安価な紙バイオマスからリチウム硫黄電池を製造、リチウムイオン電池の2倍以上を蓄電可能
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レンセラー工科大学は4月、安価かつ豊富に存在する紙バイオマスを使用してリチウム硫黄電池を製造する方法を開発したと発表しました。リチウム硫黄電池は、現在主流であるリチウムイオン電池の2倍以上のエネルギーを蓄積できるとされています。
紙バイオマスを使用したリチウム硫黄電池
リチウムイオン電池は現在、高性能かつ比較的安価という特性から、スマートフォンや電気自動車など多様な用途で利用されています。しかし近年、エネルギー密度がリチウムイオン電池の2倍以上である「リチウム硫黄電池」の開発が注目されています。
こうした中、レンセラー工科大学は4月、安価かつ豊富に存在する紙バイオマスを使用してリチウム硫黄電池を製造する方法を開発したと発表しました。レンセラー工科大学の研究チームによると、巨大なデータセンターに電力を供給するだけでなく、電力グリッド用の安価な貯蔵オプションとしても活用することができるとしています。
プロトタイプ、約200回もの充放電サイクルが可能
充電式電池は、正極と負極の2つの電極を有しており、電極の間には媒体として働く電解質が配置されています。リチウム硫黄電池では、カソードは硫黄炭素マトリックスから構成され、アノードにはコバルト酸リチウムが使用されています。
通常、硫黄は非導電性ですが、高温で炭素と結合すると導電性が高まり、電池に使用することができます。しかし、硫黄は電解質に容易に溶解するため、わずか数サイクル後に両側の電極が劣化するという課題があります。
研究チームは、硫黄を所定の場所に閉じ込めるために、さまざまな形の炭素を使用しました。その中で、研究者チームは、米国Finch Paper社と協力し、リグニンスルホン酸を含む廃液を提供してもらいました。リグニンスルホン酸は製紙過程の副産物であり、廃液である褐色液に多量に含まれます。この褐色液を乾燥し、次いで約700℃に加熱します。
高熱にすることで、ほとんどの硫黄はガスとなりますが、活性炭マトリクス内に深く埋め込まれた多硫化物の一部は保持されます。適切な量の硫黄が炭素マトリックス中に閉じ込められるまで、加熱プロセスは繰り返されます。次いで材料を粉砕し、不活性ポリマーと混合して陰極コーティングを作成します。
こうして研究チームは、約200回もの充放電サイクルが可能な時計用バッテリーサイズであるリチウム硫黄電池プロトタイプを作成しました(図1)。研究チームは、次のステップとして、プロトタイプをスケールアップし、放電容量およびバッテリーのサイクル寿命を増加させるとしています。
レンセラー工科大学の研究者であるTrevor Simmons氏は、「持続可能かつ低コストの電極材料の設計において、工業用製紙業の副産物を使用することの可能性を示した」と述べています。
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