働く」で、自分以外にも楽しく働く人が増えれば、社会はどんどん変わっていくんちゃうかな、と思うんです。楽しく、働いていきましょ! --- 物腰やわらかな関西弁で、飾らずフラットにお話くださる姿が印象的だった中野さん。そのオープンで柔軟なあり方が、お仕事の広がりや人としての魅力につながっているのだなと感じました。年齢や経験を重ねるとどうしても「枠の中」で思考するようになってしまう私たち。意識的に枠を疑い、柔軟でフラットにあり続けたいな、と思いました! ライター:渡邉雅子 PR会社勤務、フィジー留学を経て豪州ワーホリ中にライターに。帰国後ITベンチャー等を経て、2014年に独立。2016年より福岡在住。現在は糸島界隈を拠点にフリーライターやZINE作家として活動。趣味は多言語をゆるくつまみ食いして楽しむこと。 Web: https://masakowatanabe.themedia.jp/

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デザイナー、運用サポート、AI講座の講師。Webへの果てなき好奇心が導く、新たな仕事【マーケティング・開発PJ/松尾千鶴】

フリーランス協会で働く人を紹介する「突撃!フリーランス協会の中の人」。 今回は、フリーランス協会でWebデザインを担当する松尾千鶴をご紹介します。 マーケティング・開発PJメンバー/松尾 千鶴<プロフィール> マーケティング&開発メンバー/松尾 千鶴(まつお ちづる) Webデザイナー/講師。大阪を拠点に、2017年の独立以来、企業のWebサイト制作と運用支援を手がける。これまで、KADOKAWAドワンゴ情報工科学院、HAL大阪、京都芸術大学、大阪市職業リハビリテーションセンターのほか、自治体や商工会議所の研修などで講師を務め、デジタル活用の第一歩を後押ししてきた。15年の現場経験をもとに、Figma・WordPress・生成AIなど最新ツールを取り入れながら、「現場で本当に使えるスキル」を身につける実践的な指導を行っている。 海のような包容力と、どんな相手にも寄り添った機転あふれる返答で、事務局メンバーから人生相談を受けることも多いという松尾に、外部ライターが突撃インタビュー! Webデザイナーに加えて講師業も。きっかけは「教えるのが上手い!」と喜ばれたこと──松尾さんはWebデザイナーとして、制作から講師業まで広く活動されていると聞いています。お仕事の全体像を教えていただけますか? 松尾:大きくは3本の軸で活動しています。1つ目はWeb制作、2つ目はWeb制作やデザインを講師として教える仕事、そして3つ目が企業のWeb運用サポートで、ホームページやSNSを活用していきたい企業の伴走支援や、内製化のお手伝いなどをしています。 ──Webデザイナーとして制作業だけを行う選択肢もあると思いますが、講師として「教える」仕事も広がってきた背景とは? 松尾:20代のころ、一緒に働いていた人にあるソフトの使い方を教えていたとき、その人が「教えるのが劇的に上手い!」と言ってくれたんです。そのタイミングでたまたま「小さいスクールをやるから、教えてみる?」と声をかけられ、副業として講師をしたのが最初でした。その後、独立したタイミングで、職業訓練校の講師をやらないかと声をかけてもらったことから、講師業も大きな軸になっていきました。 商工会議所で講義をしている松尾──「教える」ことはもともと得意だったのでしょうか? 松尾:子どものとき、いわゆる“勉強”は得意ではなかったんです。教科書を1回読んだだけでは「わからない」側の人間。でも知的好奇心は旺盛で、「わかりたい」欲はあるんですよ。だから自分なりに調べたり、噛み砕いたりして、なんとか理解していくタイプでした。 Web制作を学ぶときも、賢い人は「公式ドキュメントを読むといいよ」と言うのですが、公式ドキュメントと呼ばれる専門文書は前提をすっ飛ばし、いきなり専門用語がたくさん登場します。私は、それを読んだだけでは「わからない」気持ちがわかるので、「すっ飛ばされている"ここ"も説明してほしいよね」を汲み取って、間を補完していくのが得意なのだと思います。 講義でも最初に、「私も散々質問をしてきた人間なので、皆さんも『こんなことを聞いたら恥ずかしい』と思わず、なんでも聞いてください」と伝え、心理的安全性を築くようにしています。そのかいあってか、安心感や包容力があると言ってくださる方が多くて、ありがたい限りです。 名刺や服装は自分の趣味で選ばない。「お客さん」の目線を意識する──講師として全国から声がかかるのも、企業案件でリピーターが多いのも、そうした安心感や信頼の積み重ねだと感じます。よい関係を築くため、お仕事のなかで意識されていることは? 松尾:独立当初、戦略的にやったことがあります。それは、名刺から「デザイナーっぽさ」をなくしたこと。独立したての個人事業主で自分の社会的信頼度が低いことを自覚していたので、信頼を得やすくするため、そのとき持っていた大企業の名刺を並べて、余白や配置、フォントやフォントサイズなどが大企業の名刺とマッチするようにしました。 ──なるほど……! まずは「経営者」や「ビジネスパーソン」としての信頼を得られるように。 松尾:はい。だから独立当初は、いまよりスーツを着ていることも多かったですね。いまでも、「デザイナーが話すセミナー」ならばクリエイターらしさを意識して少し派手な服を、ビジネスセミナーや企業訪問ならスーツを着ていきます。「お客さん側から見た“私”も、わかりやすくデザインする」ようにしています。 ──常にお客さんの目線を想像し、そこに合わせていく。制作関連のコミュニケーションでもそうした松尾さんのあり方が生かされていそうです。 クライアント視点で仕事ができるのは、発注者の経験があるから松尾:私は制作会社の中にいた経験がなく、Webサイトの発注側にいることが多かったんです。だから当時感じた疑問やもどかしさなど、発注側の立場を想像しながらクライアントとコミュニケーションをとれることで、重宝がっていただけることが多いようです。 ──発注者の要望を汲みとった仕事をすることはフリーランス読者としても重要だと思いますが、その心構えやヒントをいただけますか……? 松尾:一般的な制作会社は仕組み化されているため、クライアントごとに対応を大きく変えることは難しいと思います。一方で、私は個人で受注している分、「どんなクライアントにも合わせられる」強みがあると考えているんです。 例えば最近、「新規事業を立ち上げたからホームページを作りたい」と相談くださった90歳のお客様は、デザイン案をご確認いただくにあたり、オンラインでのコミュニケーションが難しい状況がありました。 いろいろと考えた末、制作したホームページの全体を分割してA4用紙に印刷し、それらをテープで貼り合わせて蛇腹に折りたたみ、レターパックでお送りしたんです。目も見えにくいと伺っていたのでなるべく大きく印刷し、横に余白をとって、手書きで赤入れをしていただけるようにしました。 クラインアントが紙面上で確認できるように、A4用紙をテープで貼り合わせて郵送!「手間がかかる仕事は受けない」という人もいるかもしれませんが、私はそれが嫌ではないんです。むしろ、相手によって、自分の立ち位置も、コミュニケーションの形も調整していくことに楽しみを見出すタイプだと思います。 「自分が一番下手」と思える環境にいたから成長できた──Webデザイナーになるまでのキャリアについてお聞かせください。 松尾:ファーストキャリアは内装会社の事務でした。最初はパソコンの電源の消し方もわからないところからのスタート。少人数だったので、展示会のチラシ制作を任せてもらうことになり、Illustratorなどデザイン関連ソフトの使い方を教えてもらったり、独学で自社ホームページの一部更新に挑戦したりするうち、パソコンから広がる世界のおもしろさに惹き込まれていきました。 そんな折、知人から「Webデザイナーという仕事がある」と教えてもらい、職業訓練校に通ってWebデザインを学んだんです。その後はITサポート会社に就職して3年ほど、WebデザインやECサイト運営を担当しました。当時の社内にはWeb制作の細かな疑問を聞けるような先輩はおらず、自分ひとり。でもそのECサイトを急成長させることに成功して、やりがいを感じましたね。 ──身近に質問できる先輩がいないなか、Web制作やデザインのスキルはどのように磨いていかれたのでしょう? 松尾:わからないことを自分で調べるのはもちろん、いろいろなIT関連サービスの公式コミュニティが開催する対面の勉強会によく足を運びました。そうした勉強会には一流のデザイナーが集まり、レベルの高い話が飛び交っていて。駆け出しデザイナーの自分がその場にいることは、緊張感や怖さもありました。 でもいま振り返ると、あのとき一流のデザイナーと自分の「現在地」の差を思い知り、「自分が一番下手だ」と思える場にいられたことは本当にラッキーだったと思うんです。仮に自分よりレベルの低い人とばかり一緒にいて安心していたら、いまの自分はいなかった。いつも上を見る環境に恵まれていたから、自分の力を必死に磨き続けることができたと、心から思います。 独立する前は、実績づくりを重視。無料でも仕事を引き受けた──独立するまで、ほかにどんな活動をしていましたか。 松尾: 友人知人に「Webデザイナーになった」と伝え、無料でもいいからと頼んでWebサイト制作をしていました。次の就職活動をするためにも実績がほしかったからです。結局、夜中に泣きながら作ることになるのですが……、実践でしか学べないことも多いので、「作って勉強」「勉強会で勉強」の二軸を回してスキルを磨いていきました。 その後転職し、大手建築系企業のインハウスWebデザイナーになりました。前の会社でECサイトを成長させた経験から、事業に寄り添ったWebを育てるのが楽しいと感じていたからです。そのとき派遣社員という働き方を選んだのは、副業を続けたかったから。会社で働きつつ、勉強会に通いつつ、個人でWeb制作などを受けていました。 ──会社で働きつつ、副業しつつ……というワークスタイルから、フリーランスになったきっかけは? 松尾:派遣の契約は3年なので、2年目の終わり頃からじっくり次の会社を探そうと思っていたら、たまたま知人から「後任を探している」と講師の仕事の打診が来たんです。そろそろ新しい環境に身を置きたい気持ちもあったので講師の仕事を受けることにしたのですが、実はそれが雇用ではなく業務委託契約で、かつ週2、3回の仕事だと、決断してから知りました。 ならば残りの時間で別のことをしようかと思ったのですが、偶然Web制作の依頼が重なり、「制作案件が落ち着くまでは一時的にフリーランスで、次に時間が空いたらまた就職活動しよう」と考えました。 そこでコワーキングスペース受付アルバイトをしながら、週に2〜3日は講師をし、その他の時間で個人のWeb制作案件を進めて……と働いているうちに、そのまま個人事業がメインになっていった感じですね。 ──そのまま独立を選ぶ形になったのはお仕事の依頼が絶えなかったからこそだと思いますが、営業活動などもされていましたか? 松尾:依頼を受けるのはほぼ人の紹介です。人と会うのが好きなので、いろいろな人が集う環境に身を置くようにし、会う人、会う人に「自分はWebデザイナーです」と伝えていたことが、功を奏したのかもしれません。アルバイトをしていたコワーキングスペース経由でも、制作の依頼を受けたりしました。 クリエイターとしてはめずらしいタイプだと思うのですが、初期のころから、経営者向けの会合にも1つ〜2つ参加して交流を増やしていました。いまでもときどきは勉強会に足を運んだり、同業の人たちが集まるコミュニティ施設へ出向いて新しい技術について語り合える人に会ったり。人に会うこと、インプットし続けることを大切にしています。 特設ページやバナーの制作を担当──フリーランス協会との出会いは? 松尾:独立を考えていたころ、新聞でフリーランス協会のことを知りました。その後、別の交流会で知り合った人が協会の事務局メンバーだったご縁で、関連の集まりに参加し、いつのまにか自分も事務局へ。 それが初めてのIPF(Independent Power Fes)があった年で、そのイベントの特設ページを初めて作らせてもらったことが印象的でした。スケジュールはタイトでしたが、代表理事のまりさん(平田)の指示がびっくりするくらい的確で、気持ちのよいスピード感で仕事ができて。まりさんに対して「このテンポの軽快な人、おもしろい」と思ったのを覚えています。 ──協会では普段、どんなお仕事を担当されていますか? 松尾:マーケティングチームで運用している広告のLPをつくったり、バナーを作ったりすることが多いですね。 例えば、2024年のフリーランス新法の施行にあわせて「特定フリーランス事業向け特別加入制度」が始まったのを機に、協会でも「フリーランス労災保険組合」を立ち上げて加入受付をスタートした際には、その特設サイトを作ったりもしました。 フリーランスのための労災保険|フリーランス労災保険組合多様な職種のフリーランスのための労災保険組合。最安値の事務手数料でオンライン完結で加入でき、フリーランス協会の多彩な優待をlp.freelance-jp.org 会場が熱気に包まれた、IPFのAI活用講座──IPFでは、2024年にデザインツール活用、2025年にAI活用講座の講師を担当され、大好評だったとか。 松尾:盛り上がっていましたね! AI講座では、私からも「AI活用の10のポイント」などをお話しましたが、それ以上に、最後に時間を設けた参加者同士のトークが予想以上に盛況でした。 業種ごとに別れてテーブル席に座ったので、皆さんAIについての悩みや喜びを分かち合っていて。会場の温度感が高かったです。協会としてそうした場を用意できてよかったなと思いますし、次の機会にはもっと参加者間の対話時間を増やしたいな、と思いましたね。 2025年のIPFで登壇。参加者の皆様から好評でした!──協会に関わるやりがい、今後やってみたいことなどお聞かせください。 松尾:協会の事務局メンバーは、思考を深堀りしたり言語化することに慣れていて、物事をどんどん動かしていく実行派が集まっていると感じます。 みなそれぞれ分野は違うのに、自律した個が集まっている独特のフラットさがあり、全員にとって仕事がやりやすい「土壌のよさ」がある。自分もそのいい空気を絶やさずに仕事していきたいし、AI講座のように自分のスキルが役立つことがあれば、今後もどんどんやっていきたいですね。 【 私の道しるべ 】 「いいようにとる」 思ったとおりにいかないこと、うまくいかないなと感じることも、とりあえず1回は「いいようにとる」ことを信条にしています。 特にSNSやメールなどのテキスト・コミュニケーションは人によって捉え方の違いが大きく、摩擦が起きやすい面も。だからこそまずは「いいように」解釈します。 例えば、ぶっきらぼうな文面を受けとったら、「忙しくて言葉が荒くなっちゃっただけかも」。なかなか返信が来ないなら、「他のことが立て込んで忘れているだけかも」。そう考えて行動すると、自分が嫌な気持ちを増長させることもなく、相手を攻撃することもなく、両者ハッピーで円滑に進むことが多いんです。 逆に同じようなとき、「悪いようにとる」とどこまでも悪く解釈できるし、それによって自分が落ち込んだり、イライラしたりしてしまう。でも、本当は相手にそんなつもりがないとしたら、その落ち込みやイライラがもったいないと思いませんか? 振り返れば、デザイナーになる前の自分は思考を深堀りする習慣がなかったぶん、本来は気にしなくてもいいようなことに凹んだり、場当たり的にイライラしたりして自分を傷つけたりしていたような気がします。デザインを学び、多角的に物事を見るようになったからこそ、「こっちの視点からなら違って見えるな」と、気付けるようになったのかもしれません。 --- “閉じない”。Webというオンラインのプロフェッショナルでありつつも、常にリアルでいろいろな人とつながりながら、3つ4つの車輪を回し続けている──そんな松尾さんのあり方が心に残りました。 人と会うこと。学び続けること。家で一人で完結できる仕事だからと引きこもらずに、今年はもっと外に出てオフラインの交流も増やして行こう!と喝を入れてもらった気持ちです。在宅ワーカーなみなさん、ぜひご一緒に。 ライター:渡邉雅子 PR会社勤務、フィジー留学を経て豪州ワーホリ中にライターに。帰国後ITベンチャー等を経て、2014年に独立。2016年より福岡在住。現在は糸島界隈を拠点にフリーライターやZINE作家として活動。趣味は多言語をゆるくつまみ食いして楽しむこと。 Web: https://masakowatanabe.themedia.jp/

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講師をやるにはフリーランスしかなかった!育休後のモヤモヤがキャリアの転機に【キャリア支援PJ/渡辺朋子】

フリーランス協会で働く人を紹介する「突撃!フリーランス協会の中の人」。 今回は、キャリア支援プロジェクトで、フリーランスのキャリア相談に対応できる支援者の育成や、社会に出る前の学生向け支援を行っている渡辺朋子をご紹介します。 キャリア支援PJ・ジョブ創出PJメンバーの渡辺 朋子<プロフィール> キャリア支援PJ・ジョブ創出PJメンバー/渡辺 朋子(わたなべ ともこ)(株)インテリジェンス(現:パーソルキャリア(株))の人材派遣・アウトソーシングサービスで、法人営業、キャリアアドバイザー、マネジメントに携わる。その間、新チームの立上げ、新規事業立上げを経験。2度の産休・育休を経て、企業向けアセスメントサービスの営業支援や、法人向け階層別研修の企画運営に携わる。現在はフリーランスとして、大学生を対象としたキャリア授業や就職活動対策講座の講師・カウンセラーとして活動中。 身長は高く、腰は低い! 物腰は穏やかながら、ピュアで真っ直ぐな情熱に溢れた体育会系の渡辺に、外部ライターが突撃インタビュー! 大学生向けのキャリアデザイン講師として──こんにちは。早速ですが、いまのお仕事の全体像を教えていただけますか? 渡辺:フリーランスのキャリア講師・カウンセラーとして働いています。大学生向けの活動に力を入れているので、働き方は季節によって差がありますね。4月から9月は月曜から土曜までが大学の授業で埋まることも多く、仕事の8、9割を占めます。 年間を通して考えると、仕事の6割ほどが大学での授業でしょうか。そのほか、学生のキャリアカウンセリング面談を行うこともあります。大人向けでは、東京都による「女性しごと応援ナビ」のキャリアカウンセリングなども行っています。 加えてフリーランス協会では、キャリア支援プロジェクトメンバーとして国家資格キャリアコンサルタントの更新講習の開発や学生向けの講演などを担当しているほか、ジョブ創出プロジェクトで求人ステーションの対応もしています。 ──幅広いですね!まず「国家資格キャリアコンサルタントの更新講習」の講座づくりから教えてください! 渡辺:はい。キャリアコンサルタントの方が資格を維持するためには厚生労働大臣が指定する更新講習を一定時間数以上受講・修了する必要があります。その更新講習を提供する会社は多いのですが、フリーランスのキャリア支援を扱った講座はなかったんです。そこでフリーランス協会が取り組むことになりました。 事務局メンバーには、フリーランス当事者かつキャリアコンサルタントとしてさまざまな経験を持つメンバーも多いので、特別チームを結成し、それぞれが接してきた事例のエッセンスを抽出して組み合わせるなど、私たちだからこそ考えられる“リアルな事例”に力を入れた講座を作成しました。 技能講習6時間分が認定される、国家資格キャリアコンサルタント向けの更新講習例えばフリーランスは「働き手でありながら、経営者でもある」立場が特徴的です。一般的なキャリアコンサルティングでは「そこは経営相談へ行ってください」と切り分けるような内容も、キャリアと事業が地続きなので、スパッと切り分けられるとは限りません。そうしたフリーランスの複合的な悩みをキャリア視点でどう整理していくかといったケーススタディもあります。 また、これからフリーランスになりたい人への支援も必要です。「案件がなくなれば収入もなくなる」などリアルな面も含め、メリット・デメリットの両面を理解したうえで選択することを支援できるようになることも意識しました。 ──受講された方からの反響はいかがですか? 渡辺:「フリーランスに特化した事例でのロールプレイが新鮮で学びが多かった」など、自分たちもこだわったリアルな事例でのケーススタディを評価いただき、嬉しく感じています。 また事例では様々なタイプのフリーランスを扱うことを意識したところ、「フリーランスは“自分に自信があって独立していく人”だとばかり思い込んでいた自分に気づけた」というご感想もいただきました。フリーランスの多様なあり方についても少しずつ、お伝えできているようです。 ──フリーランス協会が行う大学生向けの講演とは、どんなものでしょう? 渡辺:一般的に、大学生は卒業後に就職するイメージが強いと思うのですが、ファーストキャリアとして個人事業主を選ぶ人も一定数います。特に、芸大や音大、専門学校などに通うアーティストやクリエイター志望の学生は、その職種を選んだ時点で雇用される道がほとんどない場合もありますので…。 そうすると、学生たちはフリーランスや事業経営者としてのマインドを学ぶタイミングがないことになります。ですから、学生のうちから仕事やお金の管理、法務、税務、ライフプランなど、フリーランスとして働くために必要な基礎知識やマインドをお伝えする講座を提供することになりました。 美術大学で講義中の渡辺学生向けに講座を行うときに大事にしているのは、「私たちは決して、フリーランスを推奨したいわけではない」とお伝えすること。 私もいまはフリーランスですが、それが成り立つのは会社員時代に受けた教育や、積ませてもらった経験があるからです。学生には、「同じ道をたどらなくてもいいけれど、ファーストキャリアでフリーランスになるなら、その部分をどう補うか、の視点は大事だよね」と伝えています。 【専門学校・大学向け】フリーランスという選択肢を知るキャリア講座のご紹介 | フリーランス協会ニュース多様な働き方が広がる中で、職種によっては、ファーストキャリアとしてフリーランスを選択するケースも見られます。また、就職後にblog.freelance-jp.org 人生は「自分で考え、自分で選ぶもの」と伝えたい──多くの大学生と接する朋子さんから見て、いまの学生たちはキャリアを考えるうえでどのような傾向にあると感じますか? 渡辺:いまの学生は、「情報」はもうたくさん持っているんですね。一方で、そこから何をどう選ぶか、どう自分ごとにするのかの部分で困っている学生が多いと感じます。中には、困っていることに気づいていない学生もいます。 だから私の講義では「伝えて終わり」にしないよう心がけています。大切にしているのは「自分の人生は自分で考え、自分で選ぶ」意識を持ってもらうこと。ワークでは、「自分が大事にしていることは何か」を考えてもらったり、学生同士で意見交換したりと、主体的に考える時間を作るようにしています。 またIT系やクリエイター志望など、プロフェッショナル志向の学生たちは、「どんな仕事をやるか、どんな職業に就くか」は考えていても、“雇用形態”まで考慮していない場合が多いと感じます。仕事の満足度を高めるには、働く環境も重要。ですから、フリーランスのメリット・デメリットはもちろん、組織で働くことを選ぶ学生には、求人票の確認ポイントも伝えています。 育休後のモヤモヤを機に、自分の仕事を見つめ直す──いまのお仕事につながる背景も伺ってみたいのですが。まず、新卒で人材サービス会社に入られたきっかけとは……? 渡辺:情報数理系の大学に通っていたので、周りはエンジニアになる人が多かったのですが、自分はちょっと違うなと感じていました。学生時代のアルバイトで接客が楽しかったので、人と関わる仕事がよさそうだなと。 そんななか人材系の会社を知って、興味を持ちました。自分は一つの人生しか生きられないけれど、いろんな人の就職や転職といった転機に立ち会えたら、自分の人生の引き出しも増えていくようでおもしろそうだと思ったんです。 ──人材サービス会社には14年ほど勤務され、法人営業やキャリアコンサルタント、マネジメントや新規事業の立ち上げまで広く携わられたとのこと。大学生向けの支援に力を入れ始めたきっかけは? 渡辺:もともとは全然、そんな考えはなかったんです。20代は体育会系の営業で昼夜を問わず働くハードな毎日でしたが、やった分だけ成果がついてきて、周りも評価してくれたりする環境を楽しんでいましたね。 人生が転換し始めたのは、長女を授かった30歳くらいのころから。いまでは、「激務を抱えすぎていた自分を長女が引き戻してくれたのかもしれないな」と感謝していますが、当時は新規事業のマネジメントの立場にいたなか、突然の妊娠で自分も周囲も衝撃があったと思います。 急に産休に入ることになってしまった背景や時短勤務の希望もあり、一人目の育児休暇からの復帰後は、なかなか希望の仕事に戻れない状況がありました。 「自分は何のために働いているんだろう。このままでいいのだろうか?」と、悶々とした思いを抱えて働くようになったのはそのころからです。 二人目の育休の際、「本当に気持ちを入れて働けることはなんだろう」と考えて思い出したのは、人材派遣の仕事で出会ってきた方々の顔でした。そこでは、「ここで不採用になったら路頭に迷う」「職歴多数で希望の仕事先に内定がもらえない」といった方々を本当にたくさん見てきていたこともあり、「どうしてこんなことになるんだろう」と当時から課題感をもっていたことを思い出しました。 そのとき、「ああ、やっぱりこの状況は社会に出る前の若年層に、自分の将来を考えて選ぶ力をつけていかないと解決しないし、自分はそこに経験やエネルギーを注ぎたい」と思ったんです。 最近はお子様の応援三昧の週末を過ごしているのだそう!やりたい仕事をする方法が、結果的にフリーランスだった──そこから、フリーランスのキャリア講師として働かれる現在までの道のりは? 渡辺:若年層の支援がしたいとの思いから、二人目の育休復帰前に、大学向けのキャリア教育や就職支援などを行うグループ会社への出向を希望。お世話になった上司がそこで働いていたので、直接かけあって機会をいただくことができました。 ただ時短勤務を希望したこともあり、配属先は大学事業にはなりませんでした。自分も納得して別の部署で働いていたものの、近くでは学生向けの講義をしているのに自分はできない状況はもどかしかったですね。また、実際に学生向けの講義をしているのは外部のフリーランス講師の方々だということも、そのときに知りました。 そんな折、会社の研修で、高校生たちに自分の仕事体験を話す機会があったんです。頷きながら真剣に聞いてくれている生徒の表情を見たとき、「あ、これだ!」と心のなかでハッとしました。 私はやっぱり、若者たちのこういう表情にもっと出会える仕事がしたい。それが会社でできないなら、どうすればできるのだろうと考えて行き着いた先が、結果的にフリーランスだったんです。 積み上げたものは必ず自分の糧になる、と信じて──独立から、どのように仕事を軌道にのせていかれましたか? 渡辺:初めは前職のグループ会社から仕事をもらい、指示された学校に行って講座を担当させてもらいました。そうして行った先で、諸先輩方や同業の方々と出会い、自分から「もっと仕事がほしいんです」と口に出して言うことで、つながりでいただけるお仕事が増えていきました。 フリーランスになってからの数年間は、よほどスケジュールの都合がつかないことでない限り、「基本的に目の前にきた仕事は迷わず受ける」と決めていて。そうやって少しずつ実績を積むうち、リピートのご依頼や、新しいご縁をいただけるようになっていきましたね。 ──お話の端々から、潔さや覚悟、行動力を感じます。そうしたご自身の性質は、どのように培われてこられたものなのでしょう? 渡辺:「自分がやってきたことは裏切らない」感覚は、幼少期からの父の影響があるように思います。父は自営業でお店を営む傍ら、友人たちに頼まれて家庭教師もやるような人で。私も数学を特訓させられたのですが、見たいテレビも我慢して“やらされている”感覚が強く、嫌だったんです。 でも結果的には数学ができるようになり、点数がとれると自分も楽しくなって、情報数理系の学校に進むなど、進路に大きな影響がありました。 仕事も子育ても全力投球!写真は、地域コミュニティでの集まりにて「石の上にも三年」といいますが、積み上げてきたものは着実に自分の糧になる。フリーランスになってからの数年間、仕事を断らず実績を積んでいけたのも、経験としてその感覚を信じられていたからだと思います。 また高校時代の部活のコーチからはよく、「頑張ったふりをするな」と言われましたね。努力しているかどうかは自分で決めるんじゃなく、周りが見て決めることだよと。それを私は、「自分で限界を狭めて、努力したつもりになっちゃだめだな」と捉えたんです。「自分が本当に納得できるところまでやったかどうか」は、いまも自分の軸になっています。 自分をアップデートして、守備範囲を広げていく──協会との出会いは? 渡辺:人材サービス会社時代の先輩が事務局メンバーにいたご縁で声をかけてもらい、私も3、4年前から関わるようになりました。 ──協会に関わって感じる、やりがいや楽しさとは? 渡辺:フリーランスになって7年ほど経ちますが、長く続けるほど「自分をアップデートして、守備範囲を広げていくこと」の大切さを感じます。そうした挑戦の積み重ねが、フリーランスとしての自分らしさにつながっていくんだなと。 協会では大学関連の話があれば私に相談をもらえることが多いので、「いまできること」にとどまらず、「斜め上くらいにあること」にチャレンジする機会をいただいています。更新講習の開発もその一つですよね。 また自分とは異なる職種のフリーランスの方々と出会い、協働できる環境も魅力です。多方面で自分をアップデートする機会をもらっています。 ──今後、協会でやっていきたいことは? 渡辺:協会の学生向け講座は働き方が多様化するいまの時代、ますます必要性が高まる内容だと感じています。まだ外部へあまり広報できていないので、今後はもっと広くお届けしていきたいですね。 またキャリアコンサルタント更新講習ではひとつの講座を完成させましたが、フリーランスの多様性を考えると現講座だけではカバーしきれないテーマもあると感じています。そうした事例を切り出して、スピンオフ的な別講座の作成にも挑戦してみたいですね。 【 私の道しるべ 】「やってやれないことはない、やらずにできるわけがない」 子ども時代から父にずっと言われていたのが、有名な「為せば成る 為さねば成らぬ何事も」という言葉。少なからずその影響は、私のなかにあると思います。 ただ私は「努力したら必ず結果がついてくる」とは思っていなくて。時にはどうしてもうまくいかないことだってあると思います。だからより自分の気持ちにフィットするのは「やってやれないことはない、やらずにできるわけがない」ですね。 周りからはポジティブに見られることが多いですが、私もいろいろと不安や心配は抱えています。ただ、何かに迷ったときはいつも、最終的には「まだやってもいないのに、結果なんかわかるわけないよね」というマインドに行き着くんです。 最初の一歩だけでもいいから、まずチャレンジしてみてから判断する。もしそれでうまくいかないなら、そこから次を考えればいいんです。 「やる前からあきらめるのはナシだよ」。誰かのご支援をするときも、自分に対しても、その気持ちは常に持っています。 --- 学生のころ、ライフステージやキャリアの変遷について深く考えることなく後に苦労した自分として、朋子さんの手がける大学生向けの授業の意義や尊さをひしひしと感じつつお話を伺いました。 キャリアに“正解”はなく、大切なのは自分で考え選ぶこと。選びたい選択肢があるなら、自分からとりに行くこと。そんな力強いメッセージと説得力が伝わってくる取材時間でした。考えて、選んで、アップデートして……ループを回しながら、我らも自分らしさを磨き続けてゆきたいものです! ライター:渡邉雅子 PR会社勤務、フィジー留学を経て豪州ワーホリ中にライターに。帰国後ITベンチャー等を経て、2014年に独立。2016年より福岡在住。現在は糸島界隈を拠点にフリーライターやZINE作家として活動。趣味は多言語をゆるくつまみ食いして楽しむこと。 Web: https://masakowatanabe.themedia.jp/

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安定よりも「心が動くか」。外資金融・コンサルを経て「ユニット」で社会課題に挑む【マーケティングチーム/佐藤理恵】

フリーランス協会で働く人を紹介する「突撃!フリーランス協会の中の人」。 今回は、マーケティングチームで会員向け施策や情報発信の反響を定量・定性分析している佐藤理恵をご紹介します。 マーケティングチームメンバーの佐藤 理恵<プロフィール> マーケティングチームメンバー/佐藤 理恵(さとう りえ) 岡山県岡山市出身、小さい頃の夢は「美容師か国連職員」、公認会計士として個人事務所を経営する父の姿を見て育つ。外資系証券会社の投資銀行部門にて、企業のM&A・資金調達アドバイザリー業務に従事後、外資系戦略コンサルティング企業にて、企業の戦略立案・実行サポート業務で経験を積む。2015年より独立し、非営利組織・スタートアップなどを中心に支援。現在、三児+1匹(犬)の母。 常に前を見て走り続ける(走りっぱなし)タイプが多めのフリーランス協会事務局ですが、佐藤の参画で「数字を見て振り返る」ことができるようになりました。 いつもニコニコ、チャキチャキ、キビキビと、ユーモアを交えながらミーティングを仕切る安定感で仲間に頼られる佐藤に、外部ライターが突撃インタビュー! NPOやスタートアップの戦略コンサルティング──こんにちは。理恵さんは外資系戦略コンサル会社に勤めた後に独立され、今年でフリーランス10年目とのこと。いまのお仕事について教えていただけますか? 佐藤:いまはフリーの戦略コンサルタントとして活動していて、社会的意義を感じられて、理念に共感するNPOやスタートアップ・中小企業などに伴走し、経営課題を解決するお手伝いをしています。 具体的には事業戦略の策定から、組織設計、人材育成の実務的なサポートまで、その組織のニーズによって柔軟に経営まわりの業務を行っています。 ──幅広いですね。おひとりで受けているのですか? 佐藤:ひとりで受ける案件もありますし、前職出身のフリーランスの友人と「Crescendo」というユニットを組んでいるので、内容によっては2人で動くこともあります。 フリーランスでチームを組むことの魅力──フリーランス2人のユニットというあり方、面白いですね。チームを組むメリットは、どんなところにあると感じますか? 佐藤:ひとつは、お客様に対して「穴がない」状態でサービスを提供できること。たとえば私は3人の子ども、相方には2人の子どもがいるのですが、出産時期と重なりそうなご相談は予め「この時期はもうひとりが対応します」と説明しておくことで、穴を開けずに対応することができました。出産に限らず、自身や家族の体調などで動けなくなることはあるので、その面でも安心です。 もうひとつはクオリティです。コンサルティング業務においてクオリティを高めるために欠かせないのが多角的な視点。相方がいるおかげで、「私はこう考えるけれど、あなたはどう考える?」と議論した内容をクライアントに提案できるのは圧倒的なメリットです。また、お互いの得意分野が異なるので、案件によってそれぞれ得意な分野で役割分担をすることもできます。 高収入だけを目指すなら、ひとりのほうが効率が良いと考える人もいるかもしれません。でも、2人だからクオリティを高められたり、穴を開けない信頼関係を築くことができる。それが、付加価値につながっていると思います。 中学受験の伴走と、フリーランスという働き方──3人のお子さんがいらっしゃるとのこと。休日はどんなふうにお過ごしですか? 佐藤:千葉に住んでいて、車で10分ほどのところに港や公園があるので、子どもたちを連れてのんびり過ごしたりしています。ただ、長女の中学受験があった年は、あまり家族で外出はできなかったですね。 休日は、3人のお子さんと愛犬を連れて公園で過ごすのだそう!──お子さんの中学受験をきっかけに会社員が難しくなり、フリーランスになる方もいらっしゃいますよね。お仕事との兼ね合いはどうでしたか? 佐藤:平日に動かなければならないことが想像以上に多いので、「これ、会社員だったらどうやって成り立たせるんだろう?」と感じましたね。夫婦で相談して少しずつ休みを取らないと、対応が難しいだろうなと。 その点、自分はフリーランスでスケジュールの自由がきくのがありがたかったです。夫は外科医で労働の拘束時間が長いので、平日対応が必要な学校の説明会や手続き、入試の付き添いなどは基本的に私が担当しました。そのぶん、夫は休日に下の子2人と全力で遊んでくれましたね。勉強面では夫が理系担当、私が文系担当と役割分担しました。考えてみたら、これも2人チームの形ですね。 ニュージーランドで3週間、子連れワーケーション──晴れて中学受験を終えられた昨年の夏はどんなふうに過ごされましたか? 佐藤:昨年の春に、長女が中1になり親離れを感じる一方で、末っ子は小1になり、我が家にはもう未就学児の「ちっちゃい子」はいないんだ、とハッとして。まだ小学生の下の子たちと一緒にいられる時間を大切にしたいと、昨年の夏は子どもたちを連れてニュージーランドに3週間ほどワーケーションに行ってきました。 3週間過ごしたニュージーランドにて。──楽しそうです! お子さんたちとどんなふうに過ごされたんでしょう? 佐藤:長女は現地の別の家にホームステイをして別行動、夫は仕事の都合で最初の1週間だけの滞在だったので、基本的には小学生の子ども2人と、キッチン付きの小さな部屋に滞在しつつ、子どもたちは現地の学校に通学し、私はその時間にリモートワークをするなどして過ごしました。 ──ニュージーランド滞在時のリモートでのお仕事はいかがでしたか? 佐藤:ニュージーランドは時差が3時間なので、すごく働きやすかったです。通常対面で行っている業務は事前に調整しておいたので、問題ありませんでした。海外ワーケーションをすぐに実行できるのも、いまの働き方あってこそだなと思います。 父の教えに従い、徹底的にスキルを磨いた20代──そんな理恵さんのいまに至るまでの経緯も伺っていきたいのですが、まず、ファーストキャリアはどのように選ばれたのでしょう? 佐藤:仕事観の原点は、父の教えです。公認会計士として地元の岡山県で個人事務所を営む父に「自分にしかできないことを考えろ」「ひとりでも稼げるように能力を身につけたほうがいい」と言われながら育ちました。 ですから、就職活動の時の父からのアドバイスは「会社に所属しないと機能しない人間は会社の倒産など何かあったときに困るから、何かしらプロフェッショナルなスキルを追求できる環境がいいよ」でしたね。教えが一貫していますよね(笑)。 私自身は、中学生の時に日本初の国連難民高等弁務官として活躍する緒方貞子さんのニュースを目にし、「自分もいつか緒方さんのように国連で働きたい」という思いを温めていたこともあり、外資系の投資銀行ならば、その先で留学や、世界銀行で働く方も多くいるので、まずはスキルを身につけよう、と考えて外資系の投資銀行に入りました。 ──留学なども視野に入れていたなか、金融からコンサル会社に転職した理由は何だったのでしょうか? 佐藤:紆余曲折あって転職活動を始めたのですが、コンサル会社への興味が湧き、試しに面接を受けてみました。そうしたら、面接が楽しくって! 上司が仮プロジェクトを設定して、「なぜそう考えたの?」「お客さんにどう提案する?」と議論を進めていくのですが、その議論が面白かったんです。 外資系企業で働くハードさは知っていたので、またあの生活に戻ることに戸惑いもありました。でも、「2社目で何のスキルを身につけるか」を決めて、それを身につけよう!という気持ちで飛び込みました。 ──実際、コンサルではどんなスキルが身についたと感じますか? 佐藤:コンサル時代は何よりも、「考える力」を徹底的に鍛えられました。会議で「〜と思います」と発言したら、先輩から「なんで?」と返ってくる。それに対して「〜だからです」と答えると、さらに「なんで?」と返ってくるんです。「なんで」を3回深堀りして納得できる回答が返ってこなければロジックが甘いと言われる文化だったので、否が応でも鍛えられました。 そういえばコンサル会社で働いて4年目くらいのとき、夫に笑いながら「最近、口げんか強くなったよね」と言われたことがあります。それまでは感情的になっていたのに、最近は理路整然と言い返してくる、と(笑)。 振り返ると、1社目の投資銀行では数字を深堀りして定量分析を鍛えられ、続くコンサル会社では定性分析も鍛えられて、論理的に結びつけられるようになったいまの自分があるのだと思います。 NPO案件で「心が動き」、独立を決意──独立を考えたきっかけは何でしたか? 佐藤:一番のきっかけは、プロボノでやらせてもらった教育系NPOの案件が、とにかく楽しかったことです。会社でも上司に「佐藤は、興味のあるプロジェクトとそうじゃない分野で、パフォーマンスが違いすぎる」と笑われたことがありますが、私は経営者のビジョンに共感できたり、社会意義が強く感じられたりと、自分の心が動くプロジェクトだと、すごく楽しく働ける特徴があるんです。 会社でも基本的に楽しく働いていたのですが、NPOの案件をやらせていただいたときほど楽しくは感じられず……。社会的意義を実感できる案件を仕事にできないか考えるようになりました。「高収入や安定」と、「面白さ」で比べたとき、自分は面白さをとりたいと思ったんです。 ──独立にあたり、不安はありませんでしたか? 佐藤:思えば、私は親戚にも会社員がひとりもいない環境で育っているんです。農家や学校の先生、医師や子ども服販売、ガソリンスタンド経営まで多様な「自分の仕事」を営む大人に囲まれていたので、あまり会社員という文化に染まらずに生きてきたのかもしれません。 フリーランスを代表するデータと言えるのか、検証!──事務局に入ったのは2024年の春だそうですね。協会との出会いは? 佐藤:もともとは、綾子さん(理事の中山)が問い合わせをくれたんです。ちょうど2023年の総務省統計で国内フリーランス人口が初めて公表されたので、協会で会員の増え方や職種・地域分布がフリーランス人口に対してどういうバランスになっているのか検証しようというタイミングで、定量・定性分析ができる人材を探していたらしく、私の対談記事を読んで「この人、ぴったりじゃない?」と思って声をかけてくれたようでした。 現在地は「0.1合目」。壮大なビジョンの実現に向けた、格闘の歴史と描く未来創業期から支える元BCG同期とファインディを紐解くcareers.findy.co.jp ──なぜフリーランス人口に対するバランスが大事なのでしょう? 佐藤:フリーランス協会がベネフィットプラン拡充やタイムリーな情報提供を行って会員を増やしている大きな目的は、実態調査の母集団形成です。政府の検討会やさまざまな場で引用されるフリーランス白書のデータに偏りが出ないよう、「より多くの、より多様なフリーランスの声を集める」ことを掲げています。 それまでずっと「フリーランスのためになることをしていれば結果はついてくる」という姿勢だけでなんとなく会員が増え続けていたんですが、なぜ会員が増えているのか、どの施策が特に効いたのか、職種などの属性に偏りがないかまでは、検証できていない状態でした。 それで、私が最初にマリさん(代表理事の平田)から言われたのが、どういうきっかけで会員が増えているのかと、協会のデータがフリーランス全体にとっての代表者性がある状態になれているかどうかを、精緻に分析してほしいということでした。 まずは3か月のプロジェクトで、コロナ禍のワクチン職域接種の取り組みあたりから約3年分について、施策ごとの会員獲得効果の振り返りを行いました。また、総務省データと複数の統計を組み合わせて職種別・地域別のフリーランス人口を推定し、それぞれに対するフリーランス協会会員のカバー率を導き出しました。 その中でわかったことは、やはりコロナ禍の職域接種のように「フリーランスの方々に求められているサービス」がきちんと提供できたときは、会員数も一番伸びるということ。またSNSなどでフリーランス仲間が盛り上がる話題の提供も影響が大きいとわかりましたね。加えて、政策提言やテレビへの露出なども、まだフリーランス協会のことをご存じではない方の認知を高め、会員の増加に効いているということも確認できました。 代表者性の観点でいえば、協会会員の属性分布はフリーランス人口分布と概ね外れてはいませんでしたが、クリエイターやエンジニアは母集団の人数を考えればもっと伸びしろがありそうだよねとか、一部、想定されるフリーランス人口に対してカバー率の低い県があるね、といったことが分かりました。 総じて大きな方向性は間違っていないことが確認できたので、これからもしっかりと「フリーランス当事者のニーズ」に合わせたコンテンツの提供や、SNSなどでもフリーランス界隈を盛り上げていく施策をして、会員数増加と国内フリーランス全体を代弁する調査母集団としてのバランスをとっていこう、という話をしましたね。 病気などで働けないとき、所得を補償してくれる保険──その後、協会の事務局メンバーとなった理恵さん。編集部から、「理恵さんが入ってから、戦略的にマーケティング施策が打てるようになった」との声が届いています。 佐藤:お役に立てているなら嬉しいですね。いまはマーケティングチームの一員として、皆さんと毎月の振り返りや今後の展開の議論を行っています。 論点は大きく分けると2つあります。ひとつはどんな経路で、どんな会員の方に入っていただいたかという点。Web広告やSNS、パートナー企業のご紹介などから無料会員や有料会員がどれくらいご入会いただいたかなどを分析し、効果のあった施策の振り返りなどをしています。 その一環で先日、ベテラン会員の皆さんのお話を聞く機会をつくったんです。いまは独立を考えたときに検索でフリーランス協会がヒットしますが、協会設立以前からフリーランスとして活動されていた方は知らない方も多い 。そうした方々にもアプローチできたらとチーム内で議論したことがきっかけです。 そこで印象的だったのは、職種によって必要な保険は異なるものの、けがや病気で働けなくなったときのためにある所得補償プランのある保険に関しては、任意加入のオプションにもかかわらず、「こんな補償もあるんだ」と皆さんが強い関心を示してくださったことでした。 フリーランス当事者のニーズがそこにあることがわかった一方、いままで協会では所得補償プランの存在を十分に発信できていなかったことが明らかになり、「もっとしっかり伝えていこう!」と話しました。 ── 確かに、ひとりで働いているとけがや病気で仕事がストップしてしまうリスクがあるので、そこを補ってくれるプランがあるのは心強いですね。もうひとつの論点はどんな点ですか? 佐藤:もうひとつは、どのような地域・職種の方に、もっとアピールすべきかという点。なぜなら、「フリーランス当事者の声を等しく聞く」観点では、地域や職種の偏りをなるべくなくして、日本のフリーランス全体の比率と同程度の比率にしていきたいと考えているからです。 エンジニアやWebデザイナー、マーケティングやコンサルティングなどビジネス職種の方々はすでに会員が増えてきていますが、それ以外のフリーランスの声も、よりしっかり聞けるようになっていきたい。たとえば芸能関係や、大学講師、その他のクリエイターの方々などもそうですね。作業をしながらラジオを聞くクリエイターの方も多いと聞いて協会のPodcast配信を始めるなど、新しい発信にも力を入れています。 協会のPodcast配信では、代表の平田が多様なゲストの皆様をお招きしています!スキルを持って、自由に働ける社会を次世代へ──さまざまな組織に関わられてきた理恵さんの視点から、協会の魅力ややりがいはどんなところにあると感じますか? 佐藤:まずは、「フリーランスって私だけじゃないんだ」と思えたことが大きかったです。以前は自分が“世の中の標準ではない”仕事をしているような感覚がありましたが、協会事務局は全員がフリーランス当事者、かつプロフェッショナルなので、同じ立場の仲間と一緒に働けることが楽しいです。 さまざまなNPOに携わってきたなかで思うことは、当事者と支援者が別々より、「当事者が行動する」状態が理想だということ。その点、フリーランス協会はフリーランス当事者が、フリーランスの業界全体のために動いている組織なので、理想的な形で動けているなと思います。 また組織としては、トップダウンの組織とティール組織のいいところ取りだなと。リーダーが「これをやろう!」と言って実現する企画もある一方、各チームのなかで「これやりたい」という人が自発的にどんどん動いて形にしていく例も日々たくさん目にするので、そのバランスがいいですね。 【 私の道しるべ 】 「死ぬとき、後悔が少ないほうを選ぶ」 独立を決意したとき、会社の先輩が「ああ、いいと思うよ」とすごく感慨深そうに言って、応援してくれた思い出があります。その先輩はこんなふうに続けました。 「だって、死ぬときに『もっと仕事しとけばよかった』って言わないじゃん。絶対、『もっと家族との時間を過ごせばよかった』とか『自分のやりたいことをやればよかった』って思うんだよ。だから、やりたいことをやろう、家族と時間を過ごそう、って決断できるのはうらやましい」と。 それを聞いて、「確かにそうだな」と心に残りました。それからは、何か判断に迷ったら「死ぬときに、どっちが後悔が少ないだろう?」と自問するようにしています。 私の影響か、最近は夫もそういうことを言うようになりましたね。去年は中学受験、今年はニュージーランド滞在で出費がかさみそう、と夫に相談したときは、「いや、塾も何もなく子どもたちが付き合ってくれる夏休み、あと何回あると思ってんの? いましかないよ!」と背中を押してくれました。 あのときもっと家族と時間を過ごしておけばよかった。自分のやりたいことをやっておけばよかった。そんな後悔を少しでもなくそうと、行動の選択をしています。 --- 一を聞いたら、十どころか十二、十三の情報量を論理的にわかりやすく、それでいて肩の力を抜きユーモアを交えつつ話してくれる理恵さん。お話を伺って、徹底的に自分のスキルを磨き、「自分の仕事」に出会えているからこそ、いまは“心が動くか”を大切にする自然体の理恵さんがいるのだなと感じました。変化の時代、フリーランスも現状に甘んじることなくスキル磨きを続けてゆきたいものです……! ライター:渡邉雅子 PR会社勤務、フィジー留学を経て豪州ワーホリ中にライターに。帰国後ITベンチャー等を経て、2014年に独立。2016年より福岡在住。現在は糸島界隈を拠点にフリーライターやZINE作家として活動。趣味は多言語をゆるくつまみ食いして楽しむこと。 Web: https://masakowatanabe.themedia.jp/

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予定表は真っ黒じゃなくていい。余白の大切さを教えてくれる3冊

スケジュール帳に予定が並んでいると、少し安心します。 今日も仕事をした。 今週も忙しかった。 必要とされている。 そんな感覚を得られるからかもしれません。 特にフリーランスは、仕事がないことがそのまま収入への不安につながることがあります。仕事の依頼が続けば安心しますし、予定が空いていると心配になるものです。 そうして、つい前のめりに予定を詰め込み、忙しくしてしまう人も多いのではないでしょうか。私自身も、空いている時間があると、そこに何かを入れたくなることがあります。 しかし、限りある時間を予定でぎっしりと埋めることは、本当に「充実している」ということなのでしょうか。 今回は詰め込まれた自分の予定を見直してみたくなるような本を3冊ご紹介します。 ・『何にもしない』 ・『デンマーク人の休む哲学』 ・『余白思考』 3冊に共通していたのは、「余白」でした。 余白があるから、幸せを感じられる1冊目:『何にもしない』(すばる舎) なんにもしない。 - 株式会社 すばる舎 学び・成長・成功をあなたになんにもしない。詳細をご覧いただけます。www.subarusya.jp 著者:マツダミヒロ 質問家・ライフトラベラー。 1年のうち300日は海外に滞在。時間や場所にとらわれない働き方を実践しながら、「自分らしく生きる」をテーマに講演やセミナーを行う。カウンセリングやコーチングをベースにした独自メソッド「魔法の質問」を開発。ラジオ番組「ライフトラベラーズカフェ」(Podcast)はAppleのベスト番組に選ばれ30万人を超すリスナーがいる。 本の冒頭に余白の定義が書いてあります。 余白とは、 ・本来の自分に戻る場所 ・積み上げる、もっと頑張るではなく、「空ける」「つめこまない」「何もしない」を大事にすることで新たな気づきや創造が芽生えること ・心を整え、豊かな人生を生きるためのゆとり 忙しいけど充実しない日々を抜け出すために、 自分のための価値ある時間を取り戻すために、 毎日、心から幸せと実感して生きるために、 必要なのが「余白」だと著者は言っています。 印象に残った言葉がありました。 忙しい=充実している、ではない 人生とはどれだけ早くゴールしたかではなく、どれだけその過程を味わえたか この言葉を読んで、以前、脳科学者の中野信子さんが「人生は新幹線ではなく各駅停車で車窓を眺められたほうがよいのかもしれない」とお話しされていたのを思い出しました。 叶えたい目標がたくさんある場合には、早く次々にゴールすることが重要かもしれません。でも、そればかりだと疲れますし、人生の「車窓」は眺められないのかもしれません。 フリーランスの場合、仕事があることが安心につながります。 仕事が空くことが怖くて、次の仕事、また次の仕事、また次の仕事。 でも、次々と予定を詰め込んでしまうことだけが本当にしあわせな人生につながっていくのでしょうか。 そうとは限らないのかもしれません。 働く時間を自分で決めやすいフリーランスだからこそ、何を入れるかだけではなく、「何を入れないか」「どのくらい空けておくか」も自分で考える必要がありそうです。 ◆余白があると、入ってくるものがある 余白がもたらすメリットとして3つ挙げられています。 1つ目は、チャンスをつかめること。 ビジネスチャンスは「準備している人」より「空いている人」のもとにやってくることも多い。 余白とはチャンスや夢を掴むための戦略 予定がすべて埋まっていれば、新しい仕事のお声がけをいただいても受けることができません。学びたいことがあっても、そのための時間がありません。新しい人と会ったり、少し違うことをやってみたりする余裕もなくなります。 そう考えると、フリーランスにとって余白とは、単に「仕事が入っていない時間」ではなく、新しい仕事や出会いが入ってくるための場所でもあるのかもしれません。 2つ目は、クリエイティビティが生まれること。 余白がないと目の前のタスクを処理することに追われて考える時間も、感じる時間も奪われていきます。 その状態では新しい発想は生まれにくくなり、仕事自体が単なる「繰り返しの作業」になってしまいます。 同じことを繰り返すことが、必ずしも悪いわけではありません。 ただ、世の中が進化を続ける中で、自分だけが足を止めてしまうと、それは「衰退」につながる可能性があります。 だからこそ、意図的に余白を確保して自分をアップデートする必要があるのです。 余白を確保することが未来の自分に向けた「創造の種まき」になる、と書いてあります。 フリーランスは、目の前の仕事をきちんと納めることがとても大切です。 一方で、それだけを繰り返していると、これからどんな仕事をしていきたいのか、新しく何を学びたいのかを考える時間がなくなってしまいます。 今の仕事をする時間だけではなく、未来の仕事につながることを考えたり、感じたりする時間も大切です。 3つ目は、豊かさを感じる時間が増えること。 忙しすぎると「今ここ」にある豊かさに気づけない。 余白とは「心の感度」を高める装置のようなものでもある。 おいしいね。 あったかいね。 きれいだね。 忙しすぎると、このような目の前にすでにあるものを味わう余裕がなくなってしまいます。 余白があることで、何か新しいものを手に入れるだけではなく、いまここにある豊かさにも気づけるようになるということです。「心の感度を高める装置」という表現は、そのことをとてもよく表しているように感じました。 この本から余白は単に「何もしない時間」ではなく、これから入ってくるものを受け取ったり、未来について考えたり、今ここにある豊かさに気づいたりするための時間でもあることがわかります。 フリーランスは、自分で働く時間を決めやすいからこそ、予定を埋めることだけではなく、意図的に空けておくことも大切になるのではないでしょうか。 「何にもしない」時間も、自分に戻るための大事な余白として持っていたいものです。 自分の基準を知るために、詰め込みすぎは禁物2冊目:『デンマーク人の休む哲学 』(大和書房) デンマーク人の休む哲学 - 株式会社 大和書房 生活実用書を中心に発行。デンマーク人の休む哲学詳細をご覧いただけます。www.daiwashobo.co.jp 著者:針貝有佳 デンマーク文化研究家。 デンマークの働き方や暮らし、教育、ウェルビーイングなどを長年取材・研究し、日本に紹介している。著書に『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』などがある。 この本では、デンマークの人々の「休み方」と、その背景にある価値観が紹介されています。 デンマークでは、平日は夕方早く仕事を終え、夏には長い休みを取るそうです。 家族や友人との時間、趣味の時間、自然の中で過ごす時間を大切にしていて、そうした生活がむしろ集中力や生産性につながっていると書いてあります。 ◆休み下手な日本人 私たち日本人は「勤勉」「一生懸命」「頑張ること」を評価するあまり、休むことに罪悪感を抱いてしまうのです。 休みを取ることに「すみません」という感覚になる日本人とは違って、デンマーク人は堂々と休むそうです。 また、「休み方がわからない」ということも、日本人が休まない理由ではないかと書いてあります。 デンマーク人は、外出や消費を伴う特別な体験でなくても、家庭菜園やDIY、読書、日光浴といった身近な時間で心地よく過ごしているようです 。 日本でも有給取得奨励など休める環境は確実に整ってきています。しかしデンマークのように休むことが根付いているとは言い難いです。 休める環境があることと、楽しく上手に休めることは、少し違うのかもしれません。 ◆仕事は幸せな人生の中にある 本の中で、特に印象に残った言葉があります。 デンマーク人にとって仕事は、あくまでも幸せな人生を送るための手段であり、主役は幸せな人生です。 仕事は手段ですが、幸せな人生をつくる大切な要素でもあります。 フリーランスは、自分で仕事を選んだり、働き方を調整したりしやすい働き方です。だからこそ、「どんな仕事を、誰と、いつ、どこでやるのか」を自分で考え、自分で選択し、幸せな人生を実現していきたいものです。 ◆ヒュッゲという考え方 本には「ヒュッゲ」という言葉が出てきます。 ヒュッゲとは「心地よいこと」という意味です。 自分にとって心地よいひとときこそがヒュッゲで、それこそがデンマーク人が大切にしているもの。 では、自分にとってのヒュッゲは何か。 その答えを見つけるためのこんな問いが紹介されていました。 最高に心地よいひとときを思い浮かべてください。 どこにいますか? 誰と一緒にいますか? 何をしていますか? 忙しすぎると、「最高に心地よいひととき」を思い浮かべることすら難しいのかもしれません。 自分は何が好きか。 自分は何を心地よいと感じるか。 それを知るためにも、心と時間の余白が必要なのかもしれません。 ◆余白をつくる デンマークでは、日々の生活だけではなく、進路やキャリアを考えるうえでも「余白」が大切にされているそうです。 デンマークでは進路を考えたりキャリアの軌道修正をするための「余白」が社会的に認められているそうです。 進路を考える「余白」の期間を持つことにポジティブなデンマーク人はキャリアをスタートさせる年齢が25~27歳になるのが通常です。 「タイミングよりも、自分に合うものを見つけることを大切にする。」 ここにもデンマーク人の余白の考え方が表れているように感じます。 フリーランスは、ずっと同じ仕事を続けるとは限りません。 これからどんな仕事をしていきたいのかを考えたり、少し立ち止まって方向を変えたり、新しいことを学んだりする時期があってもよいのではないでしょうか。 仕事をしている時間だけがキャリアではなく、次の方向を考える時間もキャリアの一部。 そう考えると、余白は日々を整えるためだけではなく、これからの働き方を考えるためにも必要なのだと捉えることができます。 この本を読んで気づいたことは、デンマーク人が人生を主体的に生きているということでした。社会全体が休みやすい環境になっていることも大きいと思います。 ただ、それだけではなく、 自分が心地よいことを知る。 自分の心地よいことをする。 他人の期待に応えることだけではなく、自分のためを考える。 自分の時間の使い方を自分で決める。 自分の大切な人を、しっかり大切にする。 そうやって、誰かが決めた基準ではなく、自分の基準を大事にしているのだと感じます。その自分の基準を知るためにも、詰め込みすぎは禁物です。 休みや余白があるからこそ、自分と対話することができます。 自分の基準を知ることができます。 自分の人生を自分でデザインするためにも、休みや余白を大切にしていきたいものです。 「余白」の積み重ねの先に、自分の望む人生がある3冊目:『余白思考 』(日経BP) <1/9新刊>『余白思考 アートとデザインのプロがビジネスで大事にしている「ロジカル」を超える技術』気鋭のコメンテーターでアーティスト・デザイナー、経営者の著者が贈る、生産性・業績・処理能力を下げずにクリエイティビティを爆bookplus.nikkei.com 著者:山崎晴太郎 デザイナー、経営者、クリエイティブディレクター、現代美術家。 東京2020オリンピック・パラリンピックの表彰式、旧奈良監獄の利活用構想、JR西日本、スターバックス コーヒー ジャパンなど、企業・公共分野の幅広いプロジェクトに携わっている。 フリーランス協会のPodcast番組「WHY ARE YOU」にて、協会代表の平田と共にMCを務めている。 本の冒頭、余白についてこう書いてあります。 アート思考、デザイン思考、デザイン経営を横断する非言語思考の根本であり本質的な部分にも深く関係する概念。 いいアーティスト・ディレクター・経営者は余白の作り方がうまい。 余白の作り方がうまい人は人生を楽しむのもうまい。 続いて、余白を2つに区分してあります。 1つ目は「自分の中の余白」。 余白こそが成長の余地であり、自分自身の伸びしろになります。 精度の高い決断や判断をするためには、自分とは異なる考え方や価値観を取り入れることが必要です。多様性です。そのためには、自分の中に異なる考え方や価値観が入り込む「余白」を持っておくことが大切だということです。 2つ目は「相手との間の余白」。 「たからもの」をぎゅうぎゅうにつめこむ人はいない。クッションがなければ大事なものが別の大事なものを傷つけ始める。 非常にわかりやすい表現です。 自分と相手、両方を大事にするためには「余白」が必要である、ということです。 著者が余白と同じくらい重要だと考えているのが「絶対軸」です。 比較の中で自分の価値が決まる「相対軸」の世界はいずれ行き詰まってしまうと書いてあります。 好きなこと、楽しいことは自分の心が決める。 自分の価値は自分が決める。 という言葉もありました。 フリーランスは、自ら学びや成長の機会をつくる場面が多く、働き方や仕事の選び方も自分で決めることが多いです。 だからこそ、「余白」と「絶対軸」の両方を大事にしていきたいものです。 ◆余白思考とは? 本には3つの「余白思考」について書いてあります。 「仕事の余白思考」「人間関係の余白思考」「コミュニケーションの余白思考」です。 中でも印象的だったのは「仕事の余白思考」です。 仕事の余白思考とは前に進む力をためること。そのために意図的に余裕を作ること。」「伸びしろはいつも余白にある。 いい決定は余白から生まれる。 余白がないと、インスピレーションが正しく働かないとも書いてあります。余白が思考をクリアにしてくれる、ということのようです。 いい判断、いい決断、いい仕事、それらすべてに余白が必要なのです。 フリーランスは、仕事を選ぶことも、学ぶことも、さまざまな決断も、自分でしていく働き方です。 自分を成長させるためにも、 いい仕事を選ぶためにも、 いい仕事をするためにも、 余白が必要だということです。 ちなみに人間関係の余白思考とは 「他人との関係性において互いに自由で干渉しすぎない緩衝地帯を作ること」。 コミュニケーションの余白思考とは 「自分と他人の適切な距離感の中でコミュニケーションのラリーを繰り返すこと」。 いずれも他者との間の距離、つまり「余白」が重要になります。 本のおわりに、人生について書いてありました。 少し長いですが引用します。 いろいろな知識や情報、価値観をどんどん放り込む。いずれはそのひとつ一つの情報や知識のことは忘れてしまうかもしれない。だけどそのおかげで広がった豊かな余白が残る。その余白は以前にもまして包容力に満ちている。そういう状態こそが教養の成熟の本来あるべき姿ではないでしょうか。 何を学ぶか、どんな本を読むかというのはすなわち自分の中にどんな余白を持つかということなのだと思います。 余白のあり方を自分で決める。それが自分の人生を生きるということなのではないでしょうか。 何を学ぶか。 どんな人と出会うか。 どんな仕事をするか。 そうした一つひとつの選択によって、自分の中にどんな余白が生まれるのかは変わってくるということです。 フリーランスは、働き方やキャリアの方向を自分で選択する場面が多くあります。 だからこそ、何を選び、どんな「余白」を残していくかを自分でしっかりと考えていく必要があるといえます。 その「余白」の積み重ねの先にこそ、自分の望む人生があるような気がします。 「よりよく生きるために予定表が真っ黒である必要はない」ということがよくわかる3冊でした。 余白は、自分の人生にとってチャンスであり、ギフトでもあるのだと思います。 これからは、スケジュールに「余白」を意図的に盛り込んでいきたいです。 平井圭子 富山県出身。青山学院大学経営学部経営学科卒。 プロフェッショナルファームで10年以上人事業務に従事。妊娠・出産を経て人事系フリーランス&キャリアカウンセラーとして独立。現在はベンチャー企業の人事業務支援、大手法人のダイバーシティ&インクルージョン推進支援、大学・高校での相談業務に携わる。 仕事の目標は仕事が楽しいと思える人を増やすこと。 プライベートでやりたいことは全国の素敵な本屋さん巡りをすること。

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AI時代に、「なぜ働き、どう生きるか」を問い直す3冊

「AIの台頭によって、ホワイトカラーの仕事が失われる」。そんな言葉を、ここ数年よく耳にするようになりました。 人事系フリーランス&キャリアカウンセラーとして働く私の元にも、最近、働き方や生き方に迷いが生じた人たちの相談が途絶えません。 実際、ニュースの中だけの話ではなく、人事の現場でも確かな変化として感じられるようになっています。 新卒採用を控える企業。 早期退職を募る企業。 本来、人のためにあるはずのAIなのに 「人よりAIのほうがいい」 「AIがあれば人はいらない」 そんな言葉さえ聞こえてくることもあります。 自分の仕事はこれからも必要とされるのか。 AIに代替されない仕事とは何なのか。 新しく身に付けるべきスキルは何か。 今の働き方を続けていていいのか。 そもそも、働くとは何なのか。 正解はないまでも、本質的な生き方や考え方を 立ち止まって考える機会になるような本、そして、この混沌とした時代を生き抜くヒントになりそうな3冊を選びました。 3冊はいずれも、先達者(父)から若者(息子)へのメッセージという形で書かれた内容です。 この3冊が教えてくれたのは、今私たちに必要なのは、新しいスキルを急いで身に付けることだけではなく 「どう生きるのか」 「なぜ働くのか」 「どう動くのか」 という、より本質的な問いに立ち返ることでした。 どう生きるのか。「自由」と「責任」とは何か。1冊目:『哲学者の父が子に伝える自由に生きる知恵』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) 哲学者の父が子に伝える 自由に生きる知恵世界中で20年以上読み継がれる人生論の歴史的名著、新訳で登場世界的ベストセラー!30か国以上で翻訳、累計100万部超!【内d21.co.jp 著者:フェルナンド・サバテール 文筆家、マドリード・コンプルテンセ大学教授(哲学)。 著書は政治・文学・哲学についての論考のほか、物語や戯曲など50冊以上。 20言語以上に翻訳されている。スペイン国内外の新聞・雑誌への記事掲載も多数。 この本は、著者が15歳の息子に宛てた手紙形式で書かれています。 父が息子へ語りかけるやわらかい文体ですが、扱っているテーマは「自由」「責任」「生き方」。どれも哲学的な問いです。 自由とは何か 本書で言う自由とは「どれほど厳しい状況でも、選択肢が一つしかないということは決してない。いつもの複数の道がある」という考え方です。 「自由」について重要な2点が語られています。 1、起こることは選べないが、どう対処するかは選べる どんな出来事が起きるかは選べません。しかし、その出来事にどう向き合うかは、常に選ぶことができます。 フリーランスとして働いていると、思い通りにいかない案件、想定外のトラブル、望まない環境変化に直面することがあります。 そのときに問われるのは 「何が起きたか」ではなく「どう向き合うか」ではないでしょうか。 2、 自由と全能は違う 自由とは「何でも思い通りになることではない」と書いてあります。 「自由に挑戦できることと、確実にやり遂げられることは別である」 自分の意思でできること(自由)とできないことがあるのは当然であり、すべてが思い通りにならなくても、自由が否定されるわけではないということです。 フリーランスは「自由な働き方」と言われる一方で、外部環境の影響などコントロールできない要素も多くあります。 その中で何を選びどう行動するか。それこそが「自由」であると考えることもできるのです。 もう1点、「自由」について印象的だったのが「やめるという自由もある」という点です。「究極の最終手段」と表現されています。 続けることが正しい、耐えることが価値である、という価値観に寄りすぎると本来あるはずの選択肢を見失ってしまいます。やめることもまた、自分の人生を選び取る行為なのだと思います。 責任とは何か また「自由」と対になるものとして「責任」についても書いてありました。 「責任を引き受ける」とは、その自由を使った結果が、良くても悪くても自分が真に自由であったことを認めることだ 自分のしたことの結果をうけとめ、悪い結果であれば直せるところを直し、良い結果であれば大いに喜び楽しむ。 フリーランスとして働く中でうまくいかなかった案件や判断を迷った選択、想定外の結果に直面することは少なくありません。 そのときに、環境のせいにするのか、自分の選択として引き受けるのか。 その選択の積み重ねが、自分自身を形づくっていくのではないでしょうか。 本書にはこんな言葉もありました。 自分の決断はすべて、外の世界に痕跡を残す以前に、自分自身の痕跡として残る。 どんな選択をしたか、どう向き合ったかは、 仕事の結果だけでなく「自分自身をつくっていく」ということです。 自分はどうありたいのか。どう生きたいのか。その問いに向き合い続けることこそが、「どう生きるか」なのだと思います。 なぜ働くのか。考えが深まる3つの問い2冊目:『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ(ダイヤモンド社)』 やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ全世界500万部突破。渡されたメニューには人生を変える質問が書かれていた。やりたいことが見つかる不思議なカフェの物語。www.diamond.co.jp 著者:ジョン・ストレルキー 作家。講演家。冒険家。7万キロにおよぶ世界放浪の旅の末、33歳のときに本書『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』でデビュー。出版から1年もたたないうちに、読者の口コミで世界中に広まりベストセラーに。現在までに七大陸45カ国以上で出版され、累計500万部以上が売れており、ヨーロッパでは2015年から9年連続で年間ベストセラーを受賞、アメリカでもベストセラー1位を獲得。執筆活動に限らず、テレビやラジオ、講演活動などを通して、自分らしく生きる方法を世界中の人々に伝える。 物語は軽やかで読みやすいのに、投げかけられる問いは驚くほど本質的でした。 主人公が偶然たどり着いた「しつもんカフェ」。メニューの裏には、3つの質問が書かれていました。 ・あなたはなぜここにいるのか ・あなたは死を恐れるか ・あなたは満たされているか 一見すると独立した3つの問いですが、実はつながっているのです。 質問1:あなたはなぜここにいるのか すべての起点となる「存在理由」を問う問いです。 この問いにすぐに答えられる人は多くありません。 だからこそ私たちは、周囲と同じ選択をしたり、「正しい」とされる道を無意識に選んでしまいます。外側の基準に従ってしまうのです。 ではどうやってこの問いの答えをみつけたらいいのか。本書にはこうあります。 難しいのは何が自分を満たすのかは自分が決める、ということに気づくことだ。 答えは、誰かが与えてくれるものではなく、自分の内側からしか生まれません。答えが見つかるまで、何度でも自分に問い続けるしかないのです。 質問2:あなたは死を恐れているか これは単に死への恐怖のことではありません。「人生が有限であることを自覚しているか」という問いです。 時間=命。その有限性を理解すると「行動」が変わります。 ・重要ではないことにエネルギーを使わない ・他人の期待より、自分の価値観を優先する ・先延ばしを減らす ・本当にやりたいことに向かって動き出す この有限性の自覚は、先の問いの答えである「存在理由」を「行動」へと変えるスイッチになります。 質問3:あなたは満たされているか これは結果を問うものではありません。日々の行動が自分の「存在理由」と一致しているかを確かめるための問いです。 自分の「存在理由」を理解し、必要だと決めた「行動」を積み重ねていたら、この質問には「YES」と言えるはずです。「YES」と言えない場合にはもう一度、最初の問いに立ち返る必要があるのかもしれません。 この3つの問いは、独立したものではなく、ひとつの流れを形づくっています。 ・存在理由を知る(あなたはなぜここにいるのか) ・有限性を自覚し、選択を見直す(あなたは死を恐れるか) ・日々の行動が価値観と一致しているかを確かめる(あなたは満たされているか) この循環は、人生の軸を取り戻すための静かなコンパスのようです。 フリーランスは、自由であると同時に、自分を見失いやすい働き方でもあります。案件を選ぶ基準も、時間の使い方も、働く意味も、すべて自分で決めていかなければなりません。 だからこそ、この3つの問いはフリーランスの働き方そのものを支える指針になるような気がします。迷ったとき、立ち止まりたいとき、この3つの問いにそっと触れてみるとヒントが得られそうです。 どう働くのか。自分の成長を止めないために3冊目:『働く君に伝えたいこと』(フォレスト出版) 働く君に伝えたいこと|岩田松雄|フォレスト出版働く君に伝えたいこと|岩田松雄|フォレスト出版www.forestpub.co.jp 著者:岩田松雄 株式会社リーダーシップコンサルティング代表。立教大学教授・早稲田大学非常勤講師。元スターバックスコーヒージャパンCEO。 日産自動車にて製造・営業・財務を経験後、UCLAビジネススクールでMBA取得。外資系コンサル、日本コカ・コーラを経て、アトラス社長として経営再建を実現。その後、イオンフォレスト(THE BODY SHOP)社長として事業拡大を推進。2009年よりスターバックスコーヒージャパンCEOとしてブランド戦略・新規施策を通じて成長を牽引。2013年に現職を設立し、リーダー育成・組織開発に従事。UCLA「100 Points of Impact」に選出。 本書は、元スターバックスコーヒージャパンCEOである著者が、2人の息子に向けて書いた28通の手紙で構成されています。 仕事論でありながら、単なるスキルやノウハウではなく、「どう働き、どう生きるか」という本質に触れていく一冊でした。 いまの自分だけを見て限界を決める必要はない 著者は「人には『未見の我』、まだ見ぬ自分が必ずいる」と語ります。その可能性は、動き続けることでしか目を覚ましません。 ・少し背伸びした目標を掲げる ・小さな成功を積み重ねる ・自分の努力を、自分が一番よく知っている こうした積み重ねの中で、人は静かに、しかし確実に変わっていくのだと思います。フリーランスは、自分の成長を自分で決める働き方です。だからこそ、「未見の我」を信じて動き続けることが、未来をひらく力になるのだと感じます。 不遇も理不尽も、肥やしに変わる 著者は「不遇な経験はすべて肥やしになる」と語ります。 ただ耐えるのではなく、「いま自分にできることは何か」を考えることの大切さを説いています。 ・アプローチを変える ・学び直す ・工夫する ・量を重ねる その積み重ねが、後になって必ず自分を支えてくれると言います。 フリーランスとして働いていると、思い通りにいかないことや、理不尽に感じる場面もあります。けれど、その経験こそが、次のステージへの土台になるのかもしれません。 失敗と捉えるか、成功の途中と捉えるか。その見方ひとつで、前に進む力は大きく変わるのだと思います。 「退く」ことも、動くことの一部 安住の地を捨てることから成長が始まる。 これは、どんな働き方をしていても胸に刺さる言葉です。 居心地の良い場所に留まることは安心をくれます。けれど、そこに長くいすぎると、 成長の機会は静かに遠ざかっていきます。 著者は「出処進退で一番難しいのは 「退」である」と言います。 フリーランスは常に「退」という選択肢と隣り合わせです。だからこそ、自分にとっての正しい「退」を選ぶことができる賢さを身につけたいと思います。 ミッションに立ち返る 著者が最後に語るのは「ミッション」です。 「ミッション」とは自分がこの世に生かされている理由 世の中にいかに貢献するかを見つけなさい。 ミッションとは「存在理由」そのものです。 規則やルールよりもまずミッションに立ち返ること。「なぜこれをやるのか」を問い続けること こうして働く意味づけができたとき、仕事は単なる作業ではなく自分を満たすものへと変わっていくのだと思います。 AIが進化し続ける今、私たちはつい「どんなスキルが必要か」「どの仕事が残るのか」といった外側の要件に意識を奪われがちです。 けれど、フリーランスという働き方はもっと内側にあるもの ・自分の価値観 ・判断基準 ・日々の選択の積み重ね などによって形づくられていくものだと思います。 どう生きるか。 なぜ働くか。 どう動くか。 この3つの問いを持ち続けることは、不確実性の高い時代においても、自分のキャリアを主体的にデザインしていくための確かな基盤になります。 外側の変化に振り回されるのではなく、自分の軸に耳を澄ませながら進んでいく。その姿勢こそが、AI時代の働き方における大きな強みになるはずです。 平井圭子 富山県出身。青山学院大学経営学部経営学科卒。 プロフェッショナルファームで10年以上人事業務に従事。妊娠・出産を経て人事系フリーランス&キャリアカウンセラーとして独立。現在はベンチャー企業の人事業務支援、大手法人のダイバーシティ&インクルージョン推進支援、大学・高校での相談業務に携わる。 仕事の目標は仕事が楽しいと思える人を増やすこと。 プライベートでやりたいことは全国の素敵な本屋さん巡りをすること。

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「時間の使い方」を見直すための3冊。「どう生きたいか」を考える機会に!

フリーランスとして働く私たちにとって、「 時間の使い方」は、仕事の成果や自分の成長、そして人生の質に直接的な影響を及ぼします。 年末年始は、その「時間の使い方」を見直し、 来年の生き方を整える絶好のタイミングです。 人生100年時代と言われ、働き方の選択肢も広がった今、 「どう生きたいか」が問われているような気がします。 そして「どう生きたいか」は「 どう時間を使うか」と言い換えることができるのではないでしょうか。 望む生き方に近づいていくためにどう時間を使えばよいか、そのヒントをくれる3冊をご紹介します。 視点は異なっても、共通しているのは「自分の人生を、自ら選び取る力を取り戻すこと」でした。1冊ずつ、紐解いていきます。 お金をどう使うかという問いは、命をどう使うか1冊目:『DIE WITH ZERO―人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ダイヤモンド社) DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール全米注目のミリオネアが教える、究極のカネ・人生戦略。人生を最大化するために、私たちが心に刻むべき9つのルールとは?www.diamond.co.jp 著者はコンサルティング会社BrisaMaxホールディングスCEOのビル・パーキンス。アイオワ大学を卒業後、ウォールストリートで勤務し、エネルギー分野のトレーダーとして成功を収めた人。現在はハリウッド映画プロデューサー、ポーカープレーヤーなど、さまざまな分野に活躍の場を広げています。本書が初の著書。 冒頭に、著者はこう語ります。 仕事で得た金は、それを稼ぐために費やした「ライフエネルギー」の量を表している。 ライフエネルギーとは、人が何かをするために費やすエネルギーのこと。具体的には時間、体力、集中力など、我々の命そのものです。 つまり、私たちが仕事によって得るお金は、ライフエネルギーが姿を変えたものであり、その稼いだお金をどう使うかという問いは、命をどう使うかという、人生の根本的なテーマに直結すると著者は言います。 お金を払って得る喜びは、未来の「配当」にもなる よく「いつか余裕ができたら」と言いますが、その「いつか」が来ないことは少なくありません。 時間と金を最大限に生かすためのカギはタイミングにある。 人生の充実度を高めるのは、その時々にふさわしい経験。 今日の自分と明日の自分は、同じように見えて同じではありません。若いころの冒険、幼い我が子との経験など、タイミングを逃すともう二度と訪れてくれないことも多くあります。 金を払って得られるのはその経験だけではない。その経験が残りの人生でもたらす喜び、つまり記憶の配当も含まれている。 経験の対価として、払ったお金は減りますが、思い出は消えません。その思い出は人生のあらゆる場面で「記憶の配当」として私たちを支えてくれます。 忙しさを言い訳にしてせっかくのタイミングを逃してしまわないように気を付けていきたいものです。 節約が、自分の世界を小さくしてしまう 将来に備えることは悪いことではありません。むしろ、フリーランスにとっては必要な戦略だと言えます。 ただ、節約のマイナスな部分にも著者は言及します。 節約ばかりしていると、その結果世界が必要以上に小さな場所になってしまう。 節約しながら過ごす毎日の中で、自分で自分の世界を小さくしてしまっていないでしょうか。 触れるはずだった新しい景色。 出会えるはずだった誰か。 不安のために節約しすぎて、こうした機会を自ら手放してしまっているとしたらそれは本当に「未来のため」と言えるのでしょうか。そんな問いが浮かびます。 目指すはアリでもキリギリスでもなく、その「中間」 「今の経験を大切にした方がよいことは分かるけれど、やはり老後にも備えたい」。そんな声も聞こえてきそうです。 著者は、寓話『アリとキリギリス』を引き合いに出しながら、アリとキリギリスの「中間」を探そうと提案します。 明確な将来の計画を持ち、同時に今を楽しむことも忘れない。 「中間」を意識するということは、どの年齢でどのくらいお金を稼ぎ、どれくらい楽しい経験に費やすかを、自分でコントロールするということです。 この両立は決して簡単ではありません。だからこそ、一つ一つの「選択」を意識的に、計画性をもって行うことが重要になるのだと思います。 方向を確認する時間が大切 毎日を走り続けていると、いつの間にか惰性で動きつづけてしまうことがあります。 自分の行動について積極的に判断を下すこと。それが自動運転モードをやめる方法だ。 生き方を自分で選ぶためには、少し立ち止まり、方向を確認する時間が大切です。 フリーランスは、多くの場面で自分で選択することを求められます。自分で選んでいるつもりでも、周りの価値観や「あたりまえ」に流されてしまっていることもあるかもしれません。 自動運転モードになっていないかどうか、ときどき立ち止まって確認する習慣を持つことも大切だと感じました。 「いつか」ではなく、「いま」の自分をちゃんと生きる。 著者の言葉の中で、強く心に残ったのはこれでした。 生きているうちに金を使い切ること。ゼロで死ぬを目指してほしい。 これは贅沢を推奨しているのではありません。 必要以上にため込んでしまうことで、本来得られたはずの豊かな時間を失わないための考え方です。 「いつか」ではなく、「いま」の自分をちゃんと生きる。 その大切さを力強く教えてくれる一冊でした。 2冊目:「時間」や「生き方」といった普遍的なテーマを扱っている世界的名著2冊目:『モモ』(岩波書店) モモ/ミヒャエル・エンデ, 大島 かおり|岩波少年文庫 - 岩波書店時間どろぼうと,ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語.時間の真の意味を問う,エンデの名作. ミwww.iwanami.co.jp 2冊目は『モモ』(岩波少年文庫)です。ジャンルは児童文学ですが、「時間」や「生き方」といった普遍的なテーマを扱っており、大人にも強く響く作品として世界中で愛読され続けています。 著者はミヒャエル・エンデ。ドイツを代表する児童文学作家でありファンタジーの巨匠。代表作『モモ』や『はてしない物語』は、子どもだけでなく大人にも深い哲学的問いを投げかけ、世界中で愛読されています。彼の作品は「時間の本質」「想像力の力」「現代社会への批判」といったテーマを寓話的に描き、読む人に生き方を考えさせる力を持っています。 この物語は、「灰色の男たち(時間どろぼう)」と、盗まれた時間を取り戻そうと奮闘する少女「モモ」の物語です。 灰色の男たちは、人々にこう囁きます。「時間を節約して、時間貯蓄銀行に預ければ利子がつく」と。しかし彼らの本当の目的は、人々の時間(=人生)を盗むことでした。 「モモ」は 町の円形劇場の廃墟に住みついた少女。人の話を「ただ聴く」ことに特別な才能があります。彼女に話を聴いてもらうと、心がほぐれ、本来の自分を取り戻していくのです。 時間を節約した結果、起こること 灰色の男たち(時間どろぼう)に誘惑され、時間を節約した町の人々は、時間を節約することに必死になり、知らず知らずのうちに、不機嫌で怒りっぽくなっていきます。 そして街はこんな看板の言葉で埋め尽くされていきます。 時間節約こそ幸福への道! 時間節約をしてこそ未来がある! きみの生活をゆたかにするために時間を節約しよう! しかし町の人々の現実はこの言葉とはかけ離れたものになっていきます。不機嫌で怒りっぽくどげどげしい目つきになっていくのです。 仕事が楽しいとか、仕事への愛情をもって働いているかなどということは、問題ではなくなりました。むしろそんな考えは仕事のさまたげになります。だいじなことはただひとつ、できるたけ短時間に、できるだけたくさんのしごとをすることです。 有限である時間を節約することは大切なことです。 仕事で生産性を上げることや効率性を重視することも基本的には良いこととされています。にもかかわらず、幸せそうではないのはなぜなのか。 時間をケチケチすることでほんとうはぜんぜん別の何かをケチケチしていることにはだれひとり気づいていないようでした。 時間とはいきるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心をすみかとしているのです。人間が時間を節約すればするほど生活はやせ細っていくのです。 時間を節約することで、生きることや心まで削られてしまうのだとしたら、それは、本当の意味での「節約」と言えるのでしょうか。 この警句は今の社会に向けても語られているようです。 好きなことを答えられない子どもたち 大人の効率主義は、子どもたちの世界にも影を落とします。「時間貯蓄家」になった大人たちは、子どもの遊びの時間さえ「無駄」と切り捨ててしまいます。 そこで設立されたのが「子どもの家」。子どもたちの時間を管理し、将来に役立つ人間にするための場です。 「子どもの家」に集められた子どもたちは、自分たちで考え、夢中になる「本当の遊び」をすることが許されなくなります。 やれと命じられたことをいやいやながらもおもしろくなさそうにふくれっつらでやります。そしてじぶんたちのすきなようにしていいと言われると、こんどはなにをしたらいいか、ぜんぜんわからないのです。 「好きなことをやれと言われても好きなことがない」「好きなことがわからない」。就職活動を控えた学生たちと会うと、このような言葉をよく耳にします。 もしかするとそう言っている人は好きなことがないのではなく、好きなことが芽生える「余白の時間」を失ってしまっているのかもしれません。 時間を盗まれないように守る責任は、自分にある 物語の後半で、「時間そのもの」を司る老人マイスター・ホラが出てきます。そして、モモはその老人に「時間の本質」を教えてもらいます。 人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんで決めなくてはならない。 時間をぬすまれないように守ることだって、じぶんでやらなければならない。 時間をどう使うかは自分で考えて自分が決めること、そして、自分の時間を盗まれないように守る責任も自分にあるのだと説くのです。 人間には時間を感じとるために心というものがある。そしてもしその心が時間を感じとらないようなときにはその時間はないも同じだ。 心臓はちゃんと生きて鼓動しているのに何も感じ取れない心を持った人がいるのだ。 どれだけ忙しく動き続けても、心が不在ならば、その時間は生きていません。 時間とは 時計が刻む単位ではなく、自分の命そのもの、生きることそのものだと気づかされます。 その時間に心はある? 本おわりに、印象深い一節がありました。 わたしはいまの話を、過去に起こったことのように話しましたね。 でもそれを将来起こることとしてお話してもよかったんですよ。 灰色の男たちの世界は、 過去でも未来でもなく、 まさに今、私たちが生きている現実なのかもしれません。 フリーランスは、自分で時間コントロールができる一方、時間に追いつめられやすい働き方でもあります。 だからこそ、ときどき自分に問いかけたいです。 「その時間に、心はある?」 その問いが、時間を「生きた時間」 に戻してくれるはずです。 日本へ逆輸入された異色のベストセラー3冊目:『生きがい―世界が驚く日本人の幸せの秘訣』(新潮社) 『生きがい―世界が驚く日本人の幸せの秘訣―』 茂木健一郎、恩蔵絢子/訳 | 新潮社飾らず、おごらず、欲を持たず、控え目さと調和を愛し、今ここにいるという小さな喜びを大切にする。日本人が古来守ってきた素朴なwww.shinchosha.co.jp 著者は、日本を代表する脳科学者であり、作家・教育者としても幅広く活躍している茂木健一郎さん。専門は「クオリア」と呼ばれる感覚の質感の研究で、脳と心の関係を解き明かすことをライフワークとしています。研究活動にとどまらず、著作やメディア出演を通じて一般の人々に脳科学の魅力を伝えています。 「IKIGAI」という言葉が、海外で注目されています。「Purpose」「Meaning(人生の意味)」として、そのまま「IKIGAI」という言葉が使われているそうです。 本では「IKIGAI」がなぜ私たちを幸福にし、長期的な充実感をもたらすのかを、具体的な日本の文化や事例を交えながら解説しています。 本には生きがいを説明する言葉がいくつも登場します。 「生きがい」とは 「生きる喜び」、「人生の意味」を指す日本語である。この言葉は確かに「生きる」と「値打ち」を指す「甲斐」から成っている。 「生きがい」は些細な物事に宿る。朝の空気、一杯のコーヒー、太陽の光。 「生きがい」はあなたに頑張る力をもたらしあなたの人生に目的を与えるもの。 「生きがい」は「朝、目を覚ます理由」とも表現できる。 すごく大きなものに見えて、実は私たちの何気ない日常の中に静かに宿るものだと気づかされます。 「生きがい」の5本柱 「IKIGAI」に重要な「5本柱」は以下だそうです。 1. 小さく始める (Starting Small) 大きな目標より、日々の小さな一歩から。 2. 自分を解放する (Releasing Yourself) 期待や評価から自由になり、心から夢中になれることへ時間を使う。 3. 持続可能にするために調和する (Harmony and Sustainability) 短期の成功ではなく、心の安定を育てる生活デザインを。 4. 小さな喜びを持つ (The Joy of Little Things) 細部に宿る美しさや幸せを見逃さない。 5. 今ここにいる (Being in the Here and Now) 今、目の前の瞬間に没頭する。 そして、茶道がこの5本柱すべてを体現していると説きます。 季節の花を一輪選ぶ心配り(1.小さく始める) 主客が自我を手放す謙虚さ(2.自分を解放する) 古い道具が時を超えて調和する(3.持続可能性にするために調和する) 菓子や器の細部に喜びを見出す(4.小さな喜びを持つ) 一期一会に心を置く(5.今ここにいる) 茶道は、単なるお茶ではなく、「今、この一瞬」を分かち合うための総合芸術なのだそうです。 茶道以外にも「IKIGAI」を説明するために寿司職人、茶道、陶芸、雅楽、アニメ、相撲力士、コミックが例として取り上げられていました。 日本文化の豊かさに改めて気づかされます。 IKIGAIとは、「あなたがあなたであることを祝う」ところから! 「IKIGAI」について語られていた印象的なフレーズをいくつか抜粋します。 自分の中で見つけ・育てる、固有のものであること。 誰かの正解ではなく、あなた自身の手で見つけていくものであること。 壮大な使命より“今・ここ”の小さな喜びと没頭を重ねることが欠かせないこと。 日々の感謝と充足から芽生えるものであること。 派手さではなく、小さな「うれしい・たのしい」を大切にする姿勢が大事であること。 そして、重要なのは「自己受容」だと言います。自分を受け入れることが「IKIGAI」のスタート地点になり、その準備が整ったときにはじめて、「私にとっての生きがい」が見えてくるのです。 万人に通じる唯一の方法はなく、自分を受け入れ、自分のやり方で、自分の「IKIGAI」を探すしかないのです。 本の終わりには素敵な応援メッセージが書いてありました。 あなたがあなたであることを祝おう! 3冊が教えてくれた「今日の一歩」の大切さ フリーランスは、「自分はどう生きたいか」を拠りどころに働き方を選び続けていく生き方だと思います。だからこそ、この本にあるように、自分のIKIGAIを丁寧に見つめ、大切に育てていくことで、その一歩一歩が、自分らしい未来へと確かにつながっていくのだと感じました。 『DIE WITH ZERO』は、お金とは命の時間が姿を変えたものだと教え、今しかできない経験に投資する勇気をくれました。 『モモ』は、心がそこにない時間は、生きた時間とはいわず、時間とは心のあるところにだけ流れるものだと気づかせてくれました。 『生きがい』は、IKIGAIは大きな成功ではなく、今日の小さなよろこびの積み重ねから育つものだと示してくれました。 そして3冊が揃うと、こんな答えが浮かびます。 未来を良くするのは、 「余裕ができたらいつか」ではなく今日の一歩の選び方。 「どんな時間を生きたい?」 年末年始、 少しだけ立ち止まって、自分に問いかけてみませんか。 平井圭子 富山県出身。青山学院大学経営学部経営学科卒。 プロフェッショナルファームで10年以上人事業務に従事。妊娠・出産を経て人事系フリーランス&キャリアカウンセラーとして独立。現在はベンチャー企業の人事業務支援、大手法人のダイバーシティ&インクルージョン推進支援、大学・高校での相談業務に携わる。 仕事の目標は仕事が楽しいと思える人を増やすこと。 プライベートでやりたいことは全国の素敵な本屋さん巡りをすること。

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読書の秋。5冊の本が教えてくれた「読むこと」の本質

昔から本が好きです。 言葉の中に沈み込んでいくような時間が、なんとも心地よくて、気が付いたら「本の虫」になっていました。 フリーランスとして働くようになってしばらくしたころ、ふと気づきました。好きな本を読んでいるというより、「役に立つ本」ばかりを選んでいる自分に。 「効率的に仕事を回す方法」「成果を出すためのスキル」「プロジェクトマネジメント」、仕事に直結する本を読むことに追われ、かつての読書の喜びを見失っていました。 その時に自分なりに編み出した読書法が2つあります。 1つ目は「交互読み」。 甘いものと塩からいものを交互に食べるように、ビジネス書の次は絵本、絵本の次は写真集、という具合に読むジャンルを変えていく方法です。半強制的にバランスを取ることができるようになりました。 2つ目は「並行読み」。 日中はビジネス書、夕方以降や寝る前はエッセイや物語、という具合に並行して複数冊読む方法です。頭の冴えている時間帯にビジネス書を読み、脳が疲れてきたらゆったりとした本を読むことで1日のサイクルが整い、眠りの質も上がりました。 いまは以前よりバランスの取れた読み方ができるようになっている気がしています。 読書の秋、改めて「読書」について考えてみたいと思い、読書に関する本を5冊、手に取ってみました。 1、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書) 2、『ぼくはこんなふうに本を読んできた』(SB新書) 3、『読書する人だけがたどり着ける場所』(SB新書) 4、『読書脳」(サンマーク出版)  5、『読書について』(中央公論新社) それぞれの本のエッセンスを紹介していきます。 気づき①:読めなくなったのは、時間のせいではなかった1冊目:『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)。 なぜ働いていると本が読めなくなるのか - 集英社新書☆★新書大賞2025受賞!!30万部突破!!☆★☆★2024年 年間ベストセラー1位(新書ノンフィクショ...shinsho.shueisha.co.jp 著者は、文芸評論家の三宅 香帆(みやけ かほ)さん。京都市立芸術大学非常勤講師も務める傍ら、主に文芸評論、社会批評などの分野で幅広く活動している。著書に『「好き」を言語化する技術』『人生を狂わす名著50』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』等があり、鋭い論考が特徴です。 非常に印象的なタイトルです。答えを知りたくて、思わず手を伸ばしたくなります。 この本には、タイトルの答えが直球で書いてあるというよりは、日本における労働の歴史と読書文化の変遷をたどりながら、現代の我々がどのようにして読書から遠ざかっていったのかが書いてありました。 タイトルの問いに対して、一般的には「長時間労働によって読む時間を奪われたから」と答えるのではないでしょうか。 しかし三宅香帆さんは、そんな単純な話ではないと言っています。私たちが“読めなくなっている”のは、社会構造そのもののせいだと。 読書とはノイズである。 そもそも本を読むことはノイズそのものなのです。 ノイズとは「他者や歴史や社会の文脈」と定義してあります。ノイズの多い本とは、哲学書や小説、思想書などすぐには役に立たないけれど、心を揺さぶったり、人としての深みを与えてくれる本たちのことです。 本を読むことは、働くことのノイズになる。 現代は「ノイズを削ぎ落とす社会」です。 タイパ、コスパという言葉を耳にしない日はありません。 確かに効率、即時成果、役立つ情報、そのどれもが仕事では正解かもしれません。 このような社会にあって読書が敬遠されたり、本を読んだとしても以前の私のように仕事に役立つ本ばかりを読んでしまうのは、ある意味では自然なことなのかもしれません。 このノイズを削り落とすだけで、本当に良いのでしょうか。無駄に見えること、今すぐに役に立たないこと、そういったものが人生の面白み、味わい、豊かさにつながることもあるのではないでしょうか。 効率を追う日々の中で、読書を通してあえてノイズを取り入れてみることで、思考が深まったり、ひらめきがあったり。回りまわってよい仕事ができる自分になれるような気もします。 気づき②:読むことは考えること2冊目:『ぼくはこんなふうに本を読んできた』(SB新書) ぼくはこんなふうに本を読んできた (SB新書 702)amzn.asia 1,100円(2025年11月04日 21:46時点詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 著者は、ジャーナリストの池上彰(いけがみ あきら)さん。NHK記者・キャスターとして報道番組を担当し、特に『週刊こどもニュース』でのやさしい解説が話題になりました。2005年にNHKを退職後、フリージャーナリストとして幅広いメディアで」活躍。政治・経済・社会問題をわかりやすく伝える語り口に定評があり、著書も多数あります。 この本は「読むことは、知ることではなく考えること」だと教えてくれる一冊でした。 池上さんが「どう本と向き合い、どう自分の考えをつくってきたか」が語られています。 ショウペンハウエルの「読書について 他二篇」が引用されていました。 読書は他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるに過ぎない。 読書にいそしむかぎり、実は我々の頭は他人の思想の運動場をに過ぎない。 ほとんどまる1日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失っていく。 本を読めば読むほど知識が身に付いて賢くなると思っていた池上さんは、この本に大変驚いたそうです。これには続きがありました。 ただ本を読めばいいというわけではないのだ。本を読んだ後は自分でしっかり考えなければいけない。それには時間が必要で自分の頭を使ってよく考える十分な時間をとってこそ読書は意味あるものになる。 読むことで終わらせず自分の言葉で考え直す、この「読む→考える」のサイクルこそが、本当の意味での読書だと言うのです。 池上さんは「著者と対話するように読むことが大切」と言っています。 読みながら「それは本当か」「もっと別の見方もできるのではないか」などと頭の中で思考を行ったり来たりさせながら著者と対話するように読む、ということです。 読んで自分で考える、また読んで自分で考える、この繰り返しに読書の本質があるのかもしれません。そして、この「本物の読書」を通して、ようやく「本物の思考力」が身に付くのでしょう。 フリーランスはおおよそ全てのことを自分で決める必要があります。我々を支えてくれるのは自分の「思考力」です。 フリーランスとしては筋トレのように日々鍛えておきたい力です。 この本には、読書で「思考力」が鍛えられるということを、まるで池上さんの授業を受けているように、わかりやすく教えてもらえました。 気づき③:深く生きるために読む3冊目:『読書する人だけがたどり着ける場所』(SB新書) 読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)amzn.asia 880円(2025年11月04日 21:42時点詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 著者は、明治大学文学部教授の斎藤孝(さいとう たかし)さん。2001年に『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス)で新潮学芸賞を受賞。同年に出版した『声に出して読みたい日本語』(草思社)は毎日出版文化賞特別賞を受賞し、シリーズ累計260万部を超えるベストセラーとなり、日本語ブームを生み出しました。著書の累計発行部数は1,000万部を超えています。 この本は中盤以降、すべての章タイトルは「〜本の読み方」で統一されています。 「思考と深める本の読み方」「知識を深める本の読み方」「人格を深める本の読み方」など。つまりこの本は「どんな本を読むか」ではなく「どう読むか」ということに着目しているのです。 読書は2つに分けられるそうです。 読書には大きく分けて二つあります。情報としての読書と、人格としての読書です。 問題解決のヒントや知識を求める情報としての読書。 小説など本の世界観を味わう人格としての読書。 齋藤さんは、情報としての読書に偏ることがよくない、と言っているのではないのです。 情報としての読書であっても情報と人間の営みとを一緒に理解しようとすればおのずとふかまっていくのです。 情報としての本、仕事に直結する本ばかりを読むことが悪いのではなく大切なのは「どう読むか」という姿勢でした。 同じ一冊でも、効率的に情報を拾うだけで終えるか、そこに込められた人の思いや背景まで感じ取るかで、読書の深さはまったく変わってくるということです。新しい視点を得ることが出来ました。 難しい本の読み方の章ではこんなユーモラスな言葉もありました。 たとえ「買ったものの読まなかった」という本が増えてもホモ・サピエンスとしての誇りを傷つけていないということで、それはかまわないことにしましょう。買ったものの履かなかった靴、買ったものの使わなかったダイエット器具よりはましです。 読めなかった本でも、「いつかの自分への投資」だと考えると気持ちが楽になります。自分が読めるようになる日までそっと側に置いておく、それもまた、静かな読書のかたちかもしれません。 齋藤さんが語る「どう読むか」という視点は、フリーランスの働き方にも重なります。 変化の激しい仕事環境では、何をするかも大切ですが、どう考え、どう向き合うかが、より重要になります。 読むことも働くことも、自分を少しずつ成長させていく長い旅のようなものです。 いまの自分には少し難しく感じる章も、きっと未来の自分なら読み解ける。 その未来を信じて、自分の軸を大切にしながら、自分らしく歩んでいけるといいのではないでしょうか。 気づき④:使える知識に変える4冊目:『読書脳』(サンマーク出版) 読書脳 | 本とTREE BOOK STOREAI時代こそ、「読解力」で差がつく。精神科医・樺沢紫苑の「読み方」大全「思考力」「記憶力」「判断力」――すべて読書が授けてbookstore.sunmark.co.jp 1,760円 本とTREE BOOK STOREで購入する 著者は、精神科医の樺沢紫苑(かばさわ しおん)さん。北海道内の8病院に勤務後、米国イリノイ大学に留学し、うつ病と自殺の研究に従事。帰国後は東京で樺沢心理学研究所を設立し精神医学・心理学・脳科学の知識を広く発信し、YouTube「樺チャンネル」は登録者14万人超えの大人気です。著書は30冊以上にのぼり、『読んだら忘れない読書術』『アウトプット大全』『インプット大全』などがベストセラーとなっています。 この本では精神科医として脳科学や心理学の知見をもとに、「なぜ読書が思考力・記憶力・創造力を高めるのか」「どう読めば知識が定着し、行動につながるのか」などがわかりやすく解説してあります。 樺沢さんは「読んだら忘れない読書術」として「読んで終わりにしない読書」を勧めています。 ポイントは読書をインプットではなくアウトプットを前提とした行動として捉えること。読むだけでは記憶は長く残らず、話す、書くなど「アウトプット」することで初めて脳に定着するそうです。 樺沢さんのお勧めしているアウトプットの方法を5つ紹介します。 ●線を引きながら読む。 内容を記憶に残し、成長を最大化するには「汚く」読んだ方がよいそうです。 ●読んだ本について話す。 単に感想を話すのではなく具体的にどこがためになったのか、本の内容を要約しながら相手に伝える必要があります。 ●感想をSNSでシェアする。 本の感想を書くのが大変だと感じる人は「名言」を投稿するだけでもよいそうです。「名言投稿」であれば気負うことなく続けられそうです。 ●レビューを書く。 こちらは上級者向けです。樺沢さんは気に入った本や特にお勧めしたい本については書評やレビューを書くようにしているそうです。 ●アウトプットを前提に読む。 「出すことを前提に読む」と読書の質が変わるそうです。 「読んだら忘れない読書」とは、知識をためるための読書ではなく、行動につなげる読書です。線を引く、話す、シェアする、書く、そして出すつもりで読む、この5つのアウトプットを意識することで、読書は受け身の情報収集から、能動的な行為へと変わります。読むことそのものが、脳を鍛え、思考を深め、日々の行動を変えていく時間になるのです。 フリーランスの仕事は、自分で考え、動き、形にしていく時間の連続です。「出すことを前提に読む」読書術は、本から得た学びを成果へ変えることにつながります。 読書を単なるインプットではなく、自分の仕事と人生を育てる時間にできたとしたら、それはきっと、強力な武器になるはずです。 気づき⑤:使える知識に変える5冊目:『読書について』(中央公論新社) 読書について -小林秀雄 著|単行本|中央公論新社「批評の神様」はどのように読み、書き、ものを見たのか。濫読や全集のすすめといった読書技法、良い文章とは何か、美しいものを見www.chuko.co.jp 著者は、文芸評論家・随筆家の小林秀雄(こばやし ひでお)さん。近代日本の文芸評論の確立者であり、晩年は保守文化人の代表者でした。アルチュール・ランボーなどフランス象徴派の詩人たち、ドストエフスキー、幸田露伴・泉鏡花・志賀直哉らの作品、ベルクソンやアランの哲学思想に大きな影響を受けます。本居宣長の著作など近代以前の日本文学にも深い造詣と鑑識眼を持っていました。 「本をどう読むか」ではなく、「読むとはどういうことか」を問い直す一冊でした。 読書とは単に知識を得る手段ではなく、自分の感受性や思考を磨く生き方そのものであると語っている、知的で静かな読書論です。難しくそして美しい本でした。 この本の中に他の本にも書いてあったことが書いてありました。 読書というものはこちらが頭を空にしていれば向こうでそれをみたしてくれるというものではない。 自分の身に照らして書いてある思想を理解しようと努めるべきで書いてある思想によって自分を失うことが思想を学ぶことではない。 恋愛小説により自分を失い他人の恋愛を装う術を覚えるように、他人の思想を装う術を覚えてはだめだと思う。 池上さんや樺沢さんの本にも同じようなことが書いてありました。受け身ではなく、積極的な読み方が必要であるという点では武田さんや斎藤さんも近いことを言っています。 また小林さんはこうも言っています。 僕は僕自身を育てねばならない。いくら知識を得ても。それが僕の身に付かなければ僕は文化人にも教養人にもなれぬ。 本を読んで知識を詰め込んでも、自分の血肉にしなければ意味がありません。どんな本を読むかよりも、どう読んで、自分の中にどう残すかが大切です。 読書は、ときに自分の無知や弱さと向き合う時間でもあります。 難解な言葉や、胸に突き刺さるような言葉に出会っても、真正面から受け止める。 その積み重ねの中にしか、本当の教養も成長も生まれないのだと思います。 厳しくも本質を突く言葉に、静かに背筋を正されました。 読書とは、自分を育て続ける能動的な行為5冊を通して感じたのは、読書とは「知識を得ること」ではなく、「自分を深め更新し続けること」だということです。 武田砂鉄さんからは、読む心の余白を取り戻すことの大切さを、 池上彰さんからは、読むことが「考える力」を育てることを、 齋藤孝さんからは、「どう読むか」という姿勢が人をつくることを、 樺沢紫苑さんからは、読書をアウトプットにつなげる「実践力」を、 そして小林秀雄さんからは、読むとは自分を見つめ直す営みであることを学びました。 5冊の主張は異なっていても、行き着く答えは同じでした。 読むことは、受け身ではなく能動的な営みであり、自分を育て続けることです。 本の言葉を通して考え、感じ、学びを重ねていく、その積み重ねが、変化の時代をしなやかに生きる力になるのだと思います。 フリーランスとして働くということは、常に学び、自らを磨き続けることでもあります。 読書は、そのための最も静かで確かな時間です。 本を通して世界の見方を広げ、思考を鍛えることで、仕事にも人生にも確かな深みが生まれていく。 これからも、どんなに忙しくても、本と向き合う時間を大切にしていきたいです。 平井圭子 富山県出身。青山学院大学経営学部経営学科卒。 プロフェッショナルファームで10年以上人事業務に従事。妊娠・出産を経て人事系フリーランス&キャリアカウンセラーとして独立。現在はベンチャー企業の人事業務支援、大手法人のダイバーシティ&インクルージョン推進支援、大学・高校での相談業務に携わる。 仕事の目標は仕事が楽しいと思える人を増やすこと。 プライベートでやりたいことは全国の素敵な本屋さん巡りをすること。

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【東海道〜山陽新幹線】移動のスキマ時間を有効活用!ドロップイン可能な駅直結コワーキングスペース8選

新幹線での出張や移動の合間、 「次の移動まであと1時間あるから集中してPC作業をしたい」 「周囲の目を気にせず、Web会議をできる場所を探したい」 と思ったことはありませんか? カフェに入ってみたものの、満席で座れなかったり、電源・Wi-Fi環境が不十分だったりして焦ってしまうのは避けたいもの。 そこでおすすめなのが、駅直結かつ、ドロップイン(1回単位での利用)ができるコワーキングスペース・ワークラウンジの活用です。 本記事では、東海道〜山陽新幹線の主要駅からアクセス抜群の駅直結コワーキングスポット8選をご紹介します。 さらに、駅近にドロップインがない場合に知っておきたい 「会員限定のシェアオフィスをドロップイン利用する方法」 「万が一の満席時に役立つ、駅近レンタルスペースの活用術」 も解説します!! スキマ時間を快適かつスマートに作業を進めるためのガイドとして、ぜひご活用ください。 ※この記事は、2026年7月末の情報をもとに作成しています。今後、内容に変更がある場合があります。 ※料金は全て税込です。 ※本記事では、新幹線駅の利用者数ランキングの上位10位以内にランクインした駅をもとにリサーチを行いました。 参照元データ:鉄道情報館『新幹線駅利用者数ランキング(2025年7月10日更新)』https://tetsudozyoho.com/shinkansen-ranking/ 東海道〜山陽新幹線の主要駅直結のおすすめコワーキング8選1.【東京駅】EXPRESS WORK-Lounge 日本橋口改札から徒歩1分!乗車直前まで快適に作業したい人におすすめ新幹線改札からすぐ、駅直上のビル内という好立地にあり、快適かつ作業に集中できるビジネスラウンジです。 解放感のあるオープン席をはじめ、PCモニター付きの半個室、Web会議専用の完全個室、打合せ用会議室まで多彩な座席を完備しています。 出典:EXPRESS WORK-Lounge・ロケーション:駅直上ビル内(丸の内中央ビル11F) ・会員制度:独自 ・ドロップイン料金:オープン席 275円/15分(1,100円/h)、半個室 330円/15分(1,320円/h)、完全個室 385円/15分(1,540円/h)、会議室 [1室6名] 2,750円/15分(11,000円/h) 💡 利用時の注意点・補足 事前の会員連携が必要:利用にはJR東海の「スマートEX」または「エクスプレス予約」のアカウント連携が必要。いずれかの会員登録をした上で、EXPRESS WORKの会員登録を行う必要あり。 【施設概要】 ⚫︎住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 丸の内中央ビル 11F     ※東海道新幹線16号車寄り ⚫︎営業時間:平日 8:00~20:00(年末年始等除く) ⚫︎オンラインブース:あり(完全個室・半個室) ⚫︎その他:フリーWi-Fi、フリードリンク、貸し出し備品、電話・Web会議OK ⚫︎問い合わせ先・URL:03-6689-7778 info-office@expresswork.jp https://expresswork.jr-central.co.jp/lounge/ 2.【東京駅】STATION DESK グランスタ丸の内東京駅構内!Web会議・集中したい作業に最適な全席完全個室シェアオフィス 全席Web会議対応の完全個室を12室用意。作業はもちろん、急なWeb会議や電話の際も周りを気にせず集中して利用できます。 公式サイトから詳しい空室状況がWeb上で確認できるのも便利なポイントです。 出典:STATION WORK・ロケーション:駅構内(JR東京駅グランスタ丸の内) ・会員制度:独自 ・ドロップイン料金:スタンダード(個室)全席495円/15分、プレミアム(個室)全席550円)/15分 💡 利用時の注意点・補足 会員登録とWeb予約が必要 STATION WORK会員登録の上、事前の空室確認・予約を行ってからの利用がスムーズ。 【施設概要】 ⚫︎住所:東京都千代田区丸の内1-9-1JR東京駅グランスタ丸の内 ⚫︎営業時間:7:00~21:30 ⚫︎オンラインブース:あり(完全個室) ⚫︎その他:フリーWi-Fi、給茶機、電話・Web会議OK ⚫︎問い合わせ先・URL:https://www.stationwork.jp/base-detail/801/3 3.【東京駅】STATION DESK 東京丸の内丸の内地下南口改札を出てすぐ!移動の合間にサクッと使える完全個室スペース JR東京駅丸の内地下南口改札を出て直進し、動輪広場を越えた右手に位置する抜群のロケーション。 移動の合間や移動直前のWeb会議、静かな環境での作業に最適な完全個室を備えています。 STATION DESK グランスタ丸の内同様、HPから空き状況を確認できます。 出典:STATION WORK・ロケーション:駅直結(JR東京駅丸の内地下南口改札外付近) ・会員制度:独自 ・ドロップイン料金:330円/15分 💡 利用時の注意点・補足 会員登録とWeb予約が必要:STATION WORK会員に登録の上、事前の空室確認・予約を行ってからの利用がスムーズ。 【施設概要】 ⚫︎住所:東京都千代田区丸の内 JR東京駅丸の内地下南口改札外付近 ⚫︎営業時間:7:00~21:30 ⚫︎オンラインブース:あり(完全個室) ⚫︎その他:フリーWi-Fi、電話・Web会議OK ⚫︎問い合わせ先・URL:https://www.stationwork.jp/base-detail/10/3 4.【東京駅】TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI駅直結丸ビル内!スナック・ドリンクや豊富な書籍も楽しめるシェアラウンジ TSUTAYA併設のシェアラウンジ。フリードリンクやスナック類に加え、店内の書籍を読みながらリフレッシュできる魅力的な環境が整っています。 別料金でなんとアルコールプランまで提供あり。たまには、ちょっと優雅なワークタイムを過ごしてみては? 出典:SHARE LOUNGE・ロケーション:駅直結(丸ビル 3F•4F) ・会員制度:独自 ・ドロップイン料金:ソフトドリンクプラン60分1,870円、延長30分935円、1日最大6,930円、アルコールプラン60分2,420円、延長30分1,210円 💡 利用時の注意点・補足 アプリ決済がお得:無料アプリ・会員登録でお会計が通常料金から10%OFF。(1日利用・回数券購入・月額利用は対象外) 【施設概要】 ⚫︎住所:東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル 3F・4F ⚫︎営業時間:8:00~22:00 ⚫︎オンラインブース:あり(完全個室) ⚫︎その他:フリーWi-Fi、フリースナック・フリードリンク、書籍・コミック閲覧可、貸し出し備品、電話・Web会議OK ⚫︎問い合わせ先・URL:03-6206-3767 https://www.sharelounge.jp/store/2046 5.【静岡駅】fabbit静岡駅ビルパルシェJR静岡駅直結!駅ビル内に2026年オープンしたてのワークスペース 静岡駅直結の商業施設「パルシェ」7階にあり、2026年3月30日にオープンしたばかりの環境でワークができます。 スタッフ常駐のレンタルオフィスですが、ドロップインにも対応。 1日なんと1,340円という良心的な料金で利用できるのも嬉しいポイントです。 出典:fabbit・ロケーション:駅直結(静岡駅ビル パルシェ 7F) ・会員制度:独自 ・ドロップイン料金:1DAY PASS 1,430円、会議室30分350円 💡 利用時の注意点・補足 会員登録とWeb予約がおすすめ:fabbit会員に登録の上、事前の空室確認・予約を行ってからの利用がスムーズ。 【施設概要】 ⚫︎住所:静岡県静岡市葵区黒金町49番地 静岡駅ビルパルシェ7F ⚫︎営業時間:1DAY PASS 平日9:00-18:00 ⚫︎オンラインブース:あり(フォンブース(無料)•会議室(有料)) ⚫︎その他:フリーWi-Fi、フリードリンク、貸し出し備品、電話・Web会議OK ⚫︎問い合わせ先・URL:03-6820-7940 https://fabbit.co.jp/office/fabbit-shizuoka-parche/ 6.【名古屋駅】WeWork JRセントラルタワーズ 名古屋名古屋駅直結・直上!名古屋市街を一望できる絶景ワークスペース 名古屋駅直結のタワービル50階に位置し、圧倒的な眺望と開放感が魅力。 新幹線やJR在来線など合わせて9路線の利用が可能な名古屋駅直結のため、利便性は抜群です。 通常シェアオフィスとして利用されているこちらのスポット、実は、後ほど紹介する「STATION WORK」や「ANA WORK POINT」と提携しており、これらの会員になるとドロップインが利用できます。 出典:STATION WORK・ロケーション:駅直結(JRセントラルタワーズ 50F) ・会員制度:外部サービスを利用(独自の月額会員もあり) ・ドロップイン料金: 【STATION WORK】AM(9:00-13:00)1,980円、PM(13:00-18:00)2,490円、1day(9:00-18:00)3,490円、 【ANA WORK POINT】1時間1,100円、1日最大4,400円 💡 利用時の注意点・補足 提携サービス経由での予約が必要:通常はWeWork会員限定利用のスポットだが、「STATION WORK」や「ANA WORK POINT」のサービスを経由することでドロップイン利用が可能。 【施設概要】 ⚫︎住所:愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1-4 JRセントラルタワーズ 50F ⚫︎営業時間:平日9:00-18:00 ⚫︎オンラインブース:あり(フォンブース/当日空きがある場合のみ利用可) ⚫︎その他:フリーWi-Fi、フリードリンク、オープン席Web会議不可 ⚫︎問い合わせ先・URL: WeWork:050-1742-2028(平日9:00-18:00) STATION WORK:https://www.stationwork.jp/inquiry/fill-info ANA WORK POIN:https://anaworkpoint.satori.site/contactform 7.【京都駅】Work PLACE COCOLO 京都新幹線乗降前にサクッと立ち寄れる便利な京都駅ナカスポット 京都駅ビルの8階に位置する隠れ家的ワークスペース。オープンワークエリアにはソファベンチやソファ席を用意。 比較的コンパクトなスペースでありながら、静かに集中できる半個室ブースも完備しており、移動前後の急なPC作業やWeb会議に役立ちます。 出典:Work PLACE COCOLO・ロケーション:駅直結(京都駅ビル西ゾーン 8F) ・会員制度:独自 ・ドロップイン料金:オープン席 220円 / 30分、半個室ブースⅠ、Ⅱ 400円 / 30分 💡 利用時の注意点・補足 全ての座席について事前にマイページより予約が必要:https://jrwd-workspace.com/member/より会員登録が必要 【施設概要】 ⚫︎住所:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町901 京都駅ビル西ゾーン8階 京都府旅券事務所横 ⚫︎営業時間:平日8:00-20:00 ⚫︎オンラインブース:あり(半個室ブース) ⚫︎その他:フリーWi-Fi、電話・Web会議OK ⚫︎問い合わせ先・URL:06-6115-6627(全店舗窓口:阿倍野店) https://jrwd-workspace.com/contact/ https://jrwd-workspace.com/floor/kyoto/ 8.【博多駅】Co-Working Space「Q」アミュプラザ博多内!ドリンク付き回数券プランもある快適空間 博多駅直結の商業施設「アミュプラザ博多」地下1階に位置し、スキマ時間に立ち寄りやすいスペースです。 フリーのワークスペースをはじめ、フォンブースや半個室などWeb会議にも配慮された空間も完備。ドリンクは有料ですが、お得なドリンク料付き回数券なども提供されています。 出典:Co-Working & Co-Learning Space「Q」 ロケーション:駅直結(アミュプラザ博多 B1F) 会員制度:来店時にLINEによるお客様登録あり ドロップイン料金:1時間 770円、1日 2,970円、半個室1,100円 💡 利用時の注意点・補足 土日祝の営業時間に注意:土日祝日は10:00~19:00営業と、平日9:00~20:00より営業時間が短くなるため注意が必要。 【施設概要】 ⚫︎住所:福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 アミュプラザ博多 B1F ⚫︎営業時間:平日 9:00~20:00 / 土日祝 10:00~19:00(店休日除く) ⚫︎オンラインブース:あり(半個室ブース(有料)•フォンブース(無料)/当日空きがある場合のみ利用可) ⚫︎その他:フリーWi-Fi、フリードリンク(有料)、ドリンク料付き回数券あり、電話・Web会議OK ⚫︎問い合わせ先・URL:070-4491-3250、https://q.jrkyushu.co.jp/ ここまでは東海道新幹線の乗車人員ランキングTOP10の主要駅から駅直結のコワーキングスペースをご紹介してきました。 ただ、利用者が非常に多い駅でありながら、新大阪駅のように「駅直結で手軽にドロップイン利用できるコワーキングスペースが見つからなかった」というケースもありました。 そこで!目的の駅で希望に合うワークスペースが見つからない場合に備えた選択肢の広げ方を2つほど、ご紹介します! 会員限定のシェアオフィスをドロップイン利用する方法 「インターネットやMAPアプリで検索しても、ドロップインで使える施設が見つからない…」という時に試したいのが、会員限定のシェアオフィスをドロップイン利用する方法です。 これらのサービスを活用すると、通常は「法人契約のみ」や「月額会員限定」となっているコワーキングスペースやシェアオフィスをドロップインで利用できるようになります。 今回はその中でも、交通系の会社が運営するサービスを経由して、普段使えないような法人・月額限定オフィスを利用する方法を紹介します。 1. STATION WORK JR東日本グループが運営するビジネス全般のシェアオフィスサービスです。 先ほどご紹介した駅ナカの個室ブース「STATION BOOTH」をはじめ、提携している多様なシェアオフィスやコワーキングスペース、各種ホテルラウンジ等を、WEB上の共通アカウントからスムーズに都度予約・利用できます。 個人がSTATION WORKに新規で会員登録する際には、「JRE ID」の作成と「STATION WORK」への会員登録が必要です(登録料等の初期費用・月額料無料)。 URL:https://www.stationwork.jp/ 2.Yoyappin(ヨヤッピン) JR西日本が提携している、様々なスペースを最短15分単位で利用可能なサービスです(最低利用時間はスペースにより異なります)。駅チカ・駅ナカスペースの掲載もあり、移動の合間に利用したいフリーランスにピッタリ。 また、JR西日本グループの共通ポイント「WESTERポイント(基本)」がたまるのも嬉しいポイントです。(WESTER会員または、WESTER IDを連携したYoyappin会員に限ります) URL:https://yoyappin.westjr.co.jp/ 貸し会議室・レンタルスペースを予約するならYoyappin[ヨヤッピン]レンタルスペース・貸し会議室の検索予約サイトYoyappin(ヨヤッピン)。会議や撮影、イベントに最適なスペースを簡単に予yoyappin.westjr.co.jp 3. ANA WORK POINT 入会金・年会費無料のANAマイレージクラブ会員になれば利用ができるワークスペース予約サービス。 利用料金に応じてANAのマイルが貯まる・使えるため、普段から飛行機移動や出張が多いビジネスパーソンには特におすすめです。 また、秋田空港や長崎空港など、空港のラウンジやコワーキングスペースとも提携しているのもANAならでは。 URL:https://www.anaworkpoint.com/service/ ANA WORK POINTの特徴www.anaworkpoint.com 万が一の満席時に役立つ、駅近レンタルスペースの活用術「駅近くのコワーキングスペースに行ってみたけれど満席で入れない…」 「Web会議の予定があるのに個室ブースが埋まっている…」 そんな時に頼りになるのが、時間単位で借りられる「レンタルスペース」です。会議室や個室のワークブースだけでなく、無人運営の完全プライベート空間まで、スマホ1つで予約可能。 「静かな個室を数時間だけ独占したい」「周りを気にせず話したい」というニーズがある人におすすめです。 1. インスタベース(instabase) 日本屈指の掲載数を誇るレンタルスペースの予約プラットフォーム。1人用の静かなワークブースや少人数向け会議室から大型サロンまで、用途やエリアに合わせて全国のスペースを簡単に検索・予約できます。 レンタルスペースを探すならインスタベース全国のレンタルスペースを簡単予約!おしゃれなパーティールームから駅近の格安な貸会議室まで、1時間から借りられます。場所、用www.instabase.jp 【ここがポイント】 ・豊富なレンタルスペース数・バリエーションが魅力。 ・「駅徒歩⚪︎分以内」「Wi-Fi」「防音」「今すぐ予約」など細かい条件で絞り込めるため、急なWeb会議の駆け込み先も探したい時にも安心。 2. いいオフィス・いいアプリ 「いいオフィス」は全国約900拠点のコワーキングスペースをスマホひとつで利用できるサービス。いいオフィスの専用アプリを「いいアプリ」といいます。ドロップインの場合は、事前予約不要。また、個室や会議室の場合は事前に席を確保することも可能です。 【ここがポイント】 ・アプリ上で検索・予約・QRコード決済までシームレスに行える。 ・オープンスペースから個室レンタルまで、状況に応じたスムーズな使い分けが可能。 いいオフィス | 全国のコワーキングスペース・シェアオフィスをアプリで探せる、使えるいいオフィスは全国900拠点以上でコワーキングスペース・シェアオフィスを展開。電源、WiFi、個室、会議室のあるスペースをe-office.space まとめ今回は、東海道〜山陽新幹線の主要駅直結のコワーキングスペース8選をご紹介しました。 また、駅直結のコワーキングスペースだけでなく、事前に知っておくだけで選択肢が大きく広がるコツもお伝えしました。 ご自身の移動ルートや、その日の作業内容・予算に合わせて最適なワーク場所を選び、出張・移動の時間をより快適で効率的なものにしていきましょう! 執筆:正田美紀子 複業フリーランス・国家資格キャリアコンサルタント 北海道大学経済学部卒業後、旅行系出版社に入社。 結婚、出産、夫の海外赴任などにより3度のキャリアチェンジを経験し、「環境やライフステージに合わせた働き方とやりがいを見つけること」の重要性を実感。 現在はライターのほか、キャリアカウンセラーや、自治体で在宅ワーク・キャリアに関するセミナー講師などを複業中。3児の母。

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【2026年度】自治体のワーケーション補助金・助成金まとめ

全国の自治体が実施する「フリーランスが使えるワーケーション補助金・助成金」のまとめ記事を公開したのが約1年前。 「今年もお得にワーケーションができる自治体はある?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。 安心してください。今年度も継続してワーケーション補助金を実施している自治体がありました! 「昨年はタイミングを逃してしまった」 「今年こそは公費のサポートを受けて、新しい環境で作業したい」 「気になるあの場所を訪れ、ワーケーションしてみたい」 という方は、ぜひこの記事をお役立てください。 ※この記事は、2026年6月末の情報をもとに作成しています。以降は申し込みを終了している場合もありますので、各自治体のサイトをご確認ください。 ※フリーランスとは、「個人事業主として開業届を提出済の方」をいいます。 自治体によっては、個人事業主であることを証明する書類の提出が必要な場合がございます。 ※自治体によって申請の内容や条件等が変わります。必ず内容をご確認の上、ご利用ください。 北海道北海道 富良野市(ワーケーション展開費用助成金) 北海道の中心「へそ」とも呼ばれ、四季折々の美しい自然を楽しめる富良野市では、ワーケーションやリゾートテレワークの受け入れを積極的に行っています。 雄大な景色を眺めながら作業ができる環境に加え、助成金の対象・種類も、子育て世代から半農半X、移住・ワーケーション体験ツアー参加者など、様々な方が対象となっており、「自治体としてワーケーションを盛り上げていこう」という意識が伝わってきます。 また、助成金利用者は滞在中にモニターやモバイルバッテリーの貸し出しがあるのも嬉しいポイントです。 出典:ワーケーションフラノ【名称】 ワーケーション展開費用助成金 1.子育て向けワーケーション・移住体験支援事業 2.転職なき移住者向けワーケーション・移住体験支援事業 3.半農半Xワーケーション体験支援事業 4.サテライトオフィス進出検討支援事業 5.人材育成・チーム合宿ワーケーション実施支援事業 6.ワーケーション実施支援事業 7.移住・ワーケーション体験ツアー参加支援事業 ※富良野市のワーケーション助成は複数種類があるため、下記にて種類ごとに分けてご紹介します 【対象者】 市外の社員等、企業・団体の役員・社員(職員)又はフリーランス・個人事業主(日本国内に住所を有し、居住実態がある者) 助成の対象となる者(以下、「助成対象者」という。)は、以下の第1号から第4号までの要件を全て満たす企業等、社員等及び代理店とする。 1.社員等が所属する法人においては既に1年以上の事業活動実績があること。 2.国・都道府県その他の公的機関から助成金等を重複して交付を受ける者でないこと。 3.風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号) 第2条に定める業種、公序良俗に反する事業又は宗教的施設として活用する事業を営む者でないこと。 4.富良野市暴力団排除条例(平成26年条例第28号)第2条第1号に規定する暴力団、同条第2号に規定する暴力団員又は同条第3号に規定する暴力団関係事業者に該当しない者であること。 【事業名と対象経費・補助率・上限】 1.子育て世代向けワーケーション・移住体験支援事業 ・家賃(宿泊費) 14泊以上は5万円を上限に2/3以内、21泊以上は10万円を上限に2/3以内、31泊以上は15万円を上限に2/3以内 ・レンタカー 14日以上は3万円を上限に1/2以内、21日以上は5万円を上限に1/2以内、31日以上は7万円を上限に1/2以内・保育料(1名分)2,500円/1日を上限に1/2以内 ・保育料 1日2,500円を上限に1/2以内、最大30日間分まで支給とする。体験教育費は5万円を上限に1/3以内とする。 ///////////////////////////////////////////////// 2.転職なき移住者向けワーケーション・移住体験支援事業 ・家賃(宿泊費) 14泊以上は5万円を上限に2/3以内、21泊以上は10万円を上限に2/3以内、31泊以上は15万円を上限に2/3以内 ・レンタカー 14日以上は3万円を上限に1/2以内、21日以上は5万円を上限に1/2以内、31日以上は7万円を上限に1/2以内 ///////////////////////////////////////////////// 3.半農半Xワーケーション体験支援事業 ・旅費 《新規就農・雇用就農向け》 5月~6月の期間に1日あたり4時間(午前中)の農作業を連続して4日間体験した場合、2万円の旅費を支給する。なお、7日間まで延長できることとし、1日当たり5千円の旅費を加算する。 ※怪我や病気等やむを得ない事由により、連続して4日間の体験ができなくなった場合に限り、農作業体験した日数分の旅費(1日あたり5千円)を支給する。 《農業体験向け》 7月~9月の期間に1日あたり4時間(午前中)の農作業を連続して3日間体験した場合、15千円の旅費を支給する。なお、5日間まで延長できることとし、1日当たり5千円の旅費を加算する。※怪我や病気等やむを得ない事由により、連続して 3日間の体験ができなくなった場合に限り、農作業体験した日数分の旅費(1日あたり5千円)を支給する。 ///////////////////////////////////////////////// 4.サテライトオフィス進出検討視察支援事業 ・旅費 1名あたり道外3万円、道内2万円の助成 ※富良野市内の宿泊施設に2泊以上滞在すること ※助成は1回視察につき1社あたり4人まで ///////////////////////////////////////////////// 5.人材育成・チーム合宿ワーケーション実施支援事業 ・旅費 1名あたり道外3万円、道内2万円の助成 ※富良野市内の宿泊施設に4泊以上滞在すること ※助成は1回5名以上で実施し、上限を10名とする ///////////////////////////////////////////////// 6.ワーケーション実施支援事業 ・旅費 《通常型》 1名あたり道外2万円、道内1万2千円の旅費を定額助成 ※4泊以上滞在すること ※ゴールデンウイーク及び7月~9月除く 《担い手活動参画型》 富良野市内の宿泊施設で4泊以上滞在し、地域イベント等のボランティア活動に参加した場合、1名あたり道外4万円、道内2万円とする。 ///////////////////////////////////////////////// 7.移住・ワーケーション体験ツアー参加支援事業 ・旅費 富良野市内の宿泊施設に滞在した場合 、 道外の夫婦・パートナー帯同は3万円、個人は2万円の旅費を支給する。道内の夫婦・パートナー帯同は2万円、個人は1万円の旅費を支給する。 ///////////////////////////////////////////////// ※事業ごとに助成要件が定められているので要綱等を確認願います。 【問合せ先】 富良野市 総務部 シティプロモーション推進課 TEL:0167-39-2277 E-mail:iju.soudan@city.furano.hokkaido.jp 【参考URL】 https://furano-workation.com/joseikin-2026/ 北海道 浦河町(ワーケーション交通費補助事業) 北海道・えりも岬から約50kmに位置する浦河町は、世界レベルの競走馬調教施設「JRA日高育成牧場」を擁する国内有数の競走馬の産地です。 この町の日常にはサラブレッドたちの優美な姿があり、乗馬や馬との触れ合いを通じて、深いリラックス効果(ホースセラピー)を得ることができるといわれています。 豊かな自然と動物たちに囲まれた静かな環境で、雑音をシャットアウトしてクリエイティブな思考に没頭してみるのはいかがでしょうか。 出典:浦河町【名称】 ワーケーション交通費補助事業 【対象者】 北海道日高管内に居住していない個人や家族で、次のいずれにも該当する方。 ・国、都道府県その他公的機関から同種の補助金等を重複して交付を受ける者ではないこと。 ・政治的又は宗教活動を目的としていないこと。 ・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団又は同条第6号に規定する暴力団員ではないこと。 ・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条に定める業種を営む者ではないこと。 ・前各号に掲げる者のほか、町長が不適当と認める者ではないこと。 【対象経費】 レンタカー利用料 ※1組あたり1台までが補助対象となります。 ※浦河町に滞在していない期間は補助対象外となります。 ※燃料代は補助対象外となります。 【補助率・上限】 お支払いいただいたレンタカー利用料の1日あたりの料金の2分の1の額を基準に、次の金額を上限として滞在日数分又は借上日数分のポイントを補助します。 町外レンタカー事業者をご利用の場合:1日あたり上限5,000円分 町内レンタカー事業者をご利用の場合:1日あたり上限3,000円分 ※借上日数が滞在日数より短い場合は借上日数で積算します。 ※申請できる上限日数は21日までとなります。 ※基準となる1日あたりの金額は、1,000円未満切り捨てで積算します。 (例)1週間でレンタカー料金が50,000円の場合    50,000円÷7日=7,142円(小数点以下切り捨て)    7,142円÷2=3,571円→3,000円(1,000円未満切り捨て)    3,000円×7日=21,000円(補助額) 【補助要件】 次のすべての要件を満たすものであること。 ・町内宿泊施設又はうらかわ生活体験住宅をワーケーションの滞在先として利用して、2泊以上の宿泊をすること ・本町の担当者との意見交換やアンケート調査に協力すること 【問合せ先】 浦河町役場 商工観光課 移住交流推進係 TEL:0146-26-9013 E-mail:ijuturn@town.urakawa.hokkaido.jp 【参考URL】 https://urakawa-stay.net/news/koutsuuhi_hojo/ 北海道 新得町(ワーケーション推進事業助成金) 広大な十勝エリアに位置する新得町は、大自然のエネルギーを肌で感じながら、アクティブになれるスポットです。 登山や川下り、渓流釣りなど、すぐ目の前に広がる本格的なアウトドアフィールドは、デスクワークでなまった身体と脳を刺激してくれます。 ひと仕事終えたあとにいただく、名物の風味豊かな「新得そば」もまた格別なご褒美となるでしょう。 出典:新得町【名称】 ワーケーション推進事業助成金 【対象者】 テレワークの活用を通じて柔軟な働き方を推進する企業等に所属する社員等又はフリーランス等であり、次の1~6を全て満たす者。 1.既に1年以上の事業活動実績があること。 2.企業等から宿泊費を支給されていないこと。ただし、社員等が企業等に当該助成金の活用を事前相談し、承認を得た上で、社内規定に基づき、企業等が支給する場合はこの限りでない。 3.国・都道府県その他の公的機関から同種の助成金等を重複して交付を受ける者でないこと。 4.風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条に定める業種、公序良俗に反する事業を営む者でないこと。 5.暴力団排除条例(平成25年条例第1号)第2条第1号に規定する暴力団、同条第2号に規定する暴力団員又は同条第3号に規定する暴力団関係事業者に該当しない者であること。 6.政治的活動、宗教的活動を目的とする団体若しくはこれに所属する者でないこと。 【対象経費】 宿泊費 助成対象経費は、助成対象者が利用する町内の宿泊費の実費に限るものとする。 ・同一期間中に同一の企業等に所属する社員等及びフリーランス等による実施は、5人以内とする。 ・同一社員等及びフリーランス等が同一の年度内に実施できるのは2回までとする。 上記助成金のほか、町内消費促進を目的として、実施申込書に記載の宿泊日数に応じて、1泊につき1,000円分の商品券を交付します。(限度泊数7泊) 【補助率・上限】 4,000円/1泊 助成割合は1/2以内、限度泊数は7泊とする ・算定した額の合計額に100円未満の端数があるときはこれを切り捨てた額とする。 【補助要件】 次の(1)~(3)をすべて満たすこと。 (1)本町の宿泊施設に連続して4泊以上の滞在をすること。 (2)滞在期間中、ワーケーションの実施をSNS等で紹介し、本町の魅力を発信すること(ハッシュタグ「#しんとくワーケーション」をつけて投稿していただきます)。 (3)滞在期間中、本町の関係者などと1回以上の情報交換会または交流会に参加すること。 【問合せ先】 新得町 地域戦略室 TEL:0156-64-0521 【参考URL】 https://www.shintoku-town.jp/sangyou_kankou/job/sigototyuu/worcationjyoseikin/ 北陸富山県 黒部市(黒部市ワーケーション促進事業助成金) 日本一深いV字峡の絶景を抱く富山県黒部市には、美肌の湯として名高い宇奈月温泉があり、日々のワークの疲れを芯から溶きほぐしてくれます。 さらに、市民の国際交流と芸術拠点である「セレネ」を作業スペースとして賢く活用することで、ワーク環境もしっかりキープ。 また、「天然のいけす」ともいえる富山湾の新鮮な海の幸を楽しめるのも魅力の一つです。 出典:富山県 黒部市 移住サポートサイト クロベスト【名称】 黒部市ワーケーション促進事業助成金 【対象者】 ・県外に拠点を有する企業に所属する社員等 ・県外に住所を有する個人事業主等 ※帯同する家族等は助成対象外です。 【対象経費】 ・宿泊費 ・ワークプレイス利用料 【補助率・上限】 ・宿泊費  助成割合: 市内事業者と交流した場合は2/3 限度額12,000円 限度泊数:3泊 上記以外は1/2 限度額:8,000円/泊 限度泊数:3泊 ※「市内事業者と交流」とは、市内事業者と、その事業者が抱える経営課題について、対面で懇談等をする場を設けた場合 ・ワークプレイス利用料 (セレネ以外の場合)  助成割合:1/2 限度額:3,000円/泊 限度日数:2日 (セレネ利用の場合)  助成割合:2/3 限度額:5,000円/泊 限度日数:2日 【補助要件】 1.黒部市内の宿泊施設に連続して2泊以上滞在すること(宿の変更は可)。 2.同一期間中に同一企業等に所属する社員等による利用は5人以内とすること。 3.滞在期間中又は滞在後、ワーケーションの実施についてSNS等で紹介すること。 ※facebook,X(旧twitter),instagram等でハッシュタグ「#くろべワーケーション」をつけて発信してください。 【問合せ先】 黒部市 総務管理部 地域協働課 TEL:0765-54-1272 【参考URL】 https://www.city.kurobe.toyama.jp/news/detail.aspx?servno=28140 福井県 全域【Oh!福Work!!(福井県お試しテレワーク)助成】 県内各地でコワーキングスペースや受け入れ環境の整備が進む福井県。 永平寺の静寂に身を置いて“禅”の精神でマインドフルネスを実践し、ワークの集中力を極限まで高めるもよし。 一乗谷の歴史に浸りながらクリエイティブな刺激を受けるもよし。 越前ガニなどの海の幸から、ソースカツ丼やボルガライスといったご当地グルメまで「食の選択肢」も尽きません。 出典:福井県公式観光サイト ふくいドットコム【名称】 Oh!福Work!!(福井県お試しテレワーク)助成 【対象者】 ・福井県外に居住し就業している方で、福井県内に滞在し「お試しテレワーク」を実施する方 ※テレワーク:本拠地のオフィスから離れた場所で、ICT(情報通信技術)を使って仕事をすること ・移住や二拠点移住等を検討している方 【対象経費・補助率・上限】 1.宿泊費および交通費助成 ・「お試しテレワーク」実施者に対し、宿泊費および次の(ア)・(イ)に係る交通費として、当該実施者の住所地に応じて別表で定める助成金を支給する。 (ア)「お試しテレワーク」実施に係る交通費 「お試しテレワーク」実施期間の開始日および終了日に、居住元の住所地と福井県内の滞在拠点との移動に係る交通費 ※往復分(原則経由地分は除く) (イ)一時離県に係る交通費 「お試しテレワーク」実施期間中に一時的に離県し、実施者の居住元または勤務先の住所地との移動に係る交通費 ※1回あたりの一時離県の期間については3日以内とする。 ・上記の支給回数については、県内滞在日数に応じて以下の回数を上限とする。 (県内滞在日数が8日~15日の場合) (ア)お試しテレワーク実施に係る交通費…1回 (イ)一時離県に係る交通費 …1回 (県内滞在日数が16日以上の場合) (ア)お試しテレワーク実施に係る交通費…1回 (イ)一時離県に係る交通費 …2回 ・助成額については、下記に定める実施者の居住元の住所地に応じた額と対象交通費のうち低い方の額とする。 15,000円…下記以外の都道県(福井県を除く。) 14,000円…埼玉県、鳥取県 13,000円…群馬県、新潟県、香川県 12,000円…静岡県、岡山県 11,000円…長野県 10,000円…和歌山県 8,000円…三重県 7,000円…大阪府、 兵庫県 6,000円…愛知県、 奈良県 5,000円…富山県、 岐阜県、 滋賀県、 京都府、 3,000円…石川県 ・勤務先等から交通費の支給がある場合は、金額に関わらず助成の対象としない。 2.滞在費助成 ・県内滞在日数に応じて1日あたり1,000円の助成金を支給する。 ただし、30日を限度とし、宿泊費の発生しない滞在先に滞在する場合、滞在費は支給せず、交通費のみの助成とする。 【補助要件】 ・県内滞在日数が7日以上あることとし、本支援の対象となる活動1回(申請1回)あたりの日数は、連続した30日(一時帰還をはさむ)を上限とする。 ・「お試しテレワーク」実施期間中、滞在7日毎に1回以上、県内コワーキングスペース等を利用すること。 ・滞在費の助成を受ける場合、宿泊施設等が発行する領収書を添付すること。 ・本事業による助成は通算2回までとする。 ※年末年始、GW期間、お盆休暇期間が滞在期間に含まれる申請については対象外とする。 【問合せ先】 福井暮らすはたらくサポートセンター(福井Uターンセンター)福井オフィス TEL:0776-43-6295 E-mail:fukui-utcenter@pref.fukui.lg.jp 【参考URL】 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/wakatei/uiturn/otameshitelework.html 四国愛媛県 八幡浜市(八幡浜市ワーケーション推進事業補助金) 宇和海の美しいリアス式海岸に抱かれた八幡浜市は、水産や柑橘産業が盛んなまち。 こちらの補助金は、同伴家族も対象となるのが嬉しいポイントです。 また、「宇和海漁師直伝!養殖餌やり&船釣り体験」「みかん農家さんに教わる、みかん山整備体験」など、地元の特色を生かした体験プログラムも複数用意(一部補助もあり)。 家族みんなで体験プログラムに参加するのもおすすめです。 ※お子さまの年齢によって補助金額が異なります。詳しくは参考URLにてご確認ください。 出典: 八幡浜市観光物産情報サイト【名称】 八幡浜市ワーケーション推進事業補助金 【対象者】 ※次の項目すべてに当てはまる方 ・愛媛県外に在住の方 ・滞在中に、市内にあるコワーキングスペースや会議室等を利用してテレワーク等を行う方 ・八幡浜市内の旅館業を営む宿泊施設に2泊3日以上宿泊する方 ・滞在中、一度は当市の職員と面談をすることが出来る方 ※出張のために来市の場合は利用不可 【対象経費】 一律の金額を補助 【補助率・上限】 (2泊3日) 5,000円…徳島県、香川県、高知県 7,000円…福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県 10,000円…鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 15,000円…三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 18,000円…新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、沖縄県 20,000円…茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 22,000円…北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 ※3泊目以降(1泊当たり)は一律3,000円/人 ※1人あたり4泊を限度とし、同行者数は1企業・1世帯あたり4人まで。 ※補助金の交付回数は、1年度当たり1回まで。 ※滞在中、(一社)八幡浜市ふるさと観光公社が提供する体験プログラムの体験を希望する方は、上記の補助に加え、体験料の半額(1,000円未満の端数は切り捨て)の補助を受けることが出来ます。 【補助要件】 ・滞在中に、市内にあるコワーキングスペースや会議室等を利用してテレワーク等を行う ・八幡浜市内の旅館業を営む宿泊施設に2泊3日以上宿泊する ・滞在中、一度は当市の職員と面談をする 【問合せ先】 八幡浜市 総務企画部 政策推進課 TEL:0894-22-5987 E-Mail:iju-shien@yawatahama-iju.com 【参考URL】 https://www.city.yawatahama.ehime.jp/doc/2021100400017/ 愛媛県 鬼北町(ワーケーション滞在補助金) 全国の自治体で唯一「鬼」の文字が入る愛媛県の鬼北町(きほくちょう)は、名前のインパクトとは裏腹に、穏やかな里山の自然と温かい人情に包まれた、心がほっと和む町です。 ここでのワーケーションの醍醐味は、地元の人々との深い交流や、ゆず・雉(きじ)といった豊かな食文化に触れる体験ができること。 コワーキング&宿泊施設「warmth」を拠点にすれば、まるでこの町の住民になったような感覚で暮らすようにワークできるでしょう。 出典:鬼北町【名称】 鬼北町ワーケーション滞在補助金 【対象者】 次のいずれかに該当する者とする。(フリーランスも含む) 1.町が創設したワーケーションを推進するための滞在プランでワーケーションを実施する企業等 2.町内の宿泊施設でワーケーションを行うことで、町内におけるワーケーションの更なる推進が期待できると町長が認めた企業等 3.町に新たにサテライトオフィスの開設を検討するため、町の視察を実施する企業等(町内に事務所を設置していないものに限る)。 【対象経費】 ・企業等の所在地と本町との往復旅費(飛行機、鉄道、高速道路通行料金、バス等の公共交通機関の利用に係る経費) ・レンタカー借上料 ・宿泊費 【補助率・上限】 補助対象経費の合計額に2分の1を乗じて得た額以内とし、1人当たり5万円を限度とする。 (国、県等が助成を行うときは、補助対象経費の総額から当該助成に係る額を控除した額) ※算出した補助金の額に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。 【補助要件】 ・町内宿泊施設を2泊3日以上利用すること 【問合せ先】 鬼北町 企画振興課 TEL:0895-45-1111 メールでのお問い合わせはこちら 【参考URL】 https://www.town.kihoku.ehime.jp/soshiki/kikaku/20712.html 九州熊本県苓北町(「ワーキングスペース富岡城東角櫓」利用助成金) 天草下島の北西端に位置する苓北町は、歴史ロマンと圧倒的なシーサイドビューが融合したワーケーションが叶う港町です。 最大の目玉は、富岡城公園内の「東角櫓(ひがしすみやぐら)」を利用したコワーキングスペース。 なんと本物のお城の中で、眼下に広がる透き通るような海を眺めながらPCに向かうという、特別なノマドワークが体験できます。 ひと仕事終えたあとは、美しい夕日に癒やされながら、名物の緋扇貝や岩ガキといった極上の海の幸を堪能も。 出典:あまくさ苓北観光協会【名称】 「ワーキングスペース富岡城東角櫓」利用助成金 【対象者】 1.町外に所在する法人若しくはその社員又は町外在住の個人であること。(対象者の家族も含む。) 2.特定の宗教活動又は政治活動を目的としている者でないこと。 3.ワーキングスペース富岡城東角櫓を利用した際に、SNSなどを活用し情報発信を行う者であること。 4.その他の要件については、助成金交付要綱をご確認ください。 【対象経費】 ・レンタカーの借上げに要する費用 ・本町の宿泊施設の宿泊に要する費用。  ※ 消費税及び消費税相当額は含まない。 【補助率・上限】 助成対象経費に2分の1を乗じた額(千円未満切り捨て) 1日当たりの助成金の上限は次のとおりとする。 1.レンタカーの借上げに要する費用で、本町の宿泊施設に宿泊し、ワーケーション施設を利用する場合 上限 4,000円 2.レンタカーの借上げに要する費用で、本町以外の宿泊施設に宿泊又は日帰りでワーケーション施設を利用する場合 上限 2,000円 3.宿泊に要する費用(本町の宿泊施設に宿泊し、ワーケーション施設を利用する場合) 上限 5,000円 ※レンタカーの借り上げに要する費用と宿泊に要する費用を併せて申請することも可能 【補助要件】 ・熊本県暴力団排除条例(平成22年熊本県条例第52号)第2条第1号から第4号に該当する者は、助成金の交付対象としない。 ・前項に掲げるもののほか、町長が適当ではないと認めた場合は、助成金の交付対象としない。 苓北町ワーケーション施設利用推進助成金交付申請書兼誓約書(様式第1号(以下「申請書」という))に次の書類を添えて、町長に提出しなければならない。 (1)ワーケーション施設の利用許可書の写し (2)レンタカーを借上げた場合は、レンタカーの借上げに要する費用が確認できる書類の写し (3)本町の宿泊施設に宿泊した場合は、宿泊に要する費用が確認できる書類の写し (4)企業からの申請の場合は、ワーケーション施設を利用する者が、当該社員であることを確認できるものの写し(社員証、マイナンバーカード等) (5)本人確認及び住所を確認できるものの写し(運転免許証、マイナンバーカード等) (6) 前各号に掲げるもののほか、町長が必要と認める書類 ※ 申請書が提出された後、内容を審査し、適当と認められた場合に助成金の交付決定が行われます。 【問合せ先】 苓北町役場 商工観光課              TEL:0969-35-3332          E-mail:kankou@town.reihoku.lg.jp 【参考URL】 https://reihoku-kumamoto.jp/kiji0031283/index.html 今回は、昨年度に引き続きフリーランスを温かく迎え入れてくれる8自治体をご紹介しました。 2年続けて実施されているこれらの制度は、それだけ「外部のフリーランスとつながりたい」「うちの魅力を知ってもらいたい」という自治体側の本気度の表れでもあります。 行きたい場所に自由に行ける柔軟な働き方をしているフリーランスにとって、自治体のワーケーション補助金・助成金は、滞在の選択肢を広げてくれる制度になるはず! 予算上限に達する前に各自治体の要綱を確認し、自身のスケジュールに合わせて上手に活用してみてはいかがでしょうか。 執筆:正田美紀子 複業フリーランス・国家資格キャリアコンサルタント 北海道大学経済学部卒業後、旅行系出版社に入社。 結婚、出産、夫の海外赴任などにより3度のキャリアチェンジを経験し、「環境やライフステージに合わせた働き方とやりがいを見つけること」の重要性を実感。 現在はライターのほか、キャリアカウンセラーや、自治体で在宅ワーク・キャリアに関するセミナー講師などを複業中。3児の母。

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子どもは現地の学校へ、親は仕事。富良野で「暮らすように旅する」2週間の親子ワーケーション体験記

「働く」と「休む」を両立できる時代へ──。 ワーケーション(Work+Vacation)は、いつものオフィスを離れ、自然の中や旅先で仕事をすることで、働く人の心と発想に“余白”を生み出す試みとして、フリーランスやリモートワーカーを中心に、これまで多くの人が実践してきました。 しかし、子どもと一緒にとなると話は別。「仕事中、子どもはどうする?」「学校を休ませて大丈夫?」「学校は?」「保育園は?」という課題が、親の自由を縛ってしまう。そんな常識を変えようとしているのが『親子ワーケーション』です。親がリモートワークをしながら、子どもは現地の学校で学ぶ。家族で地域に溶け込み、共に成長する新しい学びと暮らしの形です。 今回、フリーランスの私と、フルリモートワーカー(会社員)の夫が、小学2年生の娘と3歳の息子を連れて、2週間の親子ワーケーションに挑戦。 行き先は、北海道・富良野。いつもの日常を少しだけ場所を変えて過ごす──そんな新しい旅が、ここから始まりました。 フリーランスだからこそ叶う、“平日ワーケーション×現地の学校体験”という選択平日は学校・幼稚園&ワークで日常を過ごし、週末はショートトリップで北海道の観光を満喫できたフリーランスとして働いていると、「いつ」「どこで」働くかを自分で選べるという大きな自由があります。平日の昼間、子どもたちは学校や保育園へ。親はパソコンに向かい、いつものように仕事をする──。そんな当たり前の日常の舞台を、少しだけ変えてみる。 旅先や地方のまちに滞在しながら、親はリモートワークを続け、子どもは現地の小学校や保育園、幼稚園等へ通う。仕事と子育て、そして地域との関わりを同時に体験できるのは、時間や働く場所の自由度が高いフリーランスだからこそ実現できる形です。 日中はそれぞれの時間を過ごし、夕方になれば、「今日ね、学校でね…」と話をしながら地元のスーパーへ。そんな“平日なのに非日常”な時間が、仕事にも、暮らしにも、小さな風を吹き込んでくれます。 富良野での2週間「現地の幼稚園&小学校」に通わせてみた!富良野市では、市外の社員等【企業・団体の役員・社員(職員)又はフリーランス・個人事業主】(日本国内に住所を有し、居住実態がある者)が、将来的な移住・二地域居住、半農半X、ローカルベンチャー、空家・空店舗の活用、研修・チーム合宿などのワーケーション事業実施に必要な経費の一部を助成する「ワーケーション展開費用助成金」を展開しています。 今回は、その中の「子育て向けワーケーション・移住体験支援事業」を活用し、2週間親子で富良野市に滞在することに決めました。 出典:ワーケーション展開費用助成金(富良野市)概要現在在籍している学校の年間スケジュールと私と夫の仕事のスケジュールを確認し、ワーケーションの日程候補が決まったら、まずは自治体の窓口へ連絡をします。我が家の場合、ワーケーションの日程を2025年9月後半と決めました。前年度から富良野市へのワーケーションを検討していたので、募集開始の同年4月には自治体へ相談を行いました。 その後、市職員や教育委員会、学校関係者とのオンライン面談を複数回行って、短期入学先を決めていきます。富良野市には5つの小学校と、4つの幼稚園、託児所が3カ所あります。「滞在先から歩いて行ける距離がいい」「小学校と幼稚園はなるべく近くに」「(幼稚園は)園庭が広い園がいい」など、面談の中でこちらの希望をある程度検討してもらえる柔軟な対応が印象的でした。なお、この短期入園には各種調整を要するため、入園希望日の1カ月以上前までに相談が必要です。 出典:富良野市短期入園チラシ幼稚園の一時預かりは、事前面談の中で1日8時間という枠の中で時間をある程度柔軟に設定でき、早朝や延長も相談可能です。今回、息子が体験入園として通ったのはカトリック系の幼稚園で、今年から認定こども園として新たにスタート。2022年に建て替えられたばかりの園舎は新しく広々としており、絵本やおもちゃも充実。午前中にはリトミックやダンスなど、保育園とは少し違ったプログラムも体験できました。 預かり保育の時間は、異年齢の子どもたちが集まり、広々とした園庭で思いっきり活動中自園調理という給食には北海道産の旬な食材がふんだんに使われており、居住地では食べられない北海道のご当地献立も味わうことができました。食いしん坊な息子も「ごはん、おいしいねぇ、きょうもおかわりしたよ。」と毎日ニコニコ。 一方、今回、娘が短期入学した富良野小学校は、創立124年を迎える歴史ある学校です。明るく開放的な校舎が印象的で、校庭には北海道の中心(へそ)を象徴するキャラクター「へそ丸くん」のオブジェが見守っていました。滞在先から小学校までは徒歩で通える距離にあり、娘は初めて自分の足で登下校する経験をしました。普段は在籍校まで車で送迎しているため、これも大きなチャレンジとなりました。 登校時にすれ違う子どもたちは皆、元気に「おはようございます!」と声をかけてくれ、地域のあたたかさをすぐに感じることができました。 時期によっては受け入れが難しい場合もあるため、希望の日程が出たら早めに自治体に相談しよう小学校・幼稚園ともに、子どもたちは無事に初日からスムーズに溶け込み、帰宅後には「今日ね、こんなことしたんだよ」「こんなところが今の学校とちがうよ」と楽しそうに話してくれました。朝は子どもを送り出し、親はリモートワーク。夕方はみんなで買い物へ行ったり、近くの公園で遊んだり──“旅先なのに、いつもの暮らし”が、自然とそこにありました。 滞在先には、富良野市に拠点を置く不動産会社が運営する短期滞在用アパートを選びました。助成金の受給条件として「富良野市内の宿泊施設であること」が求められていたため、ホテルや民泊なども候補に挙がりましたが、今回は小学校から徒歩圏内という立地を重視してこの物件に決めました。入居前に備品リストを確認し、不足しているものを洗い出して生活できる環境を整えました。2LDKのアパートは十分な広さがあり、ネット環境も夫婦同時にオンラインMTGを実施してもサクサクで問題なく、快適に過ごすことができました。 滞在先は富良野市内の宿泊施設であれば、ホテルや旅館、民泊、アパートなど自由に選ぶことができるただし、ひとつ反省点を挙げるとすれば「音環境への配慮」をもう少し意識しておくべきだったことです。普段は戸建てで暮らしている子どもたちは、集合住宅の生活に慣れておらず、「静かにしてね」と注意する場面も多く、親子ともども少し気を遣う時間がありました。 富良野市の「ワーケーション展開費用助成金」では、(1)子育て世代向け ワーケーション・ 移住体験支援事業の場合、宿泊費は10 万円を上限に2/3以内 (※光熱水費、美装費、貸布団代含む)、レンタカーは5 万円を上限に1/2以内、保育料は2,500 円/1 日を上限に1/2以内 (※最大20日間まで)など、他の自治体では類を見ない手厚い費用が助成されます。2週間という条件を見ても、滞在にかかる費用負担を大幅に抑えられる点は、フリーランスにとって大きな魅力なのではないでしょうか。 子どもが見せた変化──新しい環境で育まれる“生きる力”2週間の富良野での暮らしは、まるで日常の中に小さな冒険が混ざり込んだような時間でした。新しい環境に飛び込んだ子どもたちは、食や自然、人との関わりの中で、少しずつ「自分で感じ、選び、動く力」を育てていったように思います。 9月後半の北海道はまさに初秋という心地よさ。雄大な自然の中にたくさんの彩りを感じることができる街から少し車を走らせるだけで、視界いっぱいに広がる山々と田畑。9月の富良野は涼しく、空気が澄んでいて、色とりどりの景色に心が躍ります。週末には、美瑛や上富良野の丘をドライブしながら、子どもたちが「見て、すごい!」と声を上げる瞬間が何度もありました。 ラベンダーの見ごろを過ぎても、丘の町美瑛や白金青い池など、観光スポットは見どころ満載富良野までの旅では、飛行機や車を動かすために、少なからずCO₂を排出しています。たとえば、東京から富良野へ2泊3日で訪れた場合──その旅で排出されるCO₂は約200キログラム。これは、トドマツ1本が80年かけて吸収する量に相当するといわれています。そこで参加したのが、NPO法人富良野自然塾が行っている「ゼロカーボントラベラー」記念植樹。旅の間に排出したCO₂を吸収する分の木を、自分の手で富良野の森に植える取り組みです。 私たちが訪れた日はあいにくの雨でしたが、エゾヤマザクラ・ミズナラ・イタヤカエデの苗を3本、丁寧に土の中へと植えました。この場所は、もともとゴルフ場だった土地。豊かな森に戻るには、まだ多くの木々の手が必要だそうです。 普段は当たり前のようにそばにある自然が、どんなふうに生まれ、守られているのかを学ぶ貴重な機会になった次に富良野を訪れるとき、この木々がどれほど成長しているのかを見に行くのが、今から楽しみです。旅の思い出が、やがて森を育てる物語になる。そんな循環を、自分の手でつなぐことができた貴重な時間でした。 富良野での2週間。新しい環境に飛び込んだ子どもたちは、最初のうちは少し緊張した面持ちでした。けれど、現地の子どもたちが「一緒に遊ぼう!」と笑顔で声をかけてくれたことで、その表情はすぐにほぐれ、次第にのびのびと自分を表現するようになっていきました。 小学校では、授業中に手を挙げて発言したり、グループ活動で意見を出したり、学芸会にも参加できました。 同級生のみんなと一緒に舞台へ。学芸会で見せた、達成感の笑顔は忘れられない思い出になった幼稚園では、園児同士で自然と助け合う姿も見られました。「はじめまして」の子たちと一緒に遊び、笑い合うなかで、自分の気持ちを伝える勇気と、人の話を受け止める柔らかさを少しずつ身につけていったように感じます。 いつもの教室を飛び出し、違う土地で過ごすこと。そこには、教科書では学べない“生きる力”がたくさん詰まっています。新しい場所で自分を表現し、初めて会う人と関わり、違いを受け入れる。その一つひとつの経験が、子どもたちの中に小さな自信の種となって芽吹いていくのを感じました。2週間の滞在を終えるころ、子どもたちは「また行きたい!」と笑顔で言いました。新しい環境を恐れず、楽しむ姿に、“変化を受け入れる力”こそが、これからの時代を生きるための本当の力なのだと気づかされました。 親にとってのメリットは、場所を変えると、仕事も心も動き出す子どもたちを学校と幼稚園へ送り出したあとは、滞在先で普段通り仕事を始めます。普段と変わらないはずなのに、窓の外に広がる景色が違うだけで、気持ちがふっと軽くなる。その小さな変化が、思考の柔らかさや仕事の集中力にもつながっていきました。 さすが食の宝庫・北海道!海の幸も山の幸もスイーツも、すべてが美味しく最高だったお昼になれば、地元の人気店でランチを楽しんだり、カフェで一息ついたり。夫婦で一緒に食事をする時間が増えたことで、日常では後回しにしがちな会話やコミュニケーションも自然と増えていきました。また、北海道に住む友人たちにも久しぶりに会うことができ、地域のご家族が開いてくれた交流会にも参加。地元の方々と話すうちに、富良野という土地への理解と愛着が深まり、「またここに戻ってきたい」と思える場所になりました。 写真は美瑛町にある「白金・青い池」。車で1時間圏内だけでも、見るべき場所はたくさん。長期滞在可能ならば、行動範囲はさらに広がる週末には少し足を伸ばして旭川や南富良野、芦別、美瑛などの観光スポットへ。白金青い池、美瑛の丘、旭山動物園など、今の暮らしの中ではなかなかできない体験が、日常の延長線上にありました。仕事とプライベートを無理なく切り替えられるのも、ワーケーションならではの魅力です。場所が変わると、時間の流れも、人との出会いも変わる。そのすべてが、自分の中の“仕事への向き合い方”に静かな刺激を与えてくれました。 リフレッシュだけではなく、思考の整理や新しい発想にもつながる──。 まさに、「働く」と「暮らす」を再構築できる時間だったと感じています。 【親子ワーケーション】受け入れ地域&支援制度をチェック名称は異なれど、実はさまざまな自治体で子どもの短期受け入れの取り組みが広がっている今回の体験をきっかけに、「他の地域でも同じような親子ワーケーションができるのだろうか?」と調べてみると、全国各地で同様の取り組みが広がっていることがわかりました。親がリモートワークを行いながら、子どもが現地の学校や園に通う“教育留学”や“デュアルスクール”は、地域と親子をつなぐ新しい学びの形として注目を集めています。 【北海道富良野市】 富良野市では、親子ワーケーションや移住体験を支援する補助制度が設けられており、滞在費や交通費の一部を助成する取り組みが行われています。2026年度も継続実施が予定されており、詳細は年度初めに市の公式サイトで発表される見込みです。「次は富良野で体験してみたい」という方は、早めに情報をチェックしておくと安心です。 【秋田県五城目町】 「教育留学」の先進地として知られる五城目町では、年間20組を超える親子が全国から訪れています。期間は1週間〜2週間で、現地の小学校・子ども園での受け入れが可能。区域外就学制度を活用することで、在籍校の出席日数としてカウントされる仕組みが整っています。自然豊かな環境の中でのびのびと学び、地元の子どもたちと交流できることから、教育関係者からも注目されている地域です。 【長野県塩尻市】 長野県塩尻市でも「デュアルスクール」制度を活用して、全国から子どもたちが塩尻の小・中学校へ短期・中期で通うことができます。ICT教育が進む市内の公立校では、子どもたちが自分の端末を使いながら探究的な学びを行っており、都市部の子どもたちにとっても刺激的な環境。中央アルプスを望む自然の中での生活は、親にとっても働きやすく、心地よいワーケーション拠点として人気です。 【徳島県】 徳島県では、県教育委員会主導で「デュアルスクール」制度を展開。都市部の子どもが一定期間、徳島県内の公立小中学校に通いながら地域で暮らすことができます。宿泊施設や受け入れ体制が整っており、オンラインで元の学校の授業を受けながら、現地では地域体験や交流学習にも参加できる仕組みです。「ふたつの学校を行き来する」という発想が、まさに“多拠点エデュケーション”の実践例といえます。 【長崎県佐世保市】 長崎県佐世保市でも子育て世代も参加可能な業務型ワーケーション実証事業をはじめ、短期入学の受け入れがスタートしました。里山や海辺など、自然とまちの両方を感じられる環境の中で、子どもたちは地元の学校に通い、地域の行事や体験学習にも積極的に参加。家族単位での短期滞在を歓迎しており、観光だけではない“暮らすような旅”を実現できる地域です。 親子で地域に関わりながら働き、学ぶ。それは「旅」でも「移住」でもない、第三の選択肢。 日本各地で広がるこの流れは、家族の学びを豊かにし、地域にも新しい風を届けてくれる“循環型の教育”の始まりかもしれません。 【寄稿】山本エミ note : https://note.com/chicorisha_works 多拠点エデュケーター・ライター。住宅雑誌編集を経て、2017年に東京から長野へ移住し「&Words.」を設立。2児の子どもの母として、全国各地で親子留学やワーケーションを重ねながら、子どもが複数の地域で学ぶ「多拠点エデュケーション」を提唱。地域と親子をつなぐ新しい学びの形を発信している。

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フリーランス漫画家、子供ふたりとプノンペンにプチ移住! 学校は?住居は?仕事環境は?

小5と小2の子供を連れて、カンボジアの首都・プノンペンにプチ移住中の漫画家かんべみのりさん。第1回目の本記事では、移住のきっかけや渡航前の準備、現地での仕事環境など、かんべさんに教えてもらいます。 ※第2回…「ここまで必死に働く必要はあるのか」5カ月のプチ移住で経験した「地味だけれど確かな変化」 「プノンペンに5カ月間、母子でお試し移住することにした」 と報告すると、返ってくる反応はたいてい「は? なんで?!」だ。 海外旅行が大好きだった学生時代。カンボジア人の友人も多かったのに、なぜかカンボジアだけは旅行の候補から外していた。そんな私が、母子で移住することになるなんて、夢にも思わなかった。 経由地のはずのプノンペンにハマるきっかけは2024年の夏、先輩のマリコさんの誘いで子供たちとカンボジアにやってきた。目的地はマリコさんの働くキリロム。プノンペンから高速道路を2時間ほど行ったところにあるリゾート地である。日本でいう軽井沢のような場所だ。子供たちのサマーキャンプは素晴らしく、同行してワーケーションをしていた私も大満足だった。けれどもキリロム以上に感動したのが、フライトの調整のために2泊したプノンペンだった。 プノンペンでは観光客の移動はトゥクトゥクと呼ばれる三輪タクシーがメインだ。しかもアプリ1本ですぐにやってくる。トゥクトゥクから見る景色は圧巻だ。超高層ビルが立ち並んでいるかと思いきや、ローカルのごちゃごちゃした屋台も共存している。超至近距離に四人乗りのバイクが走ってきたかと思えば、逆側からは過積載のワゴン車がすれ違う。道路交通法という概念すらなさそうな喧騒(けんそう)が、私と子供たちをただただ圧倒した。 プノンペンには、イオンをはじめとするショッピングモールもたくさんあり、DAISOさえある。至る所でQRコード決済が導入されており、現金を使う人がほとんどいない。訪カン前に抱いていた、「カンボジア=発展途上国」というイメージが崩れていった。決してきれいなだけではない。全てが整っているともいえない。スコールのあとの道路はまるで洪水だ。けれど、この街の放つ強烈なエネルギーはある種の中毒性を帯びて私の心をわしづかみにした。 泊まったところもよかった。予算内でホテルの予約が取れず、たまたま見つけたのがサービスアパートメントだった。豪華なルームサービスこそないが、洗濯機と家電つきキッチンが私たちを迎えてくれた。子連れの旅において、この2つの存在はかなり大きい。もう湿った洗濯物を抱えて移動しなくて済む。 帰国しても感動は消えなかった。私が居を構えるのは兵庫県の片田舎。生産年齢人口が少なく、タクシーさえ捕まえられない地域である。たまに外食しても、自分が運転手だからワインが飲めない。 「こんな時トゥクトゥクがあったらなあ……」 夏休みの間に、海外在住の友人たちが一時帰国したのも一つの要因だった。フランス、中国、NYから帰ってきた友人たちの子育ての様子を聞いていると、むくむくと好奇心が湧いてきた。 「私もいつか、海外で旅行以上の期間過ごしてみたいなあ…」 10日間の旅行じゃ圧倒的に足りないのだ。 緑が多いプノンペンの街。野生のマンゴーが生えており、歩いていると上からマンゴーが降ってくる。道路にはトゥクトゥク、牽引バイク(中のハンモックで人が寝ていることも!)、 配達中のバイク便。奥に近代的な建物も「いつかって言ってるだけでは、海外に住めるチャンスはないぞ?」 普通ならただの憧れで終わるが、そこでフト、冷静に計算してみた。 「子供が大きくなったらっていつだ?」 当時、長女は小学校4年生、次女は1年生。単純に計算すると、次女が18歳になるのは12年後である。その時私は56歳。親は元気だろうか。自分自身に体力はあるだろうか? 「いつかって言ってるだけでは、海外に住めるチャンスはないぞ?」 シングルマザーで在宅ワーカーの私には、配偶者の海外転勤のような強制的な移動の機会がこれから先の人生で起こり得ない。そしてまた、気づく。 「長女が中学に上がったら旅行すら厳しくなるぞ?」 子供が小学生のうちは、ある程度の自由がきく。その賞味期限は、長女が小学生のうち、つまりあと2年ちょっとしかない。トゥクトゥクを呼ぶのに使ったアプリだって、いま日本にないから感動が大きいだけで、日本で広まったら先行者としてこの感動を体験できない。ならば、賞味期限は……早ければ早い方が面白いはずだ! サービスアパートメントという、一時滞在者の味方みたいな物件の存在を知ってしまった以上、この思いつきは単なる夢では処理できなくなる。しかも、私の仕事は持ち運び可能であり、すでにコロナ禍前に東京から兵庫への移住を成功させた実績もある。キリロムでのワーケーションだって、仕事には全く支障なかったのだ。 子供たちの反応は?恐る恐る子どもたちに聞いてみる。 「ねえ〜、もう一回カンボジア行かない?今度は住んでみるの」 子どもの反応は、予想以上によかった。 長女:「英語の学校じゃなければいいよ」「自然学校(※例年10〜11月開催)は日本の学校で行きたいな〜」 次女:「いとこたち(※徒歩圏内に6人いる)と離れたくないから、ずっとは嫌だけど1学期だけならいいよ」 定期的にお世話になっているスクールカウンセラーの先生にも相談した。 「夏休みのカンボジアが楽しすぎて、来年度、1学期だけあっちに住んでみたいんです」 先生からは、驚きでも否定でもなく、「それは面白い!僕は長女ちゃんの1年生の頃から知っていますが、二人とも何の問題もなくのびのびと学校生活を送っています。他の親御さんがやりたくてもできないのは仕事の問題。でも、かんべさんのお仕事は持ち運びが可能です。止める理由がない。僕も個人的に知りたいから絶対に後で話を聞かせてほしい」と後押ししてくださった。 そして興味津々にこう仰った。 「ところで、言葉はどうするんですか?あ、そうか…かんべさんは英語が話せるか…」 「翻訳アプリですよ」と私が答えると、目を丸めて「すごい時代になりましたね」と驚かれた。 並行して、学校の事務局に問い合わせた。一度退学することになるが、帰国後に復学はできるという。 ここまで外堀を埋めると、すごい勢いで「いつか海外に住んでみたい」が「とりあえず住んでみる」という日付つきのスケジュールになった。3月いっぱいまで出張の予定があったため、移動日を4月に定め、期間を「夏休みが終わるまで」とした。 道端の歩道では、七輪やら網やらで調理している青空店舗が多い。 炭火の店が多く、めちゃくちゃ美味しくて安い渡航前の準備、意外な盲点だったのは…具体的なことが決まると、あとはどう動くか、だ。ここでは、日本で私が行った手続きについて項目ごとにまとめたい。……といっても、着手した順番はかなりバラバラで、いま振り返ると「予防接種が最後って正気か?」という感じである。だが、それもまたリアルな記録ということでお許しください。 子供たちの学校 子供たちは英語を全く話せない。年単位の長さで海外に住むならインターナショナルスクールに通わせるところだが、語学習得には半年くらいは必要だ。そのため今回の滞在では、英語習得は目的にせず、日本人学校一択だった。プノンペンの日本人学校に問い合わせのメールをすると、短期での滞在でも快く引き受けてくださり、あっさりと入学が決まった。 住居手配 前年の旅行で、マリコさんのお友達数名と食事の機会があり、カンボジアに知人がいる状態ではあった。個別に問い合わせたところ、プノンペン在住のリョウタさんが、すぐにZoomを1時間ほどつないでくださり、Googleマップを共有しながらエリアの特徴などを教えてくれた。そして、日本人の不動産屋さんを紹介してくれた。 早速不動産屋さんに連絡をとり、こちらの条件を伝える。私が提示した条件は以下の通りだ。 ・日本人学校のバスのルート上にあること ・2ベッドルームであること ・バスタブがあること ・できればBKKエリア(日本人に人気で学校のバスが通る地域) ・予算は1000ドル 不動産屋さんからきたリストを元に、20ほどある候補の中から、4部屋まで候補を絞った。カンボジアに到着したら最初の2泊は適当なホテルに泊まり、その間に内覧を済ませ、契約し移動するという算段である。 ビザ カンボジアには観光ビザと商用ビザがある。どちらも、日本での申請時点では滞在可能期間は1カ月だが、現地で延長することができる。子供が学校に通うための条件について確認したところ、「合法的な滞在であればビザの種類は問わない」とのことだった。 一方で、不動産屋に確認すると「家の契約には商用ビザが必要」との説明を受けたため、今回は商用ビザで入国し、現地で延長手続きをすることにした。 キリロムで友達になったマコちゃんとリョウタさんからビザ延長手続きのエージェントを紹介してもらっていたため、日本にいるうちから連絡をとって備えた。 予防接種 長期滞在ということでビザやら住居やらは一生懸命調べていたのに、3月に入るまで未着手だったことがある。予防接種である。だって、去年キリロムに行った際はそんなことしなかったんだもの……。マコちゃんと話していると、「う〜ん、手続き自体は2週間前から始めたけど、そういえば予防接種は2カ月くらい前から準備してたかなあ〜」などと言っていて、その時やっと予防接種が必要ということに気付いたのである。恐ろしいことに、リョウタさんも、マコちゃんの息子も、カンボジアで野良犬にかまれた経験があるという。日本のように犬に対して狂犬病のワクチンが必須でないカンボジア。狂犬病だけは、発症後の致死率が高いことから、絶対打って行った方がいいと念を押された。 ところが、舐めてかかっていてびっくり。狂犬病の予防接種って、1回目から2回目に1週間以上、1回目から3回目に3週間以上開けないとダメらしい!しかもワクチンを取り扱っているクリニックが多くないのだ! 何軒か断られ、やっと打ってくれる病院が見つかったものの、出発前に3回分完了させるのは間に合わなかった。狂犬病が不安な地域にいく人は、これだけは2カ月前から取り組んだ方が良いと思う。しかし、3回打てなかったとしても解決策はある。現地のクリニックで続きから打てるし、予防接種をしていない状態でかまれたら、現地で5回打てばいいらしい。日本語が通じる病院もあるので、万が一の時には現地で注射5回コースで乗り切ろう。 仕事道具 日本の自宅では、iMacとワコムの液晶タブレットを使って仕事をしている。どちらも大きくて重いため、カンボジアに持っていくのは現実的ではなかった。そこで今回は、サブマシンのMacBook AirとWacomの板タブレット、そしてiPadを持参することにした。ネットさえつながれば仕事はできるのだ。 ここまでは完璧だったが、意外な盲点があった。 2カ月がすぎた頃から、突然マンションのWi-fiに遅延などのトラブルが頻発するようになったのだ。停電が多いと聞いていたため、自家発電機のあるマンションをわざわざ選んだのに。電気は止まらなくても、通信が不安定では仕事にならない。さらに困ったのは、有線接続に切り替えようにも、MacにはLANケーブルを直接挿すことができないことだ。TypeCへの変換アダプターを買おうとしたが、なかなか見つからない。オンラインでの研修講師の仕事も控えていたため、非常に焦った。 結局、にっちもさっちも行かなくなり、慌てて近所のシェアオフィスと契約した。月80ドル。インターネットは爆速だし、冷房は効いてるし、プリンターもある。地獄に仏とはまさにこのことだ。 改めて振り返ると、日本での準備では、LANケーブルと変換アダプター以外に大きな失敗はなかったように思う。携帯電話の手続きや銀行口座の開設は日本ではできることがなかったので、到着後の自分に委ねた。この話は次回に詳しく記すことにする。 ※第2回…「ここまで必死に働く必要はあるのか」5カ月のプチ移住で経験した「地味だけれど確かな変化」 文・漫画 かんべみのり 神戸大学卒業後、フリーターを経て渡英。Edinburgh’s Telford College Illustration with Design HNCコース修了。帰国後は会社員として働きながら、イラストレーターとしても活動。グロービス経営大学院でMBAを取得後、ビジネスの難解な概念を図解する「MBAまんが家」として活動し、著書に『日本最大のビジネススクールで教えているMBAの超基本』などがある。現在は企業研修講師としても登壇多数。二児の母。2025年4月〜8月はカンボジア・プノンペンにてお試し移住中。 https://kambeminori.com/

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